女王陛下のお気に入り

★★★☆

製作:2018年 アイルランド・米国・英国 上映時間:120分 監督:ヨルゴス・ランティモス

 18世紀初頭のイングランドを舞台にした宮廷ドラマである。と言っても決して堅苦しいドラマではない。どちらかと言えば、時代考証や史実に不誠実であり、主役のアン女王もコミカルタッチで描かれているのである。
 当時のイングランドでは、飽食に染まった貴族たちが、パイナップルを食べることとアヒルのレースに夢中になり、国内では税金を無駄に費やして、他国との戦争ばかりにうつつを抜かしていた。

 それもこれもアン女王の体が弱く、自ら十分な政策運営を諮ることが出来ず、幼なじみでお世話係のレディ・サラが、権力を掌握していたからであった。この二人の関係は、まるで五代将軍徳川綱吉と側用人柳沢吉保との関係にそっくりではないか。
 ところが厄介なことに、ある日ここにサラの従妹であるアビゲイルが介入して、三角関係となってしまうのである。そしてアン女王争奪戦と、その他の貴族たちを巻き込んだ女同士の嫉妬と憎悪に塗れた権謀術数作戦が開始される。

 ストーリー前半は、貧しくて清純だったアビゲイル、頭脳明晰だが傲慢かつ独善的なサラというシナリオだった。ところが次第に二枚舌で野心家であるアビゲイルの本性が剥き出しになってくるのである。ただラストシーンは、サラが追放されたあと、画面一杯にウサギの映像が溢れるだけで、「あとはご想像にお任せします」という無責任な終わり方で幕を下ろしてしまうのだ。

 もちろんアン女王のアビゲイルに対する愛情の変化を想像することは出来るものの、その後のレディ・サラについては、何も語られないため、史実を知らない者にはかなり不親切な締めくくりとなってしまったのではないだろうか。なお史実上も、サラはアン女王の晩年にその寵愛を失うのだが、その後ハノーヴァー王家のジョージ2世と王妃キャロライン、首相ロバート・ウォルポールと親交を結んでいる。さらにはマールバラ公家の莫大な資産をトラスト法によって継承し、当時ヨーロッパ有数の資産家になり、84歳という長寿を全うしたという。結局は彼女が一番の勝利者だったのではないだろうか。

評:蔵研人

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2019年11月 7日 (木)

だからタイムマシンには乗りたくなかった。

著者:時羽 紘

 実に長ったらしいタイトルなのだが、なにげにタイムトラベルファンの気を引くタイトルでもある。主な登場人物はたった4人の学園ラブファンタジー、映画ならさしづめB級作品と言う趣だろうか。
 主人公の九條楓は高校一年生で、心優しく自分の言いたいことをはっきり主張できない女の子。大好きな1年先輩の伊波潤と付き合っている。そんなある日、雨宮奏という未来からやって来たという不思議な男の子と遭遇。彼のタイムマシンで10年後の世界に跳ぶと、見知らぬ美人女性と伊波潤が結婚式を挙げているところだった。

 そして再び現代に戻ると、なんと伊波潤と同クラスに10年後に彼の花嫁になる野村みな子がいるではないか。そして彼女は伊波潤に告って断られたにも拘らず、しつこく潤に付きまとっているのだった。
 そしてことあるごとに、楓と潤の邪魔をしてくるのだ。そうこうしているうちに楓と潤の二人に誤解が生じて、ぎくしゃくした関係に陥ってしまうのである。結局タイムマシンで覗いた未来通り、潤は楓と別れてみな子と結婚してしまうのだろうか・・・。

 登場人物も少なく物語の幅も狭く、ただただ潤を慕う楓の想いと二人のすれ違い、そしてみな子の意地悪に終始するだけのお話なのだが、年甲斐もなくドキドキして楽しく読ませてもらった。また謎の少年・雨宮奏の正体については、途中で何となく想像できるようになるのだが、なぜ彼がああすることになったのかはちょっと無理があるかも・・・。いずれにせよ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の逆転バージョンといった味がしたことは否めないね。

評:蔵研人

 

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2019年11月 3日 (日)

キャプテン・マーベル

★★★☆
製作:2019年 米国 上映時間:124分 監督:アンナ・ボーデン

 新しい女性スーパーヒーローの誕生である。とにかく強いもの凄く強い。今まではスーパーマンが最強のヒーローだと思っていたのだが、もしかするとこのキャプテン・マーベルのほうが強いかもしれない。そう感じるほど強いのだが、最初から強かった訳ではない。少しずつ目覚めてゆき、ラストシーンで、完全に目覚めてパワー全開となり、100発以上のミサイルも宇宙戦艦も一瞬に破壊するほど強くなるのである。

 それにしてもこのラストシーンには、充足した爽快感にうっとりと溺れてしまったくらいだ。ただ今後も同様の爽快感が得られるとは限らない。スーパーマンの例を見れば分かることだが、余りにも強過ぎて相手が存在しなくなるため、ストーリー展開が難しくなるからである。しかもキャプテン・マーベルには、スーパーマンに対するクリプトナイトのような弱点が見当たらない。完全無欠だからいよいよ難しいのだ。

 今回ははじめから強かった訳ではないし、自分探しのストーリーに終始していたため、なんとかストーリーを紡ぐことが出来たのだが、今後の続編ではそれも難しくなる。だからもしかするとキャプテン・マーベル単独でのストーリー構成は、これが最初で最後になるかもしれないね。
 とにかく強いこと自体は悪くはないのだが、完璧に強過ぎると起承転結の「転」が不在となり、ストーリーに変化を与えられなくなり、単調になりやすいものである。


評:蔵研人

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2019年10月29日 (火)

ハンターキラー  潜航せよ

★★★★☆
製作:2018年 英国 上映時間:122分 監督:ドノヴァン・マーシュ

 ジョージ・ウォーレスの小説を原作とする戦争アクション映画である。と簡単に言い切れほど単純な映画ではなく、苦労人の職人同士の信頼関係を描いたヒューマンドラマ仕立てなのである。
 ロシア近海で行方不明になったアメリカ海軍の捜査任務のため、攻撃型原子力潜水艦ハンターキラーが出航する。艦長はジェラルド・バトラー扮するところのジョー・グラス。苦労人で部下たちの信頼も熱いが大胆不敵で独善的な行動も厭わない。

 たまたまロシアでスパイ活動をしていた米軍特殊部隊の調査により、ロシアの国防相がクーデターを起こし、戦争に消極的な大統領を拘束したというのだ。この国防相は超危険人物で米国との戦争を望んでいて、どうやら先の行方不明になった米国原潜の沈没も、彼の指示によるものと思われる。
 この状況下で米国は戦争開始か否かの苦渋の選択を迫られるのだが、なんと戦争反対派のロシア大統領の救出にかけることになった。そして特殊部隊が大統領救出に向かい、彼等を収容するのがハンターキラーの役割となるのだ。

