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2006年1月の記事

2006年1月31日 (火)

亀は意外と速く泳ぐ

★★★

 この長ったらしい妙なタイトルが、以前から凄く気になっていて、DVD化されたので早速レンタルして観てみたよ
 ストーリーは、スィングガールの上野樹里扮する平凡な主婦が、スパイになるというとんでもないお話である。ジャンル分けすると、マンガチックコメディーとでもいうのか『下妻物語』や『恋の門』などと似たようなナンセンスな展開だった。

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 登場人物もユニークなオバカキャラが多く、おフランスかぶれの親友を始め、娘と相撲をとる父親、踊る美容師、おカマの最中屋、豆腐屋ガンマン、謎の水道屋、美味しいラーメンを作らない腕の良いラーメン屋などなど、マンガそのものの訳の判らんキャラばかりが次々と登場してくるのだ。
 タイトルの亀は主人公が飼っている珍しい亀のことだが、一体何故『意外と速く泳ぐ~』というのか、全く内容との関連性を見い出せなかった。
 この映画はマンガやお笑いの好きな若い人には受けるかもしれないね、でも年配の人にはバカバカしいだけの映画としか感じないような気がするのだが・・・。
 ただ私は幸いマンガ好きのおじさんなので、結構楽しく観ることが出来た。がだ、『下妻物語』や『恋の門』のように1800円出費してまで映画館で観る気は起こらない。なぜなら本作は一種のパロディーではあるが、結局は単に面白おかしいだけで、それ以上の何物でもないからだ。

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2006年1月30日 (月)

湯楽の里

 かの有名な国道16号橋本五差路から、車で約7~8分位走ると相模原市立北公園があり、そのすぐ前にこの下九沢温泉『湯楽の里』がある。ここは以前パターゴルフ場だったのだが、去年いきなり温泉施設に変貌してしまったときは驚いた。
Kc240084_sh01  館内にはお風呂のほかにも、理容室やマッサージ・韓国式アカスリと食堂や休憩処があり、お風呂の利用料金は平日700円とリーズナブルな価格設定である。またそれぞれの料金は、受付で手渡されるバーコード入りのリストバンドに記憶され、帰りに一括精算する仕組みとなっている。またお風呂の入口には番台があり、不審者のチェックをしているようだし、『小学生以上の混浴お断わり』の立札がある。なんとなく女性への配慮がなされているようで、女性の方々は安心感を抱くだろう。
 風呂は内湯が3ヵ所、露天に4つの異なる浴漕があり、シルク風呂・電気風呂・エステバス・リラックス風呂・壷湯・寝転び湯など、それぞれ特徴があり楽しい湯巡りが出来る。
 露天にある小さい方の浴槽と1人しか入れない壷湯だけが、源泉加温かけ流しとの表示があり、他の浴槽は循環であることは確かだが、温泉かどうかはよく判らない。
 風呂をあがると、脱衣所に牛乳の自販機があり、昔懐かしいフルーツ牛乳が置いてあるのは嬉しかった。また無料のドライヤーが7台配備されているし、真冬は寒いがドアの外には喫煙コーナーもあって、設備のほうは文句のつけようがない。かなりノウハウの蓄積があると感心したが、あとで調べたらやはり関東周辺16店舗のチェーン店だった。
 あえて苦言を呈すれば、下駄箱と脱衣ロッカーの双方とも100円玉が必要なことである。100円玉は、あとで返却されるのだが、何故このように面倒臭い仕組みにするのか理解に苦しんだ。
 またこの施設は、住宅地の中に建てられているため、非常に利便は良いのだが、家族連れが多く、小さな子供が走ったり騒いだりと、せっかくの癒し気分が興ざめしてしまうことがある。
 まぁこれは仕方ないか・・・

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2006年1月29日 (日)

マラソン

★★★★☆

 自閉症の青年がフルマラソンで完走を果たすという、実際にあった話を描いた韓国映画である。
 この作品はヒューマンドラマであり、大泣必死であることも知っていたが、これほど泣かされるとは思わなかった。タイトルから想像すると、マラソンをテーマにしたスポコンもので、ラストに大感動するというお決まりのパターンかと思い込んでいたのだが、スポコンでもないし、ラストよりは途中で何度も泣かされることになる。

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 まずこの作品は、自閉症の主人公を演じたチョ・スンウの抜群の演技力がなければ、これほど感動することはなかっただろう。わざとらしくなく、本当に自然な感じで自閉症の役柄をこなした努力に拍手を送りたい。
 自閉症の子を持つ親は辛いだろう。殊に母親は、自分の生活の全てを投げうって子供のために生きてゆかねばならない。またその他の家族にとっても、いろいろと制約や苦悩が生まれると思う。この作品の中でも、母親が主人公への支援に夢中になり過ぎて、夫婦間に溝が出来たり、二男が嫉妬したりと、家族がバラバラになってゆく様子を描いている。
 ここまで書くと、いかにも暗くて救いようのないお話のようだが、全く正反対で希望に満ちた前向きな内容なのでご心配なく。
 さて主人公が好きなものは、シマウマとチョコパイとジャージャーメンで、母親はそれを餌に彼をしつけてゆく。その大好きなシマウマ模様のバックやスカートの女性とトラブルを起こすシーンには、笑いながらも主人公の透明で純粋な心を感じて涙してしまった。
 また飲んだくれの不良コーチが、主人公のピュアな心に打たれて、だんだん真剣になって、自らも目覚めてくるくる展開も良く描かれていたと思う。ただマラソンのトレーニングシーンは、かなりいい加減な気がしたが、スポコンではないので許すことにした。 
 最大のハイライトは、子供の頃に動物園で、母に手を放されて迷子になったというトラウマを振り切って、マラソンに参加する瞬間であろう。これで彼は母親の元から飛び立ち、人生の荒波に踏み出してゆくのではないだろうか。
 自閉症の主人公だが、可愛そうというより、その純真で詩的な心に感動してしまった。また各シーンで流れる音楽が、非常に効果的で良かったと思う。

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2006年1月28日 (土)

プライドと偏見

★★★★

 東京はやっと少し暖かくなったようだ。今日に限れば、せめてマフラーがあればコートは不要だったかもしれない。
 さてこの映画はアカデミー賞有力候補ということで、ネットの評価もかなり高いようだが、興行成績のほうはイマイチのようである。これは多分タイトルが堅いので、難しい作品なのかと敬遠されるからかもしれない。
 ところがこの映画は一種のラブコメであり、決して難解な作品ではないし、主人公エリザべスの生き方にはかなり共感出来るので、まだ観ていない人がいたら是非ともお勧めしたい。ただどちらかと言うと女性向きなので、私のようにおじさん1人での鑑賞だと、ちょっと気恥ずかしいかもしれないね。
Scan10015  ストーリーの舞台は18世紀後半頃のイギリスで、シンデレラを夢みる家族と貴族とのラブストーリーである。ただこの映画は単なる夢物語ではなく、誰にでも思い当たる誤解や偏見をテーマにしているので、時代やお国柄や身分の隔たりを超えて、かなり感情移入し易いのではと思う。
 人は見かけが大切だが、逆に見かけだけで全てを判断すると、大きなリスクを負うことになる。この映画はそんな教訓を、押し付けがましくならないように自然な形で、かつ判り易く表現したのではないだろうか。
 とにかくヒロインエリザべスの心の移り変わりが、実に見事に描かれていて、男性である自分迄もが彼女になり切ってしまったようで少し怖かった。ただ『金持ちを探して結婚するのが人生』というヒロインの母親や妹たちにはついてゆけなかったが、当時の人々の価値観はそんなものなのかもしれないと渋々納得した。逆に父親からは、娘に対する愛情がヒシヒシと感じられて、なんとなく嬉しいような素敵な気分になるだろう。
 それから、なんといっても、その美しい映像には驚かされるはずである。まるで中世の絵画を観ているようで、うっとりしてしまう。余りにも美し過ぎるので、逆に虚構の世界のようだと、批判する人がいるかもしれない。
 ラストシーンではもう少しダメを押した、抱擁と歓喜の感動シーンにして貰いたかった気もする。上映時間の関係で、終盤がかなり編集カットされたようで、バタバタと終ってしまったのが残念である。  

(画像は劇場のパンフレットです)

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2006年1月26日 (木)

リンダリンダリンダ

★★★

 この作品は、女子高校生4人がにわかロックバンドを組んで、文化祭で演奏し、拍手喝采を受けるという、よくあるパターンの映画であります。
 当初スィングガールズの、ものまねかと思っていましたが、全く異った作り方をしていました。

リンダリンダリンダ DVD リンダリンダリンダ

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発売日:2006/02/22
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 前半は、ストーリーが良く判からず、撮影も学校を中心とした、限られた場所だけなので、なかなか精神がスクリーンの中に入り込めず眠くなってしまいました。
 ところが、片言の日本語しかしゃべれない韓国留学生のソンが、バンドのボーカルに加入するあたりから、だんだん面白くなるのです。
 この映画はなんとなく素人が作ったような雑な感じの作品で、ラストシーンもそれほど感動的ではありませんが、何かが心に残る気がしました。
 多分それは、韓国人ソンの魔可不思議なムードが、香辛料となって、全体をピリリと引き締めていたからにほかありません。

