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2006年1月28日 (土)

プライドと偏見

★★★★

 東京はやっと少し暖かくなったようだ。今日に限れば、せめてマフラーがあればコートは不要だったかもしれない。
 さてこの映画はアカデミー賞有力候補ということで、ネットの評価もかなり高いようだが、興行成績のほうはイマイチのようである。これは多分タイトルが堅いので、難しい作品なのかと敬遠されるからかもしれない。
 ところがこの映画は一種のラブコメであり、決して難解な作品ではないし、主人公エリザべスの生き方にはかなり共感出来るので、まだ観ていない人がいたら是非ともお勧めしたい。ただどちらかと言うと女性向きなので、私のようにおじさん1人での鑑賞だと、ちょっと気恥ずかしいかもしれないね。
Scan10015  ストーリーの舞台は18世紀後半頃のイギリスで、シンデレラを夢みる家族と貴族とのラブストーリーである。ただこの映画は単なる夢物語ではなく、誰にでも思い当たる誤解や偏見をテーマにしているので、時代やお国柄や身分の隔たりを超えて、かなり感情移入し易いのではと思う。
 人は見かけが大切だが、逆に見かけだけで全てを判断すると、大きなリスクを負うことになる。この映画はそんな教訓を、押し付けがましくならないように自然な形で、かつ判り易く表現したのではないだろうか。
 とにかくヒロインエリザべスの心の移り変わりが、実に見事に描かれていて、男性である自分迄もが彼女になり切ってしまったようで少し怖かった。ただ『金持ちを探して結婚するのが人生』というヒロインの母親や妹たちにはついてゆけなかったが、当時の人々の価値観はそんなものなのかもしれないと渋々納得した。逆に父親からは、娘に対する愛情がヒシヒシと感じられて、なんとなく嬉しいような素敵な気分になるだろう。
 それから、なんといっても、その美しい映像には驚かされるはずである。まるで中世の絵画を観ているようで、うっとりしてしまう。余りにも美し過ぎるので、逆に虚構の世界のようだと、批判する人がいるかもしれない。
 ラストシーンではもう少しダメを押した、抱擁と歓喜の感動シーンにして貰いたかった気もする。上映時間の関係で、終盤がかなり編集カットされたようで、バタバタと終ってしまったのが残念である。  

(画像は劇場のパンフレットです)

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コメント

TBありがとうございました。
コリン・ファースのBBC版「高慢と偏見」を見る機会に恵まれたのですが、まさに題名そのものでした。マシューのMr.ダーシーはどうも私にはプライド高い人には見えなかったです。どちらかというと「無愛想と偏見」です…笑

投稿: charotte | 2006年1月29日 (日) 00時00分

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