Vフォー・ヴェンデッタ
★★★☆
新宿東急の前は、この映画を観る若い人々で大行列であった。劇場の中に入るとほぼ満員で、ハリーポッター以上に混み合っているではないか。
第三次世界大戦後、ウイルスに汚染され独裁者に牛耳られた英国社会から、自由と平和をとり戻そうと立上がった、Vと呼ばれる仮面の男のテロ活動を描いた映画である。いわば近未来社会派アクション映画という、きわめて珍しいジャンルの作品ではないか。
そして原作は英国のコミックであり、脚本はあのマトリックスのウォシャウスキー兄弟だというから、これほど前評判が高くなったのだろう。
オープ二ングに中世の処刑シーンが登場するが、これは1605年11月5日の『Guy Fawkes Day』を示唆している。そしてVの最終目的とは、過去にGuy Fawkesが成し得なかった、国会議事堂の破壊と自由開放革命にあるのだった。
ストーリーそのものは、さほど目新しいものではないし、怪傑ゾロにナチスをかけ合わせたような展開も、残念ながら僕の好みではない。
ところでVを演じたヒューゴは、一度もその素顔を晒さなかったが、仮面を被ったままでの演技力は抜群に素晴しかったね。まさにあの「もの悲しげに微笑む」仮面の表情には、この世を超越した不思議な魔力が潜んでいるかのようだった。
ひとつ良く判らなかったのが、監獄でナタリーを拷問に処する必然性だ。このシーンはナタりーが丸坊主にされる話題のシーンであり、彼女も必死に演じた重要なシーンでもある。ただこのシーンの意図するものが、「拷問による意識のめざめ」などという暴力肯定の論理だとすると、ちよっと受入れ難い気がしてしまうのは、決して僕だけではないだろう。
僕のブログは何位でしょうか?
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コメント
W・R さん、丁寧なコメントありがとうございました。
だいぶ前に観た映画なので、だいぶ記憶が薄れてしまいましたが、「9.11」に置き換えることは、考えてもいませんでした。
難しいテーマの映画ではありました。
投稿: ケント | 2006年11月29日 (水) 11時43分
ケントさん、はじめまして。 長文失礼します。
「もの悲しげに微笑む」仮面 = アルカイック・スマイルとも評されますが、「不思議な魔力」と共に、エプロン姿などのギャップが印象に残りました。拷問シーンで彼女の意思が固まらなければ、列車のレバーを引けなかったのかも?「小説家はウソで真実を語る」など、W兄弟脚本のセリフも印象的でした。
実は、この映画の中で起きた「官製テロ事件」を「9.11」に置き換えるとみると思いもよらなかった事柄や、この時期に公開された「真意」が感じられるかもしれません。ディラン・エイヴリー監督・23歳が作り、カリスマ人気を得ている911検証映画の「LOOSE CHANGE = ルース・チェインジ」が「9/11 Truthムーブメント」現象を世界規模にしていますが、ご存知でしょうか? 改良作の「LC 2ND Recut」などで、Vのように「集まろう」呼び掛けました。「仮面」の代わりが「黒のTシャツ」です。
06年の9月11日の再調査要求デモ動画と、次の日にその様子を伝えたはずニュース。(参加者の人数の違いに注目…。) ですが、来年も9月11日はやって来ます。
http://www.911podcasts.com/files/video/TalkingAboutaRevolution.wmv
http://www.911podcasts.com/files/video/Zahn_LC.wmv
12月の? DVDの発売前から「LC2」の「無料」配信が早くも開始されたようです。日本語版の検索語「LOOSEチェンジ」の世界的な反響などは、下記BBSの11/22を。ご参考になればと。 尚、本文内容やLINK先とは利害関係はありません。
http://www.wa3w.com/911/index.html
http://bbs9.fc2.com/php/e.php/cinepro/
http://www.harmonicslife.net/gallery/main.php?g2_itemId=775
投稿: W・R | 2006年11月29日 (水) 10時22分
こんにちはlaerl38さん、コメントありがとう。僕のところも最近スパムが激しいですね。一日20件くらいあります。一体どうしちゃったのでしょうかね。
投稿: ケント | 2006年10月22日 (日) 19時44分
「映画、言いたい放題!」のlaerl38です。
丁度スパムに攻撃されていてTBを一時的に止めていたのです。
せっかくお越し頂いたのにすみません。m(_ _)m
私も拷問の意がよくわかりませんでした。
またちょくちょく遊びに来ます♪(^^)
投稿: laerl38 | 2006年10月22日 (日) 17時59分
ケムケムさんTBありがとう。
投稿: ケント | 2006年10月 1日 (日) 17時32分
TBさせてくださーい^^
投稿: けむけむ | 2006年10月 1日 (日) 15時05分
A.C.O さんコメントありがとう