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とんだハーレム

 順番に結婚と離婚を繰り返した女性達10人と、集団同棲している57才の男性が、新しい女性に同棲を無理強いしたとして逮捕された。
Photo_14  この男はハゲでデブの占い師で、同棲している女性達が働きに出て、生活收入を得ているらしい。しかも囲われている女性達は、皆ミニスカートが似合うピチピチ20代であるという。
 なんともまあ、果報者のおじさんだこと・・・・「それにしてもなんで~!」とひがみ根性から、大声を出して抗議したくなってくる。やはり『占い師』というのがミソなのかもしれないな。
 決して占いにケチをつけるつもりはないのですが、占いは一種の統計分析であり、占い師は霊能者でもなければ、超能力者でもないのですよ。
 しかし・・・どうも女性達にはこの占いが神秘的に感じるのか、暗示にかかりやすい人達が多いですね。それにTVを見ていても、新興宗教の教祖さまのようなおばさん占い師が幅を効かせているご時勢であります。
 それにしても、占いや新興宗教に弱い女性達というのは、欲張りでプライドが高いけれど、その割には気が弱く決断力がない・・・というような人が多いのかしらん。
 『占いなぞはお遊び』と割り切って楽しむか、余り見栄を張らずに、質素に生きることが一番だね・・・と思う今日この頃なのであります。

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逮捕されちゃたホリエモン

 とうとうホリエモンことライブドアの堀江社長が逮捕されてしまいましたね。いずれはこうなると思っていましたが、検察の電撃作戦には皆さんかなりド肝を抜かれたと思います。
 それにしてもTV局は視聴率至上主義というか、何故あそこまで破廉恥になり切れるのでしょうか。護送車で小菅刑務所へ移管される様子を、へリを使っての実況中継とは、ちと大袈裟過ぎると思うのですが・・・。ホリエモンがそれだけ有名人なのだといえばそれまでですが、彼の罪状は単に『証取法違反の疑い』であります。証取法違反が軽いとは言いませんが、あれではまるで連続殺人事件の犯人や、総理大臣が逮捕されたみたいじゃありませんか。
Photo_13  私はホリエモン擁護派じゃないし、どちらかというとホリエモンの不遜な態度は、多少不快に感じる派ですよ。しかし今回の政治家やTV局の、手の平を反した豹変ぶりを見ていると、なんだか日本人であることが恥ずかしくなっちゃいますよね。
 マスコミはホリエモンのことを拝金主義だの金の亡者と罵倒しますが、選挙や視聴率のためには、なんでもやる政治家やTV局も同類ではないでしょうか。いや彼等こそは、本来正義やポリシーを貫き通す立場にあるはずであり、自己中まるだし主義が許されるはずはありませんよね。

 さてさてそれはさておき、このホリエモンという男ほどタフでお騒がせな日本人も珍しいですよね。それに株式市場、経済界、プロ野球界、ネット世界、政界、芸能界と出ずっ張りで、全てを自己アピールに変換してしまう猛烈なエネルギーには脱帽致します。
 ところが「法律に触れなければ何をしても良い」と広言していたホリエモン本人が、法律違反で逮捕されるとは、本人さえも全く想定外の皮肉な現実でしたね。
 そもそも法律を言葉だけの百科辞典と考えること自体が子供じみていると言わざるを得ませんナ。ものごととは、すべからず表と裏が存在します。同様に法律にも、必ずその『立法趣旨』というものが存在するのですから。     例えばホリエモンの得意技である株式分割にしても、その本来の趣旨は『誰にでも気軽に株式投資のチャンスを与える』というものであって、決して『会社の錬金術』のためにあるものではないのですから・・・。で常識外の株式100分割などは、1000円札を全て1円玉に替えるようなもので、非実務的で迷惑以外の何物でもありませんよね。ですから『何でも法律に違反しなければいい』という発想も怖いのであります。
 また年々複雑怪奇になるこの社会を全てフォロー出来る法律なんぞは、作れるわけはないじゃないの。それでも世の中が混乱せず、社会が成り立っているのは、本来の趣旨を理解した大人の暗黙ルールであり、ヒトとしての良識が存在するからなのですよね。どうもそこいらへんを理解していないアンチャンでは、社会の公器たる上場企業の社長が勤まるはずがない道理であります。
 もちろん人の善意を信じて、欠陥のある法律を放置してきた国側も反省すべきだし、ホリエモン以下の会社経営者も大勢知っています。ただそれらの人々は、単に能力がないか、モラルの欠除したアホな人々に過ぎず、小心者で体制に楯突くヤカラはいない・・というのが通り相場なのでしょうね。
 ところがホリエモンの場合は、判っていて敢えてやったというイメージがプンプンします。例えば暗黙の了解の元でプロレスをやっているのに、いきなり本気で殴りつけたり、首を締められたらどうでしょうか。人々はこんな掟破りの裏切り者を一番恐れているのです。
 もし検察側の言い分通りなら、犯罪を犯したホリエモンが一番悪いということですが、今回の大掛かりな検察の対処は、明らかに『掟を破った者に対する制裁』であり、『見せしめ』なのでは・・・などと空想してしまうのは、やはり小説やマンガの読み過ぎなのでしょう。
 巷ではホリエモン論争をすると、必ずと言って良いほど『世代論争』に発展してしまいます。気持ちとしては何となく判りますが、いつの時代でも良い人と悪い人、或いは自分と合う人合わない人がいるものです。
 それを全てゴチャマゼにして、世代間の感情だけに走っては、議論にはなりません。冷静に公平に世代を超越して楽しく語り合いたいものです。いつ頃になるか判りませんが、ホリエモンの出獄後の逆襲(良い意味での)が楽しみになってきました。それはそうとライブドアブログの方々は、今後継続使用出来るのか気になりますね。

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2006年1月23日 (月)

宇宙戦争

★★★

 ネットでの評価が悪いし、日本での興業成績もパッとしないので、余程つまらない映画かと思っていましたが、良い意味で大誤算でした。
 確かにストーリーは単純ですが、そもそも原作からして単純な小説なので仕方ないでしょう。それでも、離婚した父(トム)と母が交互に子供達を預かるという、病める現代アメリカの家庭を描いているだけ進化していると思います。

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 それにしても、やはり見るべき物は、『特撮の迫力』です!多少のCGはあったものの地面が割れたり、建物が破壊されるシーンは、あきらかに大がかりなセットだと思いました。最近はCGに食傷気味なので、これだけ迫力ある特撮はホントに久し振りです。
 リメイク版なので当然かもしれませんが、半世紀前の『初代模型特撮』に比べると、天と地ほどの技術の違いでした。
 主演のトムクルーズは、相変わらずの出ずっ張り屋さんでしたが、レイチェル役の少女がとても素晴らしかったと思います。将来が楽しみな女優さんですね。

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2006年1月22日 (日)

50回目のファーストキス

★★★★☆

 最近少しブームになりつつある『記憶テーマ』のラブコメで、主演はアダム・サンドラーとドリュー・バルモアのぴったしコンビである。

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 恋の始まりは、水族館の獣医をしているアダムが、毎朝同じレストランで、いつも同じ朝食を摂っているドリューに一目惚れするという展開。
 ある日やっと彼女と親しくなり、翌日同じ場所で、親しげに声をかけると、彼女は怪訝な顔をして相手にしてくれない。
 実はある事故を起こしてから、脳の一部を欠損したおかげで、彼女の記憶は一日しか持たなかったのだ。
 そんな彼女に夢中になってしまったアダムは、毎日毎日手を変え品を変えて、彼女の気を惹こうと涙ぐましいアタックを繰り返すのだ。
 何度も彼女のハートを射とめて、キス迄には至るのだが、翌日になるとまた彼女は、アダムのことを綺麗さっぱりと忘れてしまうのである。
 そしてまた翌日を迎えるわけだが、一体何時になったら彼女は彼のことを記憶出来るのか、と不安と期待を抱かせながらストーリーは進んでゆく。笑いあり、涙あり、ロマンチックなムードもたっぷりと・・・まさに恋人と一緒に観るには最適の映画なのだ。そしてラストのどんでん返しもなかなか洒落ていた。
 ドリュー・バルモアは余り好きなタイプの女優さんではないのだが、この役処はママリ役で、アダムともピッタリと息が合っていたと思う。

 

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コーチ・カーター

★★★★
 テアトルスクエアは、新宿高島屋の12階にあるが、かなり奥にあり入口が狭いので判り難い映画館だ。 そのくせひとたび館内に入ると、ゆったりしていて天丼が高く、スクリーンもシネラマクラスのリッチな劇場なのである。

