恋人まで1%

★★★
製作:2014年 米国 上映時間:94分 監督:トム・ゴーミカン 
 
 結婚どころか真剣に恋人を作る気も湧かないジェイソン(ザック・エフロン)は、同僚で友人のダニエルと一緒に、後腐れなくセックスができる女性と、いいかげんな交際を繰り返していた。さらに親友マイキーが妻に浮気され離婚すると聞いて、3人で独身を貫こうと決意する。
 だがジェイソンもダニエルもそれぞれ好きな女性が出来てしまう。さらにマイキーも妻と復縁しようと画策する。だが3人で独身を謳歌しようと誓った手前、誰も本心を打ち明けられないまま中途半端な生活が続いてゆく。
 
 ここまで話せばあとは起承転結の「転と結」だけで、よくあるラブコメ同様の展開が待っている。それにしてもジョークと下ネタの繰り返しばかりで、ラストはお定まりという軽すぎるおバカ映画だった。まあそこそこ面白かったが、時間と金の浪費だったと感じる人も多いかもしれないね。
 
 
評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月28日 (日)

ストレイヤーズ・クロニクル

★★★
製作:2015年 日本 上映時間:126分 監督:瀬々敬久 
 
 原作は本多孝好のベストセラー小説だ。未読であるがベストセラーなので、多分面白い小説だと思うのだが、映画のほうはいまひとつ乗り切れなかった。
 
 極秘実験により人間の能力を限界まで発達させた子供たち。だがその見返りとして精神が崩壊したり若死したりする運命にある。
 極秘実験は、政治、経済、軍事、科学のスペシャリストたちによって、同じ施設の中で二つの実験が行われた。
 1つは親の世代からホルモンに働きかけて突然変異を促し、脳の限界を超えた状態で子どもを生ませるというもの。もう1つは、遺伝子操作により人間に動物や昆虫の能力を持たせた子どもを生ませるというものであった。
 前者の研究は途中で打ち切られて、子供たちは里子に出されてしまう。ところが期待していた後者の子供たちは、施設から逃亡してしまうのであった。そして全ての研究は中止され施設は廃墟となってしまう。
 そして20年後に、里子に出されたグループと逃亡したグループが巡り逢い、超人同士が戦うことになるのだった。
 
 発想的にはスケールが大きいのだが、低予算のためか恥ずかしいくらい陳腐的である。これでは海外では笑いものになるだけだし、国内でも苦し過ぎるね。また超能力についても瞬間移動以外は地味で躍動感がなさ過ぎる。いつものことだが、生活慣習の違いと製作費に制限のある邦画には、SFやアクション映画は不向きだよね。
評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月25日 (木)

グッドバイ ~嘘からはじまる人生喜劇~

★★★☆
製作:2019年 日本 上映時間:106分 監督:成島出
 
 どこかで聞いたことのあるタイトルだと思っていたら、なんと太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」の続きを描いた恋愛狂騒劇であった。なんとなく奇妙でコミカルなストーリーで、序盤は少し引き気味であったが、次第に面白くなって後半は目を離せなくなる。
 
 背景が昭和初期なので、懐かしい映像が沢山映し出されるのは嬉しかったのだが、いまひとつスケールがなく時代考証も中途半端だったのが残念である。本作の主演は大泉洋と小池栄子だが、2015年に仲村トオルと小池栄子の主演で舞台上演があったらしい。
 どうりで小池栄子の演技が光っていたんだね。ストーリーにはそれほど起伏がないのだが、彼女の頑張りのお陰で本作は光を失わなかったのかもしれない。それにしても小池の演技力・存在感は大したものである。完全に大泉が喰われていたものね。
 
 話の中身は、文芸雑誌「小説浪漫」の編集長・田島周二(大泉洋)は、ケチで優柔不断にもかかわらずなぜか女性にモテる性質で、気付けば十数人の愛人を抱えていた。
 だが疎開中の妻と娘のために身を清め、愛人たちと別れる決心を固める。そこで思いついた珍案が、闇屋で見つけた美人の永井キヌ子(小池栄子)に妻のふりをしてもらい、一緒に愛人たちの家を訪ねて「グッドバイ」することであった。
 
 はじめは全ての愛人たちと別れるつもりだった田島だったが、今度は早くも愛人清算に心が折れ始めるのである。だが動き出した歯車は止まらず、終いには妻を含むすべての女に愛想をつかされてしまい、悲しみにくれて自暴自棄になってしまう。そして突然暴漢に襲われてしまい自分自身に対しても「グッドバイ」することになってしまう。
 太宰の原作は未読だが、もしかすると彼のことだから、絶筆でなければここでおしまいだったような気がするのだが…。本作ではさらに2年後の世界を描いている。そして結局は人生は金よりも愛なのだと主張しているのだ。もしひねくれ者の太宰なら愛よりも金なのだと言い張るだろう。
 
評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月23日 (火)

かごの中の瞳

★★★

製作:2016年 米国 上映時間:109分 監督:マーク・フォースター

 幼い頃に交通事故に遭い両親を亡くしたうえに、自身は失明してしまったジーナだったが、最新の角膜手術により奇跡的に片目の視力を取り戻す。夫のジェームズには散々世話になり、裕福な生活を送ってきたのだが、彼が想像外の風貌だったことに落胆する。そして彼女はいつの間にか髪をブロンドに染めて着飾り、外界へ飛び立ってしまう。
 どのようにしてジーナとジェームズが出遭ったのかが全く描かれていないので、二人の愛情のレベルがはっきりしない。ただストーリーが進んでゆく過程でなんとなく想像できてしまった。多分ジェームズはジーナの美貌に恋し、ジーナは親切で献身的なジェームズを愛したのだろう。

 また結婚後も失明していたジーナにとっては、何事にも献身的なジェームズだけが頼りであり、どこへ行くにもジェームズの手助けが必要だった。ところが目が見えるようになると、もうジェームズの力を借りずとも何でも出来る。さらに彼女の美貌に男たちが近づいてくる。だから保守的で地味なジェームズがだんだん退屈に感じてしまう。
 逆にジェームズから見ると、いままでかごの鳥のように自分の中だけに閉じ込めていたジーナが、突然飛び立ってゆくようになり不安と嫉妬に苛まれるようになる。従ってジーナの視力が回復したことに苛立ちを感じるのだった。つまりジェームズの幸せは、ジーナの不幸せによって成り立っているのであろう。

 したがって本作はジェームズ目線で観るか、ジーナ目線で観るかによってラストの捉え方が全く逆になってしまうのだ。偶然なのかそれを巧みに表現したのが、皮肉にも『ALL I SEE IS YOU』という原題と、『かごの中の瞳』という邦題のねじれ現象なのかもしれない。
 それはそうと本作は省略描写が多過ぎる。まあ観客の想像力と人生観に委ねた芸術作品だと評しても良いが、手抜き作品と考える観客も少なくないはず。どちらにせよ、後味が悪かったことだけは否めないだろう。

