カメラを止めるな!

★★★

製作:2018年 日本 上映時間:96分 監督:上田慎一郎

 製作費が僅か300万円で、無名の俳優数人を配しただけの超B級映画である。ところが一部の有名芸能人が絶賛したことから、あっという間にネットで高評価が拡散してしまった。
 そして当初の2館上映から、なんと全国200館超の上映となる熱狂的フィーバー現象が勃発。さらに日本アカデミー賞にもノミネートされてしまった。その結果として興行収入は30億円を超え、イギリス、フランスでの上映も決定したようである。

 映画ファンとしては、良い悪いは別として、これほどの社会現象を巻き起こしたB級映画を観過ごすわけにはゆかないだろう。ということで、有無を言わさずこの作品をレンタルしてしまったのである。
 私の独善だけで結論を先に言ってしまえば、「そこそこ面白いのだが、社会現象を巻き起こすほど過熱する作品かな?」と首を捻りたくなる程度の評価しか与えられないのだ。
 ことに序盤の学芸会レベルの約30分間はとても鑑賞に堪えられず、何度もDVDプレイヤーを止めようかと心が揺れ動いてしまった。もしかするとそこで観るのをやめてしまった人もいるかもしれない。とは言っても、その魔の30分間さえ辛抱すれば、その退屈さの意味が解明されて面白くなってくるのだが、死ぬほど面白いという訳ではないのだ。

 またゾンビが登場するのでホラーなのかと思ったら全く怖くない。この手の映画を無理矢理ジャンル分けすれば、コミカルタッチな『種明かし映画』とでも言っておこうか。
 謂わば企画とアイデア勝負の映画なのだが、過去にも『サマータイム・マシン・ブルース』という、似たような作品があるので斬新的なアイデアという訳でもない。いずれにせよ好き嫌いが極端に分かれそうな映画だが、くれぐれも序盤の30分で投げ出さないこと。

評:蔵研人

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2019年5月21日 (火)

シンデレラ III 戻された時計の針

★★★☆

製作:2013年 日本 上映時間:75分 監督:フランク・ニッセン

 ディズニーアニメの名作『シンデレラ』をパラレルワールドの世界として創りあげたストーリーである。つまりもしガラス靴が義姉アナスタシアにぴったりだったらどうなるのというお話なのだ。
 ある日、魔法の杖を手に入れた義母が時間を過去に戻し、アナスタシアに合わせたガラスの靴を作り、お城に呼ばれることになるのである。もちろんシンデレラの顔を覚えている王子が、アナスタシアをダンスの相手と認めるわけがないのだが、また魔法の杖によって記憶を入れ替えられてしまうのだ。

 まあ視点を変えたシンデレラストーリーということでは評価できるのだが、やはりなんとなく結末は分かってしまうし、ねずみが大活躍という子供向けの展開にちょっぴり興ざめしてしまった。楽しい映画であることは間違いないのだが、大人がのめり込むにはもう一捻りが必要だろう。

評:蔵研人

 

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2019年5月17日 (金)

箱入り息子の恋

★★★★

製作:2013年 日本 上映時間:117分 監督:市井昌秀

 市役所勤務の健太郎は、35歳になるが彼女いない暦35年で、いまだ童貞で役所でもペイペイのままだ。そして定時にさっさと家に帰り、ペットの蛙に餌をあげテレビゲーム三昧の毎日。
 こんな息子の状況を心配した両親は、子供に代わって相手の親と対面する「代理見合い」をするのだった。そこで知り合ったのが、目の不自由な娘を持つ今井夫妻だったのだが・・・。

 普段無口でやる気のない健太郎が、本人同士の見合い本番の席で相手の父親に罵倒されながらも、きちっと正論で反論していくシーンからこの作品が盛り上がってくる。そして終盤の吉野家での『涙の牛丼』シーンには、きっと誰もがもらい泣きしてしまうだろう。

 そこまでは実にピュアな展開に終始していたのだが、ラストに向かって健太郎が猛烈にダッシュしてゆくところから、なんと急に過激な展開にチェンジしてしまう。まるで「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を観ているような気分になってしまったが、今井家のシーンはちょっとハチャメチャ過ぎて付いてゆけなかった。
 
 目の不自由な今井奈穂子を演じた夏帆の純な可愛らしさも光ったが、何と言っても第37回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞した星野源のぎこちない雰囲気が役柄にピッタシカンカンじゃないの。さらには二人の両親役を演じた平泉成、森山良子、大杉漣、黒木瞳の個性と存在感も評価したいね。

評:蔵研人

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2019年5月14日 (火)

アリスのままで

★★★☆

製作:2014年 米国 上映時間:101分 監督:リチャード・グラツァー

 若年性アルツハイマーに侵された50歳の女性言語学者の苦悩と葛藤を挟み、彼女を支えるファミリーたちとの絆を描いたヒューマンドラマ作品である。原作はリサ・ジェノヴァのベストセラー小説であるが、著者は神経学者であり、長年の研究で出会った人々をヒントにこの作品を描いているため、まるでノンフィクションのようにリアリティに富んでいて奥深い。

 また主演のジュリアン・ムーアが第87回アカデミー賞主演女優賞を受賞しているが、本作ではアルツハイマーが少しずつ進んで行く状態を見事に演じ切っている。まさに絶望に負けまいとするアリスの気高い戦いを演じるには、ピッタリのキャスティングであった。

 それにしてもアルツハイマーは他人ごとと片付けられない。現状では完璧な治療方法は存在しないので、とにかく早期発見して、薬で進行を遅らせるしかないようである。映画の中でアリスが「癌にかかればよかった。癌なら闘うことができる」と言ったセリフが印象的であった。それほど自分が自分でなくなることは恐ろしいものなのである。

評:蔵研人

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2019年5月11日 (土)

ラブレス

★★★☆

製作:2017年 ロシア,フランス,ドイツ,ベルギー 上映時間:127分 監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ

 第90回アカデミー外国映画賞、第75回ゴールデングローブ外国映画賞にノミネートされ、第70回 カンヌ国際映画祭では審査員賞を受賞している完成度の高いヒューマンドラマ作品である。

 会社員のボリスと美容院を営むイニア夫婦は、お互いに愛人がおり険悪な雰囲気のまま離婚協議を続けていた。また二人には12歳の一人息子アレクセイがいるのだが、二人とも息子を愛しておらず、激しい口論の末お互いにアレクセイを押し付け合うのであった。
 それを聞いていたアレクセイは、悲しみの余り翌朝家を出たまま行方不明となってしまう。だがその父母たちはお互いに不倫相手と濃密なセックスに夢中になるばかりで、アレクセイが家出して2日後になってやっと彼の不在に気づく始末なのだ。