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発売日:2005/12/16
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 5分程度遅れたが、どうせ予告編上映中と、タカをくくっていた。ところが、予告編なしで本編が始まっていたので一瞬焦ってしまった。
 ストーリーは、サミュエル・L・ジャクソン演ずる元バスケットの名選手が、彼の出身高校にコーチとして赴任するシーンからスタートする。
 この高校のバスケット部は、昔彼が選手をしていた頃とはうって変わり、常に負けてばかりの落ちこぼれ軍団と化していたのだ。
 彼は、その荒れ果てたバスケット部を立て直し、連戦連勝で地域優勝を成し遂げる・・・・という、よくある『スポコン物語』かと思ったら大間違いである。そこからまた次の展開が待っていて、それがこの作品のメインテーマだったのだ。
 サミュエル・L・ジャクソンの頑固なコーチ役も素晴らしかったが、個性ある生徒達と、そのサイドストーリーもなかなか良かったし、音楽の使い方もなかなかのものだ。
 後半は涙ぐむシーンも幾つか用意されているし、何といってもこのお話が実話であるということでも、十分に感動させられることだろう。2時間15分という長い時間も、あっという間に過ぎ去ってしまうはずである。

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2006年1月21日 (土)

堂ヶ島紀行

 西伊豆に行ったのは、おそらく20年振り位かもしれない。以前は道路事情が悪く、殊に西海岸沿いの細くて、くねくねと曲った崖っぷちの道には、辟易したものだった。
 どうもその頃のイメージが強烈に残っていたせいで、その後足が遠のいてしまったのだろう。ところがいつの間にか、道路が整備され、広くなっているのには驚いてしまった。その代わり、かなりトンネルの数が増えたのは仕方ないか・・・
 また途中の山合いにも、『修善寺道路』などの有料道路が完成したおかげで、沼津インターからあっという間に堂ヶ島へ到着してしまったのはありがたかった。
 途中土肥港近くの金山跡にある食堂で食べた『金目鯛の煮付定食』がとても美味で、これがなんと1000円という信じられないお値段なのであった!
4_2   金目の煮付の香ばしさを口中に残しながら、宿に向かう道すがら、かの有名な『恋人岬』で、愛の鐘を鳴らすために車を降りた。
 駐車場から岬まではちょこっと行けばよいのだと思い込んでいたが、ゆっくり下って約15~20分位かゝってしまった。それでも潮風の薫る林の木道を鼻歌混じりで下って行くのは、気分が良かったし、岬からの絶景も目に嬉しかった。
 ところが、ところがである・・・やはりもう年なのか、帰りの上り路はかなりきつくて、息切れ状況・・・「恋を成就する?」のは、それなりの苦労が必要なのね。
 さて宿のお目当ては、『タ焼けを眺めながらの露天風呂』である。タ日の沈まぬうちにと、宿泊先の旅館へ急いだ。 この宿は静かで小じんまりした、全室オーシャンビューの純和風旅館である。
 部屋の正面には、有名な三四郎岩が三つ、見事に海の中にそびえている。まさにこれは絶景!金では買えない素晴らしい景色に、うっとり見とれてしまう。 Photo_6
 午後4時を少し回わり、タ日が西の空に沈みかけてきたので、急いでユカタに着替えて、大望の露天風呂へと向かった。 露天風呂は内湯の正面扉から出て、5~6段の階段を降りたところに、べランダのようにひっそりと佇んでいた。5~6人入れば満員になる小さい湯舟なのに、タ日が見える場所が一番奥のほうだけなので、3~4人の人が同じ場所にひしめいて、しきりと沈みゆくタ日に見入っていた。
 ただタ日の沈む場所が、海ではなく陸なので、今一つ趣がなく、あっという間に地平線に呑み込まれてしまったが、それでも遠くの空に薄っすらと残ったオレンヂ色を、ボンヤリと見つめていた。
 数年前に新潟の『瀬波温泉』でみたタ日を思い出したが、そのときはタ日が日本海に沈んで、海も空もまるで朱色の絵の具を塗りたくったように鮮やかに輝いていたものだが、ここと日本海と比較しては酷というものだろうか。
 風呂を出ると、次なるお目当ての海の幸づくしのタ食のお時間である。「部屋食」というと、一見豪華のようだが、部屋に臭いが残ることと、料理が冷めるので、いつも食事処での食事を希望している。
 しかしこの宿には食事処がなく、朝食さえも部屋食だという。。。運ばれてきた料理を見て、不安が的中した思いだった。懐石料理だというのに、全ての品が一度に並べられ、楽しみにしていた刺身は、どこかで集中配膳したのか、セロファンラップがかかっているではないか!
 味のほうは食ベなくとも見当がついてしまったが、全く食欲の湧かない食事にがっかりした。情けないことに、途中の食堂で食した1000円の『金目鯛の煮付定食』のほうが遥かに美味しかったのだ。
  さて翌日は、漁船のような小さな遊覧船に乗って堂ヶ島めぐりをしたが、この船は5分おきに出ているという。
 もっと大きな船にしたほうが効率が良いのに思っていたが、狭い洞屈の中を進んでゆくので、大きい船では無理なのだということが判った。
 ここには特に堂ヶ島という島があるわけではなく、このあたり一帯を堂ヶ島というらしい。洞屈の中心部は、空が見えると同時に、数人の顔が船を覗いていたので驚いた。そこは天然記念物に指定されている『天窓洞』と呼ばれる洞窟である。3
 あとでその洞窟の上が小さな公園になっていて、その中心が吹き抜けになっているという種証しを確認して、なるほどと妙に納得してしまった。
 遊覧船での『洞屈めぐり』は、約20分程度で、あっという間だが、下船後に洞窟外の遊歩道を、ゆっくりと散策すれば、合わせて約1時間は必要だろう。
 また遊覧船のりばの周辺が堂ヶ島の中心地で、大駐車場はもちろん、おみやげセンターやレストランのほか、『加山雄三ミュージアム』と『らんの里堂ヶ島』などの観光施設が集中して造られている。
6  『加山雄三ミュージアム』は素通りして、『らんの里』に入ってみた。ここの入場料は、遊覧船より高いので驚くが、さすがに高い入場料を払うだけの価値は十分にあるので心配無用だ。
 ここは山の斜面と、その起伏と眺望を利用した広大な施設で、世界中の珍しいランの花が咲いているだけではなく、堂ヶ島全体を見渡せる展望台や、ダイナミックな吊橋などもあるので十分見応えのある施設になっているのである。
 そのあと『アクーユ三四郎』で立寄り湯を楽しんだが、ここの露天風呂はゆったりとしていて落ちつけるのだが、湯舟を立ち上がらないと景色が十分に見えないのがやや難点かもしれない。ただ、周辺から風呂場が見えない配慮にもなっているので仕方ないだろう。
 まあ絶景ポイント周辺に数件のホテルがひしめいているため、それぞれの露天風呂に、長所と短所があるのは致し方ないかもしれない。
 これで堂ヶ島観光は終いなのだが、どうしても昨日の『金目の煮付』が忘れられず、ランチとしては少し遅くなったが、帰途に例の土肥の食堂で『金目鯛の煮付定食』を再び食べることになってしまった。
 

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四月の雪

★★★

 『冬のソナタ』以来、おばさま達の超アイドルになった、ペ・ヨンジュンことヨン様主演のラブストーリーです。 予想通り館内は、9割のおばさま達で超満員。私は隅っこの座席で、小さくなって観ていました。
 ストーリーは、不倫をして自動車事故に遭い、意識不明になったカップルのそれぞれの夫と妻が、病院で顔を合わすところから始まります。そして目覚めぬ夫と妻の看病に疲れた二人は、いつの間にか、愛し合うようになるのですが・・・。

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 ヨン様の相手役は、『ラブストーリー』で純真なラブを演じたソン・イェジンで、今回も清楚で可愛い、魅力的な人妻を演じていました。
 この映画、全体的なストーリーは、非常に上手く出来ているのですが、脚本と演出が今ひとつ絡み合っていないような気がします。音楽や回想シーンがほとんどなく、単調にゆったりと時間が流れるだけなのも、少し工夫がなさ過ぎました。従って、心の盛り上がりもなく、感情移入することが出来ないので、感動の涙も流せませんでした。せっかく面白いテーマなのに・・・非常に残念でたまりません。
 ヨン様の映画を観たのは初めてでしたが、何故彼が日本のおばさん達に人気があるのかが判りました。
 映画の中のシーンにもありましたが、「どこに行きますか?」と彼女に聞かれても、必ず「どこに行きますか?」と聞き返し、相手の意思を大切にする『優しさ』に惹かれるのでしょうね。

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1リットルの涙

★★★

 脊髄小脳変性という難病により、体のバランスをコントロール出来なくなり、車椅子から寝たきりになって、最後は25才で亡くなってしまった少女の記録であります。
 映像は綺麗じゃないし、カメラワークも単純です。またストーリーが平坦で、先が丸見えの記録映画のようでもあり、悪人なし良い人ばかりというメルへンのようでもありました。

