新しい人生のはじめかた

★★★☆

製作:2008年 米国 上映時間:93分 監督:ジョエル・ホプキンス

 原題は『LAST CHANCE HARVEY』、ハーヴェイはダスティン・ホフマン演ずるところの主人公の名前である。つまり単純に訳すと『ハーヴェイのラストチャンス』ということになる。またそのラストチャンスとは、仕事ではなくエマ・トンプソン演じるところのケイトとの老いらくの恋である。
 この映画の製作時には、ダスティン・ホフマンが70歳、エマ・トンプソンが49歳なのだが、ダスティン・ホフマンは10歳近く若く見える、逆に小太り気味のエマ・トンプソンは50代のおばちゃんに見えてしまった。もう少しダイエットすれば素敵な女優さんなので、それだけがちょっぴり残念でたまらない。

 離婚した妻との間に産まれた愛娘の結婚式に出るために、ロンドンにやって来たニューヨークのCM作曲家ハーヴェイ。そしてなかば人生を諦めて、気楽に生きることを選んだケイト。本作は空港のバーで偶然知り合った二人の心温まる交流をしっとりと描いている。
 ロンドンの美しい風景をバックに、年齢を重ねた二人の男女の葛藤と希望を、明るく爽やかに演じたダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンに拍手・拍手。長過ぎず短すぎず、悪人が一人も登場せず、濃厚なラブシーンも一切なしの「大人のラブストーリー」と言ったところであろうか・・・。

評:蔵研人

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2020年7月 1日 (水)

初恋ロスタイム

★★★

製作:2019年 日本 上映時間:104分 監督:河合勇人

 仁科裕貴の同名小説を原作にしたファンタジーロマンス作品である。主人公:相葉孝司は、ある日突然時間が止まるという現象に遭遇してしまう。ところが公園内で自分以外にもう一人、時間の動いている女子高生:篠宮時音に出会うことになる。時間が止まるのは、いつも12時15分から1時間だけであり、二人はこの1時間を『ロスタイム』・・・おまけの時間と命名した。

 そもそも孝司は何事にも消極的で、すぐに諦めてしまう無気力浪人生なのだが、時音と出逢ったことで少しずつ気持ちが変化してゆく。だが時音と逢えるのは、いつも時間が止まった1時間だけだった。それで孝司が「時間の動いている時にも逢おう」と提案すると、なぜか時音はあっさり断ってしまうのだった。そしてもう逢えないというのである。

 ここまで観て、これは面白そうな映画だと直感したのだが、残念ながらその後の展開が実に退屈であった。彼女が逢えないと断った理由は、ウィルソン病という難病に侵されて、あと半年しか生きられないからだったのである。
 なんとこの辺りから急にファンタジーロマンスが、難病ラブストーリーにチェンジリングしてしまったのだ。難病ものと言えば古くは、『愛と死を見つめて』、『ある愛の詩』、『世界の中心で、愛をさけぶ』などなど、もうお腹が一杯でこれ以上は食べたくないのである。

 また時々登場する竹内涼真が演じる青年医師の正体が、孝司が成長した姿なのかと思い込んでいたら全く別人であり、何気に拍子抜けしてしまった。そして彼と彼の妻は、孝司や時音と同じく「時間が止まる経験」をした過去を持っているというのだ。だこの青年医師:浅見一生は、映画だけのオリジナルで原作には登場していない。そして登場している意味も余り感じられなかった。

 それからせっかく時間が止まっているのだから、それを利用した出来事がトラックの事故回避だけだったのも淋しいよね。また私の好みかもしれないが、ヒロインがもう少し可愛いくて、逆に主人公がイケメンでなければ、もう少しのめり込むことが出来たであろう。だから本来大泣きするはずのラストシーンでも、なぜか一滴の涙も流れなかったのであろうか。

評:蔵研人

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2020年6月29日 (月)