評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月20日 (土)

過去へ旅した女

★★★★
製作:1979年 米国 上映時間:100分 監督:フランク・デ・フェリッタ

 日本版DVDは未発売だが、NHKで放映されていたものが、ユーチューブの書庫で見つかったのだ。画像の粗い小さな画面で9分割にされているが、もうここでしか観ることが出来ない。従って、こういうときのユーチューブは、本当にありがたいよね。

 若い夫婦が、田舎の古い屋敷を借りるのだが、屋根裏部屋には古いドレスが飾ってある。妻がこのドレスを着ると19世紀末の世界にタイムスリップしてしまう。そしてその時代にこの家に住んでいた画家と出逢うのである。
 浮気をした夫に対して、信頼感が薄れていたということも手伝って、彼女は過去の世界でこの画家と恋に落ちてしまうのだ。ぶっちゃけていえば不倫をしちゃたわけだ。
 ところが彼女には、後ろめたさが全くなく堂々と恋をしているように見えた。これは過去の世界ということと、先に夫が浮気をしたという前提によるある種の錯覚かもしれない。

 ノスタルジーの漂う世界感とタイムスリップという題材は、『ある日どこかで』を髣髴させられる。なかなか良質で素敵な作品であったが、やはりTVドラマであるためのチープさは完全に拭えなかった。
 また日本語バージョンであること、ユーチューブの9分割だったのも残念であった。もしDVDでまっとうな映像を観ていたら、もっと評価が上がったかもしれない。また過去の画家によって描かれた絵が、タイムパラドックス的な要素を含みなかなか味わい深い作品である。

評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月18日 (木)

台風家族

★★★☆

製作:2019年 日本 上映時間:108分 監督:市井昌秀

 葬儀屋の鈴木一鉄(藤竜也)と妻・光子(榊原るみ)は、銀行強盗をして2千万円を強奪し、霊柩車で逃亡したまま行方不明になってしまう。その10年後に、いまだに行方知れずの両親の仮想葬儀をして財産分与を行うため、妻子を連れた長男の小鉄(草なぎ剛)、長女の麗奈(MEGUMI)、次男の京介(新井浩文)が実家に集まる。だが小鉄が総取りすると言い出したため、なかなか話がまとまらない。

 それにしても両親は一体どこに逃亡したの?もしかするとまだ生きていて、どこかで登場するのだろうか?そんなことを考えながら本作を鑑賞していたのだが、小出しに新たな登場人物が現れて、相続話はなかなか進展しない。だがそのお陰で少しずつ真実が明かされてゆく。

 実家でのシーンが多いのだが、だからと言って退屈でもなく面白く鑑賞したのだが、ドタバタが多すぎるのが多少鼻についた。また草なぎ剛の演技を観ていると、かなりシニカルなのだが、底辺には哀愁が流れていたんだね。父親を憎んでいる自分、だが自分の娘も自分を憎んでいる。でもそれらは全て誤解で、親たちは子を愛していた。という泣ける話なのだと明かすと、きっとネタバレになってしまうよね。
 だが残念ながら、それでも泣けそうで泣かなかった。それはラストに象徴される荒っぽい雑な脚本だからであろうか。残念もう一息、照れないで素直に脚本を練っていれば大泣きしたのになあ…。

 それにしても本作はコメディなの、ヒューマンドラマなの、それともファンタジーなの?。また10年間、川辺に佇んでいたことも不思議だが、いまさら急に流れてゆくのも不自然だよな。それでわざわざ台風を巻き起こしたのだろうか。でも10年間に、台風は何度も襲来していると思うけどね…。


評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月14日 (日)

ワールド・ウォー Z

★★★

製作:2013年 米国 上映時間:116分 監督:マーク・フォースター
 
 人間を凶暴化させる未知のウイルスが、あっという間に世界中に蔓延する。そんな悪条件の中で、その感染原因と予防方法を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる。主役は世界各地を駆け巡る元国連捜査官ジェリーを、ブラッド・ピットが演じてハラハラドキドキさせてくれる。
 ただジェリーはスーパーヒーローではないし、火器や格闘技の専門家でもない。彼は国際間紛争の解決や危機回避が専門であり、鋭い観察力と注意力を駆使して難局に立ち向かうだけである。従って『バイオハザード』のような派手なアクションシーンは期待してはいけない。

 ここまで書けば気が付いたと思うが、未知のウイルスに感染した者はゾンビになるのだ。タイトルのZがそれを示唆しているのだろう。それにしても『バイオハザード』以来、ゾンビ達の動きがもの凄く速くなっている。本作のゾンビなどはまさに稲妻ゾンビで、超人のような速さで、蜂のように群れて、熊蜂のように執拗に襲いかかってくるのだ。
 とにかく彼らに一度気付かれたら、ほとんどの人間は助からない。だが流石のゾンビたちにも弱点があった。それが本作の唯一の救いなのである。

 本作では通常のエキストラ実写に加えて、かなり凝ったCG映像が採用されており、もの凄い数のゾンビたちを大迫力で克明に描いている。またゾンビが人間を襲って肉を食いちぎり血だらけにする、というような残酷シーンは極力抑えられている。従ってスプラッター映画が苦手な人でも安心して楽しめるだろう。
 ただパニック映画だからと言えばそれまでだが、テンポは良いものの、ほとんどストーリーが無いのが悲しいね。それに颯爽と登場したウイルスの世界的権威である博士が、いとも簡単に死んでしまったのも理解できない。逆に言えば彼は何のために登場したのだろうか。その他にも突っ込みどころが満載なのは、多分脚本家が不勉強だったのだと考えたいね。


評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月 9日 (火)

アトラクション 侵略

★★★☆

製作:2020年 ロシア 上映時間:134分 監督:フョードル・ボンダルチュク

 未確認飛行物体の墜落事故を描いた『アトラクション 制圧』の続編である。製作周期と同じく、本作も前作から3年経過後が舞台になっている。前作では温かった異星人だったが、今回は本格的に地球侵略を始める。登場人物は前作を引き継いでいるが、途中でSFから痴話喧嘩ドラマに急降下してしまった前作とは異なり、最初から最後までバリバリのSF映画に徹している。

 前回死んだと思わせた異星人ヘイコンが、突然ユリアの元に現れたのには「またかよ」と笑ってしまった。だがデジタルハッキングによる人類コントロールや水の映像などは前作のポリシーを大きく超えている。もっとも前作のラストシーンで、死んでいるヘイコンが微動したので、多分続編で復活するだろうと予想していた通りだったが…。
 まあいろいろ突っ込みどころはあるが、なんとなくアメリカ映画のような展開なのでこの際は目をつぶろう。いずれにせよネットでは「意味不明・支離滅裂」などとかなりの酷評だが、私的にはまあまあの作品だったかな。