1リットルの涙 DVD 1リットルの涙

販売元:東映
発売日:2006/01/21
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 しかし劇場ではほとんどの人たちが泣きはらしていたし、僕のハンケチもびしょびしょで、最後はティッシュで鼻水までかんでしまいました。
 ということは、かなり心の中心に染み渡る何かが、あったのだと思います。また主演の大西麻恵をはじめ、母親役のかとうかずこの演技もなかなか真に迫っていましたよ。またパン屋のおばちゃんを演じた松金よね子も、なかなか味のある役作りをしていました。
 撮影方法と、ストーリー展開が稚拙ではありますが、映画の評価はそれだけで決め付けるものではないような気がします。 もちろん泣くこと=感動でもないし、泣かせる映画が、必ずしも素晴らしい映画であるとも言えません。それに僕がこの作品で泣いたのも、感動というよりは、哀れみの涙であって、本来僕が求めている涙とはちょっと性格が異なることも確かです。
 僕が求めている涙とは、今まで苦しくて投げやりだった人が、立ち直って強く生きていこうとするときに流す涙だと思っています。
 それでも大勢の人に感動を与えた功績と、大西麻恵の熱演を評価して★3つが妥当かと考えたわけです。

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四日間の奇跡

★★★☆

 この映画の舞台となったのは、山口県の角島という小さな人工島だが、島にかかる橋は無料のものとしては、日本一長いという美しい橋である。また白く輝く砂浜と灯台、そしてなだらかな丘陵に建つ教会と、まるで計算されたミニュチュアのような美しい風景には心を奪われることだろう。事実映画のロケも多く、観光客も増えているという。僕も機会があれば一度行ってみたいと思った。

四日間の奇蹟 DVD 四日間の奇蹟

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 さて映画の内容であるが、この美しい島の老人施設で働く女性(石田ゆり子)と、事故でピアノが弾けなくなったピアニスト(吉岡秀隆)と、痴呆の天才少女の、奇跡の愛を描いたラブファンタジーである。
 ラストの三人の心が合体するシーンは感動ものだし、かなり泣かされるストーリー展開になっているが、なにかが足りない感じがする。
 やはり小さな島の中だけを舞台としていることが、ストーリーの広がりを閉ざしてしまったようだ。また石田ゆり子の話ばかりにスポットを当て過ぎて、他の二人の存在がボヤけてしまったからかもしれない。
 良い映画ではあるが、もう一捻りとストーリーにもっと幅を持たせたら、かなりの秀作になっていただろう。非常に残念な作品である。

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SHINOBI

★★★☆
 徳川幕府の陰謀により、伊賀と甲賀それぞれの精鋭5人が、秘術を尽くして殺戮し合うという、山田風太郎原作の忍者アクションであります。
 主演は伊賀の頭領に仲間由紀恵、敵でありながら恋人役の甲賀頭領に、オダギリジョーが出演しています。

SHINOBI DVD SHINOBI

販売元:松竹
発売日:2006/02/18
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 ストーリーは単純で、まるで忍者マンガのようでしたが、映像の美しさ、スピード感溢れるアクション、美麗に仕上がったCGは、従来の時代劇を遥かに超えていました。それは、まるでチャン・イーモウの『HlRO』や『LOVERS』の世界を髣髴させる出来だと思います。
 それと10人の忍達も、なかなか個性のある魅力的な術者揃いで、彼等の超人的な戦闘シーンは完成度が高く、その手に汗を握る展開は、『あずみ』を大きく凌駕していました。
 この映画は製作費14億円という、邦画にしては破格のスケールですが、その資金の大部分は、日本で初めての『映画ファンド』で賄われていたようです。
 映画ファンとしては、是非このようなファンド映画が大成功して、次に繋がり、更に良い作品を創ってもらいたいと、蔭ながら祈っています。現状では興行的にも、まずまずの成績のようです。
 またこの映画は、海外を意識して創っているので、米国ではかなり評判になるような気がします。またDVDの売上も期侍出来るので、もしかすると、かなり好成績を残せるのではないでしょうか。
 この映画の忍達は、まるで超能力者のようだとの批判もありますが、この映画は、あくまでもエンターティンメントであり、米国への輸出を意識して作られているので、超ど派手なアクションで正解だったと思います。
 ただお色気が不足していたことと、せっかくの魅力ある忍者達が、バタバタ死んでしまう展開、更にはラストバトルがないのが、ちょっぴり残念でありました。

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2006年1月19日 (木)

スタンドアップ

★★★★

   『ノース・カントリー』というタイトルが原題のようである。オープニングは、シャーリーズ・セロン扮するシングルマザーが、タイトル通りの北国の田舎町にある実家に、子連れで帰ってくるシーンから始まる。
Photo_10  そして生活のため收入の良い鉱山で働くことになるのだが、そこは男の職場であり、数々のイヤガラセやセクハラを受けることになる。しかもそこでは、彼女と仲の悪い父親も働いていて、彼にも「早く辞めろ」と文句を言われる始末。また長男サミーの父親が誰なのかも不明で、小さな町の中ではアバズレ女のレッテルを貼られてしまう。
 八方塞がりの彼女だが、もと組合代表のグローリーと、その旦那だけは彼女の味方であり、元アイスホッケーの選手で弁護士のビルを紹介される。
 鉱山でのたび重なるイジメに耐えきれず、彼女は町中を敵にしたまま、とうとう会社を訴訟することになる。そして法廷で意外な真実が明かされることに・・・
 この作品は実話をもとにして、作られた映画だという。本来とても不幸で暗いお話のはずだが、話の断片で流れるカウントリーロックのリズムが、中和剤の効果を発揮したのか、余りジメジメした感じがしなかった。
 この映画は男の職場に働く女性達が、いかに辛い思いをしながら耐えているかを、これでもかという感じで描いている。また心ないセクハラを受けないために立ち上がり、戦う勇気を持つことの必要性も訴えていた。ただあの執拗で過激過ぎる会社ぐるみの、いじめやセクハラが本当にあったのか、それとも映画を判り易くするための演出なのかは、時代背景やお国柄を知らない私には理解出来なかった・・・
 この映画のひとつのハイライトは、予告編にもあった組合集会での、今まで冷たかった父親の、堰を切ったような発言だ。このシーンでは、きっと多くの観客が涙するだろう。しかし本当のクライマックスは、法廷で彼女が真実の過去を証言してからなのだ、そして『スタンドアップ』というタイトルの意味も明かされることになるのである。
 女性の監督ということもあってか、この作品の底流に、『母の子供に対する愛情の深さ』を感じた。それにしてもこの邦題は、なかなか味のあるよく出来たタイトルである。

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2006年1月16日 (月)

湯河原の旅情

 湯河原温泉へは、子供の頃両親に連れられていった記憶がおぼろげに残っているだけで、それ以来始めて訪れたんです。やはり前後に箱根や伊豆があってついつい行きそびれてしまう場所なんですね。

Photo_1  梅の季節にはまだちょっと早かったのですが、まず幕山公園にある湯河原梅林へ行ってみました。「梅祭り」は一月末からなのであと二週間ばかり先なのですが、今年は例年になく寒いせいか、ほとんどの梅は全く蕾さえつけていませんでした。ただ日当たりのよい場所の二、三本梅ノ木がちらっと花ををつけているくらいでした。

Photo_3  湯河原のお湯は歴史が古く、万葉の時代からある日本最古の温泉のひとつのようです。それで万葉の湯とか相模の小京都と呼ばれています。小さな温泉街ですが、その中心地にあるのが、それほど広くはないが、小渓谷を散歩出来る「万葉公園」であります。ここには国木田独歩の石碑と「独歩の湯」という足だけを入れる温泉施設があり、入湯料は300円ですが、最近出来たので綺麗で広いし、なかなかユニークな施設でした。またすぐ近くには「こごめの湯」という町営の公共温泉施設もあります。ここは入浴料1000円です。

 そのあと湯河原パークウェイ方面へ山を上っていくと、だんだん人家がすくなくなり自然色がだんだん色濃くなってきます。そこが湯河原温泉の一番の奥座敷である奥湯河原温泉なのです。僕達の今夜の宿は、そのまた一番奥にぽつんと離れて佇む静かな宿「うおしづ」なのでございます。途中に「富士屋」「天野屋」「加満田」などの老舗の大大旅館がありますが、今日はちらっと見て通り過ぎただけでありました。

Photo_2  「うおしず」は部屋数がわずか十室の小さな純和風旅館ですが、そのほとんどの部屋は広い踏み込みのほか、二部屋続きで、さらに清流のせせらぎを見下ろす位置に部屋専用の露天風呂が付いているのです。もちろん、共用の内湯や渓流とPhoto_4 紅葉の風流な露天風呂もありました。それに平日で空いていたため、独占状況でその露天風呂で鼻歌さえ歌ってしまいました。

