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2006年12月の記事

2006年12月31日 (日)

連理の枝

★★★

 前半はドタバタコメディーで、後半になって急に悲恋ドラマに変身してしまった。途中で気が変わってしまった訳ではないだろうが、韓国映画にはこんな流れが多い。

連理の枝 DVD 連理の枝

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2006/09/06
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 国民性なのか、監督のセンスなのか、とにかく「お笑い」が好きだね。それも一昔前のドタバタギャグを、必ずどこかに挿入したがる。僕の感性では、面白いというより、なにかピントがズレていて、かなり虚しく感じてしまうのだが・・。
 タイ映画や昔の香港映画も、ドタバタギャグが臭くて嫌だったが、最近の中国映画はかなりシリアスムードになっているよね。やはり映画は単なる娯楽ではなく、ある程度芸術的な香りも織り込んで欲しい。
 さて主演のチェ・ジウは31才で、相手役のチョ・ハンソンはまだ25才。いまどき女性が年上で悪いとは言わない。ただストーリーの流れからすると、もっと若い女性のほうが自然だろう。それにこの二人に関しては、見た目にもかなり無理を感じたね。
 女性が難病で生きられない、という使いふるされたパターンを避けたのか、実は男性のほうも不治の病という設定。それをいつの間にか、枝の繋がった二本の木(連理の枝)に重ね合わせてしまう。
 この美しいはずのラストシーンも、なにか無理やり捻りこんだ感がある。連理の枝も、終盤になって思い出したように登場しているし、ストーリーの流れも不自然な感じがするんだね。
 かなり辛口レビューになってしまったが、決してつまらない映画ではない。ただこのDVDが長期間レンタル中だったので、余程感動的名作なのかと、期待過剰になってしまった僕が悪いのだろう。

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2006年12月29日 (金)

硫黄島からの手紙

★★★★

 米軍側から描いた『父親たちの星条旗』を観たときは、暗い画面で、戦闘服を着た同じような顔付きの米国人を覚えられるはずがなく、最後迄観るのがかなりしんどかった。

     Scan10169

 だが日本側からの描写である本作には、やはり心の琴線に触れるシーンが多く、熱いものがヒシヒシと心に染み込んでくるじゃないか。
 硫黄島決戦では、日本軍の死者20,129名に対し、なんと米軍は28,686名もの戦死者を出していたという。それにしては日本軍ばかりが、いとも簡単に殺戮されていたように観えたし、2万人以上の日本人がいたようにも見えなかった。
 またこの戦いは、36日間も続いたという割には、数日間のように描かれている。
 つまりクリント・イーストウッド監督は、戦闘を描く気はさらさらなかったのであろう。戦争は国家の威信をかけた戦いといえば格好がつく。しかし元をたどれば、一部の政治家や軍人達の、野望と意地から始まるものである。
 そんなつまらぬ策略に巻き込まれ、幸せをもぎ取られるのは、いつでも弱者達なのだ。敵も味方もない。戦いたくもない同じ人間同士が殺し合う矛盾の結晶が戦争だ。

 傷ついた米兵を助け出し、洞窟の中で手当をさせた西中佐の行為と米兵の手紙の内容こそ、イーストウッド監督が一番訴えたかったテーマであろう。だからこのシーンでは、涙が止まらなかったね。
 またイーストウッド監督は、日本人の心を良く理解しているよね。登場人物がほとんど日本人ということもあるが、雰囲気もまるで邦画そのものであった。
 だからエンディングクレジットで、日本人の俳優達の名前がローマ字で流れてゆくのを観て、きっと違和感を感じてしまうだろう。

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2006年12月27日 (水)

THE有頂天ホテル

★★★☆

 なぜ「1シーン1カット」にこだわったのだろうか。確かに会話がクローズアップされ、大晦日から新年までの2時間余を、リアルタイムに表現出来たことは成功かもしれない。
 だが現代の映画には、映画にしか出来ない味付けが欲しいのだ。それでもこだわりを捨てられないなら、いっそ本格的に舞台劇をやればと言いたい。お陰で前半は少し退屈だったが、流石に中盤から徐々に盛り上がってきたね。

THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション DVD THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション

販売元:東宝
発売日:2006/08/11
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 この映画は、ホテル内で2時間余に起こった9通りのエピソードを、パラレルに描いてゆく。だから登場人物は多いし、主役級の俳優達がゾロゾロと出てくるんだね。
 役所広司、佐藤浩市、香取慎吾、津川雅彦、西田敏行、オダギリジョー、松たか子、原田美枝子、篠原涼子、YOU、伊東四朗、唐沢寿明といった具合である。
 これは凄い!とにかく豪華絢爛花吹雪なのだ。それにギャグ、恋愛、不倫、歌、風刺などのエッセンスがいっぱい含まれているではないか。そして9つのエピソードを、ラストで上手に繋ぎ合わせて大団円、とした脚本力は見事というほかない。
 ただ余りにも欲ばり過ぎて、どのエピソードも中途半端な感じがするのが心残りだ。伊東四朗の白塗りギャグなどは、古臭いし全く無意味でしつこいだけだった。それからお色気と涙が不足気味だったかな。
 主演格の役所広司は別格として、オダギリジョーの筆耕係は実に良かった。いつものプレイボーイ役とは正反対の役柄で、地味地味な役だ。その心身ともに見事な変身ぶりに、初め彼が誰だか判らなかったもの・・。
 まぁ大晦日に家族揃って、ワイワイしながらDVDで観るには、ヒジョーに楽しい映画なのだろうね。 
 
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2006年12月25日 (月)

ユナイテッド93

★★★

 9.11アメリカ同時多発テロ事件の中で、なぜ『ユナイテッド航空93便のハイジャック』にだけ集点を絞ったのだろうか。
 9.11でハイジャックをれた旅客機は、次の四機である
①ボストン発ロス行アメリカン航空11便
②ボストン発ロス行ユナイテッド航空175便
③ワシントン発ロス行アメリカン航空77便
④ニューヨーク発シスコ行ユナイテッド航空93便

 このうち全世界に一番衝撃を与えたのが、あの世界貿易センタービルに突入したアメリカン航空11便と、ユナイテッド航空175便の二機だ。そしてアメリカン航空77便は、ペンタゴンに激突した。
 ところが滑走路の混雑で約40分遅れて離陸したユナイテッド航空93便は、標的のホワイトハウスまで届かずに、途中で墜落したという。いわば一見一番地味なハイジャック機だけを映画化したのである。

ユナイテッド93 DVD ユナイテッド93

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2006/11/30
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 実はユナイテッド93便が、ニューアーク空港を約40分遅れて出発したことに重大な意味があるのだ。つまり遅れたことにより、乗客達が機内電話で家族等と連絡をとり、先に起こった三機のハイジャック事件を知ることになったからである。だからオープニングで、出発が遅れた様子を延々と描き続けていたのだ。
 また墜落寸前まで、乗客達が外部との連絡をとっていたので、ある程度機内の様子が判明したこともあるだろう。しかし何と言っても、乗客達が命を張って犯人達と戦い、目的であるホワイトハウス突入を防いだことに意味がある。そして彼等は命を亡くしたが、米国の首都を守った英雄となったのである。それが映画化の真相かもしれない。 
 ところでこの作品では、前半をドキュメンタリー風に、後半で犯人と乗客達との葛藤を描いている。しかし前半の流れが上手く後半に繋がらず、何故か歯切れが悪い。もちろんアクション映画にするには、かなり抵抗がある。とすれば ドキュメンタリーに徹したほうが良かったのかもしれない。
 米国の空は余りにも航空機が多過ぎる。例えテロがなくとも、あれだけ空がラッシュ状況では、事故が起こらないほうが不思議である。航空機に頼り過ぎる米国の悲哀を見た思いだ。
 それから機内への武器類持込み検査の甘さ。軍隊の対処能力の欠如にも、正直驚いてしまった。米国はもっと危機マニアルの完備している国だと信じていただけに、その失望感は大きい。
 この同時多発テロ以降は、必要以上にいろいろと厳しくなったようだが、何か大事故が起きないと改善出来ないのは、日本だけではなかったようだ。

