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2006年5月の記事

2006年5月31日 (水)

時間泥棒

 時間を盗むエイリアン?により、ある条件下での時間がだんだん歪んでくる。そしてその犯人を、主人公である警察官が捜査するというストーリーである。

Scan10069_2  日本のSFだったら、なんとなく筒井康隆あたりが書きそうなテーマだが、たぶん彼が書けば、荒唐無稽のドタバタ劇になってしまうだろう。ところが本作品は、ある程度のユーモアを香辛料としながらも、時間についての物理学上のハードな考証にも、決して力を緩めていないところが素晴らしい。
 時間が歪む謎について解明するために、霊能者、物理学者、神父たちと次々にインタビューするのだが、一番関係のなさそうな神父さんが一番役立つのは、以外であり皮肉ぽくって愉快だった。
 この作品は小説としては面白いが、映画化して好評を得るのは、かなり難しいかもしれないね。
 

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寛永無明剣

 この著者は、いつも文章が重厚で堅いので敬遠気味でした。ただこうした時代ものなら、結構その味を生かせると思いました。
 もともと時間テーマSFだということは分かっていたので、時代劇は前半だけかと思っていましたが、延々と約2/3は時代小説そのものでした

寛永無明剣 Book 寛永無明剣

著者:光瀬 龍
販売元:角川春樹事務所
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ただ闇に潜むような、不気味で強大な敵の存在に、チラりチラリとSFの影が見え隠れしていたことは間違いありません。
 終盤になると、携帯用のタイムマシンが大活躍し、江戸~古代~現代~超未来や亜空間を行ったり来たりし始めるので、そのギャップの激しさについてゆけない人もいるかもしれません。
 また2系統の敵が、それぞれ探している『さざれ石』と『女子』の謎の解明が、この小説最大のハイライトだと思うのですが、十分な解説がなされていないので、消化不良を起こしています。
 それにしても、著者はメカや歴史などを重々しく描くのが得意のようですが、細かな心理描写は苦手なようですね
 しかしながら、上手に江戸時代の歴史背景を一捻りしながら、荒唐無稽な話の辻褄を合わせて、この小読を描き続けた著者も、『昭和無明筆』の達人ではないでしょうか。

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2006年5月30日 (火)

大腸ポリープの手術

 ポリープって内臓に出来るイボみたいなものなんです。15mm以上になるとガン化すると言われて、思い切って手術することにしました。
 手術といっても、お復を切るわけではなく、ファィバースコープを肛門から押入して、レーザーメスで患部を切りとってしまうのです。

Ha_2  手術はわずか20分で終了。麻酔もせずに、TVに写るグロテスクな自分の大腸内部を鑑賞しながら、医者や看護婦と話をしているうちに、あっという間に終わってしまいました。
 これは手術というよりは、まさに検査であります。それにしても医療技術の進歩には、いちいち驚かされてしまいますよね

 でもファイバーがS字状結腸という、大腸の曲がった部分を通過するときは、さすがに気分が悪いのと痛いので、おもわず大声出して叫んでしまいましたよ。
 しかし一度てっぺん(小腸入口)まで入ってしまうと、もう全然痛くないから不思議ですね。それから患部が良く判るように、ヨードチンキのような色をした塗り薬を噴射するのです。あとはハサミのようなレーザーメスで、チョッキンとポリープを切りとって、傷口をクリップで留める。そして切削したポリープを摘まんで、他にもポリープはないかとキョロキョロ観察しながら、引き揚げてゆくのでありました。
 という訳で、この約20分間の実況中継を、独占特等席の『手術台』に横たわりながら鑑賞したわけでございます。

      Kaya_1

 手術そのものは、こんな簡単に終わるのですが、むしろその準備とアフターケアが、結構面倒くさいのであります。
 食物が消化・蓄積され、老廃物となって排出されるには約2日間かかります。だから胃の検査のように食事は前日午後9時迄~というような訳にはいきません。
 まず前日の朝から、検査食というカロリーメイトのようなものしか食ベられず、検査当日は2リットルの水に下剤を解いて、約2時間かけてこれを飲み干すのです。これがかなりハードで、100%飲める人は余りいないそうですから、70%位飲めれば良しとしておきましょう。

 それから、手術が終ると今度は2~3日間、まっとうな食事が許されません。重湯にスープと実のない味噌汁という、飲む食事と点滴3本という悲しいメニューなのです。
 体はピンピンしているのにべットに縛りつけられて、食べるものもままならないなんて・・・「こんな悔しい思いをするのはもう沢山だ!」と誰もが唇を噛みしめることでしょう。
 はいそういうことで、手術後3泊して退院しましたが、やはりシャバの空気は旨いねえ!・・・しかしあと一週間は禁酒で、食事制限つきなのです。トホホホ。

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2006年5月28日 (日)