 警察に届けても、「忙しいので誘拐や殺人でない限り捜査できない」と断られ、民間のボランティア団体に依頼するように誘導して引き上げてしまう。
 やる気のない警察に見切りをつけた夫婦は、民間ボランティアの捜索隊に本件を依頼する。そのボランティア捜索隊は民間人らしからぬ手際よさで、すぐさまあらゆる方法で捜索を開始するのだがアレクセイは見つからない。

 こんな調子でストーリーは、不倫ドラマから一転してサスペンス的な展開にチェンジしてゆく。だからと言ってこの事件をきっかけにして、ボリスとイニアが夫婦関係を復活させるという結末になる訳ではない。それどころか捜査を続けるうちに、二人の関係は増々陰険になってくるばかりなのだ。そしてラストも生々しく救いがなく後味が悪い。だがそれがこの作品のキモであり、ハッピーエンドのハリウッド映画とは一線を画すゆえんであろうか。

 いずれにせよ最初から最後までずっと暗くて重苦しい。また人間関係の描き方もストレートで、ドロドロとしているので好き嫌いの分かれる作品かもしれない。なにせ子供の親権を争う話はよく聞くが、その逆は聞いたことがない。
 良く判らないがロシアの実態はかなり病んでいるのだろうか。子供を無視して自己快楽に耽る親たち、ところかまわずスマホばかりに夢中になっている大人達(これは全世界的傾向か)、そして無気力な警察。
 そんなときにウクライナでは、何の罪もない大勢の人々が不幸のどん底に突き落とされている、という皮肉汁もたっぷり盛り込んでいるではないか。また宗教的な終末観を煽る集団の話がバックに流れていたのは、何を意図していたのだろうか。

 それにしても、よくこんな映画の製作がロシアで許可されたものである。昔のソ連時代なら即没収ではないだろうか。それだけロシアも進化したのだろうか。ただ製作国がロシアだけでなく、フランス、ドイツ、ベルギーの4か国合作となっているところに仕掛けがあるようなきがするのだが・・・。

評:蔵研人

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2019年5月 9日 (木)

パッセンジャー

★★★★

製作:2016年 米国 上映時間:116分 監督:モルテン・ティルドゥム

 地球を出発して30年。乗客5000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号は、目的地の惑星「ホームステッド2」に向けて、延々と航行を続けていた。もちろん乗客もクルーも全員が人口冬眠ポットの中で深い眠りについている。
 ところが宇宙船が突然小惑星と衝突し、その衝撃で大規模なシステムトラブルに陥ってしまう。もちろん大半のエラーは自動修復されたのだが、ただ一基の冬眠ポットだけが、冬眠状態を解除してしまうのである。
 
 目的地まではあと90年もある。このままでは死ぬまでたった一人で、宇宙船の中で孤独と戦い続けなくてはならない。その不運な乗客は、機械系エンジニアのジム・プレストン(クリス・プラット)という男性であった。
 ジムは必死で船内を探索するが、クルーたちが眠っている部屋にはパスワード無しでは入れない。そして一度解除した冬眠ポットを再度冬眠状態に戻すことも不可能だと理解する。

 船内ではバーテンダーのアンドロイドだけが唯一の話し相手。それでも船内に設置してある書籍やゲームなどで気晴らししているうちに、約1年が経過してしまうのであった。だがそれらにも限界があり、とうとう絶望と孤独に耐え切れず、自殺を試みるがそれも出来なかった。
 そしてとうとう冬眠ポットで眠っている美女オーロラ・レーン(ジェニファー・ローレンス)の冬眠を強制解除してしまうのだった。
 
 この行為は一人の人間の自由と尊厳を奪うという殺人と同一の行為であろう。この作品では、極限状況でのこの行為の正当性について観客たちに問うのだが、その回答は非常に難解である。そしてそれを彼女にずっと隠し続けることが出来るのだろうか。もちろん出来るはずがないし、そうでなければこの映画が成り立たない。そしてそれを切り抜ける手段はあるのだろうか。まずは本作をご覧あれ。

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2019年5月 6日 (月)

レディ・プレイヤー1

★★★★

製作:2018年 米国 上映時間:140分 監督:スティーヴン・スピルバーグ

 原作はアーネスト・クラインの小説で、仮想ネットワークシステム「オアシス」の謎を解き、開発者の遺産をゲットしようとバーチャルゲームに挑む高校生の活躍を描くSFアドベンチャー巨編である。
 現実世界では実写とVFXを駆使し、仮想世界はアバターを使ったCGの映像が凄まじいほど美しい。そして現実と仮想が入り組んで、仮想が現実を凌駕してしまうシーンも見事に折り込んである。

 とにかくかなりの構想が練られて、かなりの製作費が投入されたに違いない。いずれにせよ実現不可能と言われたこの作品を、いとも見事に映像化してしまえるのはスピルバーグだからこそであろうか。まあくどくど解説するよりも、百聞は一見に如かずだ。この超娯楽大作こそ絶対に映画館で観るべきだろうね・・・。

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2019年5月 3日 (金)

新感染 ファイナル・エクスプレス

★★★★

製作:2016年 韓国 上映時間:118分 監督:ヨン・サンホ

 ゾンビ映画で『バイオハザード』のパクリとも言えそうな作品なのだが、単純なパクリで片づけられない映画でもあった。それは逃げ場のない特急列車の中で、たった一人のゾンビに襲われた人々が次々にゾンビ化して凶暴性を発揮し、乗客たちが決死のサバイバルを繰り広げるパニック作品に仕上がっているからである。

 本作の原題は『TRAIN TO BUSAN 』であり、タイトルからはゾンビ映画であることを想像させない。つまりゾンビ映画であることを明示してしまうと、ジャンルが限定されてしまうため、観客層が限定されてしまうことを恐れたのであろう。そこで曖昧なタイトルや歪曲した言い回しで謎めかし、不特定多数の興味を煽ったのではあるまいか。
 そしてその手法が見事に当たったのか、韓国で2016年の観客動員数が第1位となった。さらには、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」でも高評価を獲得し、アジア諸国のほか北米でも公開されて大ヒットしているという。

 本作がこれほどのヒットを記録できたのは、単なるアイデアと緊張感だけではない。列車事故などの壮大なスケールに加えて、狭い空間での人間ドラマを巧みに織り込んだ脚本と演出の妙味にもあったのではないだろうか。
 また誰がどのようにして助かるのかも全く想像させない展開と、弱い者にはギリギリ優しかった結末にも納得できた。ただあの主役級の少女役を、もう少し可愛い子役に演じさせることは出来なかったのだろうか・・・。