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2006年12月23日 (土)

エラゴン 遺志を継ぐ者

★★★

  ドラゴンに乗って、悪人達と戦う少年を描いた、RPG風味のファンタジー作品である。主人公の少年役は、新人のエド・スペリアースが演じている。
 
彼は18万人のオーデションから選ばれたというから、エリート中のエリートである。それにしては、余りカリスマティックさが感じられないのだ。風貌も日本人的で、何処にでも居そうなあんちゃんなんだね。


          Scan10170

  初めエラゴンいうのは、ドラゴンのことだと勘違いしていた。実はこの少年の名前だったのである。なんか紛らわしいネーミングだぞ。
 物語の展開は、どことなく『ロード・オブ・ザ・リング』や『スター・ウォーズ』と似ているが、世界感はずっと狭いな。かなりお子様ランチの味がする。
 ラストシーンを観た限りでは、さらに続編が出るのは間違いないだろう。それならば、もう少しゆっくりと少年の成長を描いたほうが良かったのではないか。
 テンポが早過ぎて、登場人物達に感情移入出来なかったのが残念だ。それにどうしても無理が生じるから、突っ込み所も増えてしまうのである。
 文句ばかりが先行してしまったが、決して悪い映画ということではない。人間と合成したドラゴンのCGは、驚くほど精緻に仕上っているし、広大な山々の風景も素晴らしい。
 またジェット機のようなスピードで、風を切って空を飛ぶドラゴンも爽快であった。ただもう少しゆったりと飛んで、空からの美しい景色を堪能させてくれるシーンも欲しかったね。
 これからの続編で、ロード・オブ・ザ・リングを超えるためには、もう少し仲間や敵を増やして、登場人物一人一人に味を持たさせることである。今後の展開に期待したい。
 

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2006年12月19日 (火)

通勤地獄 体重制運賃

 戦後を境にして、日本人の体格は年々少しずつ、欧米人並に大きくなっています。最近はことに女性の身長が高くなったことと、お相撲さん並の肥満男性が増加したことが目立ちますね。

     Kouka

 通勤電車に乗って困るのが、この肥満男性なんです。彼等はやたら座りたがり、2人分のスペースを占領してしまうし、立っていても超満員の中で、岩のように立ちはだかるので、他の人々は奥まで進めずに、非常に無駄で効率も悪いのであります。
 高速道路の通行料でも、大型車と小型車が違うのですから、通勤定期も体重制にしないと不公平ですね。また1人で歩ける6才未満の子供達も、せめて子供料金を払うのが筋ではないでしょうか。

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淋しさとの戦い

 亡母は猛烈な淋しがり屋でした。その血を引き継ぐ僕も淋しがり屋のはずなんですが、最近はマイペースに徹しているせいか、かなり緩和したようです。

          Mirena_1

 期待しては裏切られることが多い人生だったので(本当は裏切られたのではなく、自分自身で勝手に期待過剰になり、妄想を作りあげていたのかもしれません・・)開き直って、いつも最悪の状況になることを覚悟していることがひとつ。
 会社での出世レースを無視して、自分の出来る範囲だけに絞って、その範囲では一生懸命頑張る方針に徹した事(だから苦手な仕事は断るのです)が2つ。
 そして絵手紙を始めたのが3つ目です。絵手紙以外にも趣味はいろいろあるのですが、やはり僕にとっては今のところ絵手紙が一番のめり込めますね。
 これが僕の淋しさと闘う技術であります。(笑)
 もちろん家族や友人たちと過ごす事も、淋しさと闘うりっぱな武器ですが、それらは時として両刃の刃に変わります。人は皆1人で生まれて、1人で死んでゆくのです。いつもそれを心に刻んで念仏を唱えています。
 そう言いながら矛盾するようですが、やはり人はまた皆弱い生物でもあります。そして誰にも気づかれないように、ひっそりと或いは悶々としながら『淋しさ』と呼ばれる魔物と闘い続けているのです。

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2006年12月17日 (日)

