ラヴソング

★★★★
製作:1996年 香港 上映時間:118分 監督:ピーター・チャン

 香港の主権が英国から中国へ返還されたのは、1997年7月1日である。従ってこの映画は返還直前に創られた映画と言うことになる。私自身が出張で香港を訪れた時は、既に返還後数年が経過していたが、この映画の冒頭で主人公が載っていた電車に乗って、深センから香港へ移動したものである。

 天津から電車で香港に出稼ぎにきたシウクワンの夢は、金を貯めて故郷に残してきた恋人・シャオティンを呼び寄せて結婚することだった。ある日マクドナルドでバイトをしているレイキウと知り合い、口は悪いがざっくばらんで明るい彼女と友人となる。
 香港人を気取るレイキウだったが、実は彼女は広州人でシウクワンと同じ電車で香港に来たのだった。彼女の夢は、故郷の母親に大きな家を建ててやることだった。

 友人関係を続けてきたシウクワンとレイキウだったが、テレサ・テンという共通の絆を見いだした二人は、ある晩はじめて夜を共にしてしまうのである。翌日、レイキウはさばさばしているのだが、シウクワンはその日を境にして、故郷に居る恋人とレイキウの狭間の中で心が揺れ始めるのだった。それにしても、いやに艶めかしいキス・シーンが印象的である。

 ラブストーリーなのだが、かなり中味が濃い。返還前の香港の状況や、北京語も通じない当時の中国の貧弱さがひしひしと伝わってくる。本作は香港アカデミー作品賞を受賞しているが、レイキウ役で主演女優賞を獲得したマギー・チャンの抜群の演技力も見逃せない。

 優しさゆえの風見鶏でありながらも、直球一直線なシウクワン。そして二転三転するレイキウの女心。なかなか見応えのある脚本構成である。ただ元カノのシャオティンには何の罪もないし、あれでは彼女が余りにも気の毒ではないか・・・。

 さて香港ロケで製作された名作映画『慕情』と、主演のウィリアム・ホールデンは、香港人の憧れだったのであろうか。また本作の中で何度か流れてくるテレサ・テンの歌も、実にしっとりと心の中に沁み込んでくる。そしてまさに彼女の歌こそが、二人を結び付ける愛の詩だったのであろうか。

評:蔵研人

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2020年9月28日 (月)

グッバイ、ケイティ

★★★☆
製作:2016年 フランス・米国 上映時間:88分 監督:ウェイン・ロバーツ

 17歳のケイティは、アリゾナ州の貸屋で母親と二人暮らしをしている。彼女の夢は、貧困から逃げ出し、サンフランシスコで美容師の学校へ行くことだった。
 その費用を貯めるため、また働かない母親に代わって家賃を支払うために、レストランでウエイトレスをしながら、店に来る客を相手に売春をしていたのである。

 男遊びにうつつを抜かしている母親の影響か、ケイティは売春にもさほど罪悪感を抱いていなかった。だが前科持ちの修理工ブルーノと恋に落ちてからは、売春から足を抜こうとする。だがそれを祝福してくれる客もいたが、許さない客もいた…。
 
 本作は日本では劇場未公開作品になっている。それをデマンドのU-NEXTが買い上げてオリジナル作品としたようである。確かに評価はそこそこ良いし、惹きこまれる作品なのだが、余りにも負の連鎖が重なり過ぎる。
 また周囲の人々の身勝手な行動に散々振り回されても、相手を責めずにじっと辛抱している。そんなしっかり者で心優しい主人公が、気の毒過ぎて観るほうも辛くて堪らないし、イライラが膨張し続けてしまうのだ。

 それでもラストには、せめてささやかな幸せぐらいは訪れるだろうと考えていたのだが、その淡い期待も空しく裏切られてしまった。かなり後味が良くないのだ。
 これではたいした興行成績を上げられないだろう。だからこそ劇場未公開作品としてお蔵入りしていたのかもしれない。

評:蔵研人

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2020年9月26日 (土)

さくらんぼ 母ときた道

★★★★
製作:2007年 中国・日本 上映時間:107分 監督:チャン・ジャーペイ

 日中合作と言っても、音楽担当が安田芙充央であること以外は、舞台もキャストも監督も全て中国仕様だ。とにかく泣ける、久し振りに涙腺が破壊されてしまったようである。

 中国の片田舎の話である。足の悪い葛望は、知的障害を抱えている桜桃を妻にするが、なかなか子どもができない。子供が欲しい桜桃は、村に捨てられていた赤子を拾うのだが、葛望は桜桃が昼寝している間に、山向こうの町に住む夫婦に売り飛ばしてしまう。気付いた桜桃は、赤子を追いかけて山を超え町まで辿り着き、狂気に駆られたように赤子を探し回るのだった…。

 知的障害を抱えながらも、娘に無償の愛を注ぐ母親。だがさくらんぼを採ってやること以外は、なかなか上手に愛情表現が出来ない。やがて思春期を迎えた娘に疎んじられることになるのだが、それでも必死に娘を守ろうとする母の姿には、熱い涙がとどめなく落ちてくるはずである。

 良い映画だ、ほぼ満点に近い出来だが、ラストの曖昧さがいまひとつ納得できなかった。ただ何と言っても、知的障害者の母親を演じたミャオ・プゥの熱演には大喝采を送りたい。言葉も喋れない、字も知らない母親を、表情と身振りだけで完璧に演じ切ったのである。
 中国の貧しい時代、一人っ子政策の裏に綴られた家族愛が感動的で、なんとなく『初恋のきた道』と同じような匂いを感じたと思ったら、実は脚本家が同じパオ・シーであった。なるほどね…。

評:蔵研人

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2020年9月24日 (木)

三匹の侍

★★★☆

製作:1964年 日本 上映時間:94分 監督:五社英雄

 高齢者には、かなり懐かしいタイトルであろう。本作の原型になったのは、1963年からフジテレビ系列で放映された連続テレビ時代劇である。当時このテレビ時代劇が大ヒットし、最高視聴率は42%を記録し、全6シリーズ(157話)が約6年間に亘って放映された。その後さらにメンバーを入れ替えて『新三匹の侍』も製作されているという怪物番組であった。

 『三匹の侍』がなぜそこまで人気を集めたのか、それは斬新な殺陣と人を斬る時に「ザバッ」という擬音を初めて使ったからであろう。そのため従来には観たこともない大迫力の殺陣を満喫できたからであろう。さらにはコメディアン出身の長門勇が、「おえりゃあせんのう」など、とぼけた岡山弁を操る槍の名手・桜京十郎を演じたことも人気に拍車をかけたのである。

