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2006年11月の記事

2006年11月26日 (日)

トゥモロー・ワールド

★★★

 近未来を描いた映画は、いつも暗い作品ばかりだ。それが人間社会の定めなのだろうか。

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 確かに私達の生活は豊かになり、過去の贅沢はもはや普通の事となってしまった。また人は我がままで自己本位となり、金を稼ぐことだけに奔走するばかりだ。
 そして社会格差が著しくなり、落ちこぼれた者は、安易に犯罪に手を染めるだろう。そんな未来の前兆が、すぐ目の前にある。

 この映画の背景は、約20年後の2027年であり、人々は環境汚染とテロ集団の横行に悩まされていた。さらにほとんどの女性が不妊症を煩い、18年間も子供が生まれない。人類は滅亡の危機を迎えていたのである。
 そんな絶望的な状況の中、不法入国した女性の一人が妊娠していることが判明する。主人公セオは、命をかけてこの子供を守ることを、決意するのだった。
 この映画では、主役級の人物達が、次々といとも簡単に死んでしまう。そしてストーリーは、無情なタッチで、まるでドキュメンタリーのように徐々に加速し始めてゆく。ただ反体制派の追跡が、しつこ過ぎて心休まらない。
 
 全般にリアルな描写が多いが、出産シーンと終盤の銃撃戦は、驚くほどリアルだ。その迫力ある映像には、皆かなり緊張することだろう。
 だがいずれ人類が滅びてしまうというのに、人間同士で戦闘ばかりに血道をあげていて良いのだろうか・・・。
 それらの疑問を覆すように、突然戦場を揺るがす小さな生命の泣き声。その瞬間、誰もが驚嘆し感動に打ち震えることだろう。ここがこの映画の最大のハイライトなのであろう。
 ただ、ラストの締め方は、いまひとつ盛り上がりに欠けるかもしれない。結局この作品の論点は、一体何だったのだろうか。第二のキリスト誕生秘話なのか。

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2006年11月23日 (木)

椿山課長の七日間

★★★★☆

 「いや~映画ってほんとにいいですね!」と思わず叫びたくなるほど面白い映画だった。ジャンルはファンタジックコメディといったところか。
 デパートに勤務する椿山課長は、仕事中に突然死してしまう。だが天国に行く前に、初七日まで地上に戻ることを許されるのだ。そしてそこで、今まで知らなかったことが、次々と解明されてゆく。

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  ところで彼が地上に戻ると、絶世の美女に変身していたのである。天国の使者曰く、全く正反対の姿に変身させたという・・。
 この椿山課長にブクブクの西田敏行、変身後のスレンダーな美女に伊藤美咲・・とくれば納得、そして大笑い間違いなし。
 原作は、最近映画づいてきた「浅田次郎」だが、因みに僕はまだこの小説を読んでいない。
 さて、西田敏行と伊藤美咲という、美女と野獣のような組合せが、意外と良かったね。伊藤美咲はシリアスな役より、コミカルな役のほうが向いているようだ。
 また蓮子役の志田未来もなかなか可愛いい。彼女も死ぬ前は、少年だったのだが、蘇ると少女になってしまうのだ。
 施設で育った彼女(彼)は、実の父母に会いに行く。ここから先はネタバレになるので、詳しくは書かないでおこう。ただ例え姿形が変わっても、我子を見分ける母性愛には感動してしまったね。
 あと椿山課長の同僚で、元カノジョの知子を演じた余貴美子が良い。彼女は目尻が下ってホノボノとした、僕の大好きなタイプの女性である。だから真実を知ったら、余計に切なくなってしまった。
 この作品のテーマは、生きているときは判らないことが沢山あるということだろうか・・。人生には、知らないほうが良いこともある。だが椿山課長にとっては、真実を知って本当に良かったと思う。
 館内は笑いが絶えなかったが、時々すすり泣く声も聞こえた。またラストシーンも清々しく、こうした作品にありがちな後味の悪さは全くなかったね。
 久し振りに本当に映画らしい邦画にめぐり逢った気がした。ただもうひと捻りがあると、満点だったのだが・・。