マスカレード・ホテル

★★★☆
製作:2018年 日本 上映時間:133分 監督: 鈴木雅之

 東野圭吾原作のミステリーで、連続殺人事件の新たな現場になるとされたホテルを舞台に、キムタク演じる刑事と長澤まさみが演じるホテルのフロントクラークが犯人を探すという展開である。
 ホテルにはいろいろな客が訪れるが、有名人の不倫やストーカー、嫌がらせ客など様々である。だがホテル側はどんな客でもプライバシーは尊重しなくてはならないし、腹を立ててもいけない。

 そんなホテルでの人間模様やホテルマンとしての心構えなど、まるで蘊蓄映画といった趣きばかりで、いつまで経っても犯人は現れない。そして映像もホテルの中ばかり、従って気の短い観客は、この前半だけを観て席を立ってしまいそうだ。
 だからと言ってラストまで133分我慢していても、さほど面白くなるわけでも感動的なシーンを体感できる訳でもないのだ。しかし駄作と言うわけでもなく、それなりに完成度の高い作品と感じる人もいるだろう。なんだか摩訶不思議な感覚の作品なのである。

 さて犯人の正体にはあっと驚かされたものの、なんだかあれだけの犯行を実行するほどの動機を感じられなかった。またかなり凝り過ぎの感があり、小説ならともかく映像だけでは迷路のような複雑な犯行手法が分かり難い。
 さらにエンディングクレジットが流れる中での「アンコール的ラストシーン」には、賛否両論が渦巻そうでだ。何となく洋画のようでかっこ良いと思う人もあり、気取り過ぎてくどくてアホくさいと感じる人もいるだろう。
 いずれにせよあれだけの豪華俳優を集めたけど、133分は長過ぎたんじゃないの・・・。

評:蔵研人

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2020年6月27日 (土)

アイネクライネナハトムジーク

★★★☆
製作:2019年 日本 上映時間:119分 監督:今泉力哉

 人気作家・伊坂幸太郎の小説が原作である。舌を噛みそうな訳の分からない長ったらしいタイトルだ。アイネ・クライネ・ナハトムジークとはモーツァルトの曲で、ドイツ語で「小さな夜の曲」を意味するという。
 本作では仙台駅前でストリートミュージシャンが、ややスローテンポなギター弾き語りで「小さな夜」という曲を歌っている。そしてその場所こそが、主人公とその彼女との出会いの場所になっているという設定なのだ。

 なんとなく、三浦春馬が主人公で多部未華子がヒロインという感がある。だが実は三浦の先輩の原田泰造、友人の矢本悠馬・森絵梨佳夫婦、そのまた友人の貫地谷しほり・成田瑛基夫婦、さらには矢本悠馬の娘を演じた恒松祐里なども準主役と言える群像劇なのである。
 従ってじっくり観ていないと、置いてきぼりにされてしまいそうな作品なのだが、底辺に流れるテーマは共通しているようだ。つまり出逢いとは劇的とか偶然ではなく、どうやら強い絆で結ばれている誰かとは、自然に出逢えるようになっている。・・・ということらしい。

 何となくボーとした感じで、この2時間近い映画を観終わってしまったが、特に新しい発見もなく大きな感動も得られなかった。それにしても、伊坂幸太郎がラブストーリーを書くと、やっぱりこんな感じに仕上がってしまうのかな・・・。いずれにせよ全てがハッピーに締めくくられていて、作者の温かみを実感できた作品であったことは間違いない。ただ要になるボクシングシーンに、全く迫力を感じられなかったのが非常に残念である。
 
評:蔵研人

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2020年6月24日 (水)

僕のワンダフル・ジャーニー

★★★☆

製作:2019年 米国 上映時間:109分 監督:ゲイル・マンキューソ

 不安定な環境の中で生まれたCJの成長を見守るため、死後にも、モリー、ビッグドッグ、マックスと生まれ変わって、CJと出会うボスドッグ・ベイリーの犬目線ファンタジー作品である。2016年に製作された『僕のワンダフル・ライフ』の続編とのことだが、そちらはまだ未鑑賞なので、残念だが比較は出来ない。かなり評価が高いようなので、いずれ前作のほうも観てみようと思っている。
 