評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月 6日 (土)

アトラクション 制圧

★★★

製作:2017年 ロシア 上映時間:117分 監督:フョードル・ボンダルチュク

 モスクワに墜落した地球外生命体の巨大宇宙母艦。政府は戦争を起こしたくないので、慎重に事の次第を静観し、彼らが母艦を修理して立ち去ることを願う。そんな戒厳令下で人々が混乱に陥る中、軍司令官の娘ユリアは親友が事故死したマンションに忍び込む。そこで足場を崩し転落しかけたところ、現場を調査していた異星人ヘイコンに助けられるのだが…。

 とにかくなんと言っても、宇宙船が墜落してゆく導入部分の映像がもの凄い。ロシアのSFも捨てたものじゃないなと感心したのだが、それはこの導入部分の映像だけだった。その後にユリアと彼女の彼氏と不良グループたちが登場するところから、SF映画から次第にスケールの小さな恋愛映画へと変化してゆく。そして急にテンポが悪くなり、異星人も一人しか登場しないし、不良グループたちの行動もよく理解できなくなってくる。さらにユリアの行動は出鱈目の一言。

 こうなってくると、スケールだけではなく視野もかなり狭くなり、ユリアの暴走と彼氏と異星人の三角関係に終始する始末。またユリアと父親役の俳優の魅力不足もあり、二人の確執や親子関係も中途半端で余り感情移入できない。
 結局は多くのテーマを詰め込み過ぎた脚本に問題があったのであろう。地球外生命体との遭遇・学園青春ドラマ・異星人との恋・三角関係・暴徒化する若者たち・政府や軍部の対応・理想の生命体などなど欲張り過ぎたのである。もう少しテーマを絞っていればと考えると、実にもったいない残念な映画だ。ただ評価は良くないが続編があるので、そちらのほうも鑑賞してみてから再評価しようと思う。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月 3日 (水)

説きふせられて

★★★☆
製作:2007年 英国 上映時間:95分 監督:エイドリアン・シャーゴルド
 
 原作は『高慢と偏見』『エマ』などのジェイン・オースティンが晩年に記した『説得』と言う長編恋愛小説である。背景は19世紀の英国、アッパーミドル達の人間模様とヒロイン・アンの繊細な心の動きを描いたヒューマン系の恋愛作品である。
 本作は、何度も映画化されている『高慢(プライド)と偏見』に比べると地味な作品である。だがアンを演じた『しあわせの絵の具』『 シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンスには、控えめながらも理知的で芯の強さを感じた。
 
 準男爵エリオット家は、当主サー・ウォルターの浪費がたたり、借金返済のために豪邸を人に貸し、これまでより小さな家に移り住むことになる。ところが屋敷の借り手がクロフト提督夫妻と聞いて、次女のアンは動揺する。クロフト夫人の弟フレデリック・ウェントワースが、8年前に別れたアンの恋人だったからである。
 ウェントワースは、当時まだ若い士官で財産もなかった。そんなこともあり、アンは母親代わりのレディ・ラッセルに説得され結婚を諦めた過去があった。しかしアンはそれをずっと後悔し続け、いままでずっと独身を通してきたのである。

 アンはいつも自分の気持ちを心の中に閉じ込めてしまい、結局は他人の意見に流されてしまう。そしてフレデリックとはいつもすれ違いばかり。なんとなく『君の名は』のようでイライラしてしまうのだ。
 ただラストはすっきりとハッピーエンドはよいのだが、なんだかバタバタと一気に終わってしまったのはもったいない。上映時間の95分を120分にすれば、もう少し丁寧にラストを描くことが出来たのではないだろうか。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年11月 1日 (月)

デスノート Light up the NEW world

★★☆

製作:2016年 日本 上映時間:135分 監督:佐藤信介

 あの大ヒット作『DEATH NOTE デスノート』シリーズの10年後の世界に迫る続編である。また東出昌大、池松壮亮、菅田将暉の若手三人衆が主演という贅沢な映画なのだが、なぜか評価が良くない。その悪評の原因はなぜなのか、HULUで配信していたのでダメもとで観たのだが…。一言でいえばやはりつまらなかった!

 ではなにがつまらないのだろうか。前作の『DEATH NOTE デスノート』は、夜神月とエルの心理戦と頭脳戦が実に面白かったよね。本作は無差別大量殺人や、6冊のデスノートなどスケールだけは大きくなった。だがデスノートの所在と機能は警察の知るところだし、心理戦と言うよりは弾丸の雨あられという市街戦が始まってしまうのだ。
 『DEATH NOTE デスノート』ファンの観客たちは、アクション映画を観たい訳ではない。前作のワクワクドキドキ感とおどろおどろしさをもう一度体感したいのだ。だからつまるところ「期待外れ」となってしまうのは当然の成り行きである。これこそ観客心理を無視した「脚本家の敗着」ではないだろうか。

 さらに主演の若手三人衆だが、人気はあるものの、やはり演技力・存在感・迫力において、前作の藤原竜也と松山ケンイチには遥かに及ばなかった。そして三人とも、余り役柄にはまりきっていないかったと感じたのは私だけであろうか。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月30日 (土)

残穢 -住んではいけない部屋-

★★★

製作:2015年 日本 上映時間:107分 監督:中村義洋

 ミステリーホラーという新感覚のジャンルで、原作は山本周五郎賞を受賞した小野不由美の同名小説である。キャストは竹内結子、橋本愛、坂口健太郎、佐々木蔵之介、遠藤賢一と多彩なのだが、ぶっちゃけミステリー作家(竹内結子)の探偵ごっこという感触であった。

 ある日編集部経由で、読者の女子大生(橋本愛)からミステリー作家宛てに、「住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という奇妙な手紙が届く。その手紙に興味を持った作家は読者と手紙や電話でやり取りしてゆくうち、いつの間にか夢中になり、二人で異変現場の近隣に住む人々の話を聞きに行くことになる。その後いろいろな人の話を聞くうち、驚くべき真実が浮上してくるのであった。

 調査で聞いた過去の話の中にはかなり「怖い話」が登場する。そしてそのおぞましい映像がチラチラ鏤められてゆく。だがすぐに恐ろしい映像は長くは続かない。すぐに映像は現実に回帰して、その背景や原因などを分析・調査している映像に切り替わる。このあたりの手法が単純なホラー映画と異なっていて斬新なのであろうか。ただ本作の映像だけでは、過去の複雑な話がよく理解できなかった。そのあたりは原作の小説を読んでみないことには何とも言えない。

 本作を観たのは昼間で、家内も一緒に観ていたので余り恐怖感は湧かなかったが、夜中に一人で観ていたらどうだったろうか…。そうあの黒煙が渦巻く怪物の焼け爛れた手と唸り声は、昼間観てもかなり気味が悪かったことは確かだからね。
 それにしてもあのラストはいまひとつ納得できない。ホラー映画の常套手段なのだが、本作は単純なホラー映画ではないのだから、もう少し説得力のあるラストで締めくくって欲しかった。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月26日 (火)