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2006年11月22日 (水)

通勤地獄 狭い席

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 電車の席は7人掛けなのですが、大相撲の桝席同様、戦前の小さな人達を基準に作ってあるような気がします。
 だから、男ばかり6人連続して腰かけると、もうあと僅かの小さなスペースしか残りません。大抵の人は、「座りたいけど、ちょっと無理かな・・・」と考えて、大きな駅での大量降車後の『席の再構築』を待ちます。
 ところがあとから乗って来る図体のでかい男ほど、この小さなスペースに無理やり割り込んでくるので溜まりません。
 それも「すみません」の一言もなく、いきなりでかい尻をドスンと落し、グイグイと大きな体を捻り込んで、隣に座っている人を押しのけるのです。そして「俺は生まれたときからこの席に座っているんだ!」と言わんばかりにふんずり返って大股を広げます。
 こんな男が隣の狭い席に近づかないよう、出来れば細い女性が座ってくれるように心の中で祈るのですが・・・
 あゝ今日も運悪く、リュックを背負った肥満体のオタクっぽい男が、私の隣の狭いスペースめがけて走り込んで来ました。

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2006年11月19日 (日)

手紙 小説

映画のレビューはこちら

 映画を観て感動し、無性に原作を読みたくなったのだ。まさに映画会社と出版社の思う壺だが、それだけこの作品が素晴らしいのだろう。

手紙 Book 手紙

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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 映画も原作もストーリーとテーマには、ほとんど変わりはないのだが、映画のほうに大きな問題点を見付けてしまった。
 映画のほうは、直貴が漫才師を目指していたが、原作ではロックバンドのボーカルを目指していたのである。映画を観ているときから、なぜお笑いなのか疑問を感じていたが、原作を読んでさらにその疑問が増幅してしまった。
 というのは、ボーカルになるきっかけが、ジョン・レノンの『イマジン』を歌ったことにあるからだ。そしてラストシーンでもイマジンというバンド名で『イマジン』を歌うのである。
 そしてこの作品のテーマは「差別」なのであり、『イマジン』では差別のない平等な世界を歌っているではないか。この組み合わせは、決して偶然ではない。だからこそお笑いではなく、ボーカルでなくてはならないのだ。
 あと細かい設定がいくつか違っていることも見付けたが、それは映画の限界と、好みの問題と片づけてもいいだろう。
 さて映画で納得出来ず、原作を読んで解明しようと思ったことがひとつある。それは由実子が、直貴をひたすら待ち続け、愛し続けた理由である。だが残念ながら、原作でもそこのところは、はっきりしなかった。
 現実には、由実子のような女性は稀な存在である。彼女は現代に生きるマリア様であり、著者の願望が生んだ理想の女性なのかもしれない。

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2006年11月18日 (土)

7月24日通りのクリスマス

★★★☆

 とにかく音楽が良い。それもロマンチックで、夢のある曲ばかりだ。
 そして風景が良く似合う。港があり、銅像があり、そして坂が多い。とかく長崎は、ポルトガルのリスボンに似ているのだ。

Scan10152  その長崎に住む主人公サユリは、ブスでドジな少女マンガオタクである。彼女は大学時代から、演劇部の先輩である聡史を、白馬の王子様にしたてて、ず~と片思いを続けている。
 サユリを中谷美紀、聡史を大沢たかおが演じる『電車男』逆バージョン版のようなラブコメである。
 大沢たかおは、寡黙で冷めたイメージが残ったが、中谷美紀のほうはドジなオタク女を自由自在に演じていた。最近の彼女には、どんな役でもこなせるオールマイティー女優の勾いを感じるよね。
 あのジクザグ歩きには笑ってしまったが、ブスから美女への変身ぶりには、あっと驚くことだろう。
 この映画で一番注目すべきは、弟の結婚式で愛を誓うシーンだ。彼の婚約者が神父に「誓えません」という場面から、一気に盛り上がってくる。
 弟は長崎でも有名な,ハンサムボーイ。そしてその婚約者は姉に似たダサイ女。いつか捨てられるかもしれないという不安が、「誓えません」という言葉に化けてしまったのである。
 このダサイ女、どこかで観たことがあるな・・・と思っていたら、上野樹里ちゃんだった。エンディングクレジットまで、気付かなかったのだから、女優さんは恐ろしいよね。
 あと父親役の小日向文世と、そのガールフレンド役のYOUの組合せが、これまた実に面白い。まるで夫婦漫才のようで、館内は爆笑の渦であった。
 この映画は、カップルで観ることをお勧めする。きっと映画を観たあとに、ムフフの良いことがあるぞ。
 それから絶対におじさん1人では観ないこと。・・と一人で観たおじさんは言っています(笑)