 また「うおしづ」はその名の通り、昔は魚屋さんをしていたときもあったそうで、割烹旅館と名乗っているだけあって、さすがに自信のこもった山海の懐石料理を味あわせてくれました。そして、しゃきしゃきとしていながら親切なPhoto_5 人柄の年配の仲居さんにも感動し、珍しく気持ちばかりの「心付け」を渡してあげずにいられませんでした。まさに恋人または夫婦の「隠れ家」にふさわしい素晴らしい旅館でした。

 翌日は、「湯河原ゆかりの美術館」で伊東深水、立石春美などの日本画を鑑賞し、湯河原駅裏の小高い丘に建つ、土肥氏の菩提寺である城願寺にたちより、その境内にある樹齢八百年のビャクシンの木を写真に取りながら、相模湾の冬の海を見渡して帰りました。

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2006年1月15日 (日)

親切なクムジャさん

 ★★★☆

 韓国の鬼才パク・チャヌク監督の復讐三部作の最終作だという。それにしては、ラブストーリーのようなタイトルなので、内容を知らないでこの作品を観てしまった韓流ファンのオバさん達は、びっくり仰天で、途中席を立ちたくなるかもしれない。
 Scan10012 前半は過去と現在のシーンが、頻繁に入れ替るうえに、マニアックで荒唐無稽なので、何がなんだか良く判らないまま、どんどん時間が経過してゆく。中盤にさしかかって、やっとストーリーの方向が見えてくるのだが、今度は残酷さにだんだん気分が悪くなり、後半の人間賭殺シーンにいたっては、おもわず失笑してしまうだろう。
 このようにドロドロとしたしつこさと、狂気じみた残虐性とブラックジョークは、日本人にはちょいと表現出来ないかもしれない。あえてやれるのは、北野武ぐらいか・・・ただ濡場があっさりなのはイマイチ納得出来なかった。
 主演はあの清楚な美女のイ・ヨンエで、まさにピッタリのハマリ役だった。映画の中のクムジャさんも、平素は清楚で明るく優しい天使のようなのだが、犯罪を犯すときは、まるで悪魔のように冷徹で狂気じみているからだ。
 このような映画は僕の趣味には合わないが、オープニングの凝り具合といい、演出や脚本の作り方、俳優さん達の演技などは、うなるほど素晴らしいことは確かである。またその底流に、かなり強烈な愛を感じることが出来たし、後味も悪くなかったことは評価するに値するだろう。ただ同監督の『オールド・ボーイ』には及ばなかった。

 (画像は映画館のチラシより)

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フライ,ダディー,フライ

  ★★★★

 愛娘がカラオケ屋で、乱入して来た高校生にボコボコに殴られ緊急入院してしまう。しかも犯人は、有名国会議員の息子(須藤元気)で、ボクシングのインターハイ常連でもある。そして彼は、反省の色も見せずに、大金と暴力で事件をもみ消そうとする。さあ貴方ならどうする?

フライ,ダディ,フライ フライ,ダディ,フライ

販売元:東映
発売日:2005/12/09
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 堤真一演ずる父親は、どうしても納得出来ず、須藤元気を叩きのめそうと、ケンカの超人である高校生(岡田准一)に弟子入りし、来る日も来る日も猛烈に辛い特訓を受け、歯を食いしばって耐え忍んでゆくのだ。
 まるでマンガそのものという展開の超低予算映画であるが、男のロマンが、ジンジンと伝わってくるので、思わず涙が溢れてしまった。
 父親のいない強い岡田が、弟子の弱い堤に向かって、「早く強くなって俺を守ってくれ」と言うシーンは、ことにぐっとこみあげるものがある。
 また鍛えられた堤が、バスと競争するシーンも、スカッとして気分壮快な気分を味わえるだろう。この映画こそ、日頃ストレスの溜まったサラリーマン諸君に、是非観て貰いたい一本である。

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映画観賞つれづれ

 『邦画はほとんど観ないですね~』・・・と言うかたが結構多いですね。
 以前は僕も同じでした。また邦画自体もヤクザとピンクものしかない時代もありましたから、嫌われても仕方ありませんね。
 しかしここ数年で邦画、韓国、中国の映画が飛躍的に良くなっています。ヤフーの興行べストテンの上位を邦画と韓国と中国ものが、ほぼ独占することもよくありますからね・・・
 スケールの大きな米国映画も楽しいのですが、きめ細かな情緒と、同じような慣習からほとばしる、懐かしく肌に染みこむような感動は、アジア御三家には及びません。。
 また、たまにですが、イランやタイの映画も観ますが 、これらはかなり貧しく、不衛生な映画が多いのですが、それぞれ独得の味がありますね。

  さて『僕がよく行く映画館』ですが、週末の会社帰りには、1人で有楽町や川崎の映画館へ立ち寄ることが多いですね。また土、日は近場のシネコンへ行きます。
Mrmrs_1  ただ映画ばかりは1人が一番良いですね。好きなときに好きな作品を観れますし、座席も1人なら必ず良い場所がゲット出来ますからね。 (^o^)
 さて映画料金ですが、1800円は高過ぎますよね。そこでケチな僕は、チケットショップで割引チケットを購入したり、株主優待券を利用して必ず1300円以下で押さえるようにしているのです。それと毎月1日の映画の日や男性デー(近くのシネコンは木曜日)、早朝割引やレイト割引なども利用します。さらに60才以上の人はいつでも1000円(羨まし~)や一応期間限定ですが、片方の1人が50代の夫婦は、いつでも1人1000円になりました。もちろん夫婦の証明は不用ですから・・・・。あと映画館によっては会員制度を作ったり、ポイント制度を作ったりしているのでそれらを利用するのもいいでしょう。いずれ映画館別の紹介などもしたいと思っています。

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2006年1月14日 (土)

男たちの大和

★★★☆

 新宿は嫌いだけど、渋谷はもっともっと大嫌いだ。ごちゃごちゃ、チマチマした道が多くて、そのうえ歩道が狭いので、死にたくなる程混雑しているからである。そして井の頭線が、これまた異常に混んでいて気分が悪くなってくる。
 映画館は宮益坂と明治通りが交叉する角地にある渋谷TOEIである。東映という名が付いていて東急系列の映画館だから面白い。
 Scan10009 さてさて肝心の映画のほうだが、邦画としては破格のスケールで、特に『戦艦大和』のセットはハンパじゃなかった。だからといってこの作品は、戦争アクション映画ではない。また太平洋戦争で『戦艦大和』と共に散っていった男達の物語であるが、決して戦争を肯定してはいない。
 判りきったことだが、戦争はむごく辛い。戦う者も守る者も、死んだ者も、生き残った者も全ての人々が苦しく悲しいのである。それを平和ボケした現代人に、改めて知らしめてくれた映画だった。
 僕は戦争崇拝者ではないし、右翼でもない。この映画はタイトル通り、大和と共に戦死した男たちの特攻精神を描いた作品なのだ。
 終戦間際の神風特攻隊にしても、この大和にしても、更には広島と長崎での多くの方々の尊い犠牲があって、初めて終戦を迎えることが出来たという悲しい事実。
 そして戦後の目覚しい復興を経て、現在平和で豊かな日本に暮らしてゆける我々日本人たちは、こうした犠牲のうえで、成り立っていることを再認識しなくてはならないと感じた。
 ラストシーンで、仲代達也の思い出話を聞き終わった現代の青年が、ピリリと引き締まった顔付になり、小型船を操縦する姿がとても印象的であった。
 ただひとつの問題点は、大和が美し過ぎることと、俳優達が背が高くて格好良過ぎるので、旧軍隊というより自衛隊という感じが否めなかった。

(画像は映画館のチラシより)

http://www.eigaseikatu.com/title/14185/

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リプレイ

 アメリカの小説ですがケン・グリム・ウッドの「リプレイ」は読みましたか?
『ターン』が毎日の繰り返しであるのに対して、「リプレイ」は1生の繰り返しなんです。43才になると突然死んでしまい、18才の若者時代の自分に過去の記憶を失なわずに戻る。

リプレイ リプレイ

著者:ケン・グリムウッド
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ・・・そしてまた43才になると死亡して再び18才の若者時代戻るということを繰り返すので、何度も人生をやり直せるし、大きなギャンブルや株価などは、記憶している限り大儲けも出来るし、美女もおもいのまま!といった痛快なお話です。
 余りこれを繰り返しても退屈しますが、程よい時期に同じようにリプレイを繰り返す美女と出合ってから、ストーリーは俄然お面白くなり、一体結末はどうなるのか非常に気になり始めます。
 同じ新潮社から日本版にリメイクされたコミック「リプレイJ」も出ていますが、やはり原作本には遠く及びません。時間があったら是非一読してみて下さい。自信を持ってお勧めします。