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2019年4月28日 (日)

父、帰る

★★★★

製作:2003年 ロシア 上映時間:111分 監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ

 菊地寛の小説ではありません。12年間行方不明だった父親が突然帰ってきて、二人の息子と謎の旅に出るという、ミステリアスなロシア映画なのです。
 優柔不断で優しい中学生の長男と、頑固で我がままな小学生の次男の好演が、特に光っていました。特に次男は表情を初め、体中から頑固さが漂っていました。あれは演技というよりは天性のものではないかと思いますし、万一演技だとすれば鬼気迫る大天才であります。
 それにしても不思議なタッチの作品でした。意外なラストの結末、父が行方をくらました理由、息子達を無理やり旅に連れ立った訳、謎の電話、土中から堀り出した謎の箱、これらの全てを説明しないままエンディングとなるのです。
 考えようによっては、馬鹿にされた気分になってしまうのではないでしょうか・・・。しかしながら一方では、この投げやりな終り方が、この作品に深みを与えているとも言えるでしょう。

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2019年4月22日 (月)

ドント・ブリーズ

★★★★

製作:2016年 米国 上映時間:88分 監督:フェデ・アルバレス

 一人住まいで盲目の老人の家に泥棒に入った若者三人だったが、実はその老人は元軍人でジェイソンのような恐ろしい男だった。登場人物ほぼ4人、場所もほとんど老人の家の中という低予算B級映画なのだが、その中味はかなり良質のスリラー作品と言って良いだろう。
 三人の若者のうち一人はどうしようもない不良男だが、その他の男女はいろいろ訳ありな家庭事情を抱えていて、やむを得ず泥棒をしているという雰囲気もあるのだが、だからと言って決して褒められた若者たちではない。また盲目の老人も不気味な精神異常者であり、結局4人とも共感を得られない面々ばかりなのだ。

 ジェイソンばりの盲目老人も恐ろしいのだが、あの犬の存在もかなり恐怖感を盛り立ててくれた。とにかくドキドキハラハラ、少し毛色の異なるスリラー作品である。ただつかまったり、逃げたり、倒したりを繰り返し過ぎで、なかなか大団円とならず、ちょっぴりしつこい感があったね。またラストも決してハッピーエンドではなく、やはりしつこさがへばり付いてくるようなエンディングだった。

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2019年4月17日 (水)

偽りなき者

★★★★☆

製作:2012年 デンマーク 上映時間:115分 監督:トマス・ヴィンターベア

 冤罪に巻き込まれあらゆるものを失い、集団的ヒステリー化した村で迫害される男の話である。本作はデンマークで記録的大ヒットを飛ばし、主演のマッツ・ミケルセンはカンヌ映画祭男優賞を受賞している。
 
 離婚した教師ルーカスは、郷里の村に戻って幼稚園の先生をすることになった。彼は子供たちの人気者だったのだが、ある日親友の娘であるクララにキスをされたりラブレターをもらった。だがクララのその行為を諭すと、彼女は自分の好意を拒絶されたと勘違いし、園長に「ルーカスにいたずらされた」とも取れる発言をしてしまうのである。

 そのあと園長はルーカスの話を良く聞かないまま、得体の知れないカウンセラーを連れてくる。そしてクララに対して誘導尋問のような質問を浴びせかけ、強引にクララから嘘の証言を引き出してしまうのだ。
 さらに園長は父兄や職員たちを集めて、ルーカスによってある少女が被害を受けたと吹聴する。さらには警察にまで訴えてしまい、とうとうルーカスは逮捕されてしまうのである。

 だが子供たちの発言は辻褄が合わず、証拠不十分ということでルーカスは釈放される。しかし無実となっても、狭い村の中で一度広まってしまった虚報は、まるでウィルスのように伝染して収拾が付かなくなってしまった。
 友人たちからは罵られ、食料品店では商品を売ってもらえず、ボコボコに殴られ、大きな石で家の窓が割られて、なんと飼い犬までが殺害されてしまうのである。

 とにかくこんなことになった発端は、全て職員の話を丁寧に聞かない女園長の早とちりである。この園長は決して悪人ではないのだが、世間知らずで事なかれ主義の小心者といったところか。またルーカスのほうもはじめからもっと強く反論すべきだった。彼は優し過ぎたのかもしれない。
 いずれにせよ恐ろしきは、集団心理である。現代風にいえば園長がインターネットで暴露した誤情報が大炎上してしまったということなのだろう。

 本作はヒューマンドラマなのだが、まるでホラーのようにじわりじわりと心を締め付けられるストーリーである。ただ唯一の救いは父親想いの素晴らしい息子と、ルーカスを擁護してくれた少数の友人の存在であった。
 本作の原題は『JAGTEN/THE HUNT』で、デンマーク語の「狩り」というような意味らしい。これはラストの意味ありげな鹿狩りシーンを示唆していると共に、村の人々の「魔女狩り」的な行動も指しているのであろうか。

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2019年4月11日 (木)

家族

★★★★

製作:1970年 日本 上映時間:107分 監督:山田洋次

  あの『男はつらいよ』シリーズの第一作が製作されたのが1969年だから、本作はその翌年に製作されたことになる。また本作はいわゆる山田監督の「民子3部作」の初作でもある。その影響か、出演者の多くが『男はつらいよ』とダブっていて実に興味深い。具体的には主演の賠賞千恵子をはじめとして、笠智衆、前田吟、三崎千恵子、森川信、太宰久雄そして渥美清と続くのである。

 ストーリーの背景は、高度経済成長期の日本であり、途中で大阪の万国博覧会の混雑振りが紹介されている。また東海道新幹線は東京~新大阪間しか開通しておらず、そのほかの新幹線はまだ全て未開通である。
 長崎の小さな伊王島で生まれた精一と民子は、結婚して10年の歳月が流れていた。だが精一の会社が倒産してしまい、彼の友人が勧めてくれた北海道の開拓地への移住を決心せざるを得なかった。

 一家は精一夫婦と子供が二人と精一の父親の5人である。まず船に乗り長崎に出て、列車に乗って精一の弟が住む福山で途中下車。さらにまた列車で大阪まで行き、新大阪から新幹線で東京に向かう。
 途中で子供が病気になって東京で足止めを食うのだが、さらにそこから先は地獄のような列車の旅が待っているのだった。現代であれば飛行機に乗れば一飛びなのだが、当時の航空運賃はかなり高額だったのだろう。

