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2006年10月 1日 (日)

イルマーレ (米国版)

★★★☆

 この映画は、2000年製作の韓国オリジナル版を米国でリメイクしたものである。『イルマーレ』とは、イタリア語で”海”のことらしい。だからオリジナルでは、あの家は海辺に建っていた。
 ところが米国版では、湖畔の家に変わっていたのである。従って『イル・マーレ』は邦題で、原題は『The Lake House』となっていたのである。

Scan10137  テーマは“2年の時空を超えた文通恋愛“ということで一致しているが、バックボーンの設定には、かなり変更が加えられていた。
 まず主役の二人だが、米国版はご存知『スピード』コンビの、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックであるが、オリジナルはイ・ジョンジェとチョン・ジヒョンという一回り以上若いコンビでなのである。
 ここでは若い二人が演じるオリジナルに、軍盃をあげたい。やはり“時空を超えた文通“などというは、当然純情な若者同士のほうが似合うからだ。
 それでもあえてキアヌとサンドラを起用したのは、リメイクという名に対するヒガミだろうか。それで『スピード』以来の大物俳優コンビが、客寄せパンダに指名されたのかもしれない。
 それから家の前に建つ時空を超えるポストだが、オリジナルではロマンチックなデザインでやや大きめのポストだったのに、米国版は何の変哲もない古ぼけた小さなポストなのだ。このポストこそ、この作品の本当の主役なのであるから、もう少し夢のあるデザインに出来なかったのだろうか。こんなところに、この監督のデリカシーのなさが顔を出してしまうのだ。
 あと家のデザインもオリジナルのほうが良かった気がするが、これは好みの問題かもしれないし、オリジナルの家は少しキンキラキンかもしれない。
 米国版がオリジナルに劣るようなことばかり書いてしまったが、やはり街の風景や音楽、そして全搬的な映像の美しさは、米国版のほうが断然素敵である。そして大人の味がする。だからデートで観るなら米国版のほうが、絶対に盛り上がるだろうな・・・。

 恋する二人はポストでは繋がっているものの、文通が始まった時、キアヌが2004年、サンドラが2006年に住んでいるのだ。そしてスクリーンは2004年と2006年を行ったり来たりする。だからこの物語の流れを多少理解していないと、何が何やら判らなくなるかもしれないね。
 またオリジナルとの比較になってしまうが、オリジナルは2年の時空のズレによる悲恋を描き、全搬的に切なくリリ力ルロマンスの香りがする。そして二人はなかなか巡り逢いの扉を開くことが出来ない。
 一方の米国版は、あっさりと巡り逢ってしまい、彼女の居場所まで判ってしまうのだから、なぜすぐにアタックしなかったのかの疑問が残る。そして時空の違いに苦悩することも少なく、簡単に結ばれてしまったような気がするんだね。これは国民性の違いだと思うが、同じアジア民族としては韓国の感性のほうに同調してしまうのだ。

 あと二人とも恋人らしき異性がいるのだが、どういう関係なのだろうか。また彼等の存在そのものに何か意味があったのだろうか。
 最後にタイムトラべルものに必ずつきまとう”タイムパラドックス”について・・・。ラストのドンデン返しには、エンドレスのグルグル回わりのタイムパラドックスが生じているが、難しく考えずにパラレルワールドの世界なのだと片付けてしまおう。
 但しオリジナルのほうは、パラレルワールドではなく、“リプレイ”なのだろうね。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

きららさんこんにちは。コメントありがとう。
やはりオリジナルのほうが切なくて泣かせますよね。
どちらにしても二回目は、ネタバレになるので不利ではありますが・・・
ココログとは相性悪いですか。こちらからはスムーズに流せるのですが・・・

投稿: ケント | 2006年10月 7日 (土) 22時44分

こんばんはー。
「Click」にコメント&TBありがとうございました!
イルマーレも♪と思ったらTB出来ませんでした><(ココログさんとは相性いまいちなんです。。。)

確かにオリジナルを観ちゃうとこの映画は「なんだかなぁ~」です!
2年という時空を超えての文通もオリジナルだとすんなり受け入れられたものの
キアヌ&サンドラだとなんとなくダメでしたー。

投稿: きらら | 2006年10月 7日 (土) 18時35分

実在のスーパーマンさん
コメント&来訪ありがとうございます。

投稿: ケント | 2006年10月 7日 (土) 09時40分

至上空前の実在のスーパーマン
http://plaza.rakuten.co.jp/superman81/
つい最近自分に気づいたばかりです。
今後の展開が楽しみです。
本もじきに出しますのでぜひ買ってください。
リンク制限に達してしまい、リンクが貼れませんが、お気に入りに記録しておきます。
私もけっこうイケメンのビルダー系です。
イルマーレの韓国版は、好きな映画です。
あなたもスーパーマンになれますよ。
同じケントで、シンクロしてます。
サイトにカキコお願いします。