 ラストは派手なアクションシーンを期待していたのだが、それは良い意味で裏切られた。それが男同士の熱い信頼関係だったからである。米国とロシアの艦長同士の信頼、それぞれの部下との信頼関係、いいねえ実にいいねえ。
 なんだか急に目頭が熱くなって、感動の涙に濡れまくってしまったぜ。久々に「ほんとに映画って良いですね。」と言うあのセリフが復活した感動作であった。

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2019年10月25日 (金)

ある船頭の話

Sendou

★★★★

製作:2019年 日本 上映時間:137分 監督:オダギリジョー

  2005年~2007年頃にはバンバン主演映画を張っていたオダギリだったが、最近あまり見かけなくなっていた。ところがなんと本作は彼が初めて創った本格長編映画なのだという。あのオダギリに映画監督なんて出来るのかなと思っていたら、これがまたなんとも言えないくらい渋くて日本的で素晴らしい作品に仕上がっていた。

 舞台のほとんどは、船頭小屋と小舟と大河だけであり、ストーリー性はほとんどない。その代わり神秘的なほど超美麗な自然描写と、セリフは少ないものの人間の心の奥に潜む葛藤が滲み出ているのである。
 その美しい自然にぴたりと嵌まった古くてみすぼらしい船頭の存在。彼は村人たちには無料で船を渡している。彼のお陰でどれほどの村人たちが助かっていることやら。

 ところが最近になって、大きな橋が建設され始めたのである。もちろん橋が完成すれば船頭の仕事は不要になってしまう。だが表面づらでは黙々と舟を漕ぐ船頭のトイチであった。
 そんなある日、トイチは川に流されていた傷だらけで身寄りのない少女を助ける。だがこの少女との出会いをきっかけに、彼の人生は少しずつ狂い始めてゆくのであった・・・。そしてそれまで淡々と自然の中を行き過ぎていた映画のトーンが、急に濃くなってゆくのである。主な登場人物はトイチと源三と少女の三人なのだが、もしかすると彼等は別人格のトイチなのかもしれない。

 かなり単調な展開のなかで137分は少し長過ぎた感もあり、その割には終盤が急ぎ過ぎでバランス感にやや難があるような気もしたが、超美麗な映像と贅沢な配役と日本の源風景に免じて許しても良いだろう。また何と言っても、船頭トイチを演じた柄本明の個性が光り輝いていたのが印象的である。ただあの狐の亡霊のようなイマジネーション?は、判り難いし不要だったのではないだろうか。
 
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2019年10月20日 (日)

ジュリアン

★★★
製作:2017年 フランス 上映時間:93分 監督:グザヴィエ・ルグラン

 離婚した両親の板挟みで悩む少年と家族を描くヒューマンドラマで、第74回ベネチア国際映画祭で最優秀監督賞に輝いた作品である。と言う触れ込みにつられてレンタルしたのだが、はっきり言ってヒューマンドラマというより、ホラー映画と言ったほうが似合っているのだ。

 オープニングは家裁での調停シーンで、弁護士経由で離婚した夫婦それぞれの言い分が延々と語られる。この断面で両者の言い分にズレが生じているのだが、どちらが正しいのかは分からない。そして裁判所の裁定が下され、父親に少年の親権が認められると、2週間に一度の頻度で父親と少年が一緒に週末を過ごすことになるのだった。

 このあたりから父親の横暴さがチラチラと顔を出してくる。そしてだんだん陰険になり、狂暴性を発揮してくるのだ。結局この父親は少年が可愛くて親権を要求したのではなく、別れた妻とヨリを戻したくて少年を利用しているだけのようである。
 自分の両親にも見放されたこの父親は、なんとヤケクソになったのか、深夜に猟銃を持って、元妻の家のドアをバンバンと叩き、挙句の果て銃をぶっ放す始末。

 結局は親権とかDVとかと言うレベルではなく、ストーカー的な狂人の話だったのだろうか。それにしても逃げ回っているだけで、結果的に息子にリスクを押し付けている母親にもイライラが募る。警察への通報も迷っているばかり、近所の人の通報がなければ手遅れになっていたかもしれないじゃないの。まあ母親もはっきりしないが、少年もモジモジし過ぎているよね。姉が一番しっかりしているようなのだが、ただ彼氏とイチャイチャしているだけで、ほとんど存在している意味がない。

 決してつまらない映画ではないのだが、ストーリーがバラバラにちぎれていて、前後の話が繋がってこないのだ。またラストの尻切れトンボのような締めくくりもすっきりしない。あれではまたまたその後に、さらなる恐怖を引きずって行くだけではないのだろうか。
 

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2019年10月15日 (火)

ファースト・マン

★★★☆
製作:2018年 米国 上映時間:141分 監督:デイミアン・チャゼル
 
 アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しただけあって、とにかく臨場感が凄いのだ。観客も一緒に宇宙空間を疑似体験してしまうという映像と音には驚いた。

 本作は人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いたドラマという触れ込みである。ただ自伝としては、薄味でこじんまりとし過ぎた感があり今一つかもしれない。またラストの感動的な帰還シーンがないのも、私的には物足りなさを感じてしまった。

 もっともその地味なラストは、不器用で寡黙な主人公の意思とリンクしていて好感が持てるという人もいるので、賛否の分かれるところかもしれない。まあいずれにせよ月面着陸シーンにだけは、全ての観客が大感動することだけは間違いないだろう。


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2019年10月11日 (金)

シャザム!

★★★☆
製作:2019年 米国 上映時間:132分 監督:デヴィッド・F・サンドバーグ

 14歳の少年が「シャザム!」という呪文を唱えると、スーパーヒーローに大変身できるようになる。これは闇の世界でたった一人生き残り、もはや消滅寸前の魔術師が純真な心を持つビリー少年を後継者に選んだからであった。

 ただいくらヒーローと言えども、中身は少年なのでその行動は幼いし気も弱い。それで前半は『キック・アス』や『デッドプール』のようなコミカルタッチのヒーロー像になってしまう。
 後半悪魔に憑りつかれた悪人が登場すると、だんだんパワーアップしてきて、なんと空を飛ぶことが出来るようになる。こうなるともうほとんどスーパーマンの世界だ。とは言っても、やはり子供には変わりないため、どこかぎこちなさが残ってしまう。

 ただコメディーと言ってもそれほど笑えるわけでもないし、ストーリー展開も子供仕様で大雑把な感が否めない。まあお気楽なので暇つぶしには良いかもしれないね。またラストの牢獄シーンで、続編が創られるような雰囲気があったが、個人的にはもうこの一作だけでお腹一杯である。

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2019年10月 8日 (火)

カランコエの花

★★★☆

製作:2016年日本 上映時間:39分 監督:中川駿

 保健の教師からLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)についての説明を受けて、いろいろな反応を見せる高校生たちの姿を描いた作品である。監督は若いし出演者はほとんど無名の俳優ばかり。それに上映時間がたったの39分という究極の短編映画なのだが、第26回レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」のコンペティションでグランプリに輝いたほか、さまざまな映画祭で高評価を得ている。