イヴィーへの荒唐無稽な拷問については、コミックだと思えば、さもありなんという感じもします。これはコミックなんだと言い聞かせながら観るしかないですね。
こちらこそよろしくね。これからも遊びに来てください。
投稿: ケント | 2006年5月25日 (木) 21時29分
こんばんは! ケントさま
拙ブログにTBかえし&コメントいただき、ありがとうございます。お礼に伺うのが遅くなり申し訳ありません。ケントさんが書かれているように、イヴィーの意識変革に牢獄の監禁と拷問が必要だったのか?私も疑問でした。普通なら発狂してしまうと思います。あのシーンの予告で見に行くのをためらったほどです。他の部分はユーモアもあり、コミックが原作らしい、面白い映画でした。またお邪魔します。これからもよろしくお願いします。
投稿: A.C.O | 2006年5月24日 (水) 00時20分
たろさん>TBお返ししたのですが、うまく反映出来ませんでした。
たろさんは、音楽が好きなんですね。
Vの仮面の表情が最高でした。ストーリーは今ひとつ何かが不足していたかもしれませんね。
投稿: ケント | 2006年5月15日 (月) 21時39分
こんばんは。
こちらの方にもコメントとトラックバックを失礼致します。
この作品は、ヒューゴ・ウィーヴィングさんやナタリー・ポートマンさんの演技に見所が多いながらも、現代社会に問い掛ける内容をベースとした歴史の再構築の難しさから多少無理な設定を感じ、今一つまとまりに欠ける仕上がりの映画でもあったと思いました。
また遊びに来させて頂きます。
ではまた。
投稿: たろ | 2006年5月15日 (月) 02時34分
ノラネコさん>コメントありがとう。僕も途中、父親かなと思いました。
sabunoriさん>ファントムそうですね。そんな感じもしますよね。
cherryさん>監獄での拷問に疑問を感じているいる人が多いですよね。
ミチさん>仮面の表情が切なく微笑むようで、とても良かったですね。
mezzotintさん>予告編での期待は裏切らなかったような気がしますね。
たましょくさん>確かに拷問することによって、信頼関係を築けたのはわかりますが、それはVの一方通行ですよね。ナタリーからすれば、普通頭にくると思うのですが・・・
猫姫少佐さん>なぜか『Guy Fawkes Day』は英国のお祭りになっているようですね。僕もその真意は良く判りません。
投稿: ケント | 2006年4月29日 (土) 10時34分
こんにちは!
TBありがとうございました!
ガイ・フォークスって、結局、英雄なの??
なんか、全然わからなかった、、字幕読むのに忙しかったし、、、
オペラ座、ゾロ、、、
あたしにはマスクマンは合わないことを確認しました。
またよろしくお願いしますね。
投稿: 猫姫少佐現品限り | 2006年4月27日 (木) 16時23分
TBありがとうございますm(_ _)m
あの拷問シーンって、「V」がイヴィー
を試していたんですよね。終わったあとに
「楽にしてあげたかった」とゆーセリフが
ありましたが、イヴィーは、拷問に屈する
ことよりも「V」の存在に希望を感じてい
たのかと。
投稿: たましょく | 2006年4月27日 (木) 13時30分
TBありがとうございます!私もTBさせて頂きました。Vはなかなか面白かったです!予告編から気になっていたので・・・。観て、良かった!!
投稿: mezzotint | 2006年4月26日 (水) 23時11分
こんにちは♪
原作はコミックスなんですね~!
仮面をつけていてもVの気持ちが伝わる演技は素晴らしかったと思います!
拷問の必然性については私も疑問を感じました。
意識改革されなくてへばっちゃったらどうする気だったんだろう??
投稿: ミチ | 2006年4月26日 (水) 22時39分
Tbありがとうございます(^0^* )
>ひとつ良く判らなかったのが、監獄でナタリーを拷問に処する必然性
同感です
意思や精神力の弱い人だったらおかしくなってますよね(汗)
そんな危険を冒してまで鍛えるなんてオニ~と思っちゃいました( ̄∇ ̄;)
投稿: cherry@Cinemermaid | 2006年4月26日 (水) 21時54分
こんにちは。
TBありがとうございました。
私はVと「オペラ座の怪人」のファントムがかなり重なる部分がありました。
どちらにも「美学」と「切なさ」があるところが共通していますね。
投稿: sabunori | 2006年4月26日 (水) 21時38分
Vとイヴィーの関係は良く判らないですね。
私は途中まで彼女の父なのかなと思ってたけど、結局違ったし。
面白かったけど、脚本は穴だらけでした。
投稿: ノラネコ | 2006年4月26日 (水) 21時26分
にいな さんコメントありがとう。
ヒューゴの顔を出さなかったのも正解かも。
スミスじゃないかなんて思われちゃうものね。(笑)
投稿: ケント | 2006年4月26日 (水) 20時58分
TBありがとうございました。本当にヒューゴの演技は良かったですね。ついでに「サウンド・オブ・サンダー」にもTBさせていただきました~
投稿: にいな | 2006年4月26日 (水) 20時54分