上田城と別所温泉

 関越自動車道は何度も走っているのだが、藤岡JCから左に分岐する上信越自動車へ入ったのは、生まれて初めてである。

Img_0219_1  上田菅平インターを下りると、すぐに上田市内である。とりあえず真田幸村で有名な、上田城に向かった。ここは桜の名所で、市民のいこいの公園となっているという。
 縁色に輝く本丸堀を渡ると、城への通路である『東虎口櫓門』が、ど~んと構えていて、櫓(やぐら)には鉄砲や弓矢を射る窓が見える。また城門右脇の石垣には、『真田石』と呼ばれる長径3mの大石が組み込まれていた。
 櫓の上階に登ってみたが、四方八方に見張り窓があり、敵の侵略がすぐに発見出来る仕組みがよく解かった。Img_0240
 現在本丸は残っていないが、この櫓は平成6年2月に復元されたという。城内は、堀を取り囲むように桜並木になっており、散策するには絶好のロケーションである。
 さて上田城を出て、車で数分走ると『池波正太郎真田太平記館』があった。入場料は300円であるが、池波正太郎の原稿や書籍だけではなく、切り絵で再現した「上田攻め」などを上映する、シアタールームもあって、なかなか楽しかった。
 その後に、近くにある「旧北国街道柳町」を歩いた。ここは江戸時代に、善光寺参拝をする人々で、賑わったという。今でも、数軒の旧家が建ち並んでいるが、なかなか趣のある風景であった。
 上田から山の方に向かって、別所線というローカル線が走っていて、その終点が別所温泉となっている。

Kc2400841_1  この温泉郷は、19件の旅館と3つの外湯があるが、静かでひなびた温泉街だ。また別所温泉の周辺には、いくつもの立派なお寺が点在しているので、この辺りは「信州の鎌倉」と言われている。
 さて今夜の宿は、創業百余年を迎え、別所温泉で一番歴史のある『かしわや本店』である。近くに『柏屋別荘』という、やはり由緒のある旅館があるが、昔は親戚同士だったらしいが、今は全く別の経営だという。Img_0291
 チェックインを終わって、浴衣に着替え、ゲタをカランコロンと響かせたがら、小さな温泉街を歩き、『石湯』と呼ばれる外湯に入ってみた。入湯料は150円だったと思う。番台の左右が男と女に分かれている。岩風呂ふうの湯舟と小さな洗い場があり、7~8人も入れば満員になりそうだ。小さな銭湯といった趣きであった。
 Img_0270_2

 さて、かしわや本店に戻ろう。ここは客室数が15室という割には、本館と離館(四季亭)があり、客1人当たりの平均面積が広く、贅沢な旅館なのだ。従って従業員のマナーも良く、料理も美味しいし、風呂もゆったりとしていて、かなり癒されることだろう。
  また旅館の裏側には『北向観音』があり、緑の中に本堂の屋根がそびえ、まるで絵画を観ているような瑞々しさを感じてしまった。
 文句があるとすれば、古くさい貸切風呂くらいだが、無料なのだし、風呂は他にも4つあるので、ご愛嬌と考えるしかあるまい。
Img_0305  とかく到着時は愛想が良くても、チェックアウト後は知らんぷりの旅館が多い中、ここは帰りにも、大おかみ、おかみ、若おかみ、番当さんなどオールスタッフで見送ってくれた。とても気分が良く、また来ようという気になってしまう。これぞ、サービス業の真髄である。

 旅館を後にして、次はお寺めぐりの巡礼である。Img_0341_1
 愛染かつらという桂の巨木で有名な『北向観音』、国宝・八角三重塔の『安楽寺』、美しい萱葺屋根の『常楽寺』、重要文化財の『前山寺』と、立派な寺院を次々と散策し、心が洗れる思いだった。 
Img_0333_4   

 

 最後に『無言館』と呼ばれる絵画館に立ち寄ってみた。十字型をしているこの館には、大平洋戦争で戦死した若き画家達の絵と手紙などが、展示されていた。自画像、風景画、裸婦像などと、父母や恋人宛の手紙などである。
 戦死したのは、20代前半が多く、もっと絵を描きたかっただろう、恋もしたかっただろうな・・・。生きていれば、ちょうど私の亡父と同い年位だ。
 あの忌まわしい戦争の犠牲者の多くは、終戦間際に亡くなったのだ。なんと無謀で意味のない戦争だったのだろうか。

        Img_0339_2 

 そして彼らに比べれば、私達はなんと幸せなことか、この平和で幸福な日本は、彼等の尊い犠牲の上に築かれた楼閣なのだ。そんな熱い思いが胸に溢れて、私も他の見学者も涙を流しながら彼らの作品を観て歩いた
 決してこの気持ちを忘れずに、これからも生きてゆこう。そう思って駐車場へ戻ったら、「哀しいお知らせ」という立て札が目についた。そしてそこには、「最近車上荒しが多いので、車中に貴重品を置かないこと」と記されているではないか!
 本当に哀しいことである。何故こんな場所で、悪事を働くのだろうか。お国のためにと、若くして戦死していった人々に対して恥ずかしいと思わないのか!。ガックリと肩の力が抜ける感じがしてしまった。
 最後の最後になって、残念な思いをしたが、総じて今回の旅は楽しく、有意義で、とても心癒された素晴らしい旅だったと思う。

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2006年5月25日 (木)

時間街への招待状

 なんとロマンチックで、ファンタジックな響きを持ったタイトルなのだろうか。絶版になってしまった古い本だが、是我非でも読みたいという欲望に駆られてしまった。
 あちこちの古本店を探したが、なかなかこの本に巡り逢えない・・。諦めかけていたとき、偶然ブック・オフでこの本を見つけた時は、思わず小踊りしてしまった