 なかなか良い映画だと思うのだが、レンタルなので劇場鑑賞料金が不明だが、39分の上映時間で1800円を払う気にはならない。せめて1時間程度のストーリーにまとめても良かったのではないだろうか。
 タイトルのカランコエとは、ベンケイソウ科の一種で光を嫌う短日植物だという。また肉厚な葉と様々な色の鮮やかな花が特徴的だ。そして花言葉は「あなたを守る」である。
 
 映画の中では新米教師が、ある女学生に女友達を好きになってしまったと告白される。それをそのまま自分の胸の内にしまって置けばよいものの、その女学生をかばうために、いきなり授業で「LGBT」のことを取り上げてしまう。
 ところがそのことに興味を示した男子が、「そういうことをこのクラスだけで取り上げたということは、クラスの中に「LGBT」がいるのだろう!」とはやし立てるのである。それに驚いたくだんの新米教師が、今度は男性教師に叱ってもらったため、騒ぎはさらに大きくなり、犯人探しにまで進展してしまうのだった。

 光を当てられたくない(そっとしておいて欲しい)、あなたを守るつもりが逆に傷つけてしまった。本作はカランコエをモチーフにしながら、思春期の女学生が陥りやすい葛藤を描き、そこに「LGBT」味をブレンドした作品なのであろう。もし「LGBT」味がなければ、単に良くある話で終わっていたのだが・・・。

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2019年10月 4日 (金)

帰れない二人

Kaerenai

★★★☆
製作:2018年 中国、フランス 上映時間:135分 監督:ジャ・ジャンクー

 『長江哀歌』『罪の手ざわり』で有名なジャ・ジャンクー監督の人間ドラマで、2001年からある男女がたどる18年間の顛末を描いている。予告編を観たときは、中国の大自然をバックに描く大恋愛映画かと勝手に想像してしまったのだが、濡れ場どころか「愛している」の一言もない。また日本の任侠映画とは微妙に異なるのだが、渡世人とか義理人情といったセリフが頻繁に飛び交うのである。この映画のテーマは男と女の異なる愛の形なのか、風化してゆく義理と人情なのか、観る人によってその判断が多様になるだろう。

 北京五輪や上海万博を経て、さらには国内総生産(GDP)も一気に世界2位に躍り上がった中国。他国では100年かかった進化を、僅か20年前後で達成してしまった。とにかくここ最近の中国は猛烈なスピードで進化し続けている。
 だが14億人とも言われる中国人の全てが、その進化に連動しているわけではない。どちらかと言えばその劇的な進化について行けない人たちのほうが多いかもしれない。

 本作では敵対するメンバーの襲撃を受け、殺されそうになった恋人ビンを助けるために、ヒロインのチャオは意を決してご法度の銃を撃ち、さらに恋人をかばったために5年間の実刑を甘受することになってしまう。だが助けたはずの恋人ビンは、一度も面会に来ないどころか、刑期を終えて出所しても迎えにも来ないのだ。

 身寄りがなく行き処のないチャオは、伝手をたどってなんとかビンに逢いに行くのだが・・・。そこに待っていたのは厳しい現実と裏切りだけであった。愛のため身体を張って闘い、義を通して5年間も服役したのに、娑婆はあっという間に昔気質の価値観が通用しない世界に変化してしまったのだ。こんな悲しいことがあろうか・・・。それでも絶望することもなく、したたかに生き抜き続けるチャオには、観客の全てが惹かれてしまうことだろう。

 このチャオを演じたのは、監督夫人でもある同名のチャオ・タオであり、彼女の魅力が満載の作品に仕上がっている。そして髪型と化粧と演技力による彼女の18年間の風貌の変化にも着目して欲しいね。まさに彼女あってこその作品であった。


評:蔵研人

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2019年9月30日 (月)

真っ白な図面とタイムマシン

著者:笠原哲平

 原案はシンガーソングライターユニットの『Goose house』のアルバムである。また著者の笠原哲平は劇団TEAM-ODACの専属脚本・演出家であり、本作は青山円形劇場にて公演されている。どちらかというと小説というより脚本のような本である。

 引きこもり高校生が、事故で死んだ兄に会うためタイムマシンを創って過去に跳ぼうと決心するお話である。そこに兄の恋人、カフェの女主人、商店会理事長の娘、工場勤務のおじさんなどが協力者として関与し、なんとなく群像劇ぽいのだが、あまり深く追求せず、あっさりかつ淡々と話は展開してゆく。

 文字が大きく文章も平易で237頁程度の中編なので、あっという間に読破してしまったのだが、とうとうタイムマシンは完成せずに終了してしまった。過去へのタイムトラベルを期待していたためか、なんだか裏切られたようで拍子抜けしてしまうのだ。
 ただよく考えてみれば、これはあくまでも舞台劇用の脚本であって純粋な小説ではない。まあそう考えれば、そこそこ面白かった訳だし、腹も立たないであろう。

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2019年9月27日 (金)

ビッチ・ホリデイ

★★

製作:2018年 デンマーク・オランダ・スウェーデン 上映時間:92分 監督:イザベラ・エクルーフ

 まさにホリデイなのだ。ギャングとその愛人のホリデイが延々と続く。風景とヒロインのスタイルが美しい、ということを除けば実に退屈な映画である。そして終盤に突然起こる悲劇。やっと変化が起こったと思ったら、あっという間にザ・エンドじゃないの・・・。
 
 珍しいデンマーク・オランダ・スウェーデンの合作映画なので期待していたのだが、一体何だったの?それにしてもどうして、これほどつまらない映画を輸入してしまうのだろうか。呆れてものも言えない。ここのところ下調べもなしに、レンタル屋の店頭での、思い付きレンタルが続いたせいか、世紀の駄作にばかり巡り合うことが多かったな・・・。はい反省しています。

評:蔵研人

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2019年9月23日 (月)

嘘はフィクサーのはじまり

★★★

製作:2016年 米国・イスラエル 上映時間:118分 監督:ヨセフ・シダー

 自称フィクサーを名乗るノーマンは、ニューヨークのユダヤ上流社会へ食い込もうと、必死になって人脈づくりに奔走していた。そして嘘とはったりで虎視眈々と投資チャンスを伺いながら、イスラエルの大物政治家・エシェルの後をつけるのだった。そして偶然を装って超一流の高価な靴をプレゼントし、コネを得ることに成功する。

 それから3年後に、なんとそのエシェルがイスラエルの首相になってしまうのだ。そして出世したエシェルとパーティで再開し、大歓迎されるだけではなく、パーティに出席している著名人たちに首相の友人であると紹介されるのである。そして一挙に有名人となったノーマンには、次々と首相との仲介依頼が飛び込むのであった。
 ここまではノーマン・エシェル共に好調の日々だった。ところがある日、エシェルの政治生命が脅かされる致命的疑惑が巻き起こり、国際紛争へも発展しかけてしまうのである。そしてノーマンもこの疑惑に巻き込まれてしまうのだが・・・。