クロノス・ジョウンターの伝説

 クロノスジョウンターとは、簡単に言えば「タイムマシン」のことである。命名したのは梶尾真治だが、クロノスとは時間の神であり、ジョウンターは、A・べスターのSF『虎よ虎よ』に書かれたジョウント(瞬間移動)をもじっているらしい。

クロノス・ジョウンターの伝説 Book クロノス・ジョウンターの伝説

著者:梶尾 真治
販売元:朝日ソノラマ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ストーリーは、このクロノスジョウンターに試乗した4人の軌跡を、オムニバス風に4つの短編に分割して描いている。クロノスジョウンターは、タイムマシンであるが、過去に行くには限界がある。そして過去に滞在している時間が限られており、時間がくると自動的に未来に飛ばされてしまうのだ。
 また過去に行くほど、その反動が強くなり、より遠くの未来に飛ばされる仕組みになっている。それがこの物語を面白くしている最大要因であろう。だから背景は同じでも、どの作品にも独特の雰囲気があり、どれもが同じくらい面白いのだ。
 一作目は、一目惚れした女性を救うために、1時間前にタイムスリップする男の話。
 二作目は、取り壊されてしまった骨董品的な古い旅館を観るために、5年前に戻る男の話。
 三作目は、少女時代にあこがれた青年の命を救うために、完成された薬を持って過去へ戻る女医の話。
 そして最後の四作目は、他の三作とはやや異なり、『クロノス・コンディショナー』という、過去の自分の体に心だけが戻る、というマシンを体験した女性の話で、外伝扱いとなっている。
 どれもがファンタジックな恋愛物語で、しかもどの作品を読んでも、心がハッピーになれるのが嬉しい。
 最近、昔の時間テーマアンソロジーを読んだが、ほとんどがドタバタタッチの短編SFで、うんざりしてしまった。ところが梶尾真治の時間テーマものは、SFというよりファンタージーの香りが強い。そしてリリカルでロマンチックである。もちろん好みの問題であるが、僕はそんな味が大好きなのである。
 それから映画用ということで、この『クロノスジョウンターの伝説』を大幅に書き直した作品が、ノベライズの『この胸いっぱいの愛を』であることを付け加えておこう。
 

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2006年12月16日 (土)

ナチョ・リブレ 覆面の神様

★★★☆
 それにしてもジャック・ブラックは巧いね。そしてレスラースタイルがぴったりだ。これなら明日からでもプロレスで飯が食えるだろう。

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  自己中心的でドジだが、実は心の底には優しい心を潜ませている。横暴なのかジョークなのか判らないまま、笑わせて涙かせるパターンが、かなり板についてきた。どこかトラさんの渥美清に似ているよね。
 メキシコではプロレスのことをルチャリブレと呼び、貧民たちのあこがれのスポーツ?である。ここで有名になれば、一躍大スターで大金持ちになれるからだ。
 上映時間が92分と、最近の映画では短かいこともあるが、笑ったりドキドキしているうちに、いつの間にかハッピーエンドだった。孤児たちのために、プロレスをするというくだりは、まるでタイガーマスクだし、全搬的にマンガチックな作品である。
 好き嫌いが分かれそうな映画だが、僕はプロレス好きのせいか、とても楽しく観ることが出来た。それにキャストが実に良い。
 美女シスターのアナ・デラ・レグエラは、清楚で優しくて、まさにシスターそのもので、僕も一目惚れしてしまった。あとタッグパートナーのヤセは、なかなかユニークな存在であり、ジャックとのおバカコンビに大爆笑。
 またルチャリブレのチャンプ「ラムセス」は、セサール・ゴンザレスという本物のレスラーだが、さすがにその鍛えられた肉体は見事である。おもわず、往年の「ミル・マス力ラス」「エル・カネック」を思い出してしまった。

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2006年12月13日 (水)

パプリカ

★★★★

 座席の少ないテアトル新宿で単館上映ということと、金曜日の映画の日が重なり、何年ぶりかで立観を強いられてしまった。
 劇場で薄く小さな座布団を貸してくれたので、正確には床にべったりの座り観なのだが、尻が痛くて堪らなかった。最後列の手すりに寄りかかって立観のほうが、楽だったかも知れないね。

