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2006年7月 1日 (土)

満月 

『本と映画のランデヴー第七弾』 

だいぶ古い本で絶版になっているようです。まず原作からご紹介しましょう。

約600ページのクソ分厚い本を何日持ち歩いただろうか。決して難しい小説ではないのだが、それにしてもこの本と同じく、とても重い読了感が残った。

Scan10079_2  満月の夜に、300年前から杉坂小弥太という侍がタイムスリップしてくる、というSF仕立てのお話である。だがその設定さえ除けば、小弥太と野平まりとの、甘く切ないラブストーリー以外の何物でもないのだ。
 呪術によって300年の時を超えるという理屈や、マリとの初遭遇シーンについては、かなりいい加減な感じがするが、『ラブストーリー』なのだと思えば、いたしかたなかろう。
 話の展開は、まりの視点で進んでゆくが、山の天気のようにコロコロ変わる女性の心理描写を、実に見事に描いている。さすがに女性作家であり、一見正反対に見える「まりと祖母の両者ともが」著者の分身なのかもしれない。
 恋人に300年前の待を用いたのも、著者の理想の男性像を満たすためであろう・・・。りりしく、たくましく、強く、辛抱強く、それでいて優しく、その上誠実で、純情な男性など、すでに現代には存在しないからだ。そのうえ美男とくれば、世界中の女性が放っておかないだろうね。
 変に誤解されても困るが、小弥太は男性の私にとっても、素敵な男なのだから・・・
 結局二人は、最後まで本格的なエッチをしないのだが、まりの過激な心情と、小弥太の純真でひたむきな愛情が、実に見事に絡み合い、年甲斐もなくドキドキしてしまった。
 繰り返すようだが、SFとしてはほとんど評価出来ないので、ラブストーリーとして読むこと。
 ただ菩提寺の過去帳と、水戸藩の快風丸、コタンのトーテンポール、易者の予言の全てが繋がるところが、著者の面目躍如といったところであろう。

次は映画のほうですが、こちらもDVDはない。古い古い古いね!

 主演が原田知世と時任三郎と言えば、もう相当昔の映画であることが判るだろう。細かい設定では、だいぶ原作と違いがあったし、ストーリーの流れもハデなドタバタシーンが多過ぎたと思う。
 またそもそも原作にない、余計なストーリーを追加したため、忍者よろしく弘前城に忍び込むという、無意味なシーンを追加するハメになってしまったのだ。
 映画だから派手に加工したい気持ちは判るが、原作はアクションではなく、あくまでも「ラブストーリー」なのだぞ。

Mangetu  原田知世はとても可愛いし、まさに和製メグ・ライアンである。ただ初めは嫌いだった小弥太を、好きになってしまう心の変化が、今ひとつ描き切れていなかった。
 
いっぽう時任三郎は背が高過ぎて、昔の武士役には不向きだし、これは私の思い込みだが、原作のイメージともだいぶ異なっていたような気がする。
 前半は原作に忠実で楽しい映画だったが、知世の兄貴が出現してから、ドタバタアクション映画になり下ってしまったようだ。実に残念である。原作の良さを本当に理解していない人が映画を作ると、こんな映画になるという悪い見本のような映画だった。
 ただ『ねぷた祭』を観ながら、弘前城主のことを回想するシーンには、思わず涙ぐんでしまったね。それとスッキリとしたラストシーンも、やや捻りを入れた原作よりも好きかもしれない。さしあたり日本版『ニューヨークの恋人』かな。

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コメント

今晩はトラバありがとうございます。

ん?戦国自衛隊じゃないの?
なに?どこ?タイムトラベルだから?と思ってたら
コメント欄に満月の話が有りましたw
こっちかい!!
ひとりで突っ込んどきましたw

投稿: かネック。 | 2006年7月 4日 (火) 21時40分

TBありがとうございます。
ケントさんも時任の身長に疑問を感じていたとは……(笑)
時代劇もそうだけど、ちゃんと設定を考えて欲しいですね。N○Kですら微妙ですもん。セットとか。髪型とか。まあ製作側は売れることが大前提なんだろうけど。
映画版はまだ見ていません…。っていうか無いですね。
原作は本の表紙もいい味でてますよね。

投稿: akisekae | 2006年7月 7日 (金) 21時40分

カネックさん>コメントありがとう。タイムトラベルということでTBさせていただきました。それにしてもイラスト上手ですね。

akisekae さん>コメントありがとう。なかなかビデオは見つからないですが、小説のほうが断然よいので、あえてみる必要もないでしょうね。
今後もよろしく。

投稿: ケント | 2006年7月 8日 (土) 11時38分

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