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2006年11月16日 (木)

通勤地獄 いまどこなの

 最近の電車には、大抵ドアの上に「次はXX駅」という電光表示板が設置されている。特に混み合っている通勤電車では、かなり効果的だよね。

Romen  まず車内放送は、聞き取り難いし、混雑していて窓の外も良く見えない。もっとも見た所で、最近の駅は特徴がないので、すぐには何駅なのか良く判らないけどね。
 こんな状況の車内なので、電光表示板の存在は、本当にありがたいのだ。ところが、僕の使っている『横浜線』には、この電光表示板がない。悔しいが、やはり「田舎電車」なのだろうか。
 夢中で読書などをしていると、つい乗り越してしまうときがある。それで、ハッとして顔をあげて窓の外を見るのだが、一瞬では、どこの駅なのか判断出来ない。それで慌てて降りたら、まだ二つ前の駅だった。
 ・・というような悲しい経験、みんなもあるよね。

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2006年11月14日 (火)

煙草はいらんかね~♪

 ここのところ急激に、『タバコ』が悪者扱いされるようになってしまったね。ビル内或いは敷地内全面禁煙が増えてきたし、新幹線も全車両禁煙になりつつある。

            Kinen

 果ては禁煙の喫茶店や、酒場もあるという。これは一体どういうことだ。国でタバコを独専販売しておきながら、まるで禁煙法が施行されたかの如くじゃないか。
 アメリカ並と言えばそれまでだが、それにしても何故こうまでも、過激なタバコいじめがエスカレートしてしまったのだろうか。
 確かにタバコは、昔から百害あって一利なしと呼ばれているし、肺ガンなどに罹り易いことも確かであろう。
 だがそれはタバコを吸う人の問題であり、他人がとやかく言うことではない。従ってタバコが嫌われている理由はほかにある。
 つまり吸わない人にとって煙たいのである。それと火災の原因、あとは混雑している場所での、歩きタバコの危険性だろう。
 だから本来はこれら他人に迷惑になるタバコの吸い方だけを、禁止すれば良いはずである。もう一方の酒のほうは、車内でゲロを吐いたり、飲酒運転による大事故や、暴力沙汰になったりと、タバコ以上にご迷惑なのに、それほど嫌われない。
 ところがタバコの嫌われ方は異常であり、どこかに感情的なしこりが潜んでいる気がしてならない
 なぜタバコはここまで追い詰められてしまったのだろうか。多額の税金を払って、毛嫌いされて、最後は肺がんで死んでゆくのか。トホホホ・・

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2006年11月12日 (日)

デスノート 後編 

★★★☆

  デスノート映画 前編はこちら

  デスノート原作コミックはこちら

 休日には新宿で大行列。出だし3日間の興行成績は抜群だった。それであえて平日の上野を選んだ。
 思った通り、ゆったりと観ることが出来たが、映画館における場所と、休・平日の格差を改めて思い知らされた。