Scan10066  著者の亀和田武は、かなり昔に『劇画アリス』というエロ雑誌の編集長をしていた時期がある。このエロ雑誌は、当時自販機販売という、画期的な販売方法を取り入れ、エロ御三家として、マニアの間では評価の高い雑誌だった。
 それらは、全て若かりし日の亀和田の手腕と人脈によるものだという。その後彼は、当時流行していたSF作家になり、現在はワイドショーのコメンテーターのような仕事をしているようだ。
 彼の作品は、ほとんどが短編であり、幻想的でシリアスなタッチと、荒唐無稽なドタバタ調の二つの味がある。シリアスなほうは、まるで文学青年が書いた私小説ような感じがして、とても清々しい味がする。それでなんとなく、彼が寡作だった意味も分かった。
 さて本書は、わずか281頁の手軽な厚さであるが、その中には超短編も含めて、15編の作品が掲載されている。
 そのうち時間テーマSFと呼べるものは、『1966年冬、ハートブレイク・ホテル』、『時の因人』、『嫌われ者のルーツ』、『時間と街路』の4作だけである。
 『時間街への招待状』というタイトルから、全ての作品が時間テーマSFだと思い込んでいたので、期待を外されてしまった。しかしながら、時間テーマ以外の作品にも、かなり傑作が含まれていたので許すことにしよう。
 ことに、『海獣島』、『目覚めよと呼ぶ声あり』、『ア・ロング・バケーション』が、私のお気に入りである。
 時間テ一マのほうは、『時の因人』、『嫌われ者のルーツ』が、ドタバタ調で、残りの2作かロマン私小説風という感じだ。
 私の趣味は、後者の二作のほうである。ともに青春時代に失った彼女への思いが、現在に繋がってくるお話だが、ストーリーとして優れている、『時間と街路』よりは、『1966年冬、ハートブレイク・ホテル』のほうを選びたい。
 前者は切なくて心を打たれるものの、後者の「これから何かが変わりそう」、な結末が好きだからである。

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2006年5月23日 (火)

あの夏に・・・

 少女向けの講談社X文庫で読み、電車の中では、ちょっとおじさんは恥ずかしかったです。・・・だってカバーには、少女マンガ家でもある著者・折原 みとの、『瞳の大きな少女の絵』が、堂々と描かれているからであります。
 Ano さてストーリーは、女優である主人公の少女が、映画の撮影中に、原爆が落とされる1ヵ月前の広島にタイムスリップするところから始まります。
 そしてそこで、同い年でありながらも、心優しく正義感の強い青年と知り合い、恋に落ちてゆくわけです。所々に絵の挿入してあるページもあるし、文体も平易で大変読み易いと思いました。
 ところでラストシーンの詳細は秘密ですが、最後に上手に過去と現在を結合して締めくくっていました。また当時の人々の純な気持ちが伝わってきて、ジ~ンと心を打たれました。少女向けの小説とはいえ、決して侮れないですね。

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2006年5月21日 (日)

ふたりの5つの分かれ路

★★★

 中年夫婦が、離婚誓約書にサインするシーンからスタートする。その後二人は『最後のセックス』をして別れるが、別れ際に夫が「もう一度やり直せないか」と問いかける。
 その後の展開は、時間を逆転させて、4つの過去シーンが黄泉返ってくる。
1.息子が少年時代に、夫の兄とゲイの恋人が遊びに来て、4人で飲食するシーン
2.難産だった妻の出産日のシーン
3.夫婦の結婚式と披露宴のシーン
4.ふたりが出会った、ある島でのシーン

ふたりの5つの分かれ路 DVD ふたりの5つの分かれ路

販売元:メディアファクトリー
発売日:2006/02/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 時間を遡ってストーリーが流れてはいるものの、『メメント』のような難解さや驚愕はない。ただ淡々と5つのお話が続いてゆくだけであった。もし時間を逆転させていなければ、単なるTVドラマといった印象がする。
 タイトルの「5つの分かれ路」という表記からは、「もしあの時こうしていたら・・」というようなストーリーが想像された。私はそれを期待してレンタルしてしまったため、かなりがっかりしてしまった。
 だからと言って悪い映画じゃないし、ストーリーがつまらないわけでもない。また夫婦とは、こんなものだというメッセージは伝わったと思う。
 しかしこの夫婦が、共有するものは「子供」でもなく、「趣味」でもなく、「価値観」でもなく、ただセックスだけというのも、なにかもの足りない。それがこの監督の感性だとしたら、彼はかなり淋しい男だね
 特に盛り上がるシーンもなく、ラストの終り方もあっさりし過ぎていて、なにか中途半端な映画だったな。
 あとは、映画を観る人が、自由に想像してくれ!。・・・というのが、フランス流だと言えばそれまでだが、個人的には、心に染み込んでくるような共感を呼ぶ映画のほうが好きだね。

 ただ妻役のヴァレリア・ブルーニ=テデスキは、素敵な女優だと思った。顔の細かい皺は別として、過去に戻るほど瑞々しい姿と心に変貌していたのは見事だった。と付け加えておこう。

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ブログ本3冊

 ブログ人口は、驚異的に年々増加しているという。近い将来、自分の意志表明をしたいと考えている人の大半は、ブログを立ち上げるのではないでしょうか。

 さて、そういう自分自身も今年に入ってからブログを立ち上げた、『ブログ一年生』であります。ブログに興味がある方、すぐにブログを立ち上げたい方、僕のようなブログ初心者の方。そのブログ初心者が、最近読んだブログ本三冊をご紹介いたしましょう。

ウケるブログ 高瀬賢一
 
 タイトルをみた限りでは、いかにブログを目立つように演出するか、あるいは宣伝するのかを書いた本のように感じるだろう。
 ところがこの本は、ブログテキストを書く上での、文章作法を書いた本なのだ。

