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2006年1月19日 (木)

スタンドアップ

★★★★

   『ノース・カントリー』というタイトルが原題のようである。オープニングは、シャーリーズ・セロン扮するシングルマザーが、タイトル通りの北国の田舎町にある実家に、子連れで帰ってくるシーンから始まる。
Photo_10  そして生活のため收入の良い鉱山で働くことになるのだが、そこは男の職場であり、数々のイヤガラセやセクハラを受けることになる。しかもそこでは、彼女と仲の悪い父親も働いていて、彼にも「早く辞めろ」と文句を言われる始末。また長男サミーの父親が誰なのかも不明で、小さな町の中ではアバズレ女のレッテルを貼られてしまう。
 八方塞がりの彼女だが、もと組合代表のグローリーと、その旦那だけは彼女の味方であり、元アイスホッケーの選手で弁護士のビルを紹介される。
 鉱山でのたび重なるイジメに耐えきれず、彼女は町中を敵にしたまま、とうとう会社を訴訟することになる。そして法廷で意外な真実が明かされることに・・・
 この作品は実話をもとにして、作られた映画だという。本来とても不幸で暗いお話のはずだが、話の断片で流れるカウントリーロックのリズムが、中和剤の効果を発揮したのか、余りジメジメした感じがしなかった。
 この映画は男の職場に働く女性達が、いかに辛い思いをしながら耐えているかを、これでもかという感じで描いている。また心ないセクハラを受けないために立ち上がり、戦う勇気を持つことの必要性も訴えていた。ただあの執拗で過激過ぎる会社ぐるみの、いじめやセクハラが本当にあったのか、それとも映画を判り易くするための演出なのかは、時代背景やお国柄を知らない私には理解出来なかった・・・
 この映画のひとつのハイライトは、予告編にもあった組合集会での、今まで冷たかった父親の、堰を切ったような発言だ。このシーンでは、きっと多くの観客が涙するだろう。しかし本当のクライマックスは、法廷で彼女が真実の過去を証言してからなのだ、そして『スタンドアップ』というタイトルの意味も明かされることになるのである。
 女性の監督ということもあってか、この作品の底流に、『母の子供に対する愛情の深さ』を感じた。それにしてもこの邦題は、なかなか味のあるよく出来たタイトルである。

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コメント

ケントさん、こんばんは。
TBさせていただきました。
いやはや本作は期待以上の出来で大大大満足なのでした☆
やっぱり「ニキ・カーロ」監督はイイっす!
これからにも期待大ってなとこですかね!!
では、またです♪

投稿: purple in sato | 2006年1月22日 (日) 23時14分

>グローリーは、なんとなく賠償美津子のような感じがしました。とても良い友人ですよね。

お返事

グローリーみたいな友人、いないですよね。
実在の人物でしょうか・・そして今は生きていらっしゃるのでしょうか・・
それが知りたいです。
こちらからもトラバ頂きますね。

投稿: 夢子 | 2006年1月22日 (日) 23時30分

TBありがとう。
やはり、この炭鉱でのセクハラお数々は、ほとんど実話に基づいているようですね。
この炭鉱会社の現在は、女性CEOで、解説にも出てきていましたが、現在でも、まだまだ闘って行かなければいけないといったことを、経営サイドからも発言していましたね。

投稿: kimion20002000 | 2006年7月17日 (月) 01時14分

kimion20002000さん、いつもコメントありがとう。この炭鉱会社はいつの間にか女性がトップになっていたのですね。

投稿: ケント | 2006年7月22日 (土) 22時52分

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