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読みたい本の入手先

 最近出来た図書館はいいですね。夜8時頃まで開いているし、駅前で便利だし、広くて綺麗で、ビデオやCDも借りられますからね。
Photo  ただ困ったことに人気作品や人気作家の小説はいつも貸出中で、予約しても順番が回わってくるのに1年位かかる場合があります。
 そこで本の種類ごとに、お得な入手方法をまとめてみました。
1.仕事に必要な本
これは会社が金を出してくれるのだし、最新情報が必要であり、常備したいので、間違いなく本屋で買うでしょう
2.1~2年前の大べストセラー本
増刷し過ぎて余ったのか、多分闇ルート経由だと思いますが、ブックオフなどで100円で平積みしていることがあります。
3.コミック
 最近のコミックは長編が多く、全30巻なんていうものもザラにあるので、普通に買っていては大変な出費になってしまいます。それでなんとか安く手に入らないかを考えます。
手塚治虫など優良なコミックは、図書館で借りられますが、そうでないものは、やはりブックオフなどで100円で売っているものを狙うか、マンガ喫茶や貸本屋(最近一部のブック・オフでも始めた)などを利用してみるのが常套手段でしょうね。
近い将来はインターネットを経由した、貸本デマンドが主流になるような気がします。
4.情報本
 これは保存しておきたいし、新しい情報でないと意味がないので本屋で買うのが一番ですが、インターネットで検索すれば本よりも役立つ情報がゾロゾロと手に入る場合がありますので要注意。
5.小説
 狭い自宅に保存するのも、金を出すのももったいないので、これこそ図書館から借りるのが王道であります。
 但し先に述ベた通り、新しい大きな図書館では、人気作品や人気作家の小説はいつも貸出中なので、会社の近くの古い図書館や公民館にある小さな図書館のほうが、手に入り易いでしょう。

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2006年1月13日 (金)

キングコング

  『キングコング』は怪獣映画の元祖で、これまでに何度か映画化されたが、今回のキングコングが一番良い出来だと思う。 ★★★★
800x600_01  ただ骸骨島に到着するまでの時間が長過ぎて、前半はまるで『タイタニック』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』を観ている気分だった。
 この長過ぎるオープニングには、かなり批判が多く、上映時間が3時間を超えてしまった原因もここにある。確かに「単純な怪獣映画ではないぞ!」というムード作りには成功したものの、船内でのシーンなどはもう少し短く出来たと思う。
 一方、島での数々の冒険シーンはとても面白いし、スピード感溢れる怪獣達の動きも素晴らしかった。ただコング以外の怪獣達が多過ぎて、『ジェラシックパーク』になってしまったのはいかがなものか。
 またニューヨークで暴れるコングの前に、ナオミが姿を現わす必然性が感じられないし、エンパイアステートビルの上で、執拗にコングをかばう彼女の行動にも余り説得力がない。
 それはそれとして、怪獣だけではなく、小型船や骸骨島、そして古きニューヨークの街並みなど、総じてSF×の素晴しさはピカ一だと感じたが、ドラマ作りとしては今一だったかもしれない。

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2006年1月12日 (木)

ヒカルの碁

ヒカルの碁 (1) ヒカルの碁 (1)

著者:ほった ゆみ,小畑 健,梅沢 由香里
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  僕が急に囲碁を再開したのには、理由があるのです。最近「ヒカルの碁」という少年マンガに夢中になっているからです。このマンガの影響で小・中学生の間で囲碁がブームになったと聞きました。またこのマンガの主人公は、進藤ヒカルという小学生なのですが、実は彼は全く囲碁など知らない子供でした。それがある日、祖父の家の屋根裏部屋で古い碁盤を見つけたのですが・・・・その時に平安時代の名人「藤原作為」の亡霊(といってもとてもハンサムでチャーミング)にとり憑かれてしまうのです。
 初めのころはヒカルにとり憑いた「作為」がヒカルの体を借りて碁を打ちます。そして囲碁界の最高峰である、「塔谷名人」の長男であり、天才小学生「塔谷アキラ」を簡単に負かしてしまうのです。名もないど素人のヒカルに打ちのめされたと錯覚したアキラは、もちろん「作為」の存在などは知るよしもなく、その後ヒカルを追いかけることになります。
 一方初めは囲碁に興味を示さなかったヒカル自身も、アキラを知ってからは、次第に囲碁にめざめてゆき、プロをめざしていくというお話なのです。 原作は女性なので、ちょっと少女マンガ風の味もしますが、とにかくス卜ーリー展聞が変化に富んでいて、楽しいし、なんといってもキャラがどれも個性的で魅力に溢れているので、あっという間にコミック25冊+別巻2冊を読破してしまいました。
 最終回の終わり方には消化不良感が残った人が多かったかもしれませんね。しかし僕は、余韻を残したまま、読者の心にヒカルの末来を託した『著者の良心』を買います。また最後にヒカルが言った『遠い過去と遠い末来を結ぶため』という言葉には痛く感動しました。まるで作為が一瞬甦ったように感じたからです。
 ちなみにこのマンガは、一応女流プロの監修つきですが、原作者がほとんど囲碁を知らない女性のためか、
棋符や囲碁技術の解説場面はほとんどないので、囲碁の解説書的な目的で購入しても全く役に立ちません。 逆に言うと、囲碁を全然知らない人でも、判りやすく楽しく読むことが出来るということになるのですね。

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2006年1月11日 (水)

秘密

 映画が先か、原作が先かと意見の分れるところですが、この作品は映画が先でした。というより、東野圭吾の小説であることさえ知らずに、友人に薦められるままに映画を観たのがきっかけなのです。

まずは映画のレビュー ★★★★

秘密 秘密

販売元:東宝
発売日:2000/09/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 スキーバスの転落事故で生死をさまよう妻と娘。そして妻の魂が、意識不明の娘の体に入り込む。その後妻の葬儀が終わると、娘の体に乗り移った妻がめざめる。そしてそのことは夫婦だけの『秘密』として、二人は日常生活に戻ることになるのだが・・・
 原作はミステリー作家である東野圭吾で、映画を観る限り「ミステリアス・ファンタジック・ラブストーリー」という欲張りな設定で、こちらが先だが、韓国映画の『純愛中毒』と酷似している。
 配役は、妻(母)役に岸本加世子、娘役に広末涼子、夫(父)役に小林薫と、実にうまい組合せではないか。 なぜなら主演の小林薫は、こうした魔可不思議な世界の中で、違和感もなく淡々とした存在感を表現出来る数少ない男優だからだ。
 そしておちゃめで可愛い妻役の岸本加世子のイメージも、若い広末涼子が演じるのに、さほど違和感を抱かせない効果があったと思う。
 アイドル系の広末涼子にはさほど興味はなかったのだが、娘と妻の双方の役を巧くこなしていたし、スレンダーな体でありながら、意外と色っぽい肢体にはドキドキしてしまった。
 「心が妻で、体が娘」と聞けば、誰もが関心を持つことは、では「夫婦のSEX」はどうするのか・・・ということである。内面は妻でも、外見は娘そのものなのであるから、他人が覗いたら『近親相姦』にしか写らないだろう。
 また外出先でも、余り仲の良い素振りをすると、他人にはちょっと異常な父娘と勘ぐられるかもしれない。
 だからといって、娘の体に妻の魂が乗り移ったと説明しても、誰もが狂ったとしか思わないだろう。
 この物話の中核は、この辺りの葛藤を夫の側から描いている。もちろん妻は妻で若返った体を持て余したり、夫との関係を悩んだりしているのだが、その辺りが曖昧に描かれているのが気になった。
 ラストのドンデン返しは、流石ミステリー作家たる東野圭吾の面目躍如といったところで、「してやられた」という気分であった。ただ僕が男性のせいか、個人的には切なすぎて気に入らない終わり方だ。
 いずれにしても原作を読んで、作者の意図を確認しなくては気が済まなくなってしまった。

で、東野圭吾さんの原作のレビューです

秘密 Book 秘密

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 骨格的なストーリーは、映画も原作も全く変わらないのだが、原作では事故に遭った娘が小学生なのに、映画では広末涼子扮する高校生であった。この違いは大きい。何故ならば、この作品の要めとなる『娘の姿をした妻とのSEX』不能問題で、その描き方が大きく異ってくるからだ。これは小説のほうが自然な流れとなっている。
 あと当然のことだが、映画ではいくら広末が上手に演技しても、若い女性にしか観えないが、映像のない小説では娘と入れ替っても、描き方が妻であれば妻として受入れることが出来た。それだけにより一層切なくやりきれなくなるのだが・・・
 もうひとつの大きな違いは、原作では事故を起こしたバスの運転手と、その複雑な家族関係を丁寧に描いているが、映画ではここをかなり省略していた。上映時間の構成上はしょったのかもしれないが、このストーリーの『転・結』に繋がる重要なバックボーンを省略したことこそ、映画の致命的なミスだったのだ。
 この小説の主人公である杉田平介は、製造技術系の真面目なサラリーマンであり、中年になっても青年のような純真なこころを持ち、完全に大人になり切れない。このことは彼が係長に昇進したときの、同僚の言葉でも判る。
 「会社ってのは人生ゲームだよな。会社にいて出世するってのは、人間が歳をとるってのと同じことだと思うよ。出世したくないってのは、歳をとりたくないっていうことなんだ」
 青年のこころと中年の体を持つ夫と、中年のこころと少女の体を持つ妻が、やがてそれそれが肉体に応じた精神を持とうと決心する。
 映画先行であらすじが判っていながらも、ぐいぐいと小説の世界に惹き込まれ、あっという間に読破してしまったが、やはり映画同様にラストのドンデン返しは切なくてやりきれなかった。

