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2006年5月25日 (木)

時間街への招待状

 なんとロマンチックで、ファンタジックな響きを持ったタイトルなのだろうか。絶版になってしまった古い本だが、是我非でも読みたいという欲望に駆られてしまった。
 あちこちの古本店を探したが、なかなかこの本に巡り逢えない・・。諦めかけていたとき、偶然ブック・オフでこの本を見つけた時は、思わず小踊りしてしまった

Scan10066  著者の亀和田武は、かなり昔に『劇画アリス』というエロ雑誌の編集長をしていた時期がある。このエロ雑誌は、当時自販機販売という、画期的な販売方法を取り入れ、エロ御三家として、マニアの間では評価の高い雑誌だった。
 それらは、全て若かりし日の亀和田の手腕と人脈によるものだという。その後彼は、当時流行していたSF作家になり、現在はワイドショーのコメンテーターのような仕事をしているようだ。
 彼の作品は、ほとんどが短編であり、幻想的でシリアスなタッチと、荒唐無稽なドタバタ調の二つの味がある。シリアスなほうは、まるで文学青年が書いた私小説ような感じがして、とても清々しい味がする。それでなんとなく、彼が寡作だった意味も分かった。
 さて本書は、わずか281頁の手軽な厚さであるが、その中には超短編も含めて、15編の作品が掲載されている。
 そのうち時間テーマSFと呼べるものは、『1966年冬、ハートブレイク・ホテル』、『時の因人』、『嫌われ者のルーツ』、『時間と街路』の4作だけである。
 『時間街への招待状』というタイトルから、全ての作品が時間テーマSFだと思い込んでいたので、期待を外されてしまった。しかしながら、時間テーマ以外の作品にも、かなり傑作が含まれていたので許すことにしよう。
 ことに、『海獣島』、『目覚めよと呼ぶ声あり』、『ア・ロング・バケーション』が、私のお気に入りである。
 時間テ一マのほうは、『時の因人』、『嫌われ者のルーツ』が、ドタバタ調で、残りの2作かロマン私小説風という感じだ。
 私の趣味は、後者の二作のほうである。ともに青春時代に失った彼女への思いが、現在に繋がってくるお話だが、ストーリーとして優れている、『時間と街路』よりは、『1966年冬、ハートブレイク・ホテル』のほうを選びたい。
 前者は切なくて心を打たれるものの、後者の「これから何かが変わりそう」、な結末が好きだからである。

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コメント

こんにちは!
うちのヘボブログでは
いつもコメント&TB有り難うございます。

この本、わたしも見つけるのに苦労した
覚えがあります(^^;)
時間モノ短編集としてはなかなかの出来かと。。
(日本人が書いているから分かりやすかったデス)


投稿: ユキノ | 2006年5月27日 (土) 23時13分

ユキノさんコメントありがとう。
絶版ものは、なかなか見つけにくいですね。そう日本人ものは、判りやすいので飽きませんね。

投稿: ケント | 2006年5月29日 (月) 21時02分

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