 主役・ノーマンを演じたのは、かつて二枚目役の代名詞だったリチャード・ギアだが、昔の面影は全くなく老いてフラフラしているようにしか見えない。なんとなく津川雅彦とオーバーラップしてしまう。
 ノーマンの役柄はフィクサーを装った詐欺師?というよりも、誇大妄想狂の好々爺のようである。そしてまるでホームレスのようでもあり、病的で生まれも職業も定かではなく、甥の弁護士のコネを頼りにしているだけのおしゃべりボケ老人にしか見えないのだ。
 
 果たしてリチャード・ギアが演じるべき役柄だったのか疑問を感じてしまうのだが、シニカルな政治コメディとして観れば、あれで良かったのかもしれないね。いずれにせよ、面白いようなつまらないような、摩訶不思議な映画であった。

評:蔵研人

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2019年9月20日 (金)

アナイアレイション -全滅領域-

★★★★

製作:2018年 米国 上映時間:115分 監督:アレックス・ガーランド

 監督はミステリアスなAI作品『エクス・マキナ』で一躍ポイントをあげたアレックス・ガーランドで、本作も神秘的な雰囲気が共通するミステリアスなSF映画であった。主演はナタリー・ポートマンで、元軍人の生物学者という役柄が、まさにぴったりとはまっていた。

 アクションありホラーありの作品では、通常出演者の大半が男性であり、女性はひとりまたは少数という構成が多いのだが、本作は5人の女性が探検隊を構成するという非常に珍しいパターンである。ただいろいろな学者のグループなので、ナタリー・ポートマン以外の女性たちにもう少し活躍して欲しかったね。

 本作では未知の生物がいろいろと登場するのだが、オープニングでの宇宙船らしき物体の墜落シーンから推測すれば、多分宇宙から訪れた未知の生物なのだろう。
 その未知の物体が墜落した灯台周辺の地域は光のベールに包まれていて、シマーと呼ばれている。そしてそこではあらゆる生物の遺伝子構造が変化し、得体のしれない生物やおどろおどろしい光景に遭遇するのである。それとなくあの『エイリアン』を髣髴させられるデザインと感覚にドキドキしてしまうのだ。

 この作品の主たるテーマは、単純なアクションやホラーではなく、DNAと脳の神経細胞の役割、そしてヒトが自滅に向かう心の構造といった哲学的な概念なのだろうか。そしてこれらのテーマを包括したようなラストシーンも、なかなかお洒落でみどころがあったね。

評:蔵研人

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2019年9月16日 (月)

イマジン

著者:清水 義範

 この著者の作品はとても読み易くて面白いので、すぐに読むつもりだった。ところがいつもの薄い短編集ではなく、なんと667頁に及ぶ分厚い文庫本だったため、恐れをなして本棚の隅っこで眠ってしまったのである。だが本棚でこの本を見つけるたびに気になり、満を持してこの長編小説を読んでみたところ、超・遅読者の私でもあっという間に読破してしまったのだ。
 もちろんタイトルの『イマジン』は、あのジョン・レノンの名曲を意味しているのだが、直訳した「想像する」という意味も兼ねているようである。ある意味「若き日の父への想像や未来の自分自身への想像」、ということであろうか・・・。

 父親と大喧嘩をして一人暮らしをしはじめた19歳の翔悟は、どうした訳か何と23年前にタイムスリップしてしまうのである。だがその世界では使える金も知り合いもない。頼れるのはただ一人、若き日の父・大輔しかいないことに気づき、仕方なく父が暮らしていたというアパートを探し当てるのだった。
 そして翔悟は偶然、酔いつぶれて路上で倒れている若き日の父・大輔に遭遇し、彼を助けることになるのである。若き日の父はちょっぴり頼りないが、とても好人物で真面目な男だった。そして二人は互いに何か引き寄せられる絆を感じ合ってしまう。だからすぐに二人は親友になり、しかも息子の翔悟が、未来では厳しい父が出世する礎を創ってあげることになるのだ。
 さらに仕事の話が一段落したあと、まだ暗殺されていないジョン・レノンを救出するために、二人でニューヨークに向かうのである。そんな急展開・荒唐無稽・とんでもハップンな展開に、清水節が冴えわたることになる。

 さてタイムスリップして「若き日の父親に遭遇」というパターンは、浅田次郎の『地下鉄に乗って』、本多孝好の『イエスタデイズ』、重松清の『流星ワゴン』さらに映画においても『オーロラの彼方へ』、『青天の霹靂』など、実によくある話なのだが、きっと誰でも感情移入してしまう特効薬なのかもしれない。
 本作ではことに、過去から現在に戻ってからの「再遭遇」が実に感動的であった。父親と息子の関係とは、照れ臭さと反発さえ除外してしまえば、それほど素晴らしい絆で結ばれているのだろうか。中学生のときに父親が他界してしまった私にとって、親父と一緒に酒を酌み交わすことは、あの世で実現させることしか出来ないのが悲しいね・・・。

 さてそれにしても本作は、かなりの引用やオマージュが鏤められているものの、矛盾が生じないよう細かい部分に神経を配りながら、分かり易くて読後感のすっきりした作品に仕上がっているではないか。ただ唯一気に入らないのが、ダコタ・ハウスで突然出現するアーノルドの存在だ。この男の任務の設定が実に安易で古臭く、手垢が付き過ぎているからである。
 いずれにせよ歴史には拘らず、パラレルワールド含みのどんでん返しで締めくくっても良かったのだ。また歴史通りの進行を選んでも、あともうひと捻りの工夫が欲しかった、と感じたのは決して私だけではないだろう。だがその部分に目をつぶってしまえるほど面白い、「時を超えた父子の絆」を描いた感涙長編ファンタジー小説なのである。

評:蔵研人

 

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2019年9月12日 (木)

運び屋

★★★★

製作:2018年 米国 上映時間:116分 監督:クリント・イーストウッド
 
 『グラン・トリノ』以来、約10年振りにクリント・イーストウッドが主演・監督を兼ねた作品である。クリント・イーストウッドは今年89歳になったが、実話をベースにした本作では、麻薬を運ぶ90歳の老人になり切って頑張っている。

 園芸家として名を馳せていた頃のアールは、仕事に没頭するあまり家族を顧みず、その代償として家族に見放されてしまう。そのうえ今はネット販売の時代となり、農園は廃業に追い込まれて経済的にも破綻して孤独な生活を送っていた。
 そんなある日、孫娘のブランチパーティーに出席するのだが、疎遠になっていた娘に追い払われてしまう。がっかりしたアールが帰ろうとすると、一人の男が声をかけて来るのだった。

