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2006年9月24日 (日)

LOFT ロフト

★★★

 こういうのをスタイリッシュホラーとでも言うのだろうか。それにしてもこのタッチは、明らかに韓国流だね。
 郊外の淋しい場所に建つ古くて広い家。ここに移り住み始めたのが、芥川賞を受賞した女流作家の主人公。
 その敷地の向かいには、使わなくなった大学の研究室がある。そこには1000年前に亡くなった女性のミイラと、うつ病気味の教授が潜んでいた。
 ある日不信に感じた女流作家は、その研究室に忍び込み、そこでミイラを発見してしまうのだった。

Scan10127  女性作家に中谷美紀、教授に豊川悦司、編集部長に西島秀俊、女性作家の友人に鈴木砂羽、そして幽霊役に安達祐実といった布陣。というよりは、ほとんどこの5人しか出ない低予算映画だ。
 あとは心象風景と、お化け屋敷めぐりなのだが、この映画はちっとも怖くない。ホラーというより心霊ファンタジーといったほうがいいね。
 中谷美紀は珍しく髪をおろし、いつもとは全く違うイメージで、見事に文学少女を演じていた。一方豊川悦司のほうは、声が低く篭ってしまい、何を言っているのか良く聞き取れない。このような心理劇で、少しでも聞き取れないと、何が何だか判らなくなってしまう。そう言う意味で、彼は失格である。
 あと西島秀俊のやる気ない、小学生以下の演技は一体どういうつもりなのだ。また彼が、あっという間に警察官に逮捕されたときは、まるでおバカ映画のようで笑ってしまった。
 中谷美紀が咳をして、泥を吐いているシーンがあったが、あれは泥を飲んだというミイラに繋がるのだろうか。とすれば彼女がミイラの生まれ変わりということになるが、その辺りの必然性というか、怨念というか、バックボーンの説明が全くないのは不親切というより、この監督の力量の無さを感じた。
 また安達祐実扮する幽霊のポジションが良く判らないし、西島の急変にも説得力が全くないね。
 この映画は、全般的にイメージと映像ばかりが先行し、筋立てや世界観などが、全く練り込まれていない。黒沢清監督の自己満足と思いつきの世界を垣間見た感じだ。 

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コメント

 トラックバック、コメント、ありがとうございます。黒沢監督は「とても痛快な面白い作品」と「なんだか意味不明な幻想的な映画」を撮る監督です。平均した映画がない。そういう意味では損をしているのかもしれません。Vシネマばかり撮らされていた10年前は、しっかりした作品をみせてくれたのに、ここのところ、おかしくなった・・・映画を観終えて、私はそう思いました。わかる人にはわかる映画。私はそれを映画と認めたくない人種です。 読ませてもらいありがとうございました。  冨田弘嗣

投稿: 冨田弘嗣 | 2006年10月 2日 (月) 23時57分

冨田さんコメントありがとうございます。
判る人にしか判らないなん映画は僕も認めたくありません。全く同感であります。またさらに映画だけではなく、文学でもマンガでも僕は認めたくありません。

投稿: ケント | 2006年10月 4日 (水) 13時21分

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