Scan10153  この映画の前編を観たときは、まだ原作未読状態。それでかなり楽しめたので、後編を観るまで原作を封印するつもりだった。
 しかしこの作品の反響の高さに、とうとう堪えきれず、全巻読み通してしまったのである。
 やはりそのツケが回わり、前編を観たときほどの驚きと感動は得られなかった。しかしストーリー構成では、原作を上回わっていたかもしれない。
 もし原作を忠実に再現させると、あともう1~2回上映しないと納まらないだろう。それに無理に連載を引き延ばした感のある後半は、余り評判が良くないからだ。
 その点映画のほうは、ある程度原作を生かしながらも、上手に2~3本分を1本にまとめていた。本来原作がやりたかったことを、ある程度実現させてしまったのではないか。ただミサとレムと清美以外、目新しいメンバーが登場していないのが、ちょいと淋しいかもしれない。
 それから夜神総一郎と月の関係が、かなり希薄に感じたのは僕だけだろうか。鹿賀丈二には、「お父さん」の臭いがしないし、月が簡単に父殺しを考えるのも納得しかねた。
 反面、Lの扱いについては、巧くまとめたのではないか。ニアやメロが出ない以上、あのパターンがべストかもしれない。
 つっこみどころをあげるとキリがないが、原作がマンガなのだし、むしろ長編をよくここまでまとめたものだと、誉めてあげたいね。
 一番良かったのは、ミサとレムかな。原作のイメージ通り、ミサちゃんはとても、イジらしくって可愛いい。それにレムの声優を演じたピーターも、イメージ通りピッタリだった。
 原作で不評だったラストシーンも、映画のほうは巧く手直ししている感じだ。ただあっという間に月が逮捕されてしまった道程は、少しはしょり過ぎではないだろうか。

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2006年11月11日 (土)

手紙

★★★★

 この映画の原作者は、ご存知直木賞作家の東野圭吾である。
 両親はなく、兄ひとり弟ひとりの生活。兄は優秀な弟を、大学に入れようと無理を重ね腰を痛める。それで運送屋の仕事が出来なくなり、老女1人暮しの家に空巣に入るのであった。

Scan10150  金は見つけたものの、運悪く帰宅した老女に見つかってしまう。老女が植木鋏を無茶苦茶に振り回すものだから、それを取り上げようともみ合っているうちに、誤って老女を刺殺してしまうのだ。こうして兄は無期懲役の判決を受けて、千葉の刑務所に入所することになる。
 一方弟のほうは、兄が殺人者ということで、様々な差別を受け、職場や住いを転々とすることになってしまう。始めは兄を尊敬していた弟だが、次第に犯罪者の兄が疎ましくなってくる。そしてついに、兄が生きがいにしている手紙さえも、書かなくなってしまうのだった・・。
 こうしたストーリー展開で、加害者側の視点から、家族の苦悩を描いた作品である。そうした重いテーマの割には、合く退屈しなかったのは、二つの恋愛と漫才師を目指す、という背景があったからだろうか。
 キャストは弟役に山田孝之、兄に玉山鉄二、恋人に吹石一恵と沢尻エリカ、といった布陣である。一番適役だったのが玉山鉄二で、坊主頭と精悍な顔付の中に、誠実で優しい囚人そのものを見た。また恋人役の吹石一恵は、まさに清楚で世間知らずのお嬢さん役がぴったりだ。
 一方、もう一人の恋人である沢尻エリカのほうは、メガネをかけている時のほうが良かった。それから、なぜ彼女が山田孝之をあれほど好きになったのかが、全然描かれていないのは、脚本力が問われると思う。
 まだ原作を読んでいないが、この辺りをどのように描いているのだろうか。重要な部分だけに、大いに気になるところである。
 さて主役であり、弟役の山田孝之が、彼なりに一生懸命、役付りに努力したことは認めたい。しかし失札ながら、彼の丸顏と低い身長では、「暗いが女性にメチャもてる青年」というイメージが湧かないのだ。
 ということで、キャストと脚本に多少疑問を残したが、総じて良い映画だったと思う。また感動シーンが多く、何度も大泣きしてしまい、終映後も涙が止まらなかった。
 ことに兄からの最後の手紙、刑務所で漫才をするシーン、子供が砂場で遊ぶシーンでは要注意!涙の洪水となるので、必ずハンカチを用意してしおこう。
 あと地味なシーンだが、電気店の倉庫で、会長とのワンショットも忘れられない。そして苦労人の会長が、しみじみと話す言葉も非常に良かった。
 「刑務所に入れば、それで罪を償っていると考えているなら大間違いで、家族の心を傷付けていることも償うべきだ」というようなことを話すのだ。そして逃ずに、この倉庫での仕事をスタートとして、頑張るように励ますのである。
 昔の創業者には、こうした懐の広い大人物が何人もいた。だから社員たちの、会社に対する忠誠心や意識も向上したものだ。今は自已保身ばかりの経営者が増え、こうした尊敬すべき人物が少なくなったことが淋しい。
 とにかく原作を早く読んでみたいものだね。