拝啓、十年後の君へ。

著者:天沢夏月

 10年後に掘り起こすと約束し、小学生のころに埋めたタイムカプセルが今開かれる。幼い頃のひらがなばかりの文字と正直で純真な文面が懐かしい。だがそこには懐かしさだけではなく、現実の悩みとリンクする心の叫びが染みついていた。
 本書はタイムトラベル小説ではないが、タイムカプセルが「止まっていた心の時間を動かした」と考えれば、ある種のタイムトラベルなのかもしれない。

 さてタイムカプセルに詰まっていた少年少女の熱い思いを、10年後の彼らはどう受け止めるのだろうか。それが6人の悩める高校生たちの運命を変えてゆくパワーを生み出すことになるのだろうか。そしてその主役の6人については、それぞれにパートが独立していて、彼らが抱える特殊事情や心理状況が鮮明に描かれているところが嬉しいね。

 ひきこもりの少年少女、自分の意志をはっきりと伝えられない少女、自分の進むべき道を見つけられない少年などが主役である。そして青春時代の葛藤が巧みに綴られてゆく。だからこそ、若い読者たちはかなり共感できるのだろう。さらにはオープニングの「浅井千尋の章」と、ラストの「矢神耀の章」が、実に見事に繋がってゆくではないか。
 また暗い主人公が多いのだが、全般的に優しい世界観に包まれており、最後は皆前向きでハッピーに包まれるので安心して読めるだろう。天沢夏月作品は何冊か読んでいるが、本作の出来が一番かもしれない。
 

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月25日 (月)

ロブスター

★★★
製作:2015年 ギリシャ他5 上映時間:118分 監督:ヨルゴス・ランティモス
 
 第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品であるが、ジャンル不明でよく分からない奇妙な映画であった。近未来の話のようだが、ホテルのような収容施設に集められた人々が、45日以内にパートナーを見つけなければ動物にされて森に放たれてしまうというのだ。どんな動物にされるのかは自分自身で選択するのだが、主人公のデヴィッド(コリン・ファレル)が、長生きし海で生活できる「ロブスター」を選んだところからこのタイトルが付けられたようである。またパートナーを得た者は、シングルルームからダブルルームに移され、そこで数日過ごした後さらにヨットで数日間過ごせば収容施設から出ることが出来るというのだ。

 オープニングでいきなり、雨の中を車から降りた女がロバを拳銃で射殺するシーンが映される。そしてそのあと何の説明もなく、デヴィッドが前述した収容施設に収容され、その中で友人を創ったり、訳の分からない人間狩り競技を強いられたり、ダンスパーティーやプールで楽しんだりする映像が流される。
 全く説明はないものの、まずなんとなく想像できるのは、人間を動物に変身させる技術が実用化された近未来の話だということ。そしてその世界では、独身であることが許されず、離婚などで独身になった男女は収容施設に連行され、そこで一定期間内にカップルにならなければ、動物に変えられて人間社会から追放されてしまうという展開なのだ。

 だが背景はそれだけではなかった。実は森の中に裏社会があり、そこで暮らす森人たちは独身でいることが許されるのだが、逆にパートナーを創ってはいけないというルールが存在していたのである。収容施設から森の中に逃げ込んだデヴィッドは、この森人たちとともに暮らすようになるのだが、そこで禁断の恋に落ちてしまうのだった。
 とにかくナンセンスで不条理な映画だが、実は結婚と愛について皮肉を交えながら、その本質を無機質に抉り出そうと試みた作品なのだろう。それから本作では愛のベースを「パートナー同士が持つ共通点」だと定義している。それで「鼻血を出すこと」「歌が好きなこと」「ビスケットが好きなこと」「心が冷徹なこと」「近視であること」などなど、どんなつまらないことでもとにかく共通点があれば良しなのだ。

 そしてその愛の条件がラストシーンへと繋がってゆく。主人公がトイレの鏡に向かって愛の証を実行できるのか、怖くなって逃げてしまうのか。それをじっと待つ彼女のいじらしさと切なさ…。かなり過激でエキセントリックな映画であり、好き嫌いがはっきりと分かれてしまうことも否めない。ただ私的には年に一度や二度はこうした風変わりな映画に染まるのも悪くないと考えている。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月23日 (土)

生きてるだけで、愛。

★★★☆
製作:2018年 日本 上映時間:109分 監督:関根光才

 芥川賞作家・本谷有希子の同名小説を趣里の主演で映画化した作品である。なかなか難解で理解に困る作品だが、趣里の神がかった演技と仲里依紗の個性的存在感によって、最後までグイグイと引き込まれてしまった。ストーリーが面白い訳ではなく、とにかく精神障害のある寧子が気になってしょうがないのだ。だからこそ寧子を演じた趣里の演技力に全てがかかっていたのである。

 寧子は過眠症で引きこもり気味、そのうえ酒を飲むと全てぶち壊してしまう。もちろん働きたくとも働ける場所もない彼女は、ゴシップ雑誌の編集者・津奈木の部屋に潜り込み同棲生活を送っている。働かない、掃除はしない、食事も作らない。いつも夕飯は津奈木が仕事帰りにコンビニ弁当を二つ買ってくるだけ。さらに感情をコントロールできず、正反対の表現をしてしまう。だからどうすることもできずに、世話になりっぱなしの津奈木に八つ当たりするばかり…。

 よくこんな女に憑りつかれて3年間も一緒に暮らしていたものである。それほど津奈木はお人好しなのだが、結局最後にはそのふんわりと柔らかだった風船も大爆発してしまう。まあ人間なんて一皮もしくは二皮もむけば、誰でも同じように悩み苦しんでいるのだ。それを引きこもりだのPTSDだのと、病気の中に逃げてしまうのは甘えている証拠なのかもしれない。
 いずれにせよ、せっかく…と思った瞬間に、全てをぶち壊し投げ捨てて、全裸で街中を疾走する寧子の気持ちは分かるようで分からない。と言うよりあの二人はこれからどうやって生きてゆくのか、若者たちはみんなギリギリの瀬戸際で生きている。また全てのエネルギーを、負の方向だけに吐き出せるのも若さの特権なのだろうか。
 
 
評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月21日 (木)

シャイニングガール

著:ローレン・ビュークス
訳:木村浩美

 時間を超越できる古い家。そこをねぐらにして、様々な時代で猟奇的な殺人を続ける精神異常の殺人鬼。そんな触れ込みのタイムトラベル・サイコサスペンスである。

 アイデアとしてはなかなか斬新なのだが、10頁以内の短いスペースで、前後して時間が入れ替わり、次々に若い女性たちが無残に殺されてゆく。またその殺害の様子が酷過ぎる。ナイフで腹を裂かれて腸を引っ張り出されて、死体をグルグル巻きにするといった具合なのだ。そして殺害の動機もはっきりしない。まさにサイコ野郎そのものなのだ。

