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2006年12月17日 (日)

クロノス・ジョウンターの伝説

 クロノスジョウンターとは、簡単に言えば「タイムマシン」のことである。命名したのは梶尾真治だが、クロノスとは時間の神であり、ジョウンターは、A・べスターのSF『虎よ虎よ』に書かれたジョウント(瞬間移動)をもじっているらしい。

クロノス・ジョウンターの伝説 Book クロノス・ジョウンターの伝説

著者:梶尾 真治
販売元:朝日ソノラマ
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 ストーリーは、このクロノスジョウンターに試乗した4人の軌跡を、オムニバス風に4つの短編に分割して描いている。クロノスジョウンターは、タイムマシンであるが、過去に行くには限界がある。そして過去に滞在している時間が限られており、時間がくると自動的に未来に飛ばされてしまうのだ。
 また過去に行くほど、その反動が強くなり、より遠くの未来に飛ばされる仕組みになっている。それがこの物語を面白くしている最大要因であろう。だから背景は同じでも、どの作品にも独特の雰囲気があり、どれもが同じくらい面白いのだ。
 一作目は、一目惚れした女性を救うために、1時間前にタイムスリップする男の話。
 二作目は、取り壊されてしまった骨董品的な古い旅館を観るために、5年前に戻る男の話。
 三作目は、少女時代にあこがれた青年の命を救うために、完成された薬を持って過去へ戻る女医の話。
 そして最後の四作目は、他の三作とはやや異なり、『クロノス・コンディショナー』という、過去の自分の体に心だけが戻る、というマシンを体験した女性の話で、外伝扱いとなっている。
 どれもがファンタジックな恋愛物語で、しかもどの作品を読んでも、心がハッピーになれるのが嬉しい。
 最近、昔の時間テーマアンソロジーを読んだが、ほとんどがドタバタタッチの短編SFで、うんざりしてしまった。ところが梶尾真治の時間テーマものは、SFというよりファンタージーの香りが強い。そしてリリカルでロマンチックである。もちろん好みの問題であるが、僕はそんな味が大好きなのである。
 それから映画用ということで、この『クロノスジョウンターの伝説』を大幅に書き直した作品が、ノベライズの『この胸いっぱいの愛を』であることを付け加えておこう。
 

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» 梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』 [多趣味が趣味♪]
梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』 株式会社朝日ソノラマ 発効日2005年7月20日 吹原和彦、布川輝良、鈴谷樹里。 各々のタイムトラベルを描いた物語。 一話目の“吹原和彦の軌跡”は、 2005年12月に演劇集団キャラメルボックスで『クロノス』として上演された。 私としては舞台のほうが好きだった。 何故ならば、主人公たちは皆“クロノス・ジョウンター”という物質過去射出機によって、過去の目的地へ跳ぶわけだが、 原作の小説は、どうにも展開が速すぎてついていけない。 三話と... [続きを読む]

受信: 2006年12月18日 (月) 22時19分

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