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2006年1月10日 (火)

歓びを歌にのせて

 我が家の周辺も、今朝はとうとう初雪が積もってしまいました。さて、『歓びを歌にのせて』という記憶しにくいタイトルのこの映画ですが、期待に反してなかなかのものでした。

『歓びを歌にのせて』  ★★★★☆

Heaven_wp2_1024  スウェーデンで歴史的な大ヒットを記録し、国民の5人に1人がこの映画を観た計算になるという。また2004年のアカデミー賞で、外国映画賞にもノミネートされている。
 ストーリーは、世界的天才指揮者である主人公ダニエルが、過酷なスケジュールで心身ともにボロボロとなり、生まれ故郷の田舎町に帰ってくるところから始まる。
 そして彼は間もなく、小さな教会の聖歌隊の指導を引受けることになる。そこに集まる町の男女達は、いろいろと個人的な問題を持っていたが、全員が心から歌を愛する人々ばかりで、主人公も一度捨てた音楽に再びのめり込んでゆくのだ。
 また少年時代にいじめに遭ったことがトラウマになり、人間付き合いが苦手になったダニエルだが、彼を尊敬し慕ってくる聖歌隊のメンバーのおかげで、人を愛することをも知る。逆に聖歌隊のメンバーも、音楽を通じてしっかりと自己表現が出来るようになってゆくのである。
 いつも男に騙されるが、誰にも明るく優しい天使のような女性レナ、夫の暴力に耐えながらも渾身の歌声で人々を感動させるガブリエラ、聖職者の仮面を被った夫に失望する牧師の妻インゲ。
 ことにこの三女が、本来の自分らしい生き方にめざめてゆく姿には、おもわず微笑み、そして涙して、はたまた拍手を送りたくなるだろう。
 ただこの映画は、始まりと終わりが、いやにバタバタとあっけなかったが、これはスウェーデンのお国柄なのか、或いは長過ぎたので、無理やりカットしたのだろうか。
 

http://www.eigaseikatu.com/title/14531/
 

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2006年1月 9日 (月)

ケントが勝手に選んだ2005年のベストシネマ

 しかし今年の冬は寒いですね!! 大雪で困っている北国の方々に、寒中見舞いを申し上げます。
 Sas0028_1

 さて2005年も無事終わって、ついに2006年に突入しましたが、私めが去年観た映画で良かったと思う作品をご紹介しましょうね。

名付けて「ケントの2005年シネマベスト10」であります。

●カンフー・ハッスル  ★★★★ 

カンフーハッスル コレクターズ・エディション 少林サッカーを遥かに超えた『香港映画』という触れこみでしたが、確かに期待通り、アクションの荒唐無稽さ加減は、少林サッカー以上どころか『マトリックス3』をも超えていま した。
ただストーリー展開は、よくあるカンフー映画そのもので、少林サッカーのような斬新さはありませんでした。
 それでも、笑いあり涙ありで、超面白い事は保証しましょう。それと弱そうなおじさんやおばさん達が、実は「カンフーの達人」という設定は、非常に面白かったと思います。
 ラストバトルは、特に超々ど派手で荒唐無稽指数500%でしたし、マンガの『ドラゴンボール』を髣髴させられました。DVD化されたら、是非もう一度観たいと思いす。

● きみに読む物語   ★★★★☆

きみに読む物語 スタンダード・エディション  愛し合った老夫婦の若き日の出会いと苦悩を、回想方式で描いた超純愛作品です。また原作は、あの『マジソン郡の橋』を上回る大べストセラーになったようです。
 身分の違いと時の流れにも負けず、1年に356通のラブレターを書き、約束の家を建て、夢を実現させた男の「妻に対する強烈な愛の物語」でした。
 ただ彼女のほうからは、何故1度も手紙を書かなかったのか、という疑問は残りました。
 ストーリーとしては、良くある話しなのですが、痴呆症の妻に、自分達の過去を物語として語って、記憶を呼び戻そうというアイデアは、なかなか面白いし、ラストの意外な展開も含めて、全般的になかなか良く出来た脚本だと思います。
 あと映像がとても美しいですね。にタ日がにじむ湖をゆっくり進むボートと、白鳥の群れを横ぎるシーンがとても印象的でした。
 だいたい良い映画か否かは、始めの15分位で判るものですが、この作品は、始まって5分位で良い映画の予感がありました。
 また中盤ころからラストにかけては、感動シーンが続いて、涙が乾くひまがありませんでした。それも無理やりに泣かせる創り方ではなく、自然に涙が出てくる仕組みになっています。映画が終わっても誰もすぐ立ちあがらず、老いも若きも男女ほとんどの人々が泣き腫らした顔をしていました。

● Ray(レイ)   ★★★★☆


 Ray / レイ 追悼記念BOX ご存知盲目のピアノシンガーであるレイ・チャールズの半生を描いた作品で、今年度のアカデミー賞にノミネートされている映画であります。
 レイ・チャールズ役には、コテラルでタクシーの運転手役をして好評だったジェイミー・フォックスが扮していました。
 3時間近い長編でしたが、ストーリーの面白さに、レイ・チャールズの名曲が加わり、全く退屈することなく時間が過ぎてゆきました。
 それにしても、完全にレイ・チャールズになり切っていた、ジェイミー・フォックスの鬼気迫る見事な演技には圧倒されっぱなしでしたね。
 アカデミー作品賞はもとより、最優秀主演男優賞も確実に受賞すると確信します。
 それにしてもレイ・チャールズの天才振りには、改めて驚かされました。明日はきっとレイ・チャールズのCDを買いに行くことでしょう。

● いま、会いにゆきます   ★★★★☆


いま、会いにゆきます スタンダード・エディション  邦画にしては珍しく、もう3ヵ月のロングランを続けています。またこの映画を観た人の感想も、ネットの評価も非常に高いので、かなり気になっていた作品です。
 ジャンルとしては、純愛ファンタジーとでもいうのでしょうか。韓国系のファンタジックなストーリー展開とやや似ていましたが、この作品のほうが完全に勝っていました。
 ストーリーのほうは、妻に先立たれた父と幼い息子が、梅雨の間だけ亡妻(母)と会い、夏の訪れとともに、やがて妻は、別世界へ帰ってしまうという、現代版かぐや姫のようなお話であります。
 竹内結子の知的な美しさと、ごっつい風貌に似合わず、優しく純な心を持つ中村獅堂と、可愛い子役のアンバランスな取り合せが、不思議なくらいぴたりとはまっていました。
 また美麗な映像と山合いの静かなロケーションが、ファンタジックな雰囲気を盛り上げ、観客の心を優く包み込んでくれたような気もします。
 そして竹内結子が別世界へ戻ってからの、メビウスの輪と鏡の裏側を観るような展開には、かなり感動させられました。同時に、精密機械のように巧みに練りあげられた、職人芸のような脚本にも脱帽せざるを得ません。
 これで前半少しモヤモヤしていた謎が全て解明され、すっきりとした形でエンディングを迎えることが出来ました。そしてタイトルの『いま、会いに行きます』の意味も判るのです・・・・
 もちろん、涙もろい僕は何度もハンケチのお世話になりましたが、この作品が発する『純愛オーラ』に、周囲の老若男女の全員が、そして映画館全体が涙色に染まってしまいました。

● バタフライ・エフェクト   ★★★★☆

 バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション タイトルの『バタフライ・エフェクト』とは、一羽の蝶が羽ばたいただけで、地球の裏側で、竜巻が起こるという「カオス理論」のひとつだそうです。
 つまり、何でもないことを変えたために、大きな変化が起こる場合のたとえだと思います。
 繊細でlQの高い美青年が、少年時代の日記を読むことによって、少年時代の意識に介入出来る能力を発見するのです。
 そして自分のせいで不幸になり、自殺してしまう幼な馴染みの少女を救うために、過去の自分の行動を何度も変えてみるのですが・・・
 この作品は、タイムテーマとミステリーを上手に組み合わせて、そこにスタンド・バイ・ミー風味をブレンドしたような間口の広い秀作だと思います。
 また何度過去を変えても、事態はなかなか好転せず、イライラさせながらも、ラストでは「一番大切なもの」を切り捨てことによって、全員が救われるという皮肉なハッピーエンドを用意していました。
 余りお金はかけていませんが、久々に「本物の映画」を観た感がありました。ただのんびりと観ていると、何が何だか判らなくなるので、真剣に観る必要があるでしょう。
 よく判らなかった人には、映像写真付きの文庫本が発行されていますので、プログラム代わりに読んでみてください。内容は映画と全く変わらないので、複雑なストーリー展開が良く理解出来ます。但しラストの一行?だけは映画と大きく違っています。