投稿: 実在のスーパーマン | 2006年10月 7日 (土) 07時40分

PINOKIOさんコメントありがとう
やっぱりあのポスト平凡ですよね。
とても時空を超えるポストには見えないと思うのですが・・・

投稿: ケント | 2006年10月 4日 (水) 12時56分

TBありがとうございました。
ほんと、普通のポストでしたね(^^;
韓国版はやっぱりもっと切なくなってるんですか・・。
今度見てみようと思います♪

投稿: PINOKIO | 2006年10月 3日 (火) 23時22分

ひらりんさん>コメントありがとう。
そうですね。全般的にオリジナルよりは、お洒落な感じがしました。

けむけむさん>TBありがとう。

なぎささん>コメントありがとう。
二人が会うのが早すぎましたよね。またどうしてそのときにアタックしなかったのかという疑問も残りましたね。

投稿: ケント | 2006年10月 2日 (月) 17時04分

たろさん>コメントありがとう。
確かに、キアヌとサンドラの存在感は十分でしたね。米国版がコーヒーならオリジナルはカルピスかな・・・

ノラネコさん>コメントありがとう。
やはり驚きと感動という面では、初めて観るストーリーとリメイクでは、リメイクが不利ですよね。それにしては、良く出来ていたと思います。

しましまさん>コメントありがとう。
ホントよく観ていないと、何がなにやら良く判らなくなりますよね。僕ももう一度オリジナルを観なおしてみようかと思っています。

投稿: ケント | 2006年10月 2日 (月) 17時00分

ケントさん TBとコメントありがとうございました!
私も海辺に建つ家はオリジナルのほうが好きです。
他の部分も、どうしてもオリジナルを贔屓目で観てしまってました。

こちらの二人が、やはり会いすぎるのが少し興ざめでしょうか。

投稿: なぎさ | 2006年10月 2日 (月) 16時26分

tBありがとうございましたー^^またきますね。。

投稿: けむけむ | 2006年10月 2日 (月) 07時53分

トラバ・コメントありがとうございます。
忘れっぽい性格なので、韓国版の内容・・・
あまり覚えてなーーーいっ。
チョン・ジヒョン作品なのに・・・。
だいぶ、手を加えて作ったなっ・・って印象のこの作品・・・。
「イルマーレ」っていう超人気レストランの二年後の明日の予約入れちゃう・・
っていうところがオシャレでした。

投稿: ひらりん | 2006年10月 1日 (日) 23時01分

こんばんは。
2004年と2006年を行ったり来たりしている間に
私はまんまとどちらにいるのか分からなくなってしまいました!
まるで二人が近くにいるような映し方は綺麗でしたが
私にはちょっと分かりにくかったです。
でも、好きな感じのラブストーリーでした。
オリジナルを観たのはだいぶ前で忘れてしまったコトも多いので
また是非オリジナルも観たいですね。

投稿: しましま | 2006年10月 1日 (日) 22時28分

TBどうもでした。
オリジナルとの違いは、結局描きたい事の違いかもしれません。
オリジナルは良くも悪くも、閉鎖的なイメージの中の恋愛劇でしたが、こっちはぶっちゃけ恋愛の比重も低いんですよね。
主人公達の年齢だと、恋愛って人生に足りない一つのピースみたいな物で、二十歳の頃みたいなストイックさは無いのかもしれません。
それでも、年齢相応の人生模様を見せてくれるこの作品は、トータルでは結構好きです。

投稿: ノラネコ | 2006年10月 1日 (日) 21時52分

こんばんは。
弊ブログへのコメントとトラックバック、ありがとうございました。
こちらからもコメント&トラックバックのお返しを失礼致します。

この作品は、韓国版のオリジナル作品と比較しますとラヴ・ストーリーの色が濃く、キアヌ・リーヴスさんとサンドラ・ブロックさんの存在感を生かして、二人に焦点を当てた物語に仕上られていたのではないかと思います。

また遊びに来させて頂きます。
ではまた。

投稿: たろ | 2006年10月 1日 (日) 21時25分

ミチさんコメントありがとう。
おっしゃる通り、なかなか逢えないところがいいのにね。

投稿: ケント | 2006年10月 1日 (日) 21時15分

こんにちは♪
ハリウッド版もわりと好評のようですが、どちらかというと韓国版が好きです。
違いを楽しむのもひとつの見方でしょうね。
なんといっても二人があっさりと会っちゃうのが拍子抜けみたいな気がします。
会えない切なさがキモですからねぇ。

投稿: ミチ | 2006年10月 1日 (日) 21時02分

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