 映画のほうはテレビドラマ版の人気を受けて製作され、第1シリーズ放映終了後に公開された。なおストーリーはテレビドラマの第1話をベースに、三人の浪人たちが知り合い、力を合わせて事件を解決し、一緒に旅に出るまでを描いている。なお配役はテレビドラマと同様、柴左近(丹波哲郎)、桔梗鋭之介(平幹二朗)、桜京十郎(長門勇)の三匹である。

 渋いモノクロ映像と個性的な浪人たち、そして百姓の葛藤と代官の政治的な駆引きなど。なんとなく黒澤明の『七人の侍』や『用心棒』、『椿三十郎』を髣髴させられる。ただ脚本の完成度やスケールの大きさでは、遥かに及ばなかった。あくまでも本作の見所は、擬音を駆使した迫力ある殺陣と、長門勇の「おえりゃあせんのう」なのかもしれない。


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2020年9月22日 (火)

希望のかなた

★★★★

製作:2017年 フィンランド 上映時間:98分 監督:アキ・カウリスマキ

 シリアのアレッポで空爆に遭い、家族を失って難民となった青年・カーリドの話で始まる。そして同時並行的にヘルシンキでシャツの卸業を営むヴィクストロムの話が続き、後半からはこの二人がめぐり逢い、ひとつの話として結合してゆく。

 本作はフィンランド風のユーモアで包みながら、移民問題について厳しく社会を批判したアイロニー劇と言えよう。官僚的で冷ややかな移民局員、執拗に移民たちに暴力を振るうネオナチたち。だがその一方で、見ず知らずの移民者を助けてくれる優しい人たちもいる。どこの国も同じかもしれないが、フィンランドとは、そうした多様な人々が暮らしている国なのだろうか…。

 本作の原題は『The Other Side of Hope(希望の向こう側)』であり、「希望と絶望の狭間」或いは「希望の先にある現実」とも受け取れる気がする。またラストシーンは意味深で、良くも悪くも考えられるのだが、はっきり描かないところに好感を持てる。それにしても、時々登場するミュージシャンたちの歌と音楽が実にしっくりとしていたよね。

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2020年9月20日 (日)

しゃぼん玉

★★★★

製作:2016年日本 上映時間:108分 監督:東伸児

 直木賞作家・乃南アサの小説を基にしたヒューマンドラマである。強盗や傷害を重ねて逃亡中の青年・伊豆見(林遣都)が、宮崎県の山里に足を踏み入れ、バイク転倒で怪我をして動けないスマ(市原悦子)を助ける。
 どこにも行き場のない伊豆見は、スマの親切に甘え孫という形で一人住まいのスマの家に居座ってしまう。当初は毎日ごろ寝して、ブラブラしているだけの伊豆見だったが、山向こうに住んでいるシゲ爺の山仕事を手伝うことになる。

 最初は厳しいシゲ爺に鍛えられて、弱音をあげて逃げようとした伊豆見だったが、ギリギリのところで思いとどまっているうちに、なんとか慣れてくるのであった。間もなく椎葉村で年に一度の大行事『平家落人祭』の日が近づくにつれ、伊豆見はその準備も手伝うようになる。そこで村では珍しい若い美女の美和と知り合うことになる。

 さて本作では、村を取り巻く美しい大自然の描写に茫然としてしまうだろう。それもそのはず、宮崎県の北西部に位置するこの地域は、『日本三大秘境』と呼ばれ、椎葉村を含む9市町村(延岡市・日向市・門川町・諸塚村・椎葉村・美郷町・高千穂町・日之影町・五ヶ瀬町)には多くの神話が残されており、『天孫降臨ひむか共和国』としての名称も知られているという。また映画の中で、市原悦子と林遣都が、ちびちびと晩酌をするお湯割りは、もちろん焼酎『天孫降臨』である。

 また都会では誰にも相手にされなかった青年が、村人たちの気安さと大らかさに、少しずつ心が癒されてゆく心象風景の変化も見所であろう。そして田舎の風景の中に、市原悦子のしみじみとした語り掛けがぴったりと嵌まっている。これが彼女の遺作となってしまったが、低予算ながらも観て損のない良作に仕上がっているので、未見の方は是非ご覧あれ。

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2020年9月18日 (金)

(r)adius ラディウス

★★★☆
製作:2017年カナダ 上映時間:93分 監督:カロリーヌ・ラブレシュ
 
 リアムはある晩、交通事故を引き起こし、記憶喪失になる。彼は助けを求めてレストランに入るのだが、彼が近づくと大勢の人たちが一瞬にして死んでしまうのだった。
 実はリアムが事故を起こした周辺には、雷が落ちたような焼けただれた大きなサークルが描かれていた。多分その影響で異常体質になったのかもしれない。

 その異常体質に気付いたリアムは、困惑しなるべく人に近づかないようにするのだが、ある女性が無理矢理近づいてくる。彼女の名はジェーンと言い、見ず知らずの女性なのだが、事故車に同乗していたらしい。そして驚いたことに、彼女は近づいても死なないどころか、彼女が一緒にいるとその他の人も死なないのである。だからリアムは、彼女と離れられなくなってしまうのであった。

 何かのきっかけで異常体質になる、というだけならばよくあるのだが、ある人と一緒だとその異常体質が緩和される、という設定はなかなか面白いではないか。なぜこのような異常体質になってしまったのか、そして一体どのようにしてこの異常体質を改善してゆくのか。
 いろいろと後半に興味を繋いで行くまでは良かったのだが、終盤のとんでもないどんでん返しにはただただ茫然。これはいけないな。だがこうでもしないと、余りにも気の毒過ぎる結末になってしまうため、あえて無理矢理仕込んだどんでん返しなのだろうか…。


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2020年9月16日 (水)

パラサイト 半地下の家族

★★★★
製作:2019年 韓国 上映時間:132分 監督:ポン・ジュノ

 2か月前に本作を観て、すぐにレビューを書いたのだが、誤ってそれを削除してしまったようだ…。それでもすぐに気が付けば良かったのだが、2か月後に気が付いたため、あらすじの細かいところの記憶を全て失ってしまった。従って不完全なレビューとして再生せざるを得ないのが非常に残念である。