 このように延々と船や電車を乗り継ぎながら、様々なトラブルや不幸に見舞われながらも、「家族の絆」だけを拠り所に、力強く生きてゆこうとする姿が胸に沁みる感動作なのである。またなんとなく本作の7年後に製作される『幸福の黄色いハンカチ』を髣髴させられるロードムービーともいえる。
 なんと言っても、倍賞千恵子の瑞々しさと笠智衆のよき日本の穏やかな父親像がとても印象深く、高度成長期の日本がひしひしと伝わってくる良薬のような映画である。ことにラストでの二つの命の誕生が、それまでの苦労がやっと報われたようでとても嬉しかった。

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2019年4月 8日 (月)

シェイプ・オブ・ウォーター

★★★☆

製作:2017年 米国 上映時間:124分 監督:ギレルモ・デル・トロ

 原題は『THE SHAPE OF WATER』。直訳すると「水の姿」あるいは「水の形」という意味なのだが、このままでは意味不明である。そこでいろいろ調べてみると、ギレルモ・デル・トロ監督がこの難解なタイトルを説明している動画を見つけることができた。またその動画で監督は次のように語っている。

 「水は一番力を持った物質だ。どんな場所でも通り抜けるし、どんな形にもなり得る。グラスに入れるとその形になる。瓶の形にもなるしボトルの形にもなる。氷にもなるし蒸すこともできる、柔軟で強力だ。
 それは愛だと思う。愛する対象により形を変える。相手が誰であろうと、人種、肌の色、宗教、性別に関わらず形を変え全てに適応する。水は強力でやさしい物質だ。愛の形という認識だった。」

 つまりあらゆる障壁を超えたところにある『究極の愛の物語』を描きたかったのだろうか。だから本作に登場する主な人物は、ゲイ、黒人女性、障害者など差別を受けやすい人ばかり、そしてさらには究極の「半魚人」なのかもしれない。
 さて何といっても半魚人の登場は荒唐無稽なのだが、本作はモンスター映画ではなく、れっきとした恋愛映画なのである。それも人間と半魚人のラブストーリーなのだ。だから半魚人の姿はやや陳腐だが、CGではなく着ぐるみで優しい眼をしたぬいぐるみ仕様になっているのかもしれない。

 いずれにせよ監督が描きたかったのは、あらゆる障壁を超えたところにある『究極の愛の物語』なのだから、美女と野獣でもよかったのだろう。だがそれを半魚人と障害を持つ不美女にすることで、いまだかつてなかった斬新さを創造したのである。
 それにしても本作は、主役のイライザを演じたサリー・ホーキンスの熱演がなければ完成しなかったに違いない。『しあわせの絵の具』でも熱演していたが、美人でもなく貧相で小さい彼女が、これほどの大女優に駆け上がるとは誰が予測したであろうか。
 また本作は第90回アカデミー賞作品賞に輝いているのだが、半魚人の登場するファンタジー作品がアカデミー賞を受賞するなど、一体誰が想像でき得たであろうか。時代の流れとは実に恐ろしいものである。
 ただ注意しなければならないのは、残酷なシーンやエロいシーンが所々にちりばめられているので、お子様と一緒に観るのはやめたほうがよいだろう。

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2019年4月 3日 (水)

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル

★★★☆

製作:2017年 米国 上映時間:120分 監督:クレイグ・ギレスピー

 この映画のチラシには、スケート靴を履いて大股開きをして、ふてくさくれた表情をしている金髪女性が写っている。そうこのチラシこそが、この映画の全てを語っているのだ。
 そしてなんとこれは実話であり、実在の人物も頻繁に登場するのである。そして俳優たちはメーキャプの技術もあるのか、気味が悪いくらいまるでそっくりさんばかりなのだ。

 アメリカ人の女子フィギュアスケート選手として、初めてトリプルアクセルに成功し、1992年アルベールビル、94年リレハンメルと2度の冬季五輪にも出場したトーニャ・ハーディングを知っているだろうか。一般的にフィギュアスケートの一流選手として活躍するにはかなりの費用がかかる。だが本作の主人公トーニャは、貧しい家庭に生まれたが、努力と才能により全米のトップ選手へ上り詰めたのである。

 しかしながら元夫のジェフ・ギルーリーが、トーニャのライバル選手を襲撃して負傷させた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を引き起こしたことから、彼女のスケーター人生の転落がはじまってしまう。この映画はそんな彼女の怒涛の半生を描いているのだ。
 それにしてもラストに映し出された実物のトーニァの演技は、約30年後の今見ても素晴らしい。あのスピードと躍動感、そしてジャンプの高さは現代でも見劣りしない凄さを感じてしまった。

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2019年3月31日 (日)

空飛ぶタイヤ

★★★☆

製作:2018年 日本 上映時間:120分 監督:本木克英

 池井戸潤の原作小説は未読である。タイトルの『空飛ぶタイヤ』とはいったい何事なのかと思っていたが、実は走行中のトラックのタイヤが外れて宙を舞い、歩行者を直撃してしまったということであった。
 現実には走行中のトラックのタイヤが簡単に外れることはない。この作品ではその原因がトラックを運転していた運送会社での整備不良なのか、トラックを製造したメーカーの設計ミスなのかを争う展開に終始することになる。

 原作者の池井戸潤といえば、作家になる前は三菱銀行に7年間勤務したことが知られている。その影響で小説には三菱銀行や三菱重工らしき企業がよく登場する。だから彼の書いた主な小説では、数年前にTV放映された『下町ロケット』や『半沢直樹シリーズ』などが有名だ。
 また彼は財閥系企業が大嫌いで、中小企業に好感を持っているようである。本作もその池井戸定石通りの展開で『下町ロケット』と似たような構成になっていた。ただ小説の発表は『下町ロケット』より本作のほうが5年も早いのである。

 ストーリーはまあまあなのだが、先に『下町ロケット』を観ているため、それほどの高揚感は湧かなかった。また主演の長瀬智也の熱演は買えるものの、ディーン・フジオカは今一つ迫力不足だし、高橋一生は登場時間が短すぎる。だから何となく底の深さを感じないドラマに落ち着いてしまったのが非常に残念である。

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2019年3月26日 (火)

私の、息子

★★★☆

製作:2013年 ルーマニア 上映時間:112分 監督:カリン・ペーター・ネッツァー

 もしかすると、ルーマニア映画を観たのは初めてかもしれない。原題は『POZITIA COPILULUI/CHILD’S POSE』で、直訳すると子供の位置/子供のポーズという意味らしい。邦題のほうは、母親視点でのタイトルとなっていて、こちらのほうがぴったりしている気がする。
 本作は、第63回(2013年)ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞しているヒューマンドラマである。本作は自動車事故を起こして、被害者の少年を死に至らせてしまった男が、被害者の家族に謝るかどうかまでを描いているだけなのだ。