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 さてこのアニメの原作は、あの筒井康隆が、断筆宣言をする前に最後書いた小説である。彼の作品は面白いのだが、グロくてエゲツないというイメージが先行して、長い間遠ざかっていた。
 まだ原作は読んでいないが、この映画を観た限りでは、『七瀬ふたたび』同様、毒気のない作品のようである。荒唐無稽と言うよりは、芸術作品に近いかもしれない。またアニメーション映像が実に良く似合う作品だ。
 パプリカとは、サイコ・セラピスト干葉敦子の分身で、夢の中にしか存在しない不思議な少女のコードネームである。ピーマン似で色とりどりの野菜同様、派手さの中にもピリリと引き締まる作品に仕上がっている。
 ストーリーは、夢の中と現実が平行して描かれ、ついには夢と現実の世界が融合してしまうという奇想天外なお話である。どことなく『千と千尋の神隠し』と『マトリックス』をドッキングさせたような趣があった。
 アニメといえども、かなり難解な内容なので、子供には理解出来ないし、大人でも好き嫌いが分かれそうである。ただファンタジックな音楽と、リアルさと狂気が混沌としたような映像は、まさに絶賛ものだ。
 またオープニングでの紛川警部の夢が、終盤になってメビウスの輪の如く、見事に繋がってゆく展開が見事であった。
 ただ原作が女性雑誌に連載されていた影響だろうか、背景と心理描写、エロスなどが、大人の男性にはややもの足りない感がある。

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2006年12月11日 (月)

通勤地獄 泣いてろ、小僧

 いやに疲れた通勤帰りだった。車内はやけに混んでいたが、運良く座ることが出来てホットしたのもつかの間だった。
 次の駅で、5~6才の少年と、その祖母らしき女性が乗ってきたのだ。「まずい、僕のそばには、来るな来るな」と祈っていたのに、少年は混んでいる車内の人ごみの中、大人達の足の間を潜り抜けて、とうとう僕の座っている足元迄、滑り込んできたのだ。

Kc240138  そして、そこにゴロっと寝ころんでしまった。祖母が注意しても、一向に言うことを聞かないで、人の足にまとわりついてくる。邪魔なので、だんだん腹が立ってきた。そのうち少年は寝ころびながら、大声で泣き始めた。祖母がまた少年を叱りつけ、少年は床に寝ころんで、混雑する車内で足をバタバタさせて更に泣き叫ぶ。
 祖母が、「だから早く帰ろうと言っただろ」とまた怒鳴りつける。
 僕は、しょうがないな席を譲ろうかと決心し始めたが・・・とその時、少年が「座わりたいよう。座りたいよう」と言いながら、ずる賢しこそうな瞳で、ちらっと僕を盗み見た瞬間に僕の気持ちは急速に冷えてしまった。
 「絶対譲るものか、こんな混んだ電車に乗ってくるお前が悪いんだ!俺は働いて疲れているんだ!」と心の中で叫んだ。小僧、そうしていつまでも泣いてろ!

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2006年12月10日 (日)

箱根仙石原への小旅行

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 箱根はいつも日帰りコースなのだが、今回はゆっくりと心の洗濯をしたくて、一泊することにした。
 午前11時頃に家を出て、真鶴道路にある海沿いの魚料理屋で、「あじのたたきと金目の煮付け」で遅い昼食をとる。

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 そのあと小田原に戻って、箱根へと向かったのだが、湯本まで大渋滞が続くので、少し嫌気がさしてしまった。石橋ICから小田原厚木道路に入れば、この大渋滞を避けられたのに、200円をケチったおかげでこの始末だ・・。
 そんな訳で仙石原の『ガラスの森美術館』についたときは、午後4時近くなってしまった。ただここはガラス玉のツリーが美しいので、薄暗いほうが良いのかもしれない。