 監督は『殺人の追憶』、『グエムル‐漢江の怪物-』、『母なる証明』などで知られる商業的成功と高い芸術性の双方を実現できる実力派監督のポン・ジュノである。またなんといっても本作の売りは、外国映画で初めてアカデミー作品賞を受賞したことで一挙に世界的な超・有名作品に飛躍してしまったことであろう。

 ストーリーは、韓国の貧困地区にある狭くて汚い半地下のアパートに住む4人家族が、ふとした弾みでセレブの豪邸で家庭教師、運転手、家政婦として雇われ、まるで寄生虫のように入り浸るという話である。また4人が家族であることを内緒にしながら、どんどん詐欺まがいの行為をエスカレートしてゆく展開が実に面白いのだが、あまりにも調子に乗り過ぎたところで、とうとう失策を犯してしまうのである。
 そしてここからストーリーは急展開し、コメディーからミステリーそしてホラーといった流れに変わってしまうのだ。そしてついにドキドキハラハラの連続となる。

 この映画にはストーリーの面白さのほかに、韓国の裏社会の描写やセレブたちに対する皮肉なメッセージなどが鏤められている。その極め付きが「貧乏人の臭い」かもしれない。そしてそれらの総括が終盤の大暴走へと繋がって行く。またさらにラストのどんでん返しも実に巧みであった。
 従って本来なら大絶賛したいのだが、所々にかなり無理な展開があったり、お国柄の違いからくる違和感のようなものを強烈に感じてしまったため、この程度の評価でまとめたいと思う。


評:蔵研人

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2020年9月14日 (月)

インフィニティ -覚醒-

★★
製作:2017年カナダ 上映時間:91分 監督:ジェイソン・ストーン

 ある晩のことである。少女アレックスは野外パーティでハイになり、湖で溺死しそうになる。だが薄れゆく意識の中で、空から降って来る眩しい光に包まれて一命を取り留める。
 そして下着のままでフラフラと町中をうろついているところを、元彼のショーンに保護されるのだった。ショーンはとりあえず彼女を自宅に連れてくるのだが、なんと寝たきり状態だった祖母が、意識を取り戻して普通に歩けるようになるのである。

 このあたりから、アレックスが不思議な超能力に目覚め始めるのである。だが彼女の体からは有害な放射線が放出されており、一緒にいるショーンは被爆してしまう。そして彼女は警察に追われることになるのだが…。

 チラシのイメージでは、派手な超能力を駆使する少女を想像してしまうのだが、車を二台ひっくり返したこと以外は、ほとんどが逃亡劇に終始する。従ってアクションシーンを期待すると、しっぺ返しを食らうことになるだろう。
 いずれにせよストーリーが陳腐で、低予算のB級映画なのだが、終盤の3分間だけは実に美しい光のファンタジーであった。悲しいかなこの3分間だけのために、観客たちは無駄な時間を消費させられるのである。

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2020年9月12日 (土)

マイ スキニー シスター

Myskinny

★★★★
製作:2015年 スウェーデン・ドイツ 上映時間:95分 監督:サンナ・レンケン

 フィギュアスケートが上手で美人の姉と、フィギュアスケートが下手で太っちょの妹。だが妹は明るくて何でも良く食べるのだが、姉は暗くて拒食症ぎみ。食べると妹のように太ることを恐れているのだろうか…。
 それにしても好きなものも食べられないフィギュアスケート選手たちは実に気の毒である。現にロシアの少女選手たちの寿命も1~2年ではないか。ジャンプ中心のフィギュアスケート界は、ますますこの傾向がオーバーヒートするだろう。

 さて、どこの妹も姉の真似をしたがるものである。そして姉の持っているものを欲しがるし、両親の愛情が姉に注がれることにも嫉妬するのだ。だからと言って、決して姉のことが嫌いなわけではなく、どちらかと言えば大好きで憧れているのである。
 本作はそんな姉妹の葛藤と家族のあり方をしみじみとした雰囲気で描いている。北欧らしい地味な作品であるが、人種を超えて納得させられてしまうような映画であった。それにしてもあの太っちょの女の子の演技力は大したものである。


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2020年9月 9日 (水)

怪物の森

Kaibutu

★★
製作:2014年 米国 上映時間:89分 監督:リヴィンストン・オーデン

 ネットの評価がかなり低いのは分かっていた。ただ最近評価の低いB級映画を数本観たところ、意外と面白かったため、油断があったのだろう。またもともとB級怪物ホラー映画ファンなので、出来の良いチラシに釣られてしまったのかもしれない。
 曾祖父・祖父・母親と引き継がれて所有している森。その中で怪物が引き起こす惨劇の連続。その謎めいた一家の歴史を探る青年・ジェームスが主人公である。

 時代に応じて、モノクロ・モノトーン・カラー映像と変化してゆく。そこにも怪物は登場するものの、素早く動いたり、爪だけだったりでほとんど正体不明のままだ。この怪物の全貌が明らかになるのはラスト5分前だけ。それがなんと、まるで「黄金バット」じゃないの、苦笑・苦笑・苦笑・余りにもチープ過ぎて泣きたくなってしまった。
 全く怖くないし拍子抜けだよ。怪物以外に見どころのない退屈な映画のくせに、これでは余りにも酷過ぎるぜ!。眠気に堪えながら我慢を重ねた1時間半。その結果がこの仕打ちでは、観客は全く報われないではないか。トホホホホ…。

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2020年9月 6日 (日)

ザ・モンスター

★★★

製作:2017年 米国 上映時間:89分 監督:ブライアン・ベルティノ
 
 母と娘が深夜に車で移動中、森の中で何物かにぶつかって車が故障してしまう。最初は狼かと思ったら、どうやら気味の悪い怪物が近くに潜んでいたのである。
 すぐに携帯でレッカー車と救急車を呼ぶのだが、レッカーはすぐ来たものの、救急車のほうがなかなか到着しない。そしていつの間にか、車の下に潜って修理していたレッカーの運転手が消えている。

 本作は怪物映画の常道である「その気にさせるだけで、なかなか怪物が姿を見せない」、「画面が薄暗くて、怪物の姿かたちがはっきり見えない」、「怪物に一人一人殺され、最後に主人公だけが残る」の全てを踏襲している。従って多分明るくするとチンケであろう怪物の姿も、ギリギリセーフに留まっているのであろう。