 そして足が悪いのにも関わらず、この殺人鬼の強いこと強いこと、拳銃で撃っても1~2発では死なないし、もの凄い腕力と異常な精神力に支えられている。これではまるでジェイソンやターミネーターではないか。

 まあそれはそれで許すとしても、余りにも内容が薄いため読みにくく、何度も投げ出しそうになった。少なくとも500頁近くある長編なのだから、もう少し登場人物の心理状態などを詳細に描いて欲しかったね。とにかく残酷描写とアクションの連続ばかりなので、小説より映画向きなのかもしれない。

 とは言っても、ラストを除いてハラハラドキドキ感も余り湧かなかったし、肝心のタイムトラベルがらみの面白さも皆無だったのは非常に期待外れだったね。かなり無駄に時間を消費してしまったような気がする。あー疲れた。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月19日 (火)

青くて痛くて脆い

★★★
製作:2020年 日本 上映時間:118分 監督:狩山俊輔

 原作は「君の膵臓をたべたい」の住野よるの青春サスペンス小説である。舞台は某大学で主人公はコミュニケーションが苦手で誰とも接触しない田端楓(吉沢亮)と、理想を目指すあまり空気の読めない発言を連発し周囲から浮いている秋好寿乃(杉咲花)のひとりぼっち同士の大学生二人である。
 なんと二人は「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル「モアイ」を立ち上げるが、誰にも相手にされなかった。暫く二人でボランティア活動などでお茶を濁していたのだが、大学院生の脇坂(柄本佑)が介入してから急に部員が増え、いつの間にかモアイの趣旨も変化してしまう。それを面白くないと感じる田端は、次第にモアイを憎しみの対象にしてゆく。

 はじまりは空気の読めない秋好寿乃の行動が風変わりで、無口な田端楓との取り合わせが面白い。ただ舞台が大学の中ばかりで安っぽいし、彼等二人の行動が読めな過ぎて退屈感がふつふつと湧いてくる。また中盤も素人探偵ごっこに明け暮れるばかりで、どうしてもスクリーンにのめり込めない。
 だがやっと終盤になって、屈折した田端の精神が破綻して暴走し始めると面白くなるのだが、すでに時は遅しでそのあとすぐにエンディングでは物足りないよね。なんだか自分のことばかり考えているくせに、はっきりものを言わない男のヒステリー物語のようだと感じたのは私だけであろうか。


評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月17日 (日)

天使が歌う街

★★★
製作:2013年 米国 上映時間:89分 監督:ティム・マッキャンリーズ

 本作は日本の劇場では未公開の作品であるが、米国人が好きそうな父と息子の愛情を描いたハートフルな映画である。そしてもう一つのテーマはクリスマス。クリスマスやバレンタインを商業主義に染め抜いたのは日本であるが、近年では米国でもその傾向にあると言う。そんな中でも日本と異なるのは、日本の正月以上に親族や身近な人々が顔を合わせてパーティーを楽しむことかもしれない。

 幼い頃のクリスマスに、自分の責任で大好きだった兄を亡くしてしまったマイケル。それが彼のクリスマス嫌いの原因だったが、自分の息子のデビットまでも同じような事故を誘発してクリスマス嫌いになってしまう。
 そんなある日、マイケルは祖父の遺品から幼いころのクリスマスパーティーの8ミリフィルムを見つける。なんとそれには嫌な思い出だけではなく、楽しかった想い出も沢山詰まっているではないか。

 まあ大感動とはゆかなかったが、そこそこ楽しめる映画と言えよう。また音楽が楽しいしイルミネーションも美しいので、どうせならクリスマスの時に観たいものである。ヒューマンドラマという触れ込みだが、サンタさんらしき人も登場するのでファンタジーなのかもしれないね。
 

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月15日 (金)

君に出会えた4%の奇跡

著者:広瀬未衣

 恋人と婚約した灯里が、京都の実家で高校時代に書いた若草色の日記を見つけた。だがそこに書いてあるべきある人の名前が空欄になっている。また物置で探した手作りの小さな提灯には、薄っすらと「コウ」と書かれた跡があった。

 物語の大部分は、そのコウなる謎の人物が現れる満月の4日間の出来事に終始する。その4日間の青みがかった月をブルームーンと呼び、過去へ行けるという奇跡が起こるという。
 まさに少女漫画をそのまま小説にしたような恋愛ファンタジー小説である。ただ理想の男性像のようなコウ君は、なんだか無機質の幽霊みたいで物足りないし、ストーリーにも全く幅が感じられない。また最終章の種明かしにも、余り工夫がなかったのが残念である。

 京都の古い街並みや観光地の情景描写が、なかなか幻想的で美しく綴られているので、女子学生たちには楽しめるかもしれない。だが人間描写やストーリーの奥行きが薄いため、大人たちが読んでも、まず感情移入することはあり得ないだろう。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月13日 (水)

奇跡の絆

★★★☆
製作:2017年 米国 上映時間:119分 監督:マイケル・カーニー

 本作は主人公であるロン・ホールの実話を元にしたノンフィクション「Same Kind of Different as Me」を原作とし、脚本もロン・ホール自身が手掛けている。裕福な画商が、妻に強要されてホームレスへの給仕ボランティアに参加、そこで凶悪なホームレスの黒人デンバーと出会ったことから始まる奇跡を描いている。なかなか泣かせる質の良い映画なのだが、残念ながら日本では劇場公開されなかったのだが、このたびAmazonやHuluで配信されることになった。

 ロンがホームレスへの給仕ボランティアに参加したのは自らの意志ではなく、浮気がバレその代償として妻が参加していたこのボランティアを手伝うハメになったのである。はじめは嫌々手伝っていた彼も、次第に妻と心が通じ合うようになり、ボランティア行為にも意義を感じるようになる。そんな中で、妻の夢の中に登場したという「凶悪な黒人デンバー」とも心が通じ合うようになるのだった。

 本作では差別と貧困に喘ぐ黒人と裕福な白人との友情を描きながらも、その両者を比較しながら裕福な白人たちの「裕福なゆえの行為や偏見」などを皮肉っているようである。ただ省略されていてよく分からなかったのは、ロンの妻であるデビーがどうしてホームレスへの給仕ボランティアに興味を持ったのかということだ。まあこれは観客たちの想像に委ねるしかないのだろう。またロンの子供たち二人が頻繁に登場していた割には、ラストには全く顔を出さなくなったのも尻切れトンボ状態だった。
 

評:蔵研人

 

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月10日 (日)