 おっと!言い忘れたが、小田和正の音楽あってこその、この映画であることを付け加えておこう。それほどこの映画と音楽はピタリとスィングしていたよね。

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2006年11月 7日 (火)

元湯 陣屋

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 小田急線の鶴巻温泉駅から、わずか5分程歩いたところに、鎌倉時代に和田義盛公の別邸だった広大な敷地に建つ、由緒正しき和風旅館があります。
 またこの旅館では、将棋や囲碁の名人戦などが行われるということでも有名なのです。特に「名人に香を引かせた男」との異名を持つ升田幸三九段の引き起こした『陣屋事件』は、将棋好きなら誰でも知っているのではないでしょうか。

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 旅館の玄関に足を入れると、「ドド~ン、ドンドン」と陣太鼓が打ち鳴らされるのには、正直驚いてしまいましたが、大名気分が味わえて悪い気はしません。
 館内には、鎧兜や刃が展示され、名人戦の写真なども飾ってありました。建物はかなり古いのですが、今どき珍しい純日本風の創りで、骨董的な価値が高そうです。

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 基本的に、フリーでの立寄湯は出来ませんが、広大な庭園に建つ別棟の食事処で食事をした者に限って、800円で温泉に入浴出来ることになっています。

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 食事は本館と離れの二つの場所があります。本館は目の前に池が見えて、和洋折衷の趣がありました。一方離れは、座敷が囲炉裏端になっており、鍋料理などを食べるときは、こちらのほうがゆったりとした気分になれるでしょう。どちらも値段はリーズナブルで、味のほうも満足できるはずです。

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首都圈近くの温泉としては、珍しく飲泉出来、柔らかく透明な良い湯でした。内湯は天丼が高くゆったりとした湯舟で落ちつきました。

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 しかしなんといっても、ここの売りは内湯とは全く別の場所にある総檜創りの露天風呂でしょう。風呂に浸かっていると、木々の間から鳥の鳴声が聞こえてきて、なかなか風流で洒落た雰囲気でした。

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 東京に近い場所で、こんな素敵な温泉があるのは、なんと素晴らしいことでしょうか。穴場として、余り人に知らせたくなかったのですが、嬉しくて思わずここに書いてしまいました。

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2006年11月 5日 (日)

父親たちの星条旗

★★★☆

 三連休の初日というせいか、588座席を誇る「新宿ミラノ2」が、ほぼ満席状況であった。どうやらクリント・イーストウッド監督は、名監督の仲間入りというか、ブランド名となったようである。