 低予算のB級ホラー映画であることは間違いないのだが、母娘二人の演技だけは秀逸だ。そしてアメリカを蝕む離婚とアル中の親に巻き込まれた子供の悲哀も織り込んでいるところは、B級を凌いでいる感があった。
 ただやはり脚本に難があり、前述した良い面を生かし切っておらず、ラストもいい加減で中途半端だったのが非常に惜しまれる。もしかすると「モンスター」とは、森の怪物のことではなく、役立たずの親や大人たちのことを揶揄しているのだろうか。

評:蔵研人

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2020年9月 4日 (金)

ビューティー・インサイド

★★★★

製作:2015年 韓国 上映時間:127分 監督:ペク

 男子高校生のキム・ウジンは、18歳の誕生日の朝に目覚めると、自分の顔が全くの別人に変わっていた。そして翌日からは、毎日目覚めるたびに別の顔に変化するのだった。
 もちろんイケメンになる場合もあるが、ブ男になってしまうこともある。それどころか女になったり、老人になったり、子供になったり、外人になったりとハチャメチャなのだ。だから自分自身でも、写真を保存しておかなければ思い出せない。
 
 この不思議な現象を知っているのは母親と親友サンベクの二人だけである。だからウジンが選択した職業は、ネット販売の家具デザイナーであった。これなら誰とも逢わなくて済むので、怪しまれることもない。
 毎日退屈な日々が過ぎてゆくのだが、ある日家具店で働く美しい女性に一目惚れしてしまう。そしてイケメンで目覚めた日に、彼女にデートを申し込むのであった。

 それにしても、ウジン役として老若男女123名の俳優が演じているのだが、その中の一人に上野樹里ちゃんまで含まれていたのには驚いてしまった。きっと彼女は韓国で人気があるのだろうね。
 しかし映画だから笑って済ませられるけど、もしベッドを共にして翌朝目覚めると、隣に見知らぬブサイクなおじさんがいたとしたら「ギャー!!!」間違いなしだよね。いくら心は同じ人と言ったって絶対に無理に決まっている。
 そして映画の中で彼女が言った通り、親類や友人にどう説明したらよいのか、二人の間に産まれた子供はどうなるのか。などなど問題は山積みであろう。

 だからこの作品の中盤ころから、どのような結末で締めくくるのかが気になって堪らなくなってくる。しかしハッピーな結末は良いとしても、余りにも平凡で素直過ぎる幕引きには、多少拍子抜けしてしまった…。もともとが荒唐無稽な話なので、もっと想像を絶する捻りの利いたラストで締めくくって欲しかったのだ。

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2020年9月 1日 (火)

アメリカン・ヒーロー

★★★

製作:2015年 米国 上映時間:86分 監督:ニック・ラヴ  

 ネットでの評価がかなり低いのを承知でレンタルしてみた。一番の問題は主人公が超能力者、と謳いながら『アメリカン・ヒーロー』という派手なタイトルをつけたことだろう。だから誰でも、アメコミ・ヒーローものを期待してしまう。そしてそれを期待してしまった人にとっては、「ふざけるな!」と一喝されてしまうのである。

 また前半はアルコール・ドラッグ・セックス依存症の落ちこぼれ親父のセミドキュメント仕様に染まっていて、ほとんど超能力も使用しない。そしてやっと超能力を駆使する段になっても、世界観が非常に狭いのだ。活躍するのは小さな町中だけだし、退治するのもヤクの売人だけというミニストーリーでチョン。

 まあネットの悪評ほどつまらない映画ではないし、こうしたパターンのヒーローものもたまには良いじゃないの。ただ続編が出ても絶対に観ないけどね、ははは・・・。つまり本作のテーマは、「どんなバカな父親でも、息子にとってはヒーローなのだ」ということかな。

評:蔵研人

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2020年8月30日 (日)

星空

★★★★
製作:2011年 台湾 上映時間:99分 監督:トム・リン

 なんと原作が絵本だという。それでメルヘンチックな美しい映像と音楽で紡がれているんだね。とても優しくて心温まる映画である。またエンディングクレジットで、絵本の各シーンが流れてくると、それぞれの実写シーンも蘇ってくるではないか・・・。

 幼いころ祖父母と暮らしていた少女シンメイのお話である。
 優しくて大好きだった彫刻家の祖父が他界し、美術商の両親は離婚してしまう。とうとうシンメイには、居場所がなくなってしまった。そんなおり父親のDVから逃げ回って、引越し繰り返す少年ユージエが転校してくる。互いに事情を抱える二人は自然と心が通じ合い、美しい星空を見るために旅に出るのだった。

 タイトルが『星空』だけあって、自然の中で仰ぐ星空の美しいこと!。少年少女の淡い恋心も美しい。そして成長したシンメイはもっと美しい。さらにラストも観るものの想像力を膨らませ、余韻を残しながらの締めくくりも実に美しいよね。

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2020年8月28日 (金)

ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~

★★★★

製作:2017年 米国 上映時間:92分 監督:スコット・スピアー
 
 2006年に製作された邦画『タイヨウのうた』をハリウッドでリメイクした難病・ラブストーリーだ。そもそも私は、難病ラブストーリーは、お腹一杯で苦手である。だがXP(色素性乾皮症)という病に興味を持ち、本作を鑑賞することにした。

 なおXP(Xeroderma Pigmentosum)という病は、強い光線過敏が皮膚に生じ、進行性の重い神経障害が生じる稀な病気で、日本には約500人の患者がいると言われている。原因遺伝子は明らかになったが、根本的な治療法は未確立で、特に神経障害については発症機構が全く分かっていない。
 そしてXPの患者は、紫外線に当たって壊れたDNAを修復する能力が極めて低いため、陽の光にあたって皮膚がんになる確率が、健康人の約2000倍といわれているのだ。そのため幼い頃から生涯にわたり、季節を問わず、厳重な紫外線遮断が必要になる。

 本作のヒロイン・ケイティもXPを患っていて、少女時代からずっと昼間は外出できなかった。また彼女には幼いころから、唯一親友のモーガンが付き添ってくれたのだが、年頃になるとだんだん男性に興味を持つようになる。
 幼いころに母親を亡くしたケイティは、日中は写真家の父親と二人でずっと家にこもっていた。そして夜しか外出できない彼女のたった一つの楽しみは、毎晩駅前でギターを弾きながら歌うことだった。

 そんなある晩、ケイティはチャーリーという青年と出逢うのである。そしてこれが運命的な出逢いとなるのだった。このチャーリーを演じたのが、なんとあのシュワちゃんの息子パトリック・シュワルツェネッガーで、シュワちゃんより男前で、それとなく若き日のシュワちゃんを髣髴させる雰囲気を持った好青年であった。