犯罪都市

★★★☆
製作:2017年 韓国 上映時間:121分 監督:カン・ユンソン

 本作は2004年に実際に起こった事件が下敷きになっているという。韓国ヤクザの縄張り争いが頻繁に起こっている韓国のとある街。そしてそこで凶悪犯罪を相手にする「強力班」の副班長を務めるマ・ソクト刑事の活躍ぶりを描いたアクション映画である。
 なんとなく関西でのヤクザ抗争を髣髴させられるが、拳銃の使用は一切なくスケール感は余りない。それもそのはず、プロレスラーのようなマ・ソクト刑事のアクションシーンを際立たせるためには、拳銃の使用はご法度なのであろう。

 それにしてもマ・ソクト刑事を演じたマ・ドンソクは、身長こそそれほど大きくはないが、その筋肉の塊のようなボデーはなかなか見事である。実は彼は韓国系のアメリカ人で、過去に総合格闘家のケビン・ランデルマンやマーク・コールマンのトレーナーを務めていたこともあったのだという。なるほどそれであの筋肉の鍛え振りに納得した。

 腕っぷしは強いが親分肌であるマ・ソクト刑事は部下たちに信頼されている。また乱暴な取り調べをするものの、人情派であり街のヤクザ者たちにも一目置かれる存在であった。だから街のヤクザ同士の抗争があっても、彼が仲裁に入ればなんとか解決し街の治安を保っていたのである。
 ところがある日、中国から渡ってきた狂悪な三人組のお陰で、街の治安バランスが大きく歪んでしまうのであった。とにかく三人組は残忍・非道で、平気で相手の腕や足を手斧で叩き切ってしまうのだ。だがなかなか正体と居所がつかめない。

 こんな流れでストーリーは繋がってゆくのだが、とにかく凶悪三人組が強過ぎる。街のヤクザたちが大勢で取り囲んでも、三人で簡単にやっつけてしまうのだ。とにかくこいつらをやっつけられるのは、マ・ソクト刑事だけしかいないのか。とにかく発想が単調だが分かりやすい。マ・ソクト刑事のアクションシーンのための映画なのだから…。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月 7日 (木)

時間を止めてみたんだが

著者:藤崎翔

 著者の藤崎翔はお笑い芸人だったが、6年間活動した後にお笑いコンビを解消。その後バイトをしながら小説を執筆し、様々な文学賞に応募を続ける。そして4年後の2014年にはじめて書いた長編ミステリー『神様の裏の顔』で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞して小説家デビューを果たす。 という苦労人タイプの小説家である。

 本作は勉強嫌いでおっちょこちょいな笹森陽太と、学力抜群の相沢がコンビを組んで犯人探しをする学園ミステリーである。そしてストーリーは笹森の「俺」という一人称視点の軽いコミカルタッチで、まるで高校生の日記の如く飾り気なしにテンポ良く進んでゆく。なんとなくお笑いコントネタを小説にした感があるのだ。

 さて主人公の笹森は、勉強も出来ないしスポーツもダメで、気が弱くていつも便利屋としてこき使われているのだが、ある日自分に特殊能力が秘められていることに気付く。その特殊能力とは、なんと「ひょっとこのような変顔をし、息を止めている時だけ時間を止めることが出来る」という信じられない超能力だった。

 ただこんな動作は長続きしないため、時間を止めると言ってもせいぜい30秒くらいだ。だから時間を止めて、誰にもバレないうちに出来ることは殆どなかった。せいぜい女の子の後ろに回って時間を止めて、ちょこっとだけオッパイをもみもみする程度だけだろう。そう考えた笹森はさっそく意中の女子2人に対してもみもみ作戦を開始するのだが・・・。いずれにせよ、時間停止能力がつまらないことばかりに使われていて、もう一捻りが足りないところが非常に残念であった。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月 5日 (火)

星屑の町

★★★☆
製作:2019年 日本 上映時間:102分 監督:杉山泰一

 ドサ回り専門のおじさん歌謡グループ「山田修とハローナイツ」の悲哀を描いた人気舞台「星屑の町」シリーズを映画化した作品。山田修とハローナイツは、結成から10年以上経過したグループだが、特にヒット曲もなく田舎の温泉場や体育館などで細々と活動していた。
 そんなある日、地方巡業で訪れた田舎町はリーダー山田修の生まれ故郷であり、そこには彼の弟・英二が待っていたのである。その英二の息子の幼馴染で母親がスナックを経営している愛は、歌手になることを夢に見ていた。そしてスナックの客として訪れたハローナイツの一員に、冗談半分で勧められたことからハローナイツに入団できると思い込んでしまうのだった。
 
 タイトルの『星屑の町』は三橋美智也の持ち歌であるが、本作とは直接関連はないようだ。それはそれとして懐かしいロマン歌謡が満載なので、オールド歌謡曲ファンには実に楽しく嬉しい映画である。また本作に『のど自慢』、『怪しい彼女』、『歌謡曲だよ人生は』などと同じような臭いを感じたのは私だけであろうか。
 それにしても、最近の歌はリズム中心のつぶやき型が多いので、何を聞いても同じように感じられ、年配のおじさんおばさん達には全く馴染まない。その点昭和歌謡曲はリズムとメロディーがしっくりとブレンドされているので分かりやすいのだ。だから今どきでも「純烈」なるグループが売れているのだろう。

 本作ではのんが久々に生き生きとした演技で、役柄にピタリとはまりこんでいたのが印象的であった。さて「のん」と言っても首をかしげる人が多いかもしれないが朝ドラ『あまちゃん』の能年玲奈だと言えばすぐに分かるはずである。そして本作でも、彼女抜きでは成立しなかったほどの存在感を発揮していたし、また超プロ級には及ばないものの歌もそこそこ上手かったよね。
 ラストは「やっぱりね」という感想だが、彼女が光ったのはおじさんたちが引き立て役になってくれたこともあったのだが…。その流れはなんとなく氷川きよしと似ているよね。あと前座歌手のキティ岩城を演じた戸田恵子の歌唱力はまさに本物だった。もう一皮むけば超プロ歌手級のような気がしたのは私だけであろうか。
 
評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年10月 2日 (土)

恋とニュースのつくり方

★★★☆
製作:2010年 米国 上映時間:107分 監督:ロジャー・ミッシェル

 リストラで失業したプロデューサー・ベッキーが織りなす恋と仕事のサクセスストーリーである。と言っても恋は二の次で、ほとんどが超低視聴率番組を立て直すために、獅子奮闘する彼女の仕事ぶりを描いた物語と言うことになる。また言葉を変えて言えば、「低俗なバラエティはやりたくない、という元有名ニュースキャスターと、視聴率を稼ぎながらも良い番組を創りたいと考えるベッキーとのやり取りをコメディタッチで描いた作品」ということになるだろう。

 主人公ベッキー役には、お喋りと明るさが身上のレイチェル・マクアダムスがピタリとはまり役。さらに老頑固キャスターを演じたハリソン・フォードと、元ミスコン女王キャスターを演じたダイアン・キートンがしっかりと脇を固めているのも見どころであった。
 