● ミリオンダラーべイビー    ★★★★☆

 ミリオンダラー・ベイビー ご存知、クリント・イーストウッド監督・主演で、2005年のアカデミー作品賞を受賞した映画であります。
 クリントイースト・ウッドの作品は、いつも素晴しいけれど、もうそろそろ主演は降りたほうがよろしい。彼の名声をこれ以上下げたくないので、今後は監督か脚本家に専念して欲しいと思います。
 一方、2度目のアカデミー主演女優賞を獲得した、ヒラリー・スワンクの演技とパワーは絶賛に値すると思いました。役作りのボクシングの練習中、足に出来たマメが潰れて、命にかかわる程悪化し、ドクターストップがかかったのですが、それを振りきって、文字通り『命をかけて撮影に臨んだ』という話を聞きました。まさしく役者魂発揮!、プロ中のプロですね。
 ストーリーのほうですが、途中迄は女性版ロッキーという感じで、どんどん登りつめてチャンピオンに挑戦する迄は、爽快感が一杯の楽しい映画でした。
 しかし、この映画が本領発揮するのは、チャンピオン戦が終ってからなのであります。そのあとは、映画のテンポもトーンも、全く違った作品のように変わってしまうのです。
 ラストシーンは、いろいろ考えさせられましたが、自分ならどうしていたかの回答は出せないまま、やるせない気分で映画館を後にしました。
 昨年のミステリック・リバーのような後味の悪さはありませんでしたが、なぜか『不公平感』を拭いきれませんでした。

● 電車男   ★★★★

 電車男 スタンダード・エディション 2チャンネルで実際にあったお話ということで、当初は馬鹿にして無視していたのですが、余りにも評判が高いので、今頃になって映画館まで足を運びました。
 お話の内容は、2チャンネルの仲間達に励まされながら、生まれて初めての恋にチャレンジする純情なオタク青年のラブストーリーです。
 まだ原作本は読んでいませんが、の映画の演出と脚本の素晴しさは、原作を超越しているような気がしました。
 そして秋葉原電気街での、ラストシーンは大感動ものでした。つまり、「純な心と、気どらない素直な行動」こそが勝利の方程式なのだ!ということに涙したわけであります。「邦画も本当に良くなりましたね~」と思わず言葉に出てしまうことでしょう。
 主役の山田孝之の、なかなか地についた演技力にも好感を持ちましたが、なんといっても、ヒロイン中谷美紀の大人の魅力にメロメロになってしまいました。
 あ~あ、現実にはあんな女神のような素晴らしい女性は、なかなかいないだろうな・・・

● シンデレラマン   ★★★★

 シンデレラマン 1930年代の米国大恐慌時代に、本当にあった話を土台にした映画で、アカデミー俳優の、ラッセル・クロウとレニー・ゼルウィーガーを起用しています。
 とにかく貧しくって、港湾の力仕事で稼ぐわずかな賃金では、家族5人の生活を支えることも出来ず、電気代さえ払えない。更に追い討ちを掛けるように、ショッパイ試合が原因になり、中年ボクサーの主人公は、ライセンスまで剥奪されてしまうのです。
 その結果、それまで最低の生活を支えていたファィトマネーもなくなり、ついに生活保護まで受けることになってしまうのです。
 そんな救いのない生活を続ける中で、偶然にも1回こっきりの試合に出場するチャンスが巡ってきます。
 その後の展開は、ロッキーよろしくアメリカンドリームへ向かってまっしぐら・・・というお約束のパターン。
 そしてラストは大感動の涙と、よくあるアメリカ人好みの映画に仕上がています。こう書くと、「しらじらしい」と、つっこむ人もいると思いますが、僕はこういう安心出来る『お涙頂戴』が大好きなんです!
 といっても、ラストバトルでの家族の不安と、ボクシングの恐怖については、実に見事に描いていたと思います。ことに主人公の愛妻を演じた、レニー・ゼルウィーガーの抜群の演技力には拍手喝采を送りたいですね。
 
●ALWAYS三丁目の夕日   ★★★★☆

 Scan10011 これ程ネットでの評価の高い邦画はみたことがない。それに興行成績も断トツなのだ。
 海老名のTOHOシネマズは超満員で、一番前の席さえ空いていなかった。こんなに映画館が混んでいるのを目の当りにしたのは、本当に久し振りだ。それ以上に驚いたことは、観客にかなり若い人が混じっていたことである。
 この映画は、昭和30年代の東京での、ほのぼのとしたお話なので、団塊の世代をターゲットにした作品だと思い込んでいた。それがフタを開けてみると、若い人や家族連れの姿が多かったので、東宝でも嬉しい誤算だったに違いない。
 昭和30年代というのは、TV・冷蔵庫・洗濯機という『三種の神器』が出回ったということもあり、それまでの日本人の生活・経済環境を大きく変えることになった変革期なのだ。
 だから、ただ懐かしいというだけで通り過ぎることの出来ない時代であることは確かである。
 僕は、この映画のオープニングシーンで、少年達がゴム動力の紙ヒコーキを追って、大きな道路を平気で横断してゆくシーンを観たとたんに涙が落ちてしまった。
 そう、この時代は大通りでも自動車の数は知れていたし、車速度も遅かったので、サット避けてくれたものだ。現代に比べれば、車なんてたいして怖くはなかった時代なのである。
 事実僕が小さいころは、甲州街道を信号無視で横断して、よく祖母に叱られたものだ。その場所は、現在中央高速の高架となり、歩道橋を使わなければ、横断どころの話ではなくなってしまった。
 さて話を映画に戻ろう。
 この作品では、昔の銀座通りや、上野駅、SLや市電など、もう既に存在しないものを、CGを使って上手に描いている。最近SF映画で使われるCGには食傷気味だったが、こうした使い方なら大歓迎である。
 また町のセットも、かなりこだわって、丁寧に作られたようだし、古い道具類も苦労して集收したと聞いている。この映画は、キャストもドンピシャの見事な演技が光ったが、うした地道で誠実な努力を重ねた裏方さん達にも拍手を送りたい。
 俳優さんでは、子役の2人がとても可愛らしかったし、薬師丸ひろ子のお母さんと、堀北真希の住込店員も味のある役柄をこなしていたと思う。
 ストーリー的には、タ日町三丁目に住む人々のありきたりの日常を、淡々と描いているだけなのだが、あの時代のノスタルジーと人々の暖かい心に、きっと誰でもが感動してしまうだろう。
 唯一不満なシーンは、プロレス中継を見ている途中で、TVが壊れてしまうシーンである。このつまらないお笑いシーンのために、せっかくの懐かしい感動シーンが台無しになって、かなり腹が立ってしまった。
 この無意味なシーンを除けば、あとはほぼ完璧だったと思う。そして途中何度も涙を流しながら、感動的なラストシーンを迎えるのだが・・・なんとなく続編が出そうな雰囲気を感じたのは僕だけではないだろう。
 この古い時代背景の映画に若者達が感動するのは、この時代に生きた人々が貧しくとも、夢と希望と愛を持って一生懸命に生きてきたからであろう。
 何でも手に入る豊かな現代であるが、豊かに成れば成るほど、何か別のものを引き換えに手放しているような気がしてならない。

●風の前奏曲   ★★★★


 Scan10010 タイの伝統的楽器といわれる、ラナートの名手であるソーン師の半世をモデルにしたフィクションであるという。ラナートとは、木琴をハンモック状に吊したような楽器で、まるで電子木琴のような美しい音を奏でる楽器だった。
 タイの映画と言えば、お馬鹿で不潔な映画が多かったのだが、この映画は美しい映像とシリアスな展開に終始し、従来のタイ映画のイメージを一新してしまった。
 またシャム王朝時代の青年ソーンと、第二次大戦時の老年ソーンをパラレルに描いてあるので、最初は少し戸惑うものの、変化があって退屈させない仕組みになっている。
 そして青年ソーンには、ライバルとの過激な演奏バトルを、老年ソーンには、風にそよぐ椰子の葉のような神秘的で、心に染み渡る演奏シーンが用意されていた。バトルシーンでは壮快感を味わい、またラストの神に癒されるような演奏シーンには、思わず大粒の涙をこぼしてしてしまうだろう。さらにはエンディングでは、アゲハ蝶によって過去と現在が見事に繋がってゆくのだ。
 キャストについても、それぞれが個性を発揮した素晴らしい演技を見せてくれたと思う。まさに完璧に近い映だったが、ラストの終わり方がちょっと唐突だったことが惜しまれる。

(タイトルの順番は作品の良し悪しとは、関係ありません。またそれぞれのレビューを書いたのが映画鑑賞直後のため、現状とは多少感覚的なズレがあるかもしれません。また画像中、上映中のものは映画館のチラシを掲載しています)

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