 それにしても、この作品の登場人物全員が良い感じで、不思議なくらい悪者が登場しない。ラストはお約束で、ホロリとさせられるが、とにかくラジオから流れる歌が良かったね。

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2020年8月25日 (火)

信長協奏曲

★★★☆

製作:2016年 日本 上映時間:125分 監督:松山博昭

 原作は石井あゆみの描いたマンガで、第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞している。その後テレビアニメと実写テレビドラマを経て、実写映画化されたものである。

 ただ本作映画版はTV実写ドラマの続編として製作されているため、出来れば先にTVドラマを観ておいたほうが馴染み易いだろう。また原作がいまだ連載中のためか、アニメは10話で途中終了している。
 さらに映画のほうは完結したものの、原作とはキャラの個性や性格がだいぶ異なっている。原作が終了していないため何とも言えないのだが、もしかすると結末は原作とは違っているのかもしれない。

 前置きが長くなったが、あらすじを簡単にまとめると次のような展開になる。
 小栗旬が扮する歴史が苦手な高校生サブローが戦国時代にタイムスリップし、織田家を逃げ出した本物の信長と遭遇。二人はまるで双子のように瓜二つだったため、信長の希望で入れ替わることになる。

 あとは歴史通りのストーリーをコミカルに描いて行くのだが、明智光秀と羽柴秀吉の扱い方が歴史とは大きく異なってくる。またサブローのほかにも、未来からタイムスリップした男が数人登場する。それが誰なのかは映画を観てのお楽しみとしておこうか。
 本作は歴史ものとしてはやや物足りないし、突っ込見所も多かった。だが、のほほんとしたお人好しの信長をはじめとして、歴史観とは一風異なるキャラの性格づけが楽しい作品と言えるだろう。
 

評:蔵研人

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2020年8月23日 (日)

ハッピー・デス・デイ

★★★★

製作:2017年 米国 上映時間:96分 監督:クリストファー・ランドン

 笑う坊やのようなマスクを被った殺人鬼に、何度も繰り返し殺される誕生日。あの名作『恋はデジャヴ』を、ホラー版に改変したようなタイムループ映画である。

 毎晩飲んだくれて、いろいろな男とすぐ寝てしまう悪たれ女子大生のツリーが、二日酔いで目覚めると、見知らぬ男のベッドの中であった。彼カーターは、酔い潰れたツリーを親切に介抱してくれただけなのだが、彼女はお礼も言わずに不快感を抱いたまま帰宅する。
 そしてその夜、誕生パーティーに出かけるのだが、途中でベビーマスクに襲われて殺されてしまう。その瞬間に、目が覚めるのだが、そこはまたカーターの部屋のベッドの中だったのである。

 ツリーはなんだか奇妙な気分のまま、父からの電話を無視 カーターの友人とドア前で会う サングラスの男と環境保護活動家に遭遇 スプリンクラーの吹き出す水 車のクラクションの音 集会で一人の男が倒れる ティムになぜメールの返信をしないのかと問われる 家の前で女の子に挨拶される 一階で友人に朝帰りを咎められる 同室の女性に誕生ケーキを貰う

 このあとやはり殺人鬼に別の方法で殺されるのだが、ここまでは生還したあとに何度も繰り返されるのであった。彼女に不快感を持っている者は数知れないが、なぜ殺されなくてはならないのか、犯人は一体何者なのか、またどうしてデジャヴのようにループが続くのだろうか。
 興味津々の中、テンポよくストーリーが流れてゆく。そしてやっと犯人を探し当てて葬ったのだが、なんとあの忌まわしいループは終わっていなかった・・・。

 そしてラストのどんでん返しに繋がってゆくのである。主人公は性悪女で感情移入し難いし、ストーリー的にもかなり雑な部分があり、突っ込見所も多い。だが・・・と言うより、だからこそテンポよく、お気楽に楽しめたのかもしれない。またホラーと言っても、コミカルホラーなので、ホラーが苦手な人でも安心して観ることができるだろう。
 なお本作の続編『ハッピー・デス・デイ 2U』もDVD化されているようである。こちらはSF色が濃くなって、タイム・ループの謎も解明されるようなので、絶対にレンタルしてみたいね。

評:蔵研人

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2020年8月21日 (金)

アクトレス ~女たちの舞台~

★★★☆
製作:2014年 フランス・ドイツ・スイス 上映時間:124分 監督:オリヴィエ・アサイヤス

 原題は『SILS MARIA/CLOUDS OF SILS MARIA』で、「シルス・マリア」というスイスの美しい山岳地帯の地名のことである。本作はその美しいスイスの風景を背景に、大女優の光と影を描いた女性向けの映画である。

 劇作家ヴィルヘルムの代理で、列車に乗って映画賞授与式に向かう大女優のマリア。だが列車内で、ヴィルヘルムが突然死したことを知る。
 死んだヴィルヘルムには『マローナのヘビ』という戯曲があり、若き日のマリアはそれに出演し、女優としての確固たる地位を築いたのだった。それから20年が過ぎ、リメイクされるその戯曲の脇役としての出演を彼女は承諾してしまう。その後役柄に不満を持ち、降板を希望するのだが、契約上それは無理な話であった。

 諦めたマリアは秘書と二人で、シルス・マリアにあるヴィルヘルムの家で、暮らすことになる。そこでは「マローナのヘビ」と呼ばれる渓谷があり、まるで大蛇のように動く奇妙な雲を観ることができるのだ。

 主な登場人物は、主役のマリアと秘書バレンティン、そして新進女優ジョアンの三人の女性たちである。マリアは離婚調停中であり、かつ女優としての旬の輝きを失ったことに淋しさを隠しきれない。またバレンティンは、マリアの拘りや頑固さに辟易し、そろそろ秘書を辞めたいと悩み続ける。
 そして自由奔放なジョアンは、作家と不倫関係を結んだため、作家の妻が自殺未遂を謀り、パパラッチに追いかけられる羽目に・・・。だが翌日はケロッとして、そんなことにも一切気にかけず、地のままに振る舞い、マリアの助言さえ無視する横柄さが復活する。

 三者三様、老いと成熟の狭間、若さと美貌を武器にして、男性たちを翻弄していたはずだったのに、いつの間にか男性たちから見向きもされず、なんと今は若い女性たちに翻弄される身になってしまったのだ・・・。それでもラストシーンでのマリアの表情は負け犬のものではなく、やっとなにかを乗り越えた心の成熟を示唆するようであった。
 