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  ここへ来たのは2度目だが、たいぶ以前に訪れたので、余り記憶に残っていないはずであった。ところがひとたび館内に入ってみると、美しい池と橋、北欧風の建物などの記憶が蘇ってくるんだね。(はは、まだアルツハイマーにはかかっていないようね。)

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  ここは5時半に閉館なのだが、そんなに広くないし、一度来た事があるので、一時間程度で引き上げることにした。
 さて本日の宿は、この『ガラスの森美術館』から200mほど先にある『ハイランドホテル』なので、5時を少し回わったところでチェックイン。ただこの季節は夜が早い。ホテルに到着する頃には、既に夜のとばりが降りているではないか。
 ホテルの部屋はツインルームで、広いべッドに簡単な応接セットが付いている。また完全洋式のバスルームも不満のない広さだ。これなら、外人でも文句は出ないだろう。
 案の定、大浴場では米国人と日本人が、英語で話しながら入浴していたのである。たぶん、日本人の商社マンが、接待で箱根に招待したのだろう。ここは純ホテルであるが、大浴場は白濁の硫黄泉が湧いている。
 これなら外人は大喜びだろう。だが僕にはちょっと物足りない。湯舟が狭いし、露天がないからである。ホテル側もそれを知ってか、現在新しく露天風呂を建築中だという。

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タ食は懐石料理とフランス料理を選択出来るのだが、僕は迷うことなくフランス料理を予約した。思った通りシェフの腕前は一流で、文句のつけようがなかった。
 このホテルは、チェックアウトが12時なので、翌日はゆっくり起きて、お目当ての『ポーラ美術館』へと車を走らせた。

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 この美術館は、ポーラ化粧品が集收した世界の名画や陶磁器、そして世界の櫛などが展示されている。最近は、一億総美術館巡りの日本人だが、本当にこれらの美術品の価値が判って鑑賞しているのだろうか。もちろん僕には余り良く判らない。

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 それにこの美術館の建物自体は、至極りっぱなのだが、展示品の内容と高い入館料に、だいぶ乖離があるのでないだろうか。そのうえ駐車場は別料金で、500円というのも納得出来なかった。
 帰りに仙石原名物の「すすき」を見ようと思ったのだが、 駐車場が余りにも遠いので、やめてしまった。前回来たときは、まん前の空地に駐車出来たのに、なぜか空地にはロープが張りめぐらせてあった。ケチくさ~! 
 などと言いながら、車はいつの間にか風祭駅前にある『大手のかまぼこ屋』まで走ってしまった。この店では、いろいなかまぼこや干物を売っているのだが、かまぼこの試食でも有名だ。
 数個所にある試食場には、団体客のおばちゃん達が、金魚のように群がっている。その隙間をくぐり抜けて試食するのは勇気が必要だね。ところが僕も図々しいのかケチなのか、かなりの試食品を口にしていたのである。
 ここでかまぼこと、あじの干物を買って、今回の旅行はおしまい。あとはこの土産品をつまみながらの晩酌が楽しみである。

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2006年12月 9日 (土)

007 カジノ・ロワイヤル

★★★★☆

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  観客は中高年ばかりだ。たぶんこの作品が、シリーズ初期の頃に立ち戻って、オーソドックスな味に仕上げられたので、懐かしくなったのかもしれない。実はかく言う私も、その一人だからである。
 007シリーズは、ご存知ショーン・コネリーを初代ボンドとして、1962年から映画化されている。すでにシリーズも第1作『ドクター・ノオ』から本作で21作目を迎える。ボンド役もショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナンと続き、本作のダニエル・クレイグで、実に6代目となってしまったのである。
 我々おじさん族にとっては、やはり渋みと迫力を合わせ持つ、ショーンーコネリーの右に出る者はいなかった。また年々派手でスケールアップし、CGなどを多用したSFまがいのシーンが増えるにつき、オリジナルの品格が損なわれ、足も遠のいてしまったのである。
 ところが本作品を予告編で観たとき、「これは凄い!」と、思わず唾を飲み込んでしまった。新ボンド役のダニエル・クレイグの、スティーブ・マックィーンに似た渋いマスクと、ビルドアップされたボディーにしびれたのである。
 またボンドガールにも、プレイガールではなく、知的な微笑が魅力的なエヴァ・グリーンを起用したことが成功の原因だろう。そしてなによりも、ストーリー展開に斬新さと懐かしさを感じたことが大きい。
 この作品ならば、シリーズ初期のものと遜色ないだろう。そう思って劇場に足を運んだオールドファンが多かったに違いない。
 実際に映画を観て、その予感が正しかったことが証明された。まず序盤の建設現場から大使館までの、スピード感ある激しいアクションシーンに、呑み込まれてしまうだろう。

