トム・ヤム・クン
★★★☆
なんでこんなへンテコリンなタイトルをつけたのだろうか。この映画の中で、悪人が経営するレストランの名前ではあるのだが、いかにもタイ=トムヤムクンといった安易なネーミングだ。
さしあたって、日本の映画なら内容に関係なく、『すし』とでもつけるのだろうか。製作国はタイとなっているが、なにげに欧米の資金が投入されている匂いがする。
このタイトルが気に入らず、今日までこの作品を観なかった訳だが、意外にネットでの評判が良いので、やっと重い腰をあげた訳である。
平日だというのに、館内はほぼ満員で、若い女性が多いのは、一体どうゆうことだろうか。金曜日で上映終了とのことだが、興行的には、まだまだ延長可能な勢いを感じた。
さてさて前置きが長くなってごめん!肝心のストーリーを紹介しなくてはね・・・。
タイで家族同様に仲良く暮していた二頭の親子象が悪人どもに盗まれる。青年は怒りまくって象泥棒をこらしめるが、象はすでにシドニーの極悪人どもの手に渡っているという。そして、青年はシドニーに飛び、極悪人どもと戦いながら、象を探し続けるのであった・・・。
という荒唐無稽で支離滅裂な、ストーリー展開なのである。本来ならば象と少年の友情物語と、格闘アクション編とは全く別の映画なのだが、これを無理やり合体させたのが、間違いの素かもしれない。
とはいえ、前半の「象物語」は美しい風景と、驚くべき「象の演技」に心を打たれたし、『風の前奏曲』を思わせる神秘的な雰囲気にも心癒された。これはこれで独立した別の映画として観たいものである。
それから、この映画の売りである「格闘アクション編」のほうは、話の筋立はデタラメだが、アクションそのものは唸るほど素晴らしいのだ!。
とにかくスピードと、勢いが違う。水上のボートチェイスにしても、格闘動作にしても、とにかく速くて凄まじい。CG無し、ワイヤー無し、スタント無しの本物のアクションなので、かなりの負傷者が出たのではないだろうか。
それと格闘アクションシーンは、昔懐かしいアーケードゲームそのものであった。
電車の車庫で、バイクやローラースケートで襲いかかってくる敵。
カジノの長い回廊で、ナイフや鉄パイプを振りかざす敵を蹴散らしながら、ボスを探して最上階をめざし走り抜けてゆく・・・。
そうアクションゲーム好きなら、『ファイナル・ファイト』を思い出すだろう。
そして燃える教会の中で、カポエラの達人、剣の使い手、カンフーの強豪、怪力プロレスラーと、次々に戦うシーンは、まさに『ストリート・ファイター』である。
個人的には、カポエラの達人との戦いが一番好きである。とにかく格闘ゲーム好きには、応えられないだろうね!
くれぐれも、ストーリー展開や主人公のスーパーマン的パワーなどに、いちいち突込みを入れないこと。ゲーム感覚で気楽に観れば、ストレス発散間違いなしの1本だ。
毎度、1日ワンクリックお願い致しますm(__)m
| 固定リンク | 0
最近のコメント