評:蔵研人

 

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2020年8月19日 (水)

オーケストラ・クラス

★★★★
製作:2017年 フランス 上映時間:102分 監督:ラシド・アミ
 
 挫折した初老のバイオリニストのシモンは、音楽講師として小学6年生にバイオリンを教えることになる。気難しく子供が苦手な彼は、わんぱく盛りでバイオリンを全く知らない子供たちに辟易する。だが子供たちは、次第に音楽の魅力に気付き始め、シモンもまた子供たちとの交流にやりがいを感じ始めるのだった。

 最初は全くバイオリンを弾けなかった子供たち。それが最後にはコンサートで拍手喝さいを得るまでに成長する。と言ったよくあるストーリーであり、特に斬新さは感じられないのだが、ただ単に子供たちがバイオリン上手になるというだけの話ではない。
 子供たちが成長すると同時に、講師のシモン自身も迷いや葛藤を払いのけて成長していくのだ。大人が悪ければ子供も悪くなり、大人が良くなれば子供も良くなるものである。

 地味なフランス映画であるが、一つずつ淡々と静かに積み上げてゆく雰囲気に惹かれた。ただアーノルド以外の生徒の話も挿入したら、もっと完成度の高い作品になっていたはず。良作だが、あと一息だったね。
 

評:蔵研人

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2020年8月16日 (日)

タイム・トラップ

★★★☆
製作:2017年 米国 上映時間:87分 監督:マーク・デニス  ベン・フォスター
 
 数十年前に失踪した両親を捜すため、考古学のホッパー教授が、『若返りの泉』があるという秘密の洞窟の中に侵入する。だが彼もまた、そのまま消息を絶ってしまうのである。
 その教授を探すために、ゼミ生であるジャッキーとテイラーは、友人のカラと少年少女2人を伴って、洞窟を探索することになる。だが彼等もまた教授同様、ミイラ取りがミイラになってしまうのだった。
 
 その後カラが一人でなんとか崖をよじ登って、洞窟の外に這い出すことが出来る。ところが周囲の風景は、見たこともない異常風景で空気が汚れているし、SOS用のGPSビーコンも全く通じないのだった。この間約30分経過、それで彼女は仕方なく洞窟内に戻るのだが、洞窟内部では2秒しか経過していないという。

 つまり洞窟内部は時間がゆっくりと流れていて、外の世界では数百年の時が流れ、地球滅亡寸前の未来に変化していたのである。そして彼等がその事実に戸惑っていると、宇宙服のようなものを身にまとったプレデターのような者が洞窟内に降りてくる。びっくりして洞窟の奥に逃げると、今度は原始人が襲って来るのだった。

 とまあこのあたりの展開は、もうハチャメチャで何が何だか分からない。結局、浦島太郎になってしまった彼等であるが、ラストは何の説明もなく意味不明のまま、なんとか全員無事でハッピーエンドを迎えることが出来る。だが果たして、本当にめでたしめでたし、なのかは誰にも分からないのだ・・・。実に奇妙な作品であるが、上映時間が短かったせいか、途中飽きもせずなんとか最後まで観ることが出来たのは幸せであった。


評:蔵研人

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2020年8月14日 (金)

アンダー・ザ・ウォーター

★★★☆
製作:2017年 スウェーデン、デンマーク・フィンランド 上映時間:88分 監督:マックス・ケストナー

 珍しい北欧発のタイムトラベル系SF映画である。未来社会は薄暗いし全般的に地味で難解な映画なので、ハリウッド系のSF映画を期待すると失望するかもしれない。だが海に浮かぶタイムマシンや、未来に残る者と過去に跳ぶ者に分身するという発想は、いまだかつてなかったので新鮮に感じた。

 2095年。海面上昇で大陸は海に飲み込まれている。動植物は塩病にかかり絶滅していた。真水はぜいたく品である。今や時空移動が可能な時代。ただし実行できるのは量子網分離官(QEDA)だけである。彼らは2人に分裂でき現在と移動先とで繋がり合うのだ。

 という前置きでこの物語は始まる。主人公のファン・ルン大尉は、国防省の科学防衛の責任者である。時空移動を廃止するのが彼の任務だったが、秘密裏に量子網分離官(QEDA)となりふたりに分裂し、その一方が2017年へ時空移動を行った。その目的は海水を淡水化する研究データを持ち帰り世界を救うことであった。

 2017年で海水を淡水化する研究をしていたのは、モナという女性だった。ところが、なんと彼女は「ファン・ルンの妻の曾祖母」であった。そして彼女は飛行機事故に巻き込まれ、研究データも消えてしまうことになっていた。それでその前に、研究データの在り処を見つけて、それを未来に送るためにファン・ルンの分身がやって来たのだ。

 分身はそれなりに成果を上げるのだが、約束の時間を過ぎても未来に戻ってこないし、連絡も取れなくなってしまう。それに焦れたファン・ルンは、上司の反対を無視して、自らが2017年に時空移動をするのである。そこで彼が知ったことは・・・。

 なかなか見応えのある瑞々しい作品なのだが、一つだけはっきりしない部分がある。2017年に住む女性研究者モナのことである。本ブログでは、あえて彼女を「ファン・ルンの妻の曾祖母」と記したのだが、ネット評論の大半はなぜか「ファン・ルンの祖母」と説明しているのである。78年前だから、主人公とモナが同年代とし、約80歳の年の差があると考えれば、曾祖母と考えたほうがノーマルであろう。

 また映画の中では主人公がモナを見て、「お前のひいひいばあさん」とつぶやいているのだが、これも辻褄が逢わない。そしてお前のの、「お前」とは「妻よりも自分自身」を指しているように取れるので、モナのことを「ファン・ルンの祖母」と勘違いした人が多いのだろうか。
 ただそれだとモナとその娘が亡くなった瞬間にパラドックスが生じて、ファン・ルン自身も消失してしまうはずである。ところがファン・ルン自身はそのまま生き残り、自分の娘が描いたタトゥーだけが消えたのである。

 ということは、モナは「ファン・ルンの妻の曾祖母」でなければおかしいということになる。またラストシーンで、主人公が帰る場所がないと嘆いている。つまり帰りを待つ妻も娘も存在しないからである。
 さらにもしモナが自分自身の祖先なら、性的関係を結ぶはずもない。もしかすると「お前のひいひいばあさん」という字幕は、翻訳ミスだったのかもしれないね・・・。

評:蔵研人

 

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2020年8月12日 (水)