 ただこの男の母親は子離れできず、過干渉で息子を溺愛しているのである。また息子のほうは30歳を過ぎて、妻もいるのだが極度の潔癖症と対人恐怖症で自立できていない。
 またキャリアウーマンで裕福でコネを沢山持っている母親は、警察の上層部を頼ったり、証人と金銭交渉したり、あらゆる手段を駆使して息子を助けようとする。だが息子はそんな母親に怒りをぶつけ、放っておいてくれと怒鳴るのだった。

 よくある話であり、こんな母親が「振り込み詐欺」に引っ掛かってしまうのだろう。ストーリーとしては実に単調なのだが、母親の葛藤を延々と描いた心理劇と考えれば良く出来ている。たぶん母親役の女優さんの存在感と演技力の賜物なのであろう。
 それにしても、こんなバカ息子を救うために違法行為も辞さない母親は、とてもじゃないが観客の共感を得られないし、そんな献身的な母親を「あんた」と呼び捨てて罵倒するバカ息子は、さらに不愉快なキャラクターではないか。ところがラスト数秒のワンカットで、全てが納得できてしまうのである。ある意味摩訶不思議な映画なのかもしれない。

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2019年3月20日 (水)

グリーンブック

★★★★☆
製作:2018年 米国 上映時間:130分 監督:ピーター・ファレリー
Greenbook_1
 本作は第91回アカデミー賞及び第76回ゴールデン・グローブ賞において、ともに作品賞、助演男優賞、脚本賞に輝いている素晴らしい作品である。だからといって決して堅苦しい作品ではなく、ロードムービー或いはコメディとしても鑑賞できる全方向のヒューマンドラマといっても良いだろう。
 タイトルの『グリーンブック』とは、Victor Hugo Greenという黒人の郵便局員が、車で旅行する黒人のために1936~1966年にかけて出版したガイドブックのことである。なぜこのようなガイドブックが生まれたのかというと、次のような背景があったからだと言われている。
 当時米国では、裕福な黒人であればマイカーを所有するようになっていたのだが、車で旅行する黒人(厳密には非白人)は、ジム・クロウ法(Jim Crow laws)という州法に基づく人種隔離政策(各人種は平等だが入り交じるべきではないという方針)の影響もあり、次のような不都合に直面していたという。
1.食事や宿の提供を断られる
2.自動車を修理してもらえない
3.給油を断られる
4.暴力を振るわれる
5.白人しか住まない町から追い出される
6.警察に逮捕されやすい
 地域によっては、黒人にサービスを提供する事業者のほうが稀で、黒人は広い国土を自動車で旅行するのがとても大変だったという。従って黒人がマイカーで旅行しようとする場合には、トイレを利用させてもらえない場合に備えて、車のトランクに簡易トイレやバケツを用意しておいたり、飲食店やガソリン・スタンドを利用させてもらえない場合に備えて食料やガソリンを余分に用意しておく必要があったのである。
 そんな時代に Green 氏が私費出版したのが、"The Negro Motorist Green Book" なのだ。これこそ黒人が利用できる飲食店・ホテル・民宿・ガソリンスタンド・娯楽施設・ガレージなどの名称と住所を記載してある黒人必携のガイドブックだったのである。
 本作では、黒人差別が続いていた1962年に、黒人ジャズ・ピアニストのドクター・シャーリーが米国南部を8週間に亘るコンサート・ツアーを実行する。だが米国南部は人種差別が激しい地域であり、黒人が旅をするには大変危険であった。そこで彼は移動中のトラブルを回避するために、粗野な白人バウンサーのトニー・リップをボディーガード兼ドライバーとして雇うことになるだ。さらに道中で困らないためのガイドブックとして、シャーリーの所属事務所がトニーに与えるのが「グリーンブック」だったのである。
 はじめは黒人嫌いのトニーだったのだが、シャーリーの天才的なピアノ演奏や文章力に脱帽してゆく。またシャーリーのほうもトニーのトラブル解決能力や、荒々しさの中に潜む心優しさに気付きはじめる。そして旅の終わりに近づく頃は、二人ともが主従の関係から友人の関係に心が転換してゆくのである。
 笑いあり涙あり、ラストのクリスマスイヴ風景も良かった。だが何といってもトニーの妻・ドロレスを演じたリンダ・カーデリーニが、とてもチャーミングで素敵だったよね。

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2019年3月14日 (木)

しあわせの絵の具

★★★★☆

製作:2016年 カナダ・アイルランド合作 上映時間:116分 監督:アシュリング・ウォルシュ

 カナダの女性画家モード・ルイスとその夫の半生を描いた実話ドラマである。モードは先天性のリウマチを患い手足が悪く、なかなかまっとうな仕事につけない。また夫となるエベレットは孤児院育ちで学がなく、武骨で人付き合いが苦手な魚売りだ。そんなはみ出し者同士が同居することになり、初めはお互いにすれ違いが多かったが、共同生活を重ねてゆくうちに次第に惹かれ合うようになる。

 モードは住み込み家政婦としては、充分な働きは出来なかったものの、何事にもひた向きに取り組み、こつこつと絵を描くことが生き甲斐になっていた。そんなある日、エベレットの顧客であるサンドラに絵の才能を認められ、絵の制作を依頼される。
 やがてモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン副大統領から依頼が来るまでになるのである。そして彼女はマスコミにも紹介されて名士となるのだが、暮らしぶりは相変わらず地味で質素であった。

 そんなある日、疎遠にしていた叔母と久し振りに逢い、彼女から過去のある出来事について、衝撃の告白を聞くことになる。その事実を知ったモードは思案にくれ、エベレットに相談するのだが・・・。

 それほど製作費はかけていないものの、とにかく映像も音楽も良い、そして感動の涙に濡れる心温まる作品である。さらに起承転結の見極めもしっかりしているし、何といっても障害を持つモードを演じたサリー・ホーキンスの抜群の演技力には脱帽するしかないだろう。まさに映画らしい実に映画らしい珠玉の名作に仕上がっているではないか。

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2019年3月 8日 (金)

待ち伏せ

★★☆

製作:1970年 日本 上映時間:117分 監督:稲垣浩

 三船プロの製作で社長の三船敏郎をはじめとして、石原裕次郎、勝新太郎、中村錦之助、浅丘ルリ子と超豪華キャストを集めたアクション時代劇である。ネットの評価はいま一つだったのだが、これだけ超大物が揃った映画は後にも先にもないと思いDVDで観ることにしたのである。