Scan10065  中味の構成は、一応Q&A方式となっているが、Question18に対して、Answerが100と圧倒的にAnswerが多い。そしてこの100のAnswerの見出を読むだけでも、文章作法の基本が身に付くはずである。
 またそれぞれのAnswerには、具体的な例文が付いているので、初心者にも大変判り易い仕組みとなっている。
 一応ブログ文の書き方と言うことだが、一般的な文章作法として読んでも、それほどおかしい内容ではないと思った。
 また最後のまとめで、10ページ足らずだが、トラバックや検索サイト等の利用による宣伝方法も簡単に記載してあるので、念のため・・。
 ブロガーであれば、一冊購入しても決して損のない本だと思うね。
 もちろん、ハデなタイトルを付けたり、文章を巧く書いても、つまらない内容では、やがて読者は去ってしまうだろう。

  一番必要なことは、何にでも興味を持って、常にアンテナを張り巡らして、視野を広げておくことである。

ブログ進化論  岡部敬史

 本書はブログの入門書でもなければ、ブログの作り方を書いたノウハウ本でもない。ましてや人気ブログの紹介本では決してない。あくまでもタイトル通りの「ブログ論」なのであり、それ以上でも以下でもない。

ブログ進化論—なぜ人は日記を晒すのか Book ブログ進化論—なぜ人は日記を晒すのか

著者:岡部 敬史
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 内容を簡単にまとめると、下記のようになる。
1.ブログの平易さ、面白さとブー厶となった理由
2.新しいメディアとしてのブログの効用
3.ブログの今後の発展性について
 
 難しい本でも楽しい本でもないが、ある程度ブログを知っている人や、既にブログを作っている人が読めば、多少はブログ活用のヒントになるかもしれない。

人とお金が集まるブログ作りの秘伝書  石崎秀穂

 長ったらしく、大仰なタイトルなので、何となくいかがわしい臭いがするが、内容はかなり充実している。

人とお金が集まるブログ作りの秘伝書 Book 人とお金が集まるブログ作りの秘伝書

著者:石崎 秀穂
販売元:シーアンドアール研究所
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 内容を要約すると、次の通り

  ブログとは何んなのか
  アクセス数のアップ方法
  リピーターを増やす秘技
  文章作法について
 ● ブログで收入を得るには
  困ったときの対処法

 この一冊でブログの全てが判るという位、欲張な内容である。ブログ初心者から中級者まで、多くのブロガーの入門書として最適かもしれないね。
 ちなみに著者の石崎氏は、脱サラ後にブログ等で月收45万円を得ているという。従って、実践的なブログノウハウ本ともいえるだろう。

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2006年5月20日 (土)

通勤地獄 ズレてくれないおじさん

 帰りの電車ですから、やっぱり混んでましたよ。でも朝のラッシュと違って、ギュウギュウ詰めという訳じゃありません。吊皮が全部塞がっている状態とでもいいましょうか。その程度の混み具合なのでした。
 と・・周囲を見回すと、そのおじさんが掴まっている吊皮の左右が、それぞれ半人前ずつ空いているじゃありませんか。

R01  「すみません」と声をかけて、その半人前の左側スペースに割り込もうとしました。当然おじさんが、半人分空いている右側へ、ズレてくれるものだと思い込んでいたのですが・・・・。
 おじさんは一向に動いてくれない。それどころか、頑として吊皮を強く握り、「死んでも動かないぞ!」という構えなのです。こちらも意地になって、ググググッと力を込めて割り込んで、とにかく網棚にカバンを置くことだけは許してもらいましたが、相変わらず隙間は作ってもらえません。
 どうして右側が空いているのにズレてくれないのだ!私はだんだんイライラが募ってきて、大声で注意したくなりました。

 そのとき電車が次の駅に到着し、おじさんの前に座わっていた若者が、慌ただしく席を立ち降車したのでした。
 それを待っていたかのように、くだんのおじさんが、その空いた席に急いで座ったのです。そして何事もなかったかのように、目を閉じて居眠りと決め込みました。
 なぁ~んだ。このおじさんは、さっきの若者がこの駅で降りることを知っていたんだ。それで吊皮をズレると、私にその席を盗られると思って、ガチガチにガードしていたのでしょうか。さてさて喧嘩の原因なんてものも、意外とこうしたつまらない事情から生まれるものなのですよね。

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トム・ヤム・クン

★★★☆

 なんでこんなへンテコリンなタイトルをつけたのだろうか。この映画の中で、悪人が経営するレストランの名前ではあるのだが、いかにもタイ=トムヤムクンといった安易なネーミングだ。
Scan10056  さしあたって、日本の映画なら内容に関係なく、『すし』とでもつけるのだろうか。製作国はタイとなっているが、なにげに欧米の資金が投入されている匂いがする。
 このタイトルが気に入らず、今日までこの作品を観なかった訳だが、意外にネットでの評判が良いので、やっと重い腰をあげた訳である。
 平日だというのに、館内はほぼ満員で、若い女性が多いのは、一体どうゆうことだろうか。金曜日で上映終了とのことだが、興行的には、まだまだ延長可能な勢いを感じた

