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2006年3月 9日 (木)

赤目四十八瀧心中未遂

『本と映画のランデヴー第四弾』   タイムリーじゃなくてすみません・・・

 尼ヶ崎でどん底の生きざまを続ける二人の男女のやるせなさが、心にひしひしと伝わって、久し振りに胸にジ~ンと響いた純文学小説でした。

赤目四十八瀧心中未遂 Book 赤目四十八瀧心中未遂

著者:車谷 長吉
販売元:文藝春秋
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 一昨年一部のマイナーな映画館で上映され、寺島しのぶが日本アカデミー主演女優賞を受賞したと思います。劇場で見逃してしまったので、是非ビデオ化されたら観ようと思っています。

★★★★ ・・・ということでDVDを観てみましたよ!

 車谷長吉の純文学小説を、ここまで忠実に描いた脚本を絶賛したいと思います。
 また一昨年の日本アカデミー主演女優賞に輝いた、寺島しのぶの大胆な演技にも拍手を送りたいと思います。彼女は見事なプロポーションを持っていますが、決して絶世の美女ではありません。でもそのアンバランスな魅力が、尼ヶ崎という地域にマッチしていました。

赤目四十八瀧心中未遂 DVD 赤目四十八瀧心中未遂

販売元:ビデオメーカー
発売日:2005/02/22
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  たださすがに、小説のように心の葛藤を詳細に描くことは難しかったと思いますが、逆に赤目四十八滝の神秘的な美しさは、映画でしか描けなかったと感じました。そしてその神がかりな風景の中に、心中に向かう2人の心象が溶けこんで、原作に勝るとも劣らない、見事な作品に仕上がっていたと思います。
 残念なことに、まだまだこのような作品は、メジャーには乗せられず、一部のミニシァターでしか上映されないのが実情であります。是非DVDで堪能してみてください。

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» 赤目四十八瀧心中未遂 (車谷長吉) [読んだモノの感想をぶっきらぼうに語るBlog]
ストーリーはタイトル通りです。赤目四十八瀧という場所(実在するらしい)で心中未遂するお話。 これは素晴らしい小説でした。小説そのものも優れているけれど、わたし好みというか、いやキャラ設定とかはむしろ好みからはかけ離れているのだけれど、人間の描き方が注文通りというか注文以上で、このくらいやってくれないと胆の底からの満足感は得られないのだよ、と我がことのようにちょっと強気になってしまうくらい感銘したのでした。 この作品のメインは、世捨て人ッぽく生きることを望みながらも自分を捨てきれない、とい... [続きを読む]

受信: 2006年3月10日 (金) 09時35分

» 映画評「赤目四十八瀧心中未遂」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆☆★(7点/10点満点中) 2003年日本映画 監督・荒戸源次郎 ネタバレあり [続きを読む]

受信: 2006年3月10日 (金) 18時02分

» ヴァイブレータ ・ 赤目四十八瀧心中未遂 [CINEMA IN/OUT]
最近、邦画をよく観るのであります。 寺島しのぶ主演の2本、『ヴァイブレータ』 『赤目四十八瀧心中未遂』を観ましたが、ノックアウトされましたね。この2本で映画賞を総ナメにしたのも頷けます。彼女は女の情念みたいなものをナチュラルに備えているように思います。「この人コワイ(畏怖の念)」と思いつつ調べてみたら、同学年だったですよ。 ヴァイブレータ スペシャル・エディション 赤目四十八瀧心中未遂 ... [続きを読む]

受信: 2006年3月12日 (日) 02時40分

» 映画『赤目四十八瀧心中未遂』 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
いいね、こういう映画。真夏の気だるい午後の時間を静かにユッタリと、まさしく1頁1頁めくりながら小説を読み進めていくような感覚の物語。 赤目四十八瀧に幻想的に蝶が舞う・・それを追いかける少年。居場所を求めて人々からアマと呼ばれる尼崎に流れ着いた生島与一(大... [続きを読む]

受信: 2006年3月18日 (土) 19時17分

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