 犬の演技は素晴らしいし、犬物語としては面白かったのだが、人間のほうの話が今ひとつ盛り上がらなかったのが残念である。とは言ってもまさにアメリカンなハッピーエンドに涙がボロボロ、デニス・クエイドはまさにこうした役柄がピッタリだが、やはり年を取った感は否めない。主演の女の子がもう少し可愛いと良かったのにね・・・。少なくとも犬好きの方には、たまらなく感動的な映画であろう。
 

評:蔵研人

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2020年6月23日 (火)

トラフィッカー 運び屋の女

★★☆

製作:2018年 アイスランド 上映時間:91分 監督:ボクァ・シグソーソン

 珍しいアイスランドの映画で、コカイン密輸を企てる兄弟と運び屋の女の運命を綴るクライム・スリラー作品と言えよう。人間関係については余り深く描かれていないのだが、弁護士の兄、出所したばかりの弟、シングルマザーの運び屋の何れもが、金に窮していることだけは確かのようだ。
 
 コカインの運び方だが、数本の親指大カプセルに詰め込まれたコカインを、運び屋の女が無理矢理飲み込んで飛行機に乗る。そして空港を出たところで弟の車に便乗し、ホテルで用を足して大便と一緒に排出されたカプセルを弟が回収して兄に届けるという流れであった。

 ところがなかなか机上の計画通りに行かないのが現実である。無理に沢山のカプセル飲み込んだせいで、女が飛行機の中で苦しみ始めてしまうのだ。女は機内のトイレで吐いてしまうのだが、その吐瀉物の中に大事なカプセル3本混ざっている。慌てて拾い上げてポケットに入れて席に戻るのだが、到着した空港のトイレでポケットを探っても、カプセルは2本しかみつからない。どうやら1本は機内に落としてしまったらしい。

 女と同じ飛行機には、見張りとオトリ役を兼ねて弟も同乗していたのだが、用心深い兄に「空港を出るまでは絶対に女と接触するな」とくぎを刺されていた。ところが、到着した空港のトイレに入った女が、いつまで経っても出てこないため、兄の忠告を無視してトイレ中に入ってしまうのである。
 これらの行為は全て空港内の監視カメラに記録されており、その後に機内で発見された1本のカプセルとともに重要な証拠物件になってしまうのだった。

 ただ女がホテルのトイレですぐに排便していれば、弟がその中からカプセルを回収し、二人はそのまま別れて事件も未解決のまま終わったはずなのだが、なんと女は頑固な便秘に罹り、下剤を飲んでも3日間排便がない。それどころか増々体調を崩して病院に行きたがるのだが・・・。この状況に弟は中々解放されないし、兄のほうも焦り始める中、今度は敏腕の女麻薬捜査官が動き始めるのであった。

 良し悪しは別としていろいろと引き込まれる映画なのだが、自分が犯人になったようでストレスが溜まってくるし、吐瀉物や大便の不潔感が漂ってくるところが我慢ならない。さらにはもう少しで園子温監督の『冷たい熱帯魚』になりそうで、「それだけはやめてくれ!」と叫び出しそうになってしまった。
 そらにラストは予想外の展開で、かなり胸糞が悪くなるだろう。数人の悪い奴らが登場するものの、ちょっぴり心優しいところが見かけられた。ところが弁護士の兄だけは見かけと正反対の大悪人。これが現実なのかもしれないが、救われなさ過ぎるし実に後味の悪い映画だった。だからこそ、観客たちの評価も良くなかったのだろうか。

評:蔵研人

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2020年6月20日 (土)

少林寺2

★★★☆

製作:1983年 中国、香港 上映時間:102分 監督:チャン・シン・イェン

 あの本格的武術映画『少林寺』の2作目である。監督や主な出演者はほぼ同じなのだが、ストーリー的には前作と全く