Scan10151  イギオロギー色が強過ぎるためか、物語自体は非常に退屈で、何度席を立とう思ったことか。ことに硫黄島に着くまでの約40分間は、一番辛かった。スクリーン横に名前が出るのだが、暗い画面で、戦闘服を着た同じような顔付きの米国人を覚えられるはずがない。DVDなら迷わず途中で投げてしまっただろう。
 だか終盤になると、あちらこちらで咳払いが聞こえ、エンディングクレジットが流れても、誰ひとりとして席を立とうとしないのだ。その中を辛抱出来なくなった僕一人だけが、ついに席を立ったのだが、なんだか悪いことをしているようで、とても恥しかった。
 僕の感性は捻れてしまったのだろうか・・。ネットの評価も高い。劇場も満杯で、皆さん感動しているようだった。感動したと言わないと、袋叩きに合いそうな雰囲気である。
 僕は一体どうしたのだろうか。もはや映画を観る資格さえないのだろうか。
 ただストーリーには入れなかったものの、「脚色が少なく、真実を正確に伝えようとする姿勢」には好感を持った。
 大物量を誇る米国は、何不自由なく赤子の手を捻るように、日本を打ち負かしたと思い込んでいた。ところが、実は大幅な金欠だったこと、それに硫黄島では、かなり苦戦していたことが、この映画を観て初めて判ったのだ。
 それで硫黄島でのことが気になり、少し調べてみることにした。
位置的には、八丈島・父島のはるか南に位置し、東京とグアム島のほぼ中間にあり、正確には、東京都小笠原村に属する
大平洋戦争では、本土爆撃の拠点として、日米間で大攻防戦が繰り広げられた
日本軍の死者20,129名に対し、なんと米軍は28,686名もの戦死者を出していた
当初5日間で落ちるとされた戦いが、実に36日間にもわたる死闘となったのである
この硫黄島での戦いを境にして、日本の敗戦色がはっきりとした
・・・などなど
 結局この映画を観た一番の収穫は、大平洋戦争の事実を、しっかりと知りたい気になったことだ。それから、戦争の無意味さ残酷さをマジマジと感じたことであろうか。
 この作品は二部作になっており、日本側から観た『硫黄島からの手紙』も同時製作されているようだ。1ヵ月遅れで上映されるが、たぶんこちらのほうには、かなり感情移入出来る予感がする。
 こちらのほうも必ず観てみたいね。たぶんこの二部双方を観て、この作品の本当の価値がわかるのかもしれない。

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2006年11月 4日 (土)

16ブロック

★★★☆

 シブイ!実に渋い映画だ。『シン・シティー』でもそうだったが、最近のブルース・ウィルスは、もの悲しい刑事役が多いね。そしてそれがとても板に付いていて、自然体で無理がない。

Scan10149  この作品は、ある黒人を抹殺しようとする刑事達と、その黒人を守りながら、仲間と戦う刑事の物語である。
 ブルース・ウィルス扮する刑事ジャックは、足が悪く、頭痛持ちで、ヤル気がなく、しかもアル中という、ヨレヨレのオイボレだ。そんな彼が、疲れて帰宅しようとしたとき、無理やり上司に残業を頼まれる。
 一度は断ったものの、執拗な上司の命令を断りきれず、ある黒人を裁判所まで護送することになってしまうのだ。
 ところがこの黒人エディは、仲間の刑事達の悪事を、証言する証人だったのである。それは警察ぐるみの犯罪であり、証言を阻むために大勢の刑事達が、エディを抹殺するため動き出していた。
 ジャックは、そんな警察のやり方が気に入らない。それで縁もゆかりもないエディを、身を挺して逃そうと決心するのだった。
 『クラッシュ』もそうだが、最近のアメリカ映画には、悪事を働く刑事を描いた作品が多いよね。やはり現実も同じように悪徳刑事が多いのだろうか・・。
 結局はそれだけ治安が悪いのだろう。おとなしいお巡りさんでは、凶悪犯を捕まえることは出来ないからね。だからある程度の無謀さは仕方ないのだが、どの辺までなら許されるのかの線引きが難しい。
 途中でバスジャックなどの過激なシーンもあったが、総じて地味でリアルな映画だね。ことに貧民街が舞台となっているため、より現実感と渋味が湧いてくる。
 また一緒に逃げながら、次第に芽生えてくるジャックとエディの友情にも、ジーンと熱いものを感じるだろう。
 逃げて逃げて、逃げ回わって、緊張感が続くので、かなり疲れてしまったが、予想外のラストシーンには、「平和のありがたみ」を感じるはずである。

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2006年11月 1日 (水)

幸福のスイッチ

★★★★

 この映画、ネットではかなり好評だし、東京ではテアトル新宿だけの単館上映なので、かなり混雑すると思っていた。ところが意外や意外、館内は約3分の1程度の閑散状態なのだ。

