寛永無明剣
この著者は、いつも文章が重厚で堅いので敬遠気味でした。ただこうした時代ものなら、結構その味を生かせると思いました。
もともと時間テーマSFだということは分かっていたので、時代劇は前半だけかと思っていましたが、延々と約2/3は時代小説そのものでした。
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寛永無明剣 著者:光瀬 龍 |
ただ闇に潜むような、不気味で強大な敵の存在に、チラりチラリとSFの影が見え隠れしていたことは間違いありません。
終盤になると、携帯用のタイムマシンが大活躍し、江戸~古代~現代~超未来や亜空間を行ったり来たりし始めるので、そのギャップの激しさについてゆけない人もいるかもしれません。
また2系統の敵が、それぞれ探している『さざれ石』と『女子』の謎の解明が、この小説最大のハイライトだと思うのですが、十分な解説がなされていないので、消化不良を起こしています。
それにしても、著者はメカや歴史などを重々しく描くのが得意のようですが、細かな心理描写は苦手なようですね。
しかしながら、上手に江戸時代の歴史背景を一捻りしながら、荒唐無稽な話の辻褄を合わせて、この小読を描き続けた著者も、『昭和無明筆』の達人ではないでしょうか。
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