 ただ結論から言えば、残念ながらネットの評価通り駄作であった。まず脚本も演出も酷すぎる。また石原裕次郎は時代劇には全く向いていないばかりか、その役割そのものが不要だった気がする。また中村錦之助の演技力は買えるものの、あんな役ではもったいない。彼は時代劇の申し子なのだから、もっと強い侍を演じてもらいたかった。

 そして一番残念だったのは、これだけの俳優を揃えながら、誰一人として見せ場が用意されていないことだ。また殆どの時間が、茶店の中での心理劇的展開に終始し過ぎて、安っぽい舞台劇を見せられているような退屈感に襲われてしまったこと。
 さらには期待していた殺陣のシーンは、ラストに申し訳程度の添え物として、ちょこっと用意されただけだったのである。まさに裏切りが裏切りを呼ぶだけの、見どころのない顔見世だけの映画であった。 

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2019年3月 2日 (土)

チャンブラにて

★★☆

製作:2017年 伊・米・仏・スウェーデン 上映時間:118分 監督:ジョナス・カルピニャーノ

Chanb
 手持ちカメラの映像が揺ら揺らして気分が悪くなる。だから薄目を開けて観ていると、今度は眠い、ひたすら眠くなってしてまうのだ。ところが今度は、ガンガン大音響でがなり立てる音楽が、やかましくてたまらない。
 
 タイトルのチャンブラとは、イタリア南部のスラム街の通りを指す。そしてこの映画は、国に縛られずに生きてきたロマというジプシーに焦点を当てた、ドキュメンタリー仕立てのヒューマンドラマなのである。

 本作にはストーリーらしいストーリーは存在しない。差別によりまもな職に就けないロマの人々が、窃盗などで生計を立てている様子を延々と描いてゆくだけなのだ。また兄と父が逮捕されたため、14歳の少年ピオが窃盗を繰り返して家族や仲間を支えることになってしまう。と言うより、彼が周囲の反対を押し切って勝手に窃盗に手を染めるのだが・・・。

 子供たちが酒を飲み、煙草を吸い、女を買うシーンが印象的である。だがアフリカや南米では、それに加えてマシンガンをぶっ放す子供たちがいることを考えれば、まだまだおとなしいほうなのかもしれない。

 いずれにせよ、登場人物の多くは主演のピオ君をはじめ、現地の素人たちで占められているというから、まさにドキュメンタリーと紙一重なのだ。こうした作風は珍しいし、こんな世界の存在を知ることも必要かもしれない。だがこうした直線的な描き方では、ただ窃盗を繰り返しているジプシーたちが悪いだけ、という印象しか残らないではないか。

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2019年2月26日 (火)

きみへの距離、1万キロ

★★★☆

製作:2017年 カナダ 上映時間:91分 監督:キム・グエン

 いやに長ったらしい邦題である。確かに超遠距離恋愛を描いたラブロマンスで、原題の『EYE ON JULIET』も判り辛いので仕方ないか…。
 主人公の青年ゴードンは、デトロイトにある警備会社から、北アフリカの油田に設置してある蜘蛛型ロボットを遠隔操作し、石油泥棒を監視する仕事をしている。そしてそこで巡り合った美少女アユーシャにひと目惚れ。そして監視作業をおっぽり出して、少女の日常を覗き見することに夢中になってしまう。

 という訳で、遠距離恋愛と言っても、ゴードンの一方的な思い入れに過ぎない。だがアユーシャには恋人がいた。さらには無理矢理年配の金持ちと結婚させようとする両親のもとから逃げ出して、二人して他国へ駆け落ちしようとしているではないか。アユーシャに同情したゴードンは、二人の駆け落ちを支援するために、彼女宛に大金を送金するのだが・・・。

 序盤はこの作品の意図が分からず、眠くてウトウトしてしまった。だが徐々にこの映画が放つ独特な雰囲気にのめり込んでしまった。なるほど単純なラブロマンスではないし、ロボット絡みのストーカーとは、なかなかユニークな発想である。
 ただちょっと荒唐無稽で無理が目立ち、終盤をはしょり過ぎたところも残念だが、ファンタジーロマンスと考えれば腹も立たないだろう。

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2019年2月21日 (木)

今夜、ロマンス劇場で

★★★★☆

製作:2018年 日本 上映時間:109分 監督:武内英樹

 最近の邦画はマンガを実写化したものや、東野圭吾などの人気作家の小説を原作としたものばかりで、かなり食傷気味であった。ところが本作は良い意味で期待を裏切り、久々に映画らしい邦画を観た気分にさせて貰い嬉しくて堪らない。
 時代背景は1960年頃、モノクロ映画の中から現実世界に飛び出したお姫様と映画監督志望の純真な青年のラブファンタジーである。なんとなく作品全体に『ローマの休日』や『ニュー・シネマ・パラダイス』あるいは『ある日どこかで』などを彷彿させられる雰囲気が漂う。だからオールド映画ファンにはとても心地よいのだ。まさに映画好きが創った映画ファンのための映画といってよいだろう。

 また姫役の綾瀬はるかの凛とした品の良い美しさに、様々に変化してゆく衣装がぴたりとはまりとても印象的であった。そして若き日の純真な青年牧野に坂口健太郎、老いた牧野を演じてこれが映画遺作となった加藤剛と、ともに真面目さを売りにする二人を起用したことも成功している。

 そしてラストに赤いバラと同時にモノクロがカラーに変わるシーンはとても感動的であった。「君の一番欲しかったものをプレゼントしてあげる」とは、まさにこのシーンのことなのだろうか・・・。
 難を言えばストーリーに深味が足りなかったことと、製作費が不足していたことかもしれないが、映像・音楽・配役・衣装・ノスタルジー・初恋・切なさ・涙などを見事に配合した素晴らしい映画だと思う。邦画も捨てたものではないよね。これからもマンガの実写版だけではなく、映画の原点に戻ってこんな真摯な作品も創って欲しいものである。
 

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2019年2月17日 (日)

坂道のアポロン

★★★☆

製作:2017年 日本 上映時間:120分 監督:三木孝浩

 原作は小玉ユキの少女コミックである。原作は未読であるが、マンガとしては上質な作品であり、登場人物たちがマンガにそっくりだったのも微笑ましい。
 オープニングは多忙な毎日を送る医師・西見薫が子供たちにせがまれてピアノを弾くシーンからはじまる。そして10年前に彼が転校先の高校で、不良の川渕千太郎とその幼なじみで委員長の迎律子と運命的な出会いを果たした時代に遡って行く。