 さてさて前置きが長くなってごめん!肝心のストーリーを紹介しなくてはね・・・。
 タイで家族同様に仲良く暮していた二頭の親子象が悪人どもに盗まれる。青年は怒りまくって象泥棒をこらしめるが、象はすでにシドニーの極悪人どもの手に渡っているという。そして、青年はシドニーに飛び、極悪人どもと戦いながら、象を探し続けるのであった・・・。

Scan10057_1  という荒唐無稽で支離滅裂な、ストーリー展開なのである。本来ならば象と少年の友情物語と、格闘アクション編とは全く別の映画なのだが、これを無理やり合体させたのが、間違いの素かもしれない。

 とはいえ、前半の「象物語」は美しい風景と、驚くべき「象の演技」に心を打たれたし、『風の前奏曲』を思わせる神秘的な雰囲気にも心癒された。これはこれで独立した別の映画として観たいものである。

 それから、この映画の売りである「格闘アクション編」のほうは、話の筋立はデタラメだが、アクションそのものは唸るほど素晴らしいのだ!。
 とにかくスピードと、勢いが違う。水上のボートチェイスにしても、格闘動作にしても、とにかく速くて凄まじい。CG無し、ワイヤー無し、スタント無しの本物のアクションなので、かなりの負傷者が出たのではないだろうか。

 それと格闘アクションシーンは、昔懐かしいアーケードゲームそのものであった。
 Scan10063 電車の車庫で、バイクやローラースケートで襲いかかってくる敵。
 カジノの長い回廊で、ナイフや鉄パイプを振りかざす敵を蹴散らしながら、ボスを探して最上階をめざし走り抜けてゆく・・・。
 そうアクションゲーム好きなら、『ファイナル・ファイト』を思い出すだろう。

 そして燃える教会の中で、カポエラの達人、剣の使い手、カンフーの強豪、怪力プロレスラーと、次々に戦うシーンは、まさに『ストリート・ファイター』である。
 個人的には、カポエラの達人との戦いが一番好きである。とにかく格闘ゲーム好きには、応えられないだろうね!
 くれぐれも、ストーリー展開や主人公のスーパーマン的パワーなどに、いちいち突込みを入れないこと。ゲーム感覚で気楽に観れば、ストレス発散間違いなしの1本だ。

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2006年5月16日 (火)

通勤地獄 電車の遅れ

 ここのところ京浜東北線のラッシュ時の遅れが酷い。神奈川~東京~埼玉と三県にまたがる長い路線なので、無理もないと諦めてはいるが、それにしても多過ぎるよね。

Town019  人身事故(多分自殺)、線路内への進入や異物発見、車両故障に信号故障、大雨や大雪による遅れや立ち往生と、数え上げたらきりがない。
 ・・・とこれを書いている矢先に、またまた京浜東北線が、信号故障で蒲田~大船間が動いていないという!そして午前中は回復の見込が立たないらしい。

 ところで横浜から品川迄は、平行線を引いたように京浜急行線が走っている。それでJRが遅れる都度、こちらに振替乗車が行なわれるのだ。従って最近の京浜急行線は、JRの予備線のようになってしまったね。
 しかし僕は、京浜急行線への振替乗車は、絶対にしないことに決めている。とにかく混むし、ホームが狭いので危険であり、各駅停車の遅いこと、遅いこと・・。下手をすると、通常より一時間位遅く会社に到着し、一体何のために振替乗車したのか判らなくなるからである。
 それで最近は横浜迄戻って、そこから東海道線か横須賀線に乗ることにしている。これが一番速いし、意外とそれほど混まないんだね。しかしJR側は、この方法を全くアナウンスしないから不思議だ・・・というよりアンフェアではないだろうか。

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2006年5月14日 (日)

明日の記憶

『本と映画のランデヴー第六弾』 

 今回は、まず小説を読んで感動し、そのあと10日後に映画を観たので、まだ原作の記憶がかなり鮮明に残っていました。こういうパターンで映画を観たのは初めてでしたが、レビューを書くには都合が良かったと思います。では、まず原作からご紹介しましょう。

明日の記憶 Book 明日の記憶

著者:荻原 浩
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  若年性アルツハイマーに罹った、広告代理店のサラリーマンと、その家族との愛情物語である。ジャンルとしては、社会派恋愛小説とでも名付けておこう。
 アルツハイマーというと、老人のボケ症状が悪化したものだろう位にしか、認識していなかった。それから、携帯電話や電子レンジを使い過ぎると危ないとか、BSEの牛肉を食べるとヤバイとか、でも自分には縁のない病だと思い込んでいたのだ。
 ところがこの小説を読んでいくうちに、だんだん怖くなってしまった。アルツハイマーの初期症状で、固有名詞を忘れたり、昔のことは良く覚えているのに、昨日のことが思い出せない!・・・ということがあるらしい。これは、短期間の記憶を保存する脳の中の『海馬』と呼ばれる部分が冒されているかららしい。
 ここまで読んでいくと、かなり気分が悪くなってきた。まさに自分も全く同じ症状があるからである!それまでは、単なる老化現象だと思っていたのに、余計なことを知ってしまったものだ。
 最初は物忘れが激しいぐらいの症状しかなかった主人公であるが、だんだん記憶が遠くなり、得意先への道順さえ判らなくなるのだ。そしてしまいには、家族の名前すら思い出さなくなってしまう。
 ほんとに読めば読むほど恐ろしくなり、この小説をブン投げたくなる自分に気が付いて、更に怖くなってしまうのだ。ある意味、中高年者にとっては、これは「恐怖小説」かもしれないね。
 この小説ではアルツハイマーの原因も不明で、治療薬もないと書いてあり、その発見は5年先だとも言っている。しかし、既にエーザイから『アリセプト』という画期的な治療薬が発売されているのだ。しかしこの薬も万能ではなく、ごく初期の患者のうちの、何割かにしか効果がないという。う~ん残念である!何もないよりはマシだが、早く完全な治療薬が開発されることを祈ってやまない。
 さてこの小説が映画化され、近々上映されるようである。主演は渡辺謙と樋口可南子で、二人とも小説のイメージに、ぴったしである。若干結末が異なるようだが、早く観たくて堪らない。