 あそこで逃げていた黒人は俳優ではなく、パルクール(移動術)の創始者セバスチャン・フォーカンなのである。それであの凄い逃走シーンが、あれだけの迫力を生んだのであろう。
 その後もお約束の格闘シーンやお色気シーンが続くが、カジノでのポーカーの駆け引きと、解毒シーンも見応えがあったね。
 なによりもあのボンドが、マジ恋に陥ってしまうという展開が、なかなか新鮮で美味しかった。それに加えて、終盤でのどんでん返しも実に見事であり、その緻密な脚本力に脱帽せざるを得ないだろう。
 

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2006年12月 5日 (火)

武士の一分

★★★★

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 ご存知、山田洋次監督の藤沢周平シリーズ第3作であり、シリーズの最終作品となるようだ。主演にキムタクを起用したので、果してきちっと時代劇になるのか、少し心配であった。
 ところが、意外と言っては失札だが、木村拓哉はりっぱな仕事をするではないか。あの重い樫の木刀を、ヒュンと素早く振り降ろすのは、ただごとではない。また宿敵との真剣勝負はもちろんの事、緒方挙との稽古シーンも凄い迫力なのだ。下手をしたら大怪我しかねないスピード感のある殺陣には、ただただ唸るしかなかった。

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  実はキムタクは、幼少の頃から剣道を習っていたらしい。今回プロの殺陣師で剣道七段の蓑輪氏との申し合いでも、8本に2本はキムタクが打ち込んだという。
 序盤の演技には、ややぎこちなさが見られたが、失明してからの演技には、闇の中に閃光を見た思いがした。これから、彼の時代劇には目が離せなくなるだろう。
 それと宝塚出身で、初めての映画出演にも拘わらず、下級武士の御新造役を見事に演じ切った檀れいにも、絶大なる拍手を送りたい。彼女には、これからの時代劇を担う大女優の器を予感したね。

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  ただし若い二人が大役をこなせたのは、脇で支えた、笹野高史、緒形挙、坂東三津五郎、小林稔待、桃井かおり、太地康雄などの達人的魔力によるところが大きいと言っても過言ではあるまい。またこれだけ個性ある芸達者達を揃えられたのも、山田監督の人徳と言えるのではないだろうか。
 ことに笹野高史は、撮影が終わってからも、キムタクのことを「旦那さま」と呼ぶなど、徹底して役の中に没頭していたらしい。ところで彼が演ずるところの徳平は、なかなかユニークな役柄であった。キムタク演ずる三村新之丞を、子供の頃から世話をしているせいか、主人に従い続ける反面、ひょうひょうと諌言もするのである。
 山田監督は、徳平のイメージを、あの『ミリオンダラー・べイビー』のモーガン・フリーマンに重ね合わせたという。実際には、そこまで演じることは不可能だが、それとなく笹野流の微妙な雰囲気を醸し出していたよね。
 それにしてもこの時代には、武士の妻が不貞を働けば、妻とその相手を切り捨てても許されていたという。現代でもそれが許容されたら、たぶん日本中死人の山だろうね(笑)

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  さて、お毒味役(鬼役)が狭い部屋で数人並び、ああした毒味をするシーンは初めて観た。そこまでの文献が残っているとは思えないので、もしかすると山田監督の想像の産物なのかもしれない。
 その毒味場所といい、家や道場などがかなり狭く感じたが、それがより一層リアル感を高揚させていたと思う。ただ城の中庭については、もう少し広くてもよかったのではないだろうか。
 この映画は、妻を犯した上役と果たし合いをするというシンプルなストーリーで、主人公の家を中心とした数カ所での出来亊で構成されている。当然舞台劇でも十分成立するキャパである。
 逆に言えば、そんな映画を2時間以上観ても、全く飽きないところがこの作品の凄いところなのだろう。

