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2006年6月23日 (金)

カーテンコール

★★★☆

 若い頃は良く歌舞伎町で遊んだものだ。

 この街には映画館や酒場はもちろんのこと、ゴーゴークラブやダンスパブ、ゲームセンター、トルコにキャバレー、のぞきやストリップ小屋などが立ち並んでいた。果ては赤線崩れの立ちんぼに、ポン引き達の群れ、そして深夜喫茶に同伴喫茶と、まるで不夜城のような怪しい街だった。

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 もちろん今でも同じ様な店が立ち並び、相変わらず悪の盛り場といったイメージは残っている。それでも僕は最近の歌舞伎町という街は、好きになれないし、懐かしさも感じないのはどうしてだろうか・・・。
 そんなことを考えながら、東急の株主優待券を消化するために、歌舞伎町の『シネマミラノ』という古ぼけた映画館に向かった。
 これから観る映画は、『カーテン・コール』という邦画で、昭和30年代の下関にあった映画館で働く人々を描いた、まるでこの映画館のようなお話である。
 丁度一週間前に観た『三丁目のタ日』が、やはり昭和30年代のほのぼのとした世界を描き、現在大ヒットを続けているので、同じような作品なのかと想像していたが、全く違う映画であった。
 ところがこの映画、昭和30年代を懐かしむということや、スケールの大きさでは、『三丁目のタ日』には遠く及ばないものの、別の意味での味の良さと感動があった。
 この作品では、現代の編集者が、田舎の古ぼけた二流映画館で、昭和30年代に、二本立ての幕間に、『ものまね等』をしていた男とその家族を取材するために追いかける・・・というストーリー立てだ。

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 初め字幕にハングルが出てくるのが意味不明でうざったかったのだが、中盤以降にその意味が判ってくる。 この映画は、夫婦の愛、父娘の愛、人間への愛、そして映画への愛が強く感じられた。たぶん『和風ニューシネマパラダイス』を意識して作ったのであろう。
 ただ何故あれ程拒んでいた父親と再会することになったのかの説明がなかったり、あっさりし過ぎたラストシーンにもややもの足りなかったが、所々ではよく泣かされた映画だった。
 最後に一言、この映画は相対的には素晴しい作品であるが、「在日韓国人」というテーマと「映画館」という脈絡のないテーマを、無理やり接着したようで、ストーリーの流れに一貫性を感じ得なかったことがちょっと残念であった。

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コメント

TBありがとう。
新宿は、良くも悪くも、慎太郎閣下の思惑通り、清潔で監視の行き届いた街に、なりつつあります。
現在では、「悪所」は、ネット上にしか、ないのかしらね。
2番館、名画座は、どこの街にもあったのにねぇ。

投稿: kimion20002000 | 2006年6月23日 (金) 13時43分

kimionさんコメントありがとう
昔、二番館だったところもロードショウ館になったり、ミニシアターになったりしていますね。潰れるよりはいいのですが、1800円というのは何とかならないのでしょうかね。
昔ながらの名画座も、「ギンレイホール」、「早稲田松竹」など残っているところもあります。またシネコンでもときどきビデオ化された名画を500円上映しているところもあります。こうした映画館はつい応援したくなりますね。

投稿: ケント | 2006年6月24日 (土) 14時10分

いつも訪ねてくれてありがとうございます。私は山口県下関で生まれ育ちました。大学へ行くために故郷を離れましたが・・・「みなと劇場」は実在した映画館です。基本的に松竹の封切館で、大映末期の作品もかけていました。間違いなく言えるのは、この「みなと劇場」が無かったとしたら・・・私は映画を観る人になってはいなく、大学も芸術大学ではなく、現在のディレクターという仕事にも就いてなかったと確実に言えます。映画の斜陽を目の当たりにしながら、私は「みなと劇場」の最期を見守りました。私に人生を与えてくれたこの映画館を一生、忘れることはありません。  冨田弘嗣

投稿: 冨田弘嗣 | 2006年7月13日 (木) 02時22分

TBさせていただきました。
期待しすぎたせいか、面白くありませんでした。

投稿: タウム | 2006年8月22日 (火) 20時25分

タウムさん、TBありがとう。
かなり辛口のレビューですね。確かに前半と後半は脈絡がなくちぐはぐでしたが、僕はまあまあでした。無論ニューシネマパラダイスとは比較すること自体無理ですが・・・。

投稿: ケント | 2006年8月22日 (火) 20時55分

冨田さん、コメントありがとう。
みなと劇場を知っていて、かつ人生に大きな影響を与えていたなんて驚きです。さぞや感慨深い思いでこの作品を観たのでしょうね。

投稿: ケント | 2006年8月22日 (火) 20時58分

初めまして、達也です。
『カーテンコール』映画で観ました。
実は、昨日『出口の無い海』を
映画館で観てきたのですが、
佐々部監督の映画と故郷の山口に
対する深い愛情と、オマージュを感じました。
『カーテンコール』のよさは、
キャスティングに尽きると思います。
「香織」を演じた伊藤歩は、華やかさは
ありませんが、ドキュメンタリーな
トーンを出すにはうってつけですし、
藤村志保さんの存在は、日本映画そのもの。
藤井隆と成長した鶴田真由も良い。
極めつけは、晩年の修平を演じた
「井上尭之」に尽きる。
長さん亡き後、あんな味を出せる役者
(ギタリストですが)がいたのか・・・。
とにかく、絶妙のキャスティングに拍手。
ただ、在日問題の描き方が、
中途半端な気がしました。
修平のその葛藤を伏線で描いて欲しかった
気がします。佐々部監督の次回作にも
大いに期待します。

P.S トラバさせてくださいね。

投稿: TATSUYA | 2006年9月17日 (日) 12時45分

TATSUYA さんコメントありがとう。
貴方のレビューは、この映画に対する愛情をヒシヒシと感じました。とても爽やかな気分になりましたよ。ありがとう。いつでも夢を見ていたいです。
在日問題については、この映画では場違いな感じがした人が多いですよね。

投稿: ケント | 2006年9月17日 (日) 22時28分

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

投稿: ビジネスマナーの電話 | 2012年3月29日 (木) 15時38分

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