Scan10058  ★★★★

 超満員ではなかったが、初日ということで、かなりの席が埋まっていた。やはり中高年の夫婦連れが目立つ。この映画のテーマである若年性アルツハイマーが、決して人ごとではないからであろう。
 アルツハイマー病とは、脳が萎縮し記憶力の低下に始まり、次第に知能や身体全体の機能が衰え、やがては死に至る病で、現在その原因は不明だという。また若年性アルツハイマーとは、広義には18才から狭義には40才から64才までに、アルツハイマー病に罹った人を、そう呼ぶらしい。
 行政官庁の公式な発表では、日本での患者数は約4万人といわれているが、実際にはその3倍近くの患者がいるという。実に恐ろしい現実である。

 さて原作を先に読んだので、正直言って映画の出来には余り期待していなかったのだが、巧く作られて良い味を出していたと思う。主人公渡辺謙の迫真の演技と、その妻樋口可南子の自然な演技が、上手に絡み合っていたし、懐かしい音楽や美麗な映像にも癒された思いがする。
 また脇を固めたキャストもぴったしハマっていたし、彼らが演じた下記の名シーンも記憶に残るだろう。

  病名を告知されて常軌を失う渡辺謙に、自分の父親の話をする誠実な吉田医師(及川光博)
  渋谷で道に迷った渡辺謙をケータイ電話で、必死にナビゲートする生野(水川あさみ)
  病気で左遷された渡辺謙を、心暖かく慰めるギガフォースの河村課長(香川照之)
 ● 奥多摩で渡辺謙と、茶碗を野焼きしながら酒を飲んで、下手糞だが味のある声で古い唄を大声で歌う菅原(大滝秀治)

 これらのシーンでは、涙が止まらず、メガネを外したり、ハンケチで目の周りを拭いたりと、大忙しであった。それにしても、年々涙腺がゆるんでゆくのは、年を取ってゆく証拠なのだろうか・・・
 原作は主人公(渡辺)の視点と心象から物語が進んで行ったが、映画のほうがより現実的であり、妻(樋口)の関与度合いが、かなり多かった。これは恐らく、女性の観客を意識して作られたのかもしれない。
 オープニングの施設は、驚くほど美麗なのだが、なにか人工的なアンバランスさを感じた。逆にエンディングの吊橋には、奥深い自然の息吹を感じて、心が洗われる思いがしたね・・・。
 とにかくいい映画だった!いま思い出しても涙がとまらないのだ。だが悲しいかな「どうして中年の人が泣いているの判らない。全然泣けない話だ!」とネットの掲示板に書き込んでいる若者がいた・・・。
 しかしね、いつの時代でも、結婚して、一生懸命子供を育て、仕事をして、家庭を守って、そして子供達はやがて巣立って行く、そして気が付けば自分は年ばかりくってしまった。・・・という道程は変わらないのだ
 そしてその道はいつも平担な道ばかりではない。山もあり谷もあった。もちろん家族団欒の楽しい一時にも癒された。そうした長い過去をしみじみと振り返って、おじさんやおばさん達は涙しているのだということを理解して欲しい。そして、やがては皆同じ経験をすることになるのだよ。

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2006年5月13日 (土)

絵手紙も描いてます

Photo_28   私はまだ絵手紙を始めて三年程度ですが、何故絵手紙を始めたかと言いますと・・・本当は水彩画をやりたかったのですが、サラリーマンをしながら休日画家に挑戦しても、十分な時間がとれず、結局は途中で投げてしまうかもしれないと考えたからなのです。
  その点絵手紙ならハガキという小さなキャンバスを使うことだし、背景も描かなくてよいので、さほど時間がかからないだろうと思ったからであります。結局その通りでした。
  
 Photo_26 私は現在、全くの自己流で、いい加減な絵手紙を描いていますが、少なくとも当初の半年間は、小池邦夫氏のお弟子さんという人に手ほどきを受けました。 そのときにその先生からしきりと言われたことが、「ヘタでいい」「ヘタがいい」という小池氏の言葉であり、私が細かく描き過ぎるため「貴方は絵が上手すぎて絵手紙に向いていません」ということでした。
Photo_27    ところが私の作品をご覧になれば分かることですが、私は決して絵は上手くはありません。結局「細かく描いたり、べったりと色を塗ったりでダメだ」ということを、皮肉をこめておっしゃったのだと、あとでだんだん分かってきました。三年たった今も、なかなかその悪い癖が直らない私でございます。(ーー;)

そんなダメな作品ですが、是非一度「絵手紙小屋」にもいらっしゃいませ。m(__)m また相互リンクして戴ける方を探しています。

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2006年5月12日 (金)

僕の大事なコレクション

★★★☆

 まるでスーパーマンのクラークケントのような、大きなド近眼メガネをかけて、ボーっとしている主人公。オープニングキャストを見なかったら、彼が『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッドだと気付かなかっただろう。

