トゥモロー・ワールド
★★★
近未来を描いた映画は、いつも暗い作品ばかりだ。それが人間社会の定めなのだろうか。
確かに私達の生活は豊かになり、過去の贅沢はもはや普通の事となってしまった。また人は我がままで自己本位となり、金を稼ぐことだけに奔走するばかりだ。
そして社会格差が著しくなり、落ちこぼれた者は、安易に犯罪に手を染めるだろう。そんな未来の前兆が、すぐ目の前にある。
この映画の背景は、約20年後の2027年であり、人々は環境汚染とテロ集団の横行に悩まされていた。さらにほとんどの女性が不妊症を煩い、18年間も子供が生まれない。人類は滅亡の危機を迎えていたのである。
そんな絶望的な状況の中、不法入国した女性の一人が妊娠していることが判明する。主人公セオは、命をかけてこの子供を守ることを、決意するのだった。
この映画では、主役級の人物達が、次々といとも簡単に死んでしまう。そしてストーリーは、無情なタッチで、まるでドキュメンタリーのように徐々に加速し始めてゆく。ただ反体制派の追跡が、しつこ過ぎて心休まらない。
全般にリアルな描写が多いが、出産シーンと終盤の銃撃戦は、驚くほどリアルだ。その迫力ある映像には、皆かなり緊張することだろう。
だがいずれ人類が滅びてしまうというのに、人間同士で戦闘ばかりに血道をあげていて良いのだろうか・・・。
それらの疑問を覆すように、突然戦場を揺るがす小さな生命の泣き声。その瞬間、誰もが驚嘆し感動に打ち震えることだろう。ここがこの映画の最大のハイライトなのであろう。
ただ、ラストの締め方は、いまひとつ盛り上がりに欠けるかもしれない。結局この作品の論点は、一体何だったのだろうか。第二のキリスト誕生秘話なのか。
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