 テンポよく起承転結を守ったしっかりとした脚本。そしてお約束のハッピーエンドと、ホロリとさせるラストシーン。いかにも「アメリカンコメディーの王道」という風味を漂わせたアメリカ映画であった。こうした映画を観ると癒されてほっとするのは私だけではないはずである。


評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年9月30日 (木)

ワイルド・ローズ

★★★★
製作:2018年 英国 上映時間:102分 監督:トム・ハーパー

 カントリー歌手を夢見るシングルマザーを描いたヒューマンドラマである。美声を誇り地元の酒場で歌っているローズは、グラスゴーを出て米国でカントリー歌手になることが夢であった。
 だが二人の子供を持つ身ながらも、ドラッグ密輸の容疑で1年間服役していたのである。さらに金もなく歌を練習する暇もない。そんな無い無い尽くしの中で、地元の資産家スザンナの家で家政婦として働くうち、カントリー音楽のファンであるスザンナにチャンスを与えられるのだったが…。

 本作では主人公の歌唱力が注目されるわけだが、主人公ローズを演じたジェシー・バックリーの演技はもちろんのこと、その歌唱力もなかなか大したものである。その彼女の演技力は世界中で高い評価を得、アカデミー賞でノミネート、ニューポート・ビーチ映画祭で主演女優賞の受賞、ジョージア映画批評家協会賞や放送映画批評家協会賞など数々の賞を受賞している。また素晴らしかったのは彼女だけではなく、母親役・スザンナ役・それに微妙な少女の心象風景を演じた子役も良かったね。

 本作のタイトルである『ワイルド・ローズ』を直訳すれば、「荒々しく力強く生きていくローズ」と言うことになるだろう。それに加えてバラの野生種のことをワイルドローズと呼び、環境や病気に強く手入れをしなくとも花がたくさん咲くという特徴を持っているという。そしてバラの花言葉は「愛と美」であり、ローズの美声と愛の物語という要素も示唆しているのかもしれない。
 いずれにせよ本作は米国風のサクセスストーリーではなく、なんとなく英国の田舎風味を漂わせたエンディングで締めくくっている。また私自身もこの終わり方のほうが味わい深いと思ったが、皆さんはいかがなものであろうか。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年9月28日 (火)

フォルトゥナの瞳 小説

★★★★
著者:百田尚樹

 最近、神木隆之介と有村架純主演の同名映画を観たばかりなのだが、幾つか気になってたシーンがあり、それを確認するためにこの原作小説を読んだ。
 死が近い人の体が透けて見える能力を知った木山慎一郎が、恋人・桐生葵と幸せな人生を送るか、二人の不幸を犠牲にして幼稚園児を含む大勢の命を救うのかの選択に迷い、葛藤してゆく姿を描いてゆく物語である。また言葉を変えて言えば、SF風味を漂わせながら、ミステリアスでヒューマニズムを追求したラブストーリー、という贅沢な小説なのだ。

 慎一郎は、透けて見えた人を救うたびに自分自身の命が蝕まれてゆく。それなのに自分の命と恋人を裏切ってまで「見ず知らずの人を助ける」という気持ちが、私にはどうしても理解出来ない。確かに目の前に死にそうな人がいて、助けられるかもしれないのに、知らんぷりをするのは寝覚めが悪いかもしれない。
 だが本作の中で医者の黒川が言ったように、そんなことをしても誰にも感謝されないし、場合によっては変質者扱いされ、結局自分の命を削ってしまうだけじゃないか。それにある人を助けたとしても、それが殺人犯だとすれば、その反動で別の人が被害に遭うかもしれないのだ。だから簡単に人の運命を変えてはならない。

 またどうしても透ける人を見たくないのなら、外出時は濃いサングラスなどをして他人のことをなるべく見ないようにすれば良いではないか。それなのに慎一郎は外出の都度、キョロキョロし過ぎるし余計な行動が多すぎる。その慎一郎の神経質な心証に、ずっとイライラさせるところが本作の狙いなのかもしれない。だがラストがあれでは、救いどころがなさ過ぎて今ひとつ感動に結びつかないのだ。

 また本書を読むきっかけとなった「映画の中での気になるシーン」だが、かなり映画のほうに脚色があり、原作を読んでも全く解消されなかった。やはり映画には多少荒唐無稽でも見た目の派手さが必要だし、逆に小説のほうは心理描写に力点を置くことになるのであろうか。

 それから余計なことかもしれないが、本作の解説文には呆れてものも言えない。素人が気張りすぎたのかもしれないが、7頁の解説文の中にはほとんど本作の解説はなく、ただ百田氏の作品は全部おもしろいと記しているだけなのだ。
 あとは本書と関係のない私事をパラパラ綴っているだけなのである。この解説文を書いたのは素人なので、ある程度仕方がないとしても、こんな雑文をそのまま解説文として載せた新潮社の編集者の罪は大きいのではないだろうか・・・。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年9月26日 (日)

フォルトゥナの瞳

★★★★
製作:2018年 日本 上映時間:111分 監督:三木孝浩

 幼いころに飛行機事故で同乗していた両親を亡くした木山慎一郎。奇跡的に助かった彼は成長し、自動車整備会社で真面目一筋に働いている。
 ところが最近になって、死の近い人が透けて見えることに気が付き始めるようになっていた。そしてその能力を使って彼女や社長の命を救うのだが、その能力を使うたびに自分の命を縮めていることを知らされる。

 それで透けて見える人たちを発見しても、何もせずにじっと我慢するようにした。だが真面目な慎一郎は、彼らの死が分かっていながら、何もできない自分に対してイライラし続け自己嫌悪に陥ってしまう。
 そしてある日、幼稚園児たちが遠足で乗る電車が事故に遭遇し、全員死亡してしまうことが分かってしまうのである。もし彼等を救えば確実に自分も死ぬだろう。そうすると当然彼女とは結婚できなくなり、彼女を悲しませることになってしまう。
 この二つのジレンマに挟まれ、慎一郎は悩みに悩み抜き、ある決断を下すのだが・・・。

 原作は百田尚樹の小説でまだ未読なのだが、映画を見た限りではなかなかの秀作で、かなり凝ったストーリー展開だと感じた。是非とも小説のほうも一読してみたいものである。それにしても、あの終盤のどんでん返しは「皮肉」で塗りつぶされているように感じたのは私だけであろうか・・・。
 またあのエンディングには賛否両論があるかもしれないが、私的にはなんとなく納得してしまった。まあいずれにせよ、総括すれば「ちょっと切なく心残りな、ミステリー風味のラブ・ファンタジー」ということになるだろう。


評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年9月24日 (金)