 ここから延々と学園ドラマが始まるのだが、彼ら三人は音楽で繋がり、そこに千太郎の兄貴格の桂木淳一とその恋人である深堀百合香が絡んで三角いや五角関係になってしまう。なかなか世の中は上手く行かないものである。そしてやっと落ち着いたかなと思った矢先、またまた残念な事態が勃発してしまうのだ。なんだかわざと不幸を煽っているような展開にかなりストレスが溜まってしまうのだが、ラストは絵に描いたようなハッピーエンドで締めくくられるのでご安心を。

 クライマックスはやはりジャズの演奏シーンなのだが、西見薫役・知念侑李のピアノと川渕千太郎役・中川大志のドラム演奏がともに代役なしで演奏したと知って驚いた。また迎律子を演じた小松菜奈は、決して美人ではないのだが、クールでピュアで何となく謎めいた雰囲気に染まっていて好感を持ってしまった。いずれにせよ爽やかな気分に浸れる作品であることは間違いないだろう。

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2019年2月13日 (水)

まともな男

★★★★

製作:2015年 スイス 上映時間:92分 監督:ミヒャ・レヴィンスキー

 どうも邦題の『まともな男』とは、一体何を意味するのか判断するのが難しい。主人公の「まともな男でありたい」という願望なのだろうか。原題の『NICHTS PASSIERT/A DECENT MAN』はドイツ語なのだろうか。正確には翻訳出来ないのだか、『何も起こらない/まともな男』だとしたらほぼ邦題と変わらないのだが…。

 家族三人(倦怠期の夫婦と高校生の娘)のスキー旅行のつもりが、父親トーマスの優柔不断さから赤の他人が加わって四人になってしまう。それはトーマスが上司に頼まれて、その娘ザラを一緒に連れて来てしまったからである。だが家族団らんの旅行を期待していた妻も娘も、突然のザラの参加には不快感を隠せない。

 ロッジに到着した夜、娘とザラがロッジの管理人の息子セヴェリンに誘われてパーティーに行くことになってしまう。はじめは反対していたトーマスだったが、娘たちの執拗な懇願に負けて外出を許してしまうのである。
 そもそもこれが全ての悲劇の始まりであった。トーマスが深夜に娘たちを迎えに行くと、荒れて不機嫌な娘と街角で悲嘆に暮れるザラを発見する。

 そこでザラは、セヴェリンに強姦されたことをトーマスだけに告白する。彼女は警察には行きたくないし、このことは誰にも喋るなとトーマスにくぎを刺すのだが・・・。
 このあとザラは悩み苦しみ、思考が何度も反転し始める。またトーマスのほうも、このことを誰にも相談出来ず、責任感と保身が絡みあい追い詰められてゆく。そして彼はとうとう封印していた禁断の掟を破ってしまうのである。そして次々と重大な事件が勃発することになってしまうのだった。

 一応この作品のジャンルはコメディ・ドラマとなっているのだが、サスペンスとかスリラーと仕訳したほうが適性のように感じる。ただそうであればあの後味の悪いハッピーエンドはどのように説明すればよいのだろうか。
 スイス映画を観るのは久しぶりだが、やはりハリウッド映画とは全く視点が異なっていてなかなか印象深い作品に仕上がっている。また地味ではあるが、かなり丁寧に練り込まれた脚本と心理描写には脱帽せざるを得ない。

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2019年2月10日 (日)

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ

★★★☆

製作:2017年 米国 上映時間:120分 監督:マイケル・ショウォルター

 米国在住のパキスタン人であるコメディアン「クメイル・ナンジアニ」の実話である。主役のクメイルを演じたのは、なんと本人のクメイル・ナンジアニであり、脚本は彼と妻のエミリーの共同執筆だという。

 本作はパキスタン人のクメイルと米国人のエミリーのラブストーリーなのだが、一般的にパキスタンでは、パキスタン人同士の見合い結婚が多いらしい。もちろんクメイルの両親は見合い結婚であり、息子にも見合い結婚を強要し、他国の女性と付き合うなら勘当も辞さないのだ。
 一方のエミリーの両親も、エミリーを傷付けたクメイルに対して好感は抱いていない。だがエミリーが昏睡入院し、その間に共同生活を営んでいるうちに、次第にわだかまりが解け始めてくる。

 この物語は国境と人種と異文化を越えたラブストーリーが謳い文句である。だがそれよりも、クメイルとエミリーの両親とのほんわかとした人間関係にうっとりとするヒューマンドラマとも言えるだろう。そして感情的だが正義感に燃える義母と、包容力のある優しい義父のカップルもなかなか魅力的だったね。

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2019年2月 3日 (日)

天のろくろ

著者:アーシュラ・K・ル=グウィン

 ジョージ・オアという神経症患者が夢を見ると、現実世界はその夢を微妙にアレンジして大きく改変されてしまう。だがその事実に気が付いているのは、オアと精神科医のヘイバー博士だけであった。
 ヘイバー博士は、脳に刺激を与えて強制的に夢を見させる『増幅機』を駆使して精神治療を続けた。そのためかオアの夢はパワーアップしてしまい、世界はいつの間にか、70億人が消滅したり異星人が到来したりする状況に陥ってしまうのである。

 まともなストーリーなら、夢落ちはタブーなのだが、本作は夢・夢・夢で構成されており、夢落ちだって何でもありだろう。但し結末は単純な夢落ちという訳でもなかった。もしかするとこの世界は、自分自身が創り出した妄想のようなもので構成されているのかもしれない。果たしてそんな哲学的発想が根底にあるのだろうか。

 本書はSFなのか宗教小説なのか、いま一つはっきりしない趣であるが、とにもかくにも読み難いこと甚だしい。これは内容そのものが分かり難いのか、翻訳が下手なのか、その両方なのだろうか。テーマ的には、人口過剰の排除、全惑星の生態学的バランス回復、癌の克服、核と戦争の廃絶、人種差別・貧困・経済的不平等の解消など、非常に興味深いのだが、ほとんどが言葉の羅列だけに終始しているだけなのが残念である。
 また前半は登場人物がたった三人だけだし、最後まで読んでもちょと出の人や異星人を含めてもせいぜい6~7人くらいしか登場しないのだ。さらに状況説明がくどくどと長過ぎてテンポが悪くすぐ眠くなってしまう。この作品や著者の信奉者には申し訳ないけれど、寝苦しい夜には睡眠薬代わりになって、だいぶ役に立ったけどね・・・。(苦笑)