Scan10053_2  ユダヤ系米国人である彼の趣味は、親族にまつわる品物を収集すること。そして彼は、ウクライナの田舎村と祖父の名前だけを頼りに、あてのない旅に出る。
 ウクライナでの道案内をするのが、ユダヤ人嫌いの頑固爺さんと、米国かぶれでお人好しの孫と、爺さんが飼っているオイボレ盲導犬なのである。
 ちょっとおバカで、意外とシリアスな不思議な映画で、とぼけた味の音楽がよくマッチしていた。
 ウクライナの田園風景は、雄大で静かでとても美しいが、どこかもの悲しい。
 

  探し求める家は、広大な大地に延々と咲き誇る「黄金色に輝くひまわり」の中に、ポツンと淋しそうに佇んでいた。そしてこの景色と一軒家のコントラストが、びっくりするほど鮮やかに映されているのだ。
 Scan10054_2 目的地に到着してからの爺さんは、まるで別人のようになり、精悍な顔つきに変貌していた。ラストの爺さんの行動は謎のまま終わるが、なんとなく長年背負ってきた肩の荷を、やっと降ろすことが出来た・・・という感じがしないでもなかった。
 主な登場人物は、4人と犬一匹だけであるが、皆良い人ばかりだし、どことなくノストラジーを感じて、途中涙が滲んでしまう。マイナーで観客数も7人と興行的には失敗作だが、心にジーンと余韻が残る渋味の効いた作品であった。

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2006年5月11日 (木)

ザスーラ

★★★

 10年前にロビン・ウィリアムス主演で大ヒットした『ジュマンジ』の続編だという。謎のゲーム盤で遊ぶと、とんでもない事態になるという展開はそのままであるが、『ジュマンジ』がアフリカ編だったのに対して、本作は宇宙編ということになる。

ザスーラ DVD ザスーラ

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2006/04/16
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 ゲームをすすめると、家ごと宇宙船となって、ロボットや宇宙人達に攻撃されるという、相変わらず荒唐無稽でハチャメチャな『ドタバタSFコメディー』である。
 仲の悪い兄弟が、力を合わせて戦い最後は兄弟愛にめざめるというお子様向けのストーリーであるが、ラスト手前のどんでん返しには、思わず涙を流してしまった。
 この作品、お子様ランチとして観れば、そこそこに評価出来るし、CGなども格段の進歩を遂げているが、やはり続編には意外性や驚きがない。従って『ジュマンジ』を超えることは出来なかったようだ。

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2006年5月10日 (水)

美亜へ贈る真珠

  梶尾真治の短編はかなり好評である。ただ彼の書く短編には、二通りの風味がある。一つは筒井康隆流のドタバタ味、いま一つは叙情詩のようなリリカル味だ。僕の好みは、断然後者のリリカル味であり、幸い本作もそれに属していた。

美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇 Book 美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇

著者:梶尾 真治
販売元:早川書房
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 本作では、未来だけに一方通行する航時機に乗ってしまった恋人を、外から何十年も見つめ続ける女性の切ない恋心を見事に描いている。このお話の中では、彼女が彼にもらった『真珠』の存在がキーになっている。そしてラストのどんでん返しも、この『真珠』によって表現されているのだ。
 なんと切なく美しい小説なのだろう。だがこのラストの描写の中で「七色に輝く真珠は殖え続けていたのです。」という記述が、何度読み返してもどうしても理解出来なかった。航時機の中での時間の経過が異常に遅いので、落ちてゆく真珠の残像がそう見えるのだろうか。自分の貧弱な読解力に、ちょっと悲しくなってしまった。
 本作は短編集『地球はプレイン・ヨーグル卜』に収められていたが、その中に本作と似た味がする『詩帆が去る夏』も掲載されている。こちらはタイ厶テーマではなく、愛する女性のクローンを育てる話だが、本作よりも判り易くもっともっと切ないお話だった。

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2006年5月 6日 (土)

お父さんのバックドロップ

★★★★

 プロレスの大好きなプロレスラーと、プロレスの大嫌いな息子の愛情物語である。従ってメインテーマは、プロレスそのものではなく、母を亡くした少年の淋しさと、いつも不在の父親との葛藤なのだ。
 プロレスは擬似格闘技ショーであり、真剣勝負ではないことは、今では誰でも知っている常識だ。ただ毎日のように試合を行うため、真のレスラーは体を鍛えることを忘れない。だから、打たれ強いしスタミナは抜群のはずである

お父さんのバックドロップ DVD お父さんのバックドロップ

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2005/04/22
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 ところが最近は、余り練習をしないレスラーが増えたのか、PRIDEやK1などで、「打たれ弱い」プロレスラー達の、無様な敗北が目立のは、プロレスファンとしては非常に悲しい現状である。
 この作品でのラストバトルは、A・猪木と極真空手のW・ウイリアムスの異種格闘技戦のオマージュであるが、実に良く出来ていて、もしあのときセメントで戦っていたら、こんな試合になっていたかも・・・と思わせるに十分な展開であった。
 お話全体についても、マンガチックで、余りにもよくある流れで、結末も見え見えなのだが、それでも心にジーンと染み込む感動があった熱い!実に熱いドラマなのだ!そして何とも言えないほど、久々に爽やかな気分を味わうことが叶った。そして僕の顔面は、涙と鼻水とで、ぐしゃぐしゃになっちゃったよ!
 プロレスラー下田牛之助役の宇梶剛士は、昔巨大暴走族の総長だったという。その鍛えられた体躯もりっぱだが、その風貌や仕草がまさにプロレスラーそのものである。 また下田牛之助などというとぼけたリングネームは、悪役だったが実力はピカイチで打たれ強かった「上田馬之助」をもじっているのだろう。

