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2006年3月28日 (火)

メゾン・ド・ヒミコ

★★★☆

 あら、いやだわこれって「ゲイの養老院」の名前だったのね。・・・いけない、僕までゲイ言葉が移ってしまいました。
 湘南の海に面して建つ、なにやら妖しげなムードの白い館。運営するのは、昔ゲイバーの凄腕ママだったヒミコ・・・
 そのヒミコに捨てられた娘が柴咲コウで、ヒミコの愛人役にオダギリジョーという布陣でございます。

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 確かにゲイには通常の市民権は与えられていないし、白い眠で見られてしまう。それでも若いころはいいが、年をとったらどうするのだろうか?そりゃあ、ゲイ同士が互いに助け合って暮らしてゆくのが一番じゃないのかしらん。・・・という発想でこの白い館が建てられたのです。
 それにしてもオダギリジョーは、色々な役を幅広くこなす、貴重な若手俳優ですね。本作でも、男らしさも併せ持つ中性的なゲイを、見事に演じ切っていました。
 一方ヒロイン役の柴咲コウは、ほとんどスッピンで頑張っていましたが、なにか今一つぎこちなく、あと一味欲しい感じがしました。
 彼女は前半ず~と暗く心を閉ざしているのですが、中盤過ぎディスコで思いきり踊るのをきっかけにフッ切れます。そしてそれまで抱いていた、ゲイに対する差別感も消えてゆくのでした。
 このディスコでの一連のシーンは、この映画の分岐点ともいえるでしょう。それにしても尾崎紀世彦『また逢う日まで』の軽快なリズムを「懐かしい!」と感じたのは、おじさんだけですかね・・・
 この映画を全部観終わっても、僕にはまだゲイになる人の心情が、よく理解出来ませんが、「ゲイになる人って、きっと心優しいのかしら・・・」

 ところで、ゲイのことをオカマと言ったり、ホモといったりするけれど一体どう違うのでしょうか。

 「ホモ」は本来同性愛者のことだから、男女を問わないはずなのですが、いつの間にか男同士の同性愛者だけに、限定されてしまったようです。
 一方「オカマ」は女装や女性的仕草をする男性のことらしい。
 それから「ゲイ」は「ゲイボーイ」から始まっているので、男なのでしょう。また言葉のニュアンスからは、「ホモ」はなんとなくイヤラシさを感じますが、「ゲイ」のほうはなんとなく知的な響きがありますね。でも最近「ハードゲイ」なる新語?が飛び出してくると、かなりイヤラシイイメージに変換されそうで困っちゃうわ・・・。

 さてこの映画で、犬童一心監督が一番描きたかったのは、妻子を捨てて「ゲイ」になってしまった男の葛藤かもしれませんね。
 ヒミコと柴咲コウの関係はもちろんのこと、孫娘を思い続けるルビーもしかりであります。また愛し合う柴咲コウとオダギリジョーが、本格的なセックスを出来なかった理由は、ゲイの生理的要因としても、一方では彼等の苦悩を知ってしまったからなのでしょうか・・・・

 映像は美しいし、シナリオや心象描写もしっかりしていて、役者さん達も芸達者が揃っていました。ただちょっと長過ぎたのが不満です。せめて2時間以内に納めてくれれば、もっと高評点をつけたのですが・・・。

それにしても「ピキピキピッキ~」には参ったわ!

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コメント

緋炎さんコメントありがとうございます。
やはり長くて、皆さん途中少しダレ気味でしたね。でもいい映画でした。

投稿: ケント | 2006年4月 4日 (火) 10時24分

コメント・TBありがとうございます!

メゾンドヒミコ、とても素敵な映画なのですが、長い……ですよね;
同感です。。^^;
しかし、役者さんたちが本当に素晴らしくて…。
参りました!(笑

投稿: 緋炎 | 2006年4月 3日 (月) 22時28分

かえるさん>丁寧なコメントありがとうございました。確かに彼らがセックスを出来なかったのは、生理的な問題が大きいと思っています。ただちょっと別の解釈もしたかったので、あえてああいう書き方をしました。それで断定せず、「~からなのでしょうか。」と「か」でしめたのですが、誤解を生むような書き方をした僕は、まだまだ未熟であります。

投稿: ケント | 2006年3月29日 (水) 20時40分

こんにちは。

>ゲイのことをオカマと言ったり、ホモといったり

同性愛者をさす言葉として、ゲイとホモは同義で使われている気がしますが、オカマは完全に別じゃないですかね?
おっしゃるように女装趣味の男性のことですよね。(同性愛者とは限らない)
だから、冒頭の女言葉はオカマ言葉ではあるけど、ゲイ言葉とは言わないような気がします。
オカマ言葉や「オカマ」という響きには少し嘲笑的なニュアンスを感じるので、同性愛者をあえてそう呼ばない方がいいんじゃないかと個人的には思いますー。

ハルヒコが本格的なセックスというか最後までできなかったのは、やっぱり女相手じゃできないという生理的な問題だと思いました。

投稿: かえる | 2006年3月29日 (水) 18時48分

ミチさん>コメントありがとう。ダンスシーンの幸福感は、僕も感じました。だからあの後の展開が、ああなるとは思いませんでした。

kimion20002000さん>コメントありがとう。あなたもやっぱりおじさんだったのですね(笑)

nonさん>コメントありがとう。オカマのお話にしては、ホントに毒がなかったですね。

投稿: ケン | 2006年3月29日 (水) 14時39分

はじめまして☆ TBありがとうございました!
この映画、独得な世界観でしたね~。
でも、決して毒々しくは無く
全体的にナチュラルな感じがしました~。

ホモ・ゲイ・オカマの定義、興味深いですねぇ~(笑)
違いを深く考えたことがありませんでしたー。

投稿: non | 2006年3月29日 (水) 09時52分

TBありがとう。
尾崎紀世彦の歌は、こちらのオジサンも一緒に、うたってしまいましたよ(笑)

投稿: kimion20002000 | 2006年3月29日 (水) 02時21分

こんにちは♪
TBありがとうございます。
「また逢う日まで」がこんなリズムになって使われるとは懐かしすぎる~と思ったオバサンです(汗)
あのダンスシーンの幸福感があるのでそれ以降の哀しさが一層際立っていました。

投稿: ミチ | 2006年3月28日 (火) 22時57分

あいりさん>コメントありがとう。本当に踊るシーンには幸福感がいっぱいでしたね。中だるみしたのは、長すぎたせいでしょうか。

投稿: ケント | 2006年3月28日 (火) 22時54分

初めまして!
TBをありがとうございました。
ゲイの人たちの映画でもありましたが、人間の老いということも考えさせられた映画でした。
特に、同性愛の人たちは家族を持てない。
皆で踊る場面がとても幸せな感じがして良かったですね。

投稿: あいり | 2006年3月28日 (火) 22時40分

Charlotteさん>早速コメントありがとうございます。
あの衝撃的なキスシーンでは、場内の音楽と二人の燃える心が重なり合っていましたね。
湘南の海ではなく、相良の海でしたか。相良は知っていますが、気がつきませんでした。

投稿: ケント | 2006年3月28日 (火) 22時19分

TBありがとうございました。
結構オダギリジョーを見直した作品でした。
私は柴崎コウとのキスシーンが痛かったわ。爆 
シーン…と、劇場内は静まりかえっていて息をするのも苦しかった気が…(^^ゞ

投稿: charlotte | 2006年3月28日 (火) 22時10分

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