 本作は1969年に発表され、原題は『The Lathe of Heaven』、1972年にローカス賞長編部門賞を受賞していると言う。また2002年にはカナダ・米国の共同制作で映画化も実現している。
 日本では1979年にサンリオSF文庫から出版されているが、いつの間にか絶版となり手に入り難い作品になっていた。だが2006年に復刊ドットコムにより、再び日の目を見ることが出来たという訳である。
 それほど期待されて復刊した本書であるが、前述した通りかなり読み辛く、登場人物が少なく、ストーリー展開が後付けされているだけなので物足りないのだ。もしかすると映像でフォローできる映画のほうが面白いのかもしれない。是非DVDを探して鑑賞してみたいものである。

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2019年1月27日 (日)

ラバーズ・アゲイン

ラバーズ・アゲイン ★★★

製作:2017年 米国 上映時間:94分 監督:アザゼル・ジェイコブス

 それほど期待してはいなかった。ところがちょっぴり変わった視点で少しエッチで、そこそこ楽しめる大人の雰囲気が漂う映画だった。ただ・・・。

 更年期の夫婦がそれぞれ不倫しているのだが、お互いなかなか離婚を言い出せない。そしてそれぞれの相手が、「早く離婚しろ」と迫っているのだが、うっかり久し振りにキスしてしまったことから肉体関係が復活してしまうのである。
 そしてなんと愛が再燃してしまい、さらに離婚を言い出せない状況に陥ってしまうのだ。それでもお互いの不倫相手から執拗にせっつかれ、「一人息子が彼女と一緒に帰省したあとに離婚する」と言い訳をする。

 とにかくこのあたりのやり取りはとても面白く笑えたのだが、息子が登場してから急に詰まらなくなってしまった。息子の恋人は心身ともにちっとも可愛くないし、息子はイケメンだが精神的に大人になり切っていないね。
 そしてあっという間のエンディングと、予想通りのどんでん返しにやや興ざめ状態。「我慢の足りない夫婦はまた同じ過ちを繰り返すよ」とまさに皮肉たっぷり。序盤はまずまずだったのだが、終盤の締めくくりに失敗した残念な作品だったと言いたい。

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2019年1月23日 (水)

狐狼の血

★★★☆

製作:2017年 日本 上映時間:126分 監督:白石和彌

 原作は柚月裕子の同名小説であり、直木三十五賞や吉川英治文学新人賞の候補となり、第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を獲得している。
 映画のほうは実録ヤクザ映画のメッカである東映が製作している。背景は昭和63年、広島の呉原で地元の暴力団組織「尾谷組」と、新勢力である広島の巨大組織五十子会系「加古村組」との抗争劇を描いている。

 いまさらなぜヤクザ映画なのかと思ったのだが、従来のヤクザ映画とは異なり、本作は刑事側の視点で描かれているところがユニークなのだ。またヤクザ映画とは余り縁がなさそうな役所広司と松坂桃李が主演だったことにも興味をそそられてしまった。

 なにしろグロいシーンが満載で、ヤクザ以上に横暴で残虐な大上刑事の強引な捜査手法が見ものである。ただやはり役所広司のイメージや人柄ではかなり無理があり、徹底的な極悪刑事を演じることは出来なかった。
 だから終盤に大上刑事の本性が明かされても、「やっぱりね」と言う程度の想定内反応しか得られないのである。だからこの役どころは役所広司ではなく、共演していたピエール瀧あたりのほうがはまり役だったかもしれないと感じたのは私だけであろうか。それにしても、女性がこの原作者だということが凄いよね。

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2019年1月19日 (土)

マチルダ 禁断の恋

★★★☆

製作:2017年 ロシア 上映時間:108分 監督:アレクセイ・ウチーチェリ

Machi
 ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世と美貌のバレリーナマチルダとの、禁断の恋を描いた壮大なラブストーリーである。

 舞台は19世紀後半のロシア・サンクトペテルブルク。ロシア皇帝の皇太子であるニコライ2世(通称ニキ)は、世界的なバレリーナのマチルダに盲目の恋心を抱いてしまう。
 だが父のニコライ1世が、列車事故で急激に体調を崩し、王位継承の日が刻々と近づいてしまう。そしてヘッセン大公国の大公女アレクサンドラ・フョードロヴナとの政略結婚を迫られる。さらには外国勢力の台頭や国内の情勢が、マチルダとの恋の成就を難しくするのだった。

 それほど期待しないで観たのだが、豪華絢爛で映像も美麗で音楽は荘厳な雰囲気を漂わせており、劇場向けで見応えのある映画であった。またロシアの歴史の一端を垣間見ることも出来、サスペンス、オカルト、復讐などを盛り込んだ欲張りな作品なのだが・・・。

 ただニキの優柔不断で煮え切らない心情と、マチルダのまるでターミネーターのような執拗な追いかけが、かなりこの映画を安っぽく仕立ててしまったようだ。そしてあれだけ引っ張り続けて、あの解説だけで中途半端なまま終幕してしまったラストも、手抜きのようで非常に残念でたまらない。

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2019年1月14日 (月)

31年目の夫婦げんか

★★★

製作:2012年 米国 上映時間:100分 監督:デヴィッド・フランケル

 結婚31年目を迎えた熟年夫婦の結婚感と性を描いた作品である。これをあの仏頂面ボス・CMのトミー・リー・ジョーンズとメリル・ストリープが好演している。それにしてもメリルは流石だね。キャリャウーマンや悪女を難なくこなしたこと思うと、本作では可憐で自身のなさそうな普通の主婦を淡々と演じている。

 本作は導入部で倦怠期の夫婦をさりげなく描き、あとはほとんど性科学ドクター(スティーヴ・カレル)のカウンセリングを受ける一週間のバカンスに終始する。だから主な登場人物も夫婦とドクターのほぼ三人、そして会話の多い舞台劇のような作品である。

 結婚して約30年が過ぎ、子供たちも独立して二人だけで大きな家に住む老夫婦。寝室は別々で、夫は新聞を読み妻が朝食を作る。そして夫は妻のことは振り向かず、カバンを手にそそくさと会社に向かう。仕事が終わって家に帰っても、黙々と妻の作った夕食を食べ、ゴルフ番組を観ながらウトウトしてしまう。そして妻が片づけを終わると、二人は二階にあるそれぞれの寝室に向かうのである。

 何の問題もなく結婚生活はうまく行っていると考える夫と、何もなさ過ぎる結婚生活に危機感を募らせている妻とのすれちがい。どこの国でも同じような老後の倦怠パターンを繰り返しているのかと笑ってしまう。他人ごとではないよな、と考える老年期の観客には面白い作品かもしれない。だが若い観客たちには退屈な映画なのかもしれない。

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