 男はアールが、アメリカのほとんどの州を車で走っており、無事故、無違反という優良なドライバーであることに注目し、「あんたにピッタリの仕事がある」と、連絡先のメモをアールに渡すのである。見知らぬ男の話を余り信用していなかったアールだが、孤独で何もやることもない彼は、指定されたタイヤ工場に行くことになる。

 シャッターの中にあるタイヤ工場には、数名の怪しげなメキシコ人男性が待っていて、アールに指定された荷物をモーテルへ運ぶ事を指示するのだった。条件はたったひとつ、「決して中の荷物は覗かない事」だ。そしててアールは、言われた通りに指定されたモーテルへ荷物を運び、大金を手に入れることになるのであった。
 一回だけのつもりで引き受けた仕事だったが、その大金を孫娘の結婚パーティー費用に使うことによって家族の信頼を取り戻したアールは、味を占めてさらに2回、3回、4回と麻薬の運び屋を続けることになってしまう。

 90歳を間近にして、クリント・イーストウッドいまだ健在であり、彼の創る映画はほとんど外れがない。そしてストーリーは単調なのだが、とても分かり易くて面白いのだ。またバックで流れる懐かしい音楽が楽しいね。まさに良品のオールドシネマという味がするではないか。絶対に観て損のない映画である。

評:蔵研人

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2019年9月 8日 (日)

ブラインドスポッティング 

Braind

★★★★

製作:2018年 米国 上映時間:95分 監督:カルロス・ロペス・エストラーダ

 原題の『BLINDSPOTTING』をそのまま邦題にした長ったらしいタイトルだが、直訳すると「目隠し」となる。ただこの作品の中では「盲点」という意味に解釈したほうが分かり易い。それをさらに解析すると「自分からは見えない視点(つまり盲点)を知ることで、見えるものと見えていないもの、その両方を見ることができる」ということを示唆しているらしい。

 本作はサンダンス映画祭、SXSWほか世界の映画祭で絶賛され、オバマ元アメリカ大統領が2018年のベストムービーに選出したため、かなり話題を集めた作品である。また本作の舞台はカリフォルニア州のオークランドであるが、ここは米国でも屈指の人種的に多様な都市であり、犯罪の発生率がかなり高いと言われている。そして本作の底流に流れる白人警官による黒人射殺事件が、かつて実際に発生していることでも有名である。

 黒人のコリン(ダヴィード・ディグス)は、保護観察期間の残り3日間を無事に乗り切らなければならない。ところが幼馴染みで仕事の同僚である白人マイルズ(ラファエル・カザル)が、短気でいろいろな問題を引き起こすため、いつもひやひやしている。
 またそもそもコリンが逮捕された原因も、マイルズが余計なちょっかいを入れたため、ことが大きくなってしまったからなのである。そのくせ逮捕されたのは黒人のコリンだけだったのは、人種差別によるものなのだろうか・・・。だが人の好いコリンは、マイルズを恨むどころか、親友として家族ぐるみで付き合っているのだった。

 この作品は保護観察期間の切れる直前の3日間だけを描いているのだが、その間にいろいろな事件が勃発する。また黒人と白人のアイデンティティの違い、オークランドの現実などを生々しく描いてあり見所のある作品に仕上がっている。さらに終盤に、とうとうブチ切れたコリンが歌うラップも、なかなか迫力があって決まっているではないか。拍手・拍手。

評:蔵研人

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2019年9月 5日 (木)

ウインド・リバー

★★★★

製作:2017年 米国 上映時間:107分 監督:テイラー・シェリダン

 ベテランハンターのコリー・ランバートは、人里に現れたピューマを追って、雪深いウィンド・リバーに入る。ところがそこで発見したのは、なんと凍りついた若い女性の死体であった。遺体の身元は、地元に住むネイティブアメリカンの娘ナタリーで、大勢に強姦されたあと厳寒の中を素足で逃亡して凍死したと思われる。

 また先住民の住むこの地域では、若い娘の殺害事件が多く、コリーの娘エミリーも3年前に何者かに殺されて雪の中で見つかっている。そしてそれがコリーの夫婦間で問題を引き起こし、コリーは先住民の妻と離婚したようだ。
 さてこの事件を捜査するのが、女FBIのジェーンと地元の部族警察なのだが、地元不案内なジェーンに頼まれて、発見者のコリーも捜査員の応援を引き受けることになる。たぶん彼がその決心をしたのも、自分の娘を殺した犯人への復讐心があったからかもしれない。

 犯人たちは意外にあっさりと見つかるし、その動機も単純なのだが、実に映画らしい映画で見応えのある作品に仕上がっているではないか。これはワイオミング州ウィンド・リバーの大自然と、コリー役を演じたジェレミー・レナーの名演技が巧みに絡まったお陰であろう。かつてのチャールズ・ブロンソンを彷彿させられる渋味と男臭さ、そして抜群に強力なその腕っぷしにも圧倒されてしまった。
 
 また常にこの作品の根底に流れているのは、「先住民たちの怒りと不安と悲しみ」のような気がする。それはこの映画のラストシーンで、コリーとナタリーの父親が、諦めにも似た表情でワイオミングの山々を見つめる後ろ姿に染みついているではないか。これこそアメリカが永遠に抱える汚点なのであろう・・・。

評:蔵研人

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2019年9月 1日 (日)

ザ・プレデター

★★★☆

製作:2018年 米国 上映時間:107分 監督:シェーン・ブラック

 本作は、プレデターシリーズの4作目となるが、舞台は2018年に設定されており、時系列的には『プレデター』、『プレデター2』より後だが、『プレデターズ』よりは前という位置付けになっているようである。また監督のシェーン・ブラックが、第一作で脇役として出演しているという因縁も面白い。

 さて『プレデター』はジャングルの中、『プレデター2』が都市部、『プレデターズ』は地球外の惑星だったが、本作は郊外の住宅地が舞台となっている。そして主人公が天才少年というところも、従来のシリーズとは一線を画しているような気がした。

 ひょんなことから自宅で宅急便を受け取ってしまった少年が、箱の中から謎めいた道具を見つけてしまう。そしてそれをいじって遊んでいるうちに、その道具からシグナルが発信され、宇宙から巨大なプレデターがやって来るのだった。

 さて今回登場するプレデターは、地球に逃亡してきた通常サイズのプレデターと、それを追ってやって来る巨大なアルティメット・プレデターに、ドレッドヘアのプレデター犬である。これらに立ち向かうのが、正規の軍人ではなく命知らずの退役軍人たちというところは、まさにB級映画に染まった感がある。

 まあそこそこ面白かったのだが、なぜ同じ米国の軍人同士が殺し合いをする必然性があるのかが納得できない。軍の機密事項保守のためと言っても、あれだけ大っぴらにプレデターが大暴れしているのだから、機密もへっちゃくれもないだろう。
 シリーズの中ではそこそこ楽しめる出来だったが、やはり2作・3作同様、シュワルツェネッガーの第一作には、遥か遠く及ばなかったことだけは間違いない事実である。いずれにせよ、もうこのシリーズは食傷気味かもね・・・。