ロスト・ボディ

★★★☆
製作:2012年 スペイン 上映時間:111分 監督:オリオル・パウロ

 珍しいスペイン発のサスペンス・ミステリーである。殺害された疑いのある死体が死体安置所から忽然と消えてしまう。また唯一それを見たと思われる警備員もトラックと衝突して意識不明状態が続く。
 一体誰が何のために死体を盗んだのか。それとも死体は死んだふりをしていたのだろうか…。答えはこの二つのうち、いずれか一つであることは間違いない。いずれにせよ、殺人または殺人未遂を遂行した犯人はすぐに判明し、警察官に拘束されてしまう。だが死体を盗んだのは彼ではないようだ。では誰が何のために死体を盗んだのであろうか。物語の焦点はこの一点に集中するのだが…。

 警察に拘束されたのは、死体になった製薬会社女性会長の夫で妻よりもかなり若い。そしてやきもち焼の妻に隠れて若い女性と浮気をしているのだ。そして妻がだんだん邪魔になってきたのだが、浮気をして離婚すると妻の財産を一銭も手にすることが出来ない。それで絶対にばれない方法で妻を殺害すれば、巨額の財産が手に入り恋人と水入らずで暮らせる…と考えたのである。

 なかなか良く出来た脚本で、グイグイと観客を引っ張ってゆき、ラストにアッと驚くどんでん返しもしっかり用意されている。だからネットでの評価もかなり高い。
 だが余りにも良く出来過ぎていて…と言うよりまるで整形美女のような型に嵌った脚本と、ご都合主義で不自然な後付けトリックも、いま一つ説得力に欠けていたような気がする。
 またオープニングで登場した姉妹たちはそれっきりだし、舞台がだんだん小さくなって登場人物も限定的に絞られてしまったのも中途半端な気がした。いずれにせよ面白い映画であることは間違いないのだが、手放しで褒めちぎるほどの作品とも思えない。まあ死体安置所が舞台になっていても、『ジェーン・ドウの解剖』のようなグロさやエロさも少ないし、それほど恐怖感も煽られないので、女性でも安心して観ていられる作品と言えよう。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年9月22日 (水)

鑑定士と顔のない依頼人

★★★★
製作:2013年 イタリア 上映時間:131分 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

 ある日のことである。天才的審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマンに「資産家の両親が遺した美術品を鑑定して欲しい」という電話がかかってくる。ところが何度会う約束をしても、彼女は一向に姿を見せないのだ。ヴァージルは腹を立てるが、最初は事故に遭遇したと言われ、さらに何度か約束を破られたあとに、彼女は自閉症で人に会えないのだと言い訳する。こんなことが繰り返されていくうちに、ヴァージルはなんとか彼女の姿を見れないものかと切望し、彼女の家に忍び込んで物陰から彼女が部屋から出てくるのを覗き見するのだった。

 このあたりからこの映画の観客たちもヴァージル同様、彼女(クレア)の正体を「見たくてしょうがない状態」に陥ってしまうのだ。
 さてそのヴァージルはかなり年配なのだが、未だに独身で生身の女性には全く興味が湧かない「童貞男」であった。そしてオークションの傍らに友人ビリーとつるんで収集した膨大な「女性絵画」を恋人にしている変態的な人物だったのである。
 こんな変態かつ偏屈な男には、どんな美女でも、正面切ってアプローチしては、相手にされないだろう。だからこそ押したり引いたり、そして姿を見せないなどの手法を用いて、さんざんイライラさせた挙句に、やっと姿を見せて「愛している」と言えば、今度は仕事も手につかないほど夢中になってしまうのであろうか…。

 この作品の邦題はそのものズバリの味気ないタイトルだが、原題は『BEST OFFER』で「最上の出品物」という意味になる。これはオークション中につるんでいるビリーへの合図の言葉でもあり、ヴァージルがクレアに感じていた魅力とも考えられるだろう。
 それにしても、主人公は美術品を見る目は超一流だが、生身の女をしっかり鑑定できなかったという皮肉たっぷりの展開だ。また逆転・逆転と執拗に逆転が続いた後に、やっとハッピーエンドかと思ったのだが、まだ残り時間がかなり残っていたので、「これはきっとまだ何かあるな」と思った途端にまたどんでん返し。
 なんと最後のどんでん返しはかなり厳しい。ヴァージルは驚愕と悲しみの嵐に巻き込まれ失意のまま精神病院へ…、という切なさを遥かに超えた余りにも悲し過ぎる終盤は救い難く観るに堪えられない。

 ただ監督は本作を「ハッピーエンド」だと明言していると言うのだ。うっ…もしかするとラストに頻繁に繰り返される時系列の映像の解釈に、そのヒントがあるのかもしれない。たしか執事が郵便物を持って病院を訪れた回想シーンがあったが、その郵便物の中に彼女からの手紙が混在していたと考えたい。
 そしてその手紙を見たヴァージルが、あの時計だらけの喫茶店で誰かを待っているシーンこそが本来のラストシーンなのかもしれない。その後果たして彼女は本当に現れるのか否かは、もちろん観客の想像力にまかせたのであろうか。

評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

2021年9月20日 (月)

スペシャルアクターズ

★★★
製作:2019年 日本 上映時間:109分 監督:上田慎一郎

 『カメラを止めるな!』でインディーズ映画として空前のヒットを記録した上田慎一郎監督の劇場長編映画第2弾だ。従ってこの映画を観たほとんどの人たちか前作を上回る面白い作品を期待して劇場に足を運んだはずである。
 なるほど上映が始まるとすぐに上田監督の臭いを嗅がされたのではないだろうか。またも超低予算、そして超無名のキャストに学芸会レベルの演技力。確かにそれは継承されているのだが、だからそれで良いということではない。

 ただ今回は少なくとも大松竹の配給になっているのだから、もう少し予算をかけても良かったのではないだろうか。確かに第一作同様終盤にどんでん返しが用意されていたが、余りにも単純などんでん返しに思わず「あれっ?」と声をあげてしまった。この声は驚きの声と言うよりも疑問の声と言ってもよいかもしれない。

 そもそも私は第一作目の『カメラを止めるな!』自体も、なぜあれほどの熱狂的フィーバー現象が勃発したのか疑問符を投げかけた人なのだ。そしてそれをコミカルタッチの種明かし映画と評したものである。
 本作の場合は「種明かし」ではなく、二重どんでん返しと定義したほうがよいだろう。ただ映画の創り方自体は全く前作と同じ穴のムジナであった。これは監督だけに責任があるとは言い難い、配給した天下の松竹にも問題があったのではないだろうか。前作の『カメラを止めるな!』が僅か300万円の製作費で大ヒットしたのは運も含めた奇跡であり、柳の下に何匹も泥鰌が泳いでいるはずがないよね。


評:蔵研人

下記のバナーをクリックしてもらえば嬉しいです(^^♪↓↓↓

人気blogランキングへ

人気ブログランキングへ

↓ブログ村もついでにクリックお願いします(^^♪

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

| | | コメント (0)

«ニューイヤーズ・イブ