お父さんのバックドロップ Book お父さんのバックドロップ

著者:中島 らも
販売元:集英社
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 それから息子役の神木隆之介を始め、その親友役の田中優貴の演技もとても良かったね。それと忘れてはいけないのが、おじいちゃん役の南方英二と、恋人役の南果歩の存在である。もしこの二人がいなかったら、たぶんこの映画はサビ抜きのトロになっていただろう。
 プロレスや格闘技の好きな人はもとより、フツーの人達にも十分見応えのある作品に仕上がっている。

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2006年5月 2日 (火)

寝ずの番

★★★☆

 津川雅彦が、叔父のマキ丿雅弘監督の名を拝借し、『マキノ雅彦』として初めてメガホンをとった作品だそうだ。内容は上方落語の大御所と、その弟子たちの話を描いた大人のコメディーである。

   まずちょい役も含めて、出演者が多彩であることに驚くだろう。津川雅彦本人は出ていなかったが、長門裕之、富司純子、笹野高史、中井貴一、木村佳乃、岸部一徳、堺正章、高岡早紀、中村勘三郎、浅岡ルリ子、桂三枝、米倉涼子などなどの個性派揃いである。

寝ずの番 Book 寝ずの番

著者:中島 らも
販売元:角川書店
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  その中で一番光っていたのは、弟子役の中井貴一と、その女房役の木村佳乃ではなかろうか。ことに最近の中井は、真面目な役柄から悪役まで何でもこなす名優になりつつある。本作での三味線を弾きながら歌う唄は、「ハアー」と少々鼻声だが、プロも真っ青で実に見事であった。一方、木村佳乃は『蝉時雨』での清楚な奥方様のイメージを、180度覆す大胆な役柄を、自然にこなしているので驚いてしまった。案外あれが彼女の素顔なのかもしれないね。

寝ずの番 Book 寝ずの番

著者:中島 らも
販売元:講談社
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 予告編で見た通り、長門裕之が今輪の際に、「女のあそこが見たい」とつぶやいたため、中井の女房である佳乃に、白羽の矢が立つのである。初めはためらっていた佳乃だが、一旦覚悟を決めると、長門のべッドの上に立ち、下着を外してスカートをまくりあげるのだ!。このときの、恥じらいと恍惚感の折り重なった佳乃の表情が実にいい。
 大御所の死亡に始まり、後を追うように立て続け2名が亡くなるのだが、その通夜の席で、弟子たちの故人を偲ぶ下ネタ小話が、メインテーマとなっている。
Intro_04  途中おじさん達が大笑いしていたが、若い人達には、その笑いの本質を理解出来ないかもしれない。もっとも僕も、紛れもないおじさんなのだが、それほどおかしくなかったぜ・・・。どうも大笑い組はおじさんというよりは、『おじいさん』なのだろう。
 この作品は落語界や花柳界という特殊部落での、古いが粋なお遊びの応酬といった趣がある。だから古き良き時代を知っている、お金持ちのお年寄には、応えられないほど楽しいのであろう。僕も若かりし頃に、神楽坂で芸者遊びをしたことがあるが、何も判らないまま、年配の上司に、2度連れて行かれただけで、実質は未経験に等しい。
Photo_16  どちらにしても、貧乏人には縁のない場所である。だから、羽振りの良かった祖父は、毎晩のように芸者遊びをして、人力車で夜遅く帰宅していたが、戦後無一文から苦労した父には、全く縁のない場所だったようだ。
 僕が一番面白かったシーンは、堺正章と中井貴一の『掛合い三味線合戦』である。次は前述した、『木村佳乃のスカートめくり』シーンかな。そしてその次が、『死人との力ンカン踊り』だろうか。
 このシーンを観て、大昔にTVで観た『らくだの馬さん』という舞台劇を思い出して大変懐かしかった・・・と感じるのは、まさしくおじさんの証拠だね。この舞台劇の主役は、益田喜頓と堺駿二の凸凹コンビであり、それこそ当時は腹がよじれるほど笑いころげたものだ。ちなみに、堺駿二とは、マチャアキの実父なのだから、因縁を感じて面白いね・・。
 この映画の売りは、昔懐かしい小話と春歌に三味線を加えた、粋なお遊びなのだが、無理やり笑わそうと力み過ぎた演出には、心から笑えず苦笑せざるを得なかった。あと下ネタが多過ぎるのも、ちょいとしっこいよ。
 半世紀前のお笑いには、もっとペーソスに富み、ほのぼのとした中にも、新鮮な驚きを伴った自然な笑いがあったのだが・・・・津川雅彦をしても、それを超えることは出来なかったようだ。
 最後に、僕が子供の頃に流行った替歌を一つご披露しよう。江戸川乱歩の『少年探偵団』のおヒネリである。
ぼ、ぼ、僕らは少年愚連隊
  マンボズボンに色メガネ
  キラキラ光るジャックナイフ
  田舎のネエちゃん金出しな
  金がなければ、ケツ出しな~

この歌を見て、懐かしさを感じた人。貴方は正真正銘の「おじさん」であります。

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