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2006年11月19日 (日)

手紙 小説

映画のレビューはこちら

 映画を観て感動し、無性に原作を読みたくなったのだ。まさに映画会社と出版社の思う壺だが、それだけこの作品が素晴らしいのだろう。

手紙 Book 手紙

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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 映画も原作もストーリーとテーマには、ほとんど変わりはないのだが、映画のほうに大きな問題点を見付けてしまった。
 映画のほうは、直貴が漫才師を目指していたが、原作ではロックバンドのボーカルを目指していたのである。映画を観ているときから、なぜお笑いなのか疑問を感じていたが、原作を読んでさらにその疑問が増幅してしまった。
 というのは、ボーカルになるきっかけが、ジョン・レノンの『イマジン』を歌ったことにあるからだ。そしてラストシーンでもイマジンというバンド名で『イマジン』を歌うのである。
 そしてこの作品のテーマは「差別」なのであり、『イマジン』では差別のない平等な世界を歌っているではないか。この組み合わせは、決して偶然ではない。だからこそお笑いではなく、ボーカルでなくてはならないのだ。
 あと細かい設定がいくつか違っていることも見付けたが、それは映画の限界と、好みの問題と片づけてもいいだろう。
 さて映画で納得出来ず、原作を読んで解明しようと思ったことがひとつある。それは由実子が、直貴をひたすら待ち続け、愛し続けた理由である。だが残念ながら、原作でもそこのところは、はっきりしなかった。
 現実には、由実子のような女性は稀な存在である。彼女は現代に生きるマリア様であり、著者の願望が生んだ理想の女性なのかもしれない。

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コメント

駒吉さんコメントありがとう
僕も映画が先でしたが、疑問点が多かったので原作を買って読みました。
時間があれば読んでみて下さい

投稿: ケント | 2006年11月22日 (水) 23時22分

ごめんなさい~映画の方をTBしてしまいました。
邪魔だったら削除して下さい。

映画が先で、原作はイマイチ読む気になれなかったのですが・・・ほとぼりが冷めたら図書館でエントリーしてみます。

投稿: 駒吉 | 2006年11月21日 (火) 17時51分

juneさんコメントありがとう
小説では感極まって、なかなか歌えないところで終わりましたが、このあたりが映像に向かないと判断したのでしょうかね。

こんにちは、パピママさん。
いつもありがとう
手紙の記事楽しみにしてます。

投稿: ケント | 2006年11月20日 (月) 20時37分

コンニチハ!、映画の手紙やっと見てきました。ただいま記事を構成中です。
もう少しで、トップですね!。元気の素クリック!。寒くなりました、お仕事ご苦労様です。では~また。

投稿: パピのママ | 2006年11月20日 (月) 10時01分

映画では漫才師を目指してるんですね・・。
で、ラストシーンで歌ってるっていうのはなんだか違和感があります。

「手紙」は好きな作品なので、映画になったことが、日頃避けがちなこういうことを考えるきっかけになれば・・と思います。

投稿: june | 2006年11月19日 (日) 22時33分

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