ハプニング

★★★

製作:2008年 米国 上映時間:91分 監督:M・ナイト・シャマラン

 ジャンルとしては、サスペンス、ホラー、スリラー、パニックを足して平均化したような映画である。監督がM・ナイト・シャマランということで、期待感を持ってレンタルして観たのだが、いまひとつ出汁の効かないスープのような作品で、のめり込むことが出来なかった。

 ある日突然セントラルパーク周辺で異常現象が勃発。なぜか人の動きが急に止まったかと思うと、大勢の人々が原因不明の自殺をし始めるのである。はじめ政府はテロリストの攻撃と判断し、近隣の人々に避難要請を発動する。
 そこで主人公の高校教師エリオットは妻のアルマを伴って、親友ジュリアンとその娘ジェスの4人で列車に乗って逃避するのだった。ところが列車は目的地まで行かずに、途中の田舎駅で停車したまま動かなくなってしまうのである。

 ここまでは、これから先一体どうなるのかという不安と、なぜこのような現象が起こったのか、という疑問で興味津々となるのだが、この後が全くストーリーになっていないのだ。急に創作意欲がなくなってしまったのか、アイデアが枯れてしまったのか、その失速ぶりが凄まじい。
 
 また親友ジュリアンとその娘ジェスも含めて、殆どの登場人物の役割が無意味だし、妻アルマが抱える葛藤についての説明も全くない。そして不可解な自然現象についても、植物から人間への攻撃ということだけを匂わせるだけで、結局は「神の啓示」ということで括り、無理矢理終わらせてしてしまった。それにしてもなんと中途半端で、味の悪いエンディングであろうか・・・。

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2020年8月10日 (月)

幕末高校生

★★☆
製作:2013年 日本 上映時間:108分 監督:李闘士男

 高校生の男女三人と女教師の4人が、幕末の時代にタイムスリップするSFコメディーである。なお幕末と言っても、彼等がタイムスリップしたのは、ちょうど勝海舟と西郷隆盛が話し合いをする前の数日前で、戦争か江戸開城かの選択を迫られている歴史的瞬間であった。
 こう記すと、いかにも格調高いストーリーのようだが、実は勝海舟はギリギリまで何もしない怠け者だった。そして西郷隆盛と話し合えるのかダメなのか、ギリギリまでイライラさせる展開を、おバカタッチで大真面目に描いている。
 
 主な出演者は勝海舟に玉木宏、西郷隆盛に佐藤浩市、女教師に石原さとみ、その他千葉雄大、川口春奈、柄本明、伊武雅刀、石橋蓮司などそうそうたる俳優陣を配している。また江戸のCGや武家屋敷のセットなどもしっかり揃えてあり、それなりの製作費を消費した跡が見受けられる。

 ところがなぜか全然面白くないのである。まずおバカを前面に出し過ぎたためか、人物像が薄すぎて全員がバタバタしているだけなので退屈感が拭えない。またおバカなら、おバカに徹すればよいのだが、真面目とおバカが調和せず中途半端で空回りしているのだ。
 そしてせっかく未来からタイムスリップしてきたのに、車も一切使わないし、歴史にも触れないので、全くタイムスリップの意味がないし、どんでん返しらしきものもほとんどなかった。結局は脚本の大失敗なのだが、実にもったいない創り方をしたものである。


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2020年8月 7日 (金)

新プレデター 最強ハンター襲来

★☆
製作:2015年 カナダ 上映時間:84分 監督:アダム・マッシー

 余りにも低すぎるネットの評価にたじろいだが、怖いもの見たさで敢えて挑戦してみた。原題は『MAN VS. 』のだが、なんと邦題はかなり図々しいし破天荒である。ただ登場する怪物が宇宙からの侵略者であり、人間狩りをして皮を剥いでいるところは、まさにプレデターに違いない・・・(苦笑)

 登場人物は5人+アルファだが、孤島に一人置き去りにされている主人公の独り芝居が90%なのだ。また全編が森の中のロケであり、怪物のCG以外は殆ど金のかかっていないC級SFホラー映画である。さらに最大の売りである怪物が登場するのは、ラスト15分前であり、その登場時間も僅か3分間程度なのだ。
 それにしても、余りにも弱過ぎる怪物。なるべくCGシーンを少なくして、なんとしても製作費を抑えようというスケベ心が見え見えであった。

 結局のところ、終盤までのほとんどが時間稼ぎで構成されており、まっとうに創れば30分で十分の映画ではないだろうか。とどのつまりは、ネットの酷評が正しかったことを確認しただけで、無駄な時間を費やしてしまった。

評:蔵研人

 

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2020年8月 4日 (火)

5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~

★★★★
製作:2017年 ドイツ 上映時間:111分 監督:マルク・ローテムント

 ドイツ人の母とスリランカ人の父の間に産まれたサリヤの夢は、一流のホテルマンになることである。だがある日突然目の前のものがぼやけて見えるようになり、検査の結果『先天性網膜剥離』と診断されてしまう。そのまま放置すると失明すると宣告され、すぐに手術に応じるのだが、術後の視力はそれまでに比べて5%しか維持されなかった。

 それでも彼はホテルマンになる夢を捨てきれず、視覚障害があることを隠してミュンヘンの5つ星ホテルの研修生になる。ただ現実は彼の考えているほど甘くはなく、数々の失敗を重ねながらも、親友になった同期生と助け合いながらなんとかクリアしてゆくのだった。
 暫くは順調な日々が続くのだが、借金を残して逃げた父親の後始末、恋人との頻繁なデートなどの疲れから、決定的な失敗を犯してクビになってしまう。また視覚障害を隠して、恋人の息子を危険な目に合わせたため、恋人からも見放されるのだった。なにもかも、全ては彼が他人の意見を聞かずに、嘘をつき続けて無理を重ねた罰だったのかもしれない。

 本作は実話をもとにして創られた映画だと言う。それにしてもホテルマンは、フロントで客と折衝することだけが仕事だと思っていたのだが、とんでもない誤りだった。実務研修では料理、ベッドメーキング、ウエイターなど、一応いろいろな仕事を身につけさせるんだね。
 それにしても殆ど目が見えない状況での、肉のスライスやグラス運びなどなど、恐ろしくてとても観ていられなかった。映画だからかなり脚色されていたと思うのだが、実際にはどの程度の研修をやりこなせたのか気になるところである。