評:蔵研人

 

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2019年8月29日 (木)

ザ・トランスフォーム

★☆

製作:2018年 米国 上映時間:86分 監督:ジェームズ・コンデリク


 トランスフォーマーのスピンオフ作品かと思ってレンタルしてしまったのが間違いの始まりだった。単にショボイロボットが一台登場するだけの訳の分からない粗悪映画じゃないの。なぜこうした酷い作品が市場に出回っているのか理解に苦しんでしまうよね。まさに詐欺に引っかかったようで、時間を無駄に消費してしまったのが悔やまれる。もっとも途中で気が付いて早送りして観たので、被害は最小に食い止められたけどね・・・。

 まずハンディカメラの手振れと、ロボット視線の映像がとても目に不親切で腹立だしい。さらに会話のある登場人物は僅か5人、ゾンビらしき人間が5人程度の計10人程度しか登場しない超・低予算映画なのね。それはそれで許してあげてもよいのけど、とにかく内容が出鱈目で何を表現したいのかもさっぱり分からないのよ。とにかく腹が立って、これ以上この評論を書く気になれないわね。ガクッ(-_-;)

評:蔵研人

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2019年8月25日 (日)

彼が愛したケーキ職人

★★★★

製作:2017年 イスラエル・ドイツ 上映時間:109分 監督:オフィル・ラウル・グレイツァ

 ナチとユダヤ人が手を組んで映画を製作するとは、誰が予測し得たであろうか。それにしても時代は変ったものである。舞台も序盤はベルリンであとはエルサレム、そしてラストがまたベルリンに戻るという展開だ。

 ベルリンのカフェで働くケーキ職人のトーマスは、いつも出張でイスラエルからやって来る客オーレンに好感を抱き、二人はいつの間にか男同士の恋人関係へと発展してしまう。だがオーレンにはエルサレムで妻子が待っている。
 ある日突然オーレンは、「また1か月後に」とトーマスに告げてエルサレムに帰って行く。だがその後全く連絡が途絶えてしまうのである。トーマスは何度もケータイに留守電を入れるのだが、全く返信がない。
 ある日トーマスは、オーレンがエルサレムで事故にあって死亡したことを知らされる。半信半疑のトーマスはエルサレムへ飛び、オーレンの妻・アナトが経営しているカフェへ行くのだが・・・。

 イスラエルの食文化と宗教観、美味しそうなドイツのケーキとクッキーなど、数々のカルチャーは実に興味深い。そしてオーレンを愛した男と女の遭遇という、一種の皮肉めいた出会い。それは淡々としているようで、ねっとりとした分身の愛と隣り合わせているようだ。その分身の気配をいち早く察知したのが、オーレンの母親だったのかもしれない。
 全体的に雰囲気が暗くセリフも説明も少ないため、主人公トーマスの意図がはっきりしない。さらにはラストシーンも、観客たちの想像に委ねたままである。従って好き嫌いの分かれる作品かもしれない。だがそれらを全てひっくるめたところで、この作品の味が醸し出されているのではないだろうか。

評:蔵研人

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2019年8月21日 (水)

Laundry ランドリー

★★★★

製作:2001年日本 上映時間:126分 監督:森淳一

 思わず洋画かと勘違いしてしまいそうなタイトルだが、列記としたっきとした邦画である。タイトルの由来は、窪塚洋介が演じる主人公・テルが、コインランドリーの店番をしているところからきている。
 彼は幼い頃、頭部に傷を負い、脳に障害を残す青年であり、店番と言っても祖母の経営するコインランドリーで、洗濯物を盗まれないように見張り続けることが役割である。そんな単純な仕事であったが、過去の記憶を一切所持していない彼にとっては、そこだけが世界の全てであった。

 そんなある日、水絵という美女がはじめて利用しにやってくる。そこに彼女が置き忘れた洗濯物をテルが届けることになり、言葉を交わすことになるのだが、失恋して傷心の彼女は突然ふるさとの実家へ帰ってしまう。だがまた置き忘れたのか、捨ててしまったのか、血の付いたワンピースが残されていた。ここで一旦ストーリー展開は、テルから水絵の視点に切り替わってゆく。

 低予算だがなかなか感性の豊かな作品である。いろいろな人と人の出会い、苦しさ・悲しさ・無垢な心・優しさに、切なさが漂う新しい切り口の映画と言えるだろう。ハリウッドには絶対に太刀打ち出来ない邦画が、今後進むべき道の一つの選択かもしれない。

 主演の窪塚洋介の熱演ぶりには、盛大な拍手を送りたい。また投げやりな失恋女性役を演じた小雪も、ベストキャスティングである。ただ内藤剛志が演じた破天荒なおじさんに関しては、余りにも荒唐無稽であり得ない人物設定かもしれない。しかしながら暗くて無口な展開が多い中で、このような人物を練りこむことで、明るさと口当たりの良さが加わり調和のとれた作品に仕上がったのだとも言えるだろう。

評:蔵研人

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2019年8月17日 (土)

ビューティフル・デイ

★★★☆

製作:2016年 英国 上映時間:90分 監督:リン・ラムジー

 第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞を受賞している。男優賞は理解できるのだが、どうも脚本賞のほうは納得できない。一応サスペンスとかスリラーというジャンル分けがされているのだが、アクションシーンはほとんどゼロ、主人公が通り過ぎた後に死体が転がっているという見せ方なのである。

 主人公のジョーは、元軍人でFBI捜査官をしていたこともある。現在は年老いた母親と暮らしながら、行方不明の女の子を探し救済するという仕事を請け負うことで生計を立てている。そしてその仕事を遂行するためには、かなり惨忍で手段を選ばない。だが少年時代に父親から受けた虐待と、戦争で受けたショックがトラウマになって、PTSDを発症して酷いフラッシュバックに悩まされていた。

 本作はジョーの心象風景を描く流れが中心であり、ストーリーはシンプルそのものだ。つまり誘拐され売春組織で富裕層の男性相手に、娼婦として働かされているニーナの救出、それもあっさりと簡単に成し遂げてしまう。
 常に自殺願望を抱いていたジョーだが、母親の死によって生きる支えがなくなり湖に沈んでしまう。だがニーナの救出を思い出し、湖から浮き上がるのである。

 そしてそのニーナを救出したあとは、また目的がなくなり自殺しようとするのだが・・・。ニーナに「いい日ですね(ビューティフル・デイ)」と声をかけられ、思いとどまるのだった。
 とにかく従来のサスペンスやスリラーとは一線を画す、奇妙な創り方に脚本賞が輝いてしまったのだろう。まあそう考えれば脚本賞も納得せざるを得ないのだが、フラッシュバックシーンが多過ぎて、船体の流れが分かり辛くなっているよね。

評:蔵研人

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2019年8月14日 (水)