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2006年12月 3日 (日)

ただ、君を愛している

★★★★

 シネコンでチケットを買うとき、女性スタッフに向かって『ただ、君を愛している!』と大声で言ってから、赤面してしまった。おじさんにはちょっと恥ずかしいタイトルだね。

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 この映画の原作は、『いま、会いにゆきます』の市川拓司が書いた『恋愛写真もうひとつの物語』である。
 双方には共通点が多く、どちらも「美しく静寂な森」と「奇病を乗り超えた恋」がテーマになっている。そして『いま、会いにゆきます』での「少年」の存在を、「写真」というアイテムに置き換えているのだ。
 それから、前作での「タイムスリップ」というどんでん返しには、「書き溜めた手紙」というトリックで対坑していた。

 どちらにしても、市川拓司は泣かせるツボを心得ているようだ。それにジメジメとした悲しみが残らないように工夫しているよね。
 号泣し、たとえ涙の洪水となっても、ラストは常に前向きで清々しい。心憎いほどの脚本と演出である。
 主演の玉木宏は、ハンサム過ぎて感情移入が難しいが、ヒロイン宮崎あおいの演技には大注目だ。
 彼女は命を捨てて、恋を選ぶ少女のいじらしさを見事に演じ切り、観客全員を涙の渦に巻き込こんでしまった。
 それに写真というアイテムを上手に利用し、あの心ときめくキスシーンの感動が、二乗になって返ってきたのだ。予見していたことであるが、それが映像になると、驚く程の効果を生むものである。
 まだ原作は読んでいないので断定出来ないが、この作品は珍しく、映画が原作を超えてしまったのではないだろうか。

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2006年12月 2日 (土)

プラダを着た悪魔

★★★★

 予備知識ゼロの人には、地上に降臨した悪魔が、お洒落な美女に変身する話かと、勘違いしそうなタイトルである。実は悪魔というよりは、鬼のようなモーレツキャリアウーマンvsドジな天才イモネェちゃんという図式なのだ。

Scan10157  ファション雑誌の鬼編集長ミランダ役を、メリル・ストリープが好演している。彼女は超我儘で、高慢で独善的であるばかりか、公私混同も甚だしく、態度も荒っぽい。
 おそらく一番嫌われるタイプの上司ナンバーワンであろう。しかし頭が切れて、ファッションセンス抜群のうえ、会長と良い仲なので、誰も彼女を止められない。
 そこにアン・ハサウェイ扮する新人秘書アンディが配属される。こちらの彼女は、ファッションはダサイし、性格も価値観も上司ミランダとは正反対。
 生き馬の目を抜くファッション業界は、どことなく広告業界と似ている。アンディのような純朴な女性では、三日と勤まるわけはないのだ。ところが彼女は、ある日一念奮起して大変身を遂げることになる。
 メリル・ストリープの演技力は流石だが、あの体形の維持も厳しいであろう。彼女は今年57才になるが、年々美貌とスタィル度がアップしているように見えるから凄い。
 ただやはり、大画面アップの場合には、疲労感の残る小皺を隠せなかった。無理な注文はしたくないが、ちょっぴり淋しい気分でもある。
 もう1人の主役であるアン・ハサウェイは、ピチピチの24才であり、肌は透けるようだし、目鼻口といったアイテムもはじけるようだ。若さとは正に価値を生むものだと、しみじみと実感するしかなかった。
 この映画、彼女のファッションショーの趣きがあり、その変身振りに見取れているだけでも楽しい。ただあれだけ美女を揃えた割には、お色気が不足気味である。おそらく、女性の観客だけを意識した映画なのだろう。
 ところがこの映画は、単なるファッション映画では終わらないのである。一見、アン・ハサウェイが主役に見えたが、なんとラストシーンでは、やはりメリル・ストリープが主役なのだと確信してしまった。

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