 久し振りに観たドイツ映画であるが、主役がインド系の顔つきなのでドイツ映画という感覚がまるでなかった。だが正直で真面目で前向きな主人公に加えて、全ての登場人物が彼に好意的で優しくて良い人たちばかりの、ハートフルで温かみのある映画であった。

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2020年8月 2日 (日)

EMMA/エマ 人工警察官

★★★★

製作:2016年 フランス 上映時間:116分 監督:アルフレッド・ロット

 簡単に言えば、フランス製の女性版『ロボコップ』である。ただ本作のロボット警官・エマは、容姿端麗で、身体能力の高さだけではなく、圧倒的な知識量と的確な分析力を兼ね備えている。
 従ってアクションシーンよりも、犯罪の分析やデーターの解析などで驚かせるシーンが中心となる。そこが単純なアクションものとは一線を課していて、なかなかユニークな仕上がりだと感じた。ただ逆にアクションシーンに期待すると、期待外れになるので、予め理解しておこう。

 本作では、犯人逮捕までのストーリーが二話収められており、映画と言うよりはテレビドラマのような創り方になっている。また女性ロボットであっても、色気は全くゼロでエロいシーンも一切登場しない。まさにTV仕様である。と思って調べたら、本作はフランスのテレビ局で連続ドラマ化を目指したパイロット版だったらしい。ただ残念ながらGOサインが出ずに、本作だけで打ち切りになったようである。実にもったいない気がするのだが・・・。

評:蔵研人

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2020年7月31日 (金)

サニー 永遠の仲間たち

★★★☆
製作:2011年 韓国 上映時間:124分 監督:カン・ヒョンチョル

 一流会社に勤める夫と、反抗期を迎えた高校生の娘イェビンの3人暮らしをしているイム・ナミ。実母が入院したと聞いて、病院へ見舞いに行く。その帰りに別の病室の入り口で「ハ・チュナ」という名札を見つけるのである。その名は高校時代の同級生の名と同じであった。

 実はチュナはガンに侵され、余命2か月と宣告されていた。ナミはチュナに何かして欲しい事はないかと尋ねる。するとチュナは、25年ぶりに『サニー』のメンバーと会いたいと言うのだ。サニーのメンバーとは、チュナが女番長格だった時の7人の仲間たちのことである。そしてここから物語は、過去と現在を行ったり来たりしながら、サニーのメンバー探しが始まるのである。

 高校時代と中年時代のサニーのメンバーたちは、全員別々の女優が演じているのだが、それにしてもよく似た女優たちを集めたものである。本作は女性版『スタンド・バイ・ミー』のような風味に加え、メンバー7人のミニ群像劇タッチの構成も面白い。ただマンガのような雑な演出が目立ったのが少し残念だったが、ラストのダンスシーンと音楽は実に素晴らしかったね。
 
 なお本作の日本版リメイク版として、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』という作品が2018年に製作されているという。私自身はまだ観ていないのだが、もしかすると25年前の懐かしい日本の風景と、馴染みのある日本の女優が演じる映画のほうが、日本人には感情移入しやすいかもしれない。機会があれば是非レンタルして、本作と比較してみたい気分である。


評:蔵研人

 

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2020年7月29日 (水)

メモリー First Time

★★★
製作:2012年 香港、中国 上映時間:103分 監督:ハン・イエン
 
 中国映画というより韓国映画という雰囲気である。難病もののラブストーリーで、中盤あたりでもうお腹が一杯だと感じ始めたのだが、後半になって「おやっ」と思うところがあった。なんと邦画の『カメラを止めるな!』と同様の『種明かし映画』ではないか!。従って公判では、前半に起こった出来事の裏側を順番に暴露する展開となる。

 ただこの映画はそれで終わりではなく、そこからもう一度本当のラブストーリーが始まるのである。さらにその先には切ないエンディングと、どんでん返しが待っているのだが、途中から全てが見え見えで退屈感を拭い切れなかった。
 ネットでの評価が高かっただけに、かなり期待して観たのだが、いまひとつ盛り上がりに欠けていて、自分には全く感情移入できなかったのが残念である。またそろそろ終わりかな、と思わせてなかなか終わらないラストもくど過ぎるよね・・・。

評:蔵研人

 

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2020年7月27日 (月)

10クローバーフィールド・レーン

★★★☆
製作:2016年 米国 上映時間:103分 監督:ダン・トラクテンバーグ

 家出して夜の田舎町を運転中に、スマホに気を取られるミシェル。そして何者かに追突され車が横転し、そのまま意識不明になってしまう。
 気が付くと地下牢のような場所で半裸にされ、点滴を打たれているミシェル。そして太腿に巻かれた革ベルトのようなものと手錠で、壁に繋がれているのだった。やっと意識を取り戻したミシェルがもがくのだが、どうにもならない。するとそのとき扉の鍵が開き、気味の悪い太った中年男が入って来るのだった。

 そこは地下シェルターで、外はエイリアンに侵略されて、誰も生きている者はいないと言う。また放射能で外気は汚れているため、数年間は外に出ることも出来ないのでここに居ろと言われる。嘘くさい話だが、もう一人監禁状態の男に、それは真実だと説得されるが、気分が悪くなるばかりで信じられないのだ。

 それにしても、主役のミシェルという女性は、どうしても中年男を好意を持てず信じられないようだ。この中年男はルールさえ守っていれば、乱暴もしないし思いやりもあるし、嘘ばかりついている訳でもない。それに地下シェルターには、食べ物も娯楽もあるのだが・・・。なぜ何度も危険を冒すのだろうか。どうも彼女は、この中年男にアレルギー感を抱いてしまうようである。

 登場人物は3人+1人+1匹と言えば良いのだろうか。あの『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編だと思っていたら、どうも趣が異なるようだ。ただ圧倒的なパワーを駆使する謎の生物が地球を襲い、人類を破滅へと導くという世界観だけが、前作と共鳴しているように感じるのである。
 
 ところが、少なくとも序盤から終盤まで、ずっと前述の監禁劇が延々と続いて行き、まさにC級ホラー映画そのものなのだ。この状態からやっと逃れたラスト15分前から、突如『クローバーフィールド/HAKAISHA』の世界とリンクしてゆくのである。そしてミシェルが、なんと「リプリー」に変身だぁー。
 それにしても、サイコパス、猟奇趣味、SF、怪獣などがごちゃ混ぜになった怪作であり、評価者泣かせの作品である。しかしながら、ワクワクドキドキ、謎の解明と、最後まで興味深く観ることが出来たのは拾い物かもしれないね。

評:蔵研人

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