クリード 炎の宿敵

★★★☆

製作:2018年 米国 上映時間:130分 監督:スティーヴン・ケイプル・Jr

 ロッキーの遥かなる続編『クリード チャンプを継ぐ男』の続編で、原題は『CREED II』となっている。前作を観たのは3年前だが、なかなか良かった記憶があるのでつい衝動的にレンタルしてしまった。

 ロッキーの指導を受け、ついに世界チャンピオンに登りつめたアドニス。そして恋人のビアンカに結婚を申し込み、子供まで授かって幸せの絶頂を味わっていた。ところが父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子ヴィクターから挑戦状をたたきつけられ、ロッキーの反対を押し切って受諾してしまうのである。

 怒ったロッキーはセコンドから外れてしまい、案の定試合はヴィクターの一方的なペースとなってしまう。辛うじてノックアウト寸前に相手の反則行為を受けてタイトルは移動しなかったものの、病院送りとなったアドニスは納得できず苦悩し続けるのだった。そしてロシアでの再戦を求めるヴィクターの要求を、またまた無謀にも受けてしまうのである。

 こんな流れでラストは『ロッキー4』同様、大観衆の中、ロシアでヴィクターとの再戦が始まるのであった。昔のロッキー映画を観たことのない若者なら、ここで大感動かもしれない。だがおじさんたちは過去に飽きるほどロッキーシリーズを観ている。老いたロッキーがトレーナーになり、若いボクサーを育てるというパターンに変化した以外は全くロッキーそのものである。もういい加減この辺でこのシリーズは終わりにしたほうが良いのではないだろうか。

評:蔵研人

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2019年8月10日 (土)

スリー・ビルボード

★★★★

製作:2017年 英国・米国 上映時間:116分 監督:マーティン・マクドナー

 本作は第90回アカデミー賞で、主演女優賞と助演男優賞を受賞している。さすがアカデミー賞に輝いただけに、主演女優フランシス・マクドーマンドの鬼気迫る演技力は、まさに狂人的で凄まじい迫力であった。
 ただストーリーのほうはやや単調で、序盤は少し眠くなってしまうのだが、これは製作者の視点がストーリーを紡ぐことではなく、アメリカリベラルの自己批判にあるからかもしれない。

 それはそれとして、ストーリーのほうはレイプされ殺された娘の復讐に燃え続ける過激な母親の怨念劇としか言いようがない。ところが一向に犯人は見つからず、母親の八つ当たり的な復讐行為によって直接関係のない人々が迷惑を被るという話である。
 邦題の『スリー・ビルボード』とは、まさにそのものズバリ3つの広告看板という意味である。そしてその看板に書かれた内容は、いつまで経っても娘を殺した犯人を逮捕出来ない警察と署長に対する嫌がらせであった。

 正式な原題は『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri』で、「ミズーリ州エビング郊外の3つの看板」という意味である。またエビングは架空の町であるが、ミズーリ州は実在しており、保守的な気風が漂う田舎町で、白人が多く住んでおり、いまだに人種差別が根強く残る地域だ。また近年、白人警官が丸腰の黒人青年を射殺した事件でも有名である。

 ところが皮肉にも、逆にミズーリ州に住む白人もまた差別の対象になっているようだ。つまりミズーリ州の白人の大半は、低賃金労働者で表社会では活躍できない人々で占められており、「ヒルビリー」と呼ばれて蔑まれている存在なのである。そのネガティブなヒルビリーこそが、トランプ大統領の支持基盤とも言われいる、という更なる嫌味も含んでいるようで興味深いのだが・・・。

 前半は主演女優フランシス・マクドーマンドの演技力に翻弄され続けてしまうのだが、後半はむしろ悪徳警官を演じ助演男優賞を受賞したサム・ロックウェルの演技に注目したい。大火傷を負い、自らが傷つけた男に慰められ、また恩師の優しい遺言を読んで立ち直ってゆくのだ。じめじめとしていた本作の中での唯一の救いかもしれない。
 また中途半端なラストだったが、これはこれで良いのかもしれない。焦って結論を出すより、観客一人一人の良心的判断と想像に委ねてくれたからである。

評:蔵研人

 

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2019年8月 5日 (月)

終わった人

★★★

製作:2017年 日本 上映時間:125分 監督:中田秀夫

  原作は内館牧子の小説で、いつもはダンディーな役を演じている舘ひろしが、正反対のおとぼけダメ亭主役を演じているところが見所かもしれない。ただ妻役の黒木瞳が余りにも若見えし過ぎて、ちょっとアンバランスな感があった。

 そこそこ笑えるコメディー仕立てのつもりなのかもしれないが、余りにもありがちな定年後のエピソードには誰もが食傷気味であろう。さらに主人公の定年間際の窓際的な様子から、かなり以前に左遷されたときから、仕事に対する熱意がなくなっている様子が窺われる。
 そのくせ定年後の準備は何もしていないし、定年直後にはウロウロしているだけで、また働きたくなるという展開がよく理解できない。せっかく裕福なのだから、まだ働いている妻を巻き込まず、一人で故郷に帰るなり旅行するなり、ありがたく定年後を謳歌すればいいじゃないか。だから妻に呆れられて、嫌味ばかり浴びせられてしまうのである。

 また一番非現実的なのは、スポーツクラブで知り合っただけのIT会社の社長が、舘ひろしの学歴や経歴を知っていて、その場で顧問としてスカウトすることである。少なくとも「舘ひろしの現役時代に、いろいろ世話になった男がIT社長になり、偶然スポーツクラブで出会った」くらいのエピソードを挿入しておくべきだろう。余りにも安直かつ唐突なので、てっきり詐欺なのかと勘違いしてしまった。

 いずれにせよ、サラリーマンの定年後風景がステレオタイプのオンパレード。そんな取って付けたようなエピソードばかりでは、余りにも説得力がなさ過ぎるのだ。そんな定年退職者は、すでに80代以上の人の一部しか存在しないだろう。現代では定年後のほうが忙しいくらい、皆いろいろな活動に明け暮れていることくらいは理解して欲しいものである。
 それにしてもこの程度の作品では、映画化するほどの魅力も迫力も乏しい。せいぜいTVドラマで十分だったのではないだろうか。


評:蔵研人

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2019年8月 1日 (木)

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

★★★☆

製作:2018年 米国 上映時間:147分 監督:クリストファー・マッカリー

 基本的にシリーズものは観ないようにしているのだが、本作は余りにもネット評価が高いので、思わずレンタルしてしまった。もちろんハラハラドキドキの超アクションの連続や、56歳のトム走りやスタントを使わない頑張り振りには惜しげなく拍手を送りたい。

 だがやはりシリーズを通して登場する人物が多いことと、前作からの続編ということで、本作だけを観てもなかなかストーリーの奥深いところまで理解できないのだ。
 結局理解できたのは、「冷徹になり切れないイーサンの失態が原因で盗まれた3つのプルトニウムを回収するミッション」だということだけである。まあ過激なアクションを楽しむ映画なのだから、それはそれでも構わないのかもしれない。
 