Scan10144  そして観客は中高年ばかりで、若い人の姿が見つからない。そんなにつまらない作品なのかと、ちょっと不安になってしまった。
 ところが、やはり期待通りの素晴らしい作品でホット一安心!。もしかして、田舎の小さな電気店での地味なストーリーを、若者達が敬遠したのだろうか。
 まぁ多少ユルイかもしれないが、とても心暖まるお話なので、若者にこそ観てもらいたかったのだが、とても残念である。
 お話のほうは、母を亡くした、父1人・娘3人の田舎の電気店から始まる。母親代わりの長女・瞳(本上まなみ)は、辛抱強く優しくて、絵に描いたような親孝行娘。三女・香(中村静香)はしっかり者で天真爛漫な商売上手。ところが上野樹里扮する次女の怜だけは、無愛想でいつも不機嫌な顔ばかり・・。そのうえ父親が大嫌いで、イラストレーターを志し東京で働いている。
 そんな次女のところに、三女から「長女が緊急入院したので、1ヵ月間だけ店を手伝ってくれ」という、切符入りの手紙が来る。ちょうど上司と喧嘩をして、会社を辞めてしまった怜は、渋々ながらも3年ぶりに故郷の土を踏むのだった。
 すでに田舎にも大手量販店が進出し、価格では小さな電気店は対抗出来ない。そして次々と倒産してゆく・・。そんな環境下で、沢田研二扮する父は、地元に密着した草の根活動を続け、なんとか生き残っていた。
 先に述べたように、三姉妹それぞれが特徴ある役柄をこなして、観る者を飽きさせない。ことに上野樹里は、いつもと全く逆の暗くてイヤミな役を見事に演じ、大女優への道を歩み始めたようだ。
 三姉妹たちの表現方法は全く異なっていたが、みな心の中では父を慕っている感じがして微笑ましかった。久しぶりに映画出演した沢田研二も、アイドル・ジュリーの看板を捨てて、関西弁の小太りお父さんに徹して頑張っていたよね。
 この映画の良いところは、淡々とゆったり時が流れ、地元の人間関係を大切に生きてゆく人々を、個性的に楽しく描いていることだろう。
 そして自然な形で、観る者の涙を誘うことに成功していた。ラストもあっさりしていたし、強引に泣かせようとしないところが実に爽やかだ。

 最近のレトロブームは、きっとあくせくと急ぎ続ける社会に疲れた人々が、ゆったり感のある癒しを求めている証であろう。もうこれ以上の経済成長は、しなくてもよいはずだ。誰もがそう感じているのだが、追い上げる者がいる限り、猛スピードで逃げ続けざるを得ないのだろうか・・。
 さて『大手量販店に負けない生き残り術』だが、まず電化製品を売り放しにせず、一生涯アフターサービスを怠らない。ということが大前提である。
 例えばマッサージ機の移動なども無償で行う。また顧客台帳を大切にし、困ったことはないかと、ときどき顧客に声をかけて回わる。また店内を開放して、老人達のコミュニケーションの場とし、人間関係を大事にすることも必要だ。
 究極は、停電の多い台風シーズンには、必ず店で待機して、顧客の依頼があれば、大雨・大風の中でもスッ飛んで行く。まるで宮沢賢治の有名な詩のようである。
 このような涙ぐましい努力があってこそ、初めて固定顧客を得られるのであり、これが零細・中小企業の厳しい現実なのだ。
 しかしこれは老人が多く、人情味の残っている田舎だから通じる技なのかもしれないね。実は僕の家の近くにも、似たような電気店がある。便利で親切なので、最初はよく利用していたのだが、いつの間にか使わなくなってしまった。
 実は、大手量販店5軒による過激な価格戦争が始まり、さらに追い討ちをかけるように、ホームセンターや大手スーパーなどが乱立したのだ。もはや僕の住む町は、狂気の「激安価格地帯」となってしまった。
 さしもの僕も、とうとうその軍門に下り、その小さな電気店とは、疎遠になってしまったのだ。なにか裏切ったようで気が引けるのだが、電気店も察知したのか、巡回サービスにも来なくなってしまった。
 だが今もその電気店は潰れていない。きっと老人所帯や、大手量販店からの下請修理などで凌いでいるのかもしれないね・・。
 ごめんなさいね。矛盾するようだが、ガンバレ地元の〇X電気店!

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