 それにしても高度7,620メートルからのダイブを地上スレスレまで追う空撮にはじまり、トイレを破壊するほどの大暴れ、凱旋門の放射状道路を逆走するバイクチェイス、そして屋上を走り回ってビルを飛び越えて移動する全力疾走と跳躍などなど、ともかく呆れるほどのアクション日和。

 さらにはクライマックスのヘリ追撃シーンと、断崖絶壁での格闘シーンがこれでもかと続く。それにしても凄いを通り過ぎた、想像を絶する超人的アクションの連続なのだ。おいおいトム君よ、そんなに張り切りまくって死ぬなよ・・・。

評:蔵研人

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2019年7月26日 (金)

アルビノの木

★★★

製作:2016年 日本 上映時間:86分 監督:金子雅和

 世界9か国で19の映画賞を受賞したというのだが、何がそれほど評価されたのか、逆に日本人には理解し難い作品かもしれない。確かにテーマは共感できるし、映像も音楽も文句なく素晴らしい。
 ただ脚本が弱々しく、端折り過ぎの感があるため、共感し辛く突っ込見所が多発してしまうのだ。また無名の役者さんばかりなのは仕方ないとしても、かなり演技力に難が目立つ。だからなんとなく素人芝居を観ているようで、ちょっぴり気恥かしくなってしまった。

 ストーリーを一言でまとめれば、「害獣駆除をしている男が、気が進まないのだが、母親の手術代を稼ぐため、村人に神と崇められている白鹿さまを撃ちに行く」というお話である。
 いかにもファンタジックな設定なのだが、映画の中では神がかりな出来事や呪いなどは一切ない。ただ淡々と害獣を撃ちに行く男を、現実的に描いているだけである。だから本作はファンタジーではなく、あくまでもヒューマンドラマなのだ。

 まあそれは特に文句をつける筋ではない。だが役所が村人たちに大切にされている白鹿の殺処分を秘密裡に行い、かつそれに賞金をかけるが如く、異常に高額な金額を猟師に支払うこと自体があり得ない。またいまどき母親の手術代稼ぎと言うのも陳腐だし、そもそも特殊なオペ以外は、健康保険の高額療養費制度でフォローできるため、これも全く説得力がない。
 さらに宿泊先が役所の担当女性の家、というのも安直過ぎるし、プライバシーの侵害ではないか。また村でその従妹らしき女性と逢っても、その話が全く絡んでこないし、祖母が欲しがっていた木の器の話も村人に伝えない。これではわざわざ不自然だった「役所の担当女性宅泊」も全く意味がなかったではないか。

 さらに途中で帰ってしまった仲間や、山小屋で待機していた猟師なども、一発屋よろしく、後に何の関りも起こらない。それになんと村の娘に至っては、無意味に唇を許してしまったり、簡単に約束を反故にしてしまうのである。とにかく前後の絡みや関連性が、ほとんど無意味になってしまう雑な脚本なのだ。
 決して駄作ではないし、そこそこのめり込めた作品だけに、ちぐはぐな脚本と社会常識等の認識不足などが目立ったのは非常に残念である。だぶん外人たちには、そのあたりの事情がよく理解出来ていないため、単に芸術観だけで高評価してしまったのかもしれないね・・・。

評:蔵研人

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2019年7月22日 (月)

輝ける人生

★★★★

製作:2017年 英国 上映時間:114分 監督:リチャード・ロンクレイン

 記念パーティーの席上で、長年連れ添ってきた夫の浮気が発覚、それにその浮気相手は自分の親友だった。ダブルに裏切られ、大恥をかかされたサンドラは頼る人もおらず、仕方なく疎遠になっていた姉の家に押し掛ける。
 最初はかたくなに自分の殻に閉じこもっていたサンドラだったが、明るく大らかな姉に連れられてダンス教室に通っているうちに、今までの自分の生き方が間違っていたことに気付く。そして新しい自分の人生を謳歌するようになるのだが・・・。

 いつも苦虫をつぶしたような顔をして、嫌な感じのブスおばさんだったサンドラ。これでは夫が浮気したくなってもしょうがないなと思った。ところが姉やその友人たちとの出会いを通じて、次第に明るく情熱的な表情になってくると、意外にも可愛い顔つきに変化してゆく。まさにメーキャップと演技力の極意といったところか。

 主役のサンドラを演じたイメルダ・スタウントンも悪くはないのだが、何と言っても姉・ビフ役のセリア・イムリーが実にいい味を醸し出していた。まさに彼女なしでは、この映画は成立しなかっただろう。
 登場人物の大半は老人というシニア向けの作品であるが、軽快な音楽とダンスを気楽に楽しめるところがこの映画の最大の売りである。シニアの人には、是非お勧めの一本と言えるだろう。

評:蔵研人

 

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2019年7月18日 (木)

運命は踊る

★★★☆

製作:2017年 イスラエル・独・仏・スイス 上映時間:113分 監督:サミュエル・マオス
 
 原題のFoxtrotは比較的テンポの速い社交ダンスの名前なのだが、邦題から推測すると次のように考えられる。フォックストロットのステップは、「前へ、前へ、右へ、ストップ。後ろ、後ろ、左へ、ストップ」でどう動いても元の位置に戻って来る。つまり人生はどうあがいても、結局は同じところへと帰って来る。既に動き出してしまった運命は、決して変えることができない、ということなのだろうか。

 テルアビブに住むミハエルとダフナ夫妻のもとに、軍の役人が息子ヨナタンの戦死を知らせにやってくる。それを聞いた妻ダフナはショックの余り気を失ってしまうシーンから始まる。もちろん夫のミハエルも冷静さを装っているものの、かなりのショックを受け、自ら熱湯で手の甲に大火傷させてしまうほどだった。

 ところが後日になって、息子の戦死が誤報だったとの連絡を受ける。妻やその他の親族は、誤報で良かったと喜ぶのだが、ミハエルだけは激怒してすぐに息子を呼び戻すよう、知り合いの軍の上層部に要求するのだった。しかしこれが皮肉にも、逆に後味の悪い結果を呼び覚ましてしまうことになるのであった。

 両親の葛藤シーンが第一幕で、息子とその同僚たちが国境の検問所で間延びしたような任務をこなしているシーンが第二幕となる。そして大逆転の第三幕で終演という流れなのだ。そしてほとんどのシーンが同じような場所で、同じようなメンバーで推移してゆく。まるで舞台劇を観ているようである。
 
 なかなか難解な作品で、第三幕が始まるまでは、ストーリーの意図がなかなか掴めない。第二幕のオープニングで突如ラクダが登場するのだが、このラクダこそがこの作品の鍵となっている。なんとなくプロ好みの作品という感が否めないのだが、観る者を選ぶ作品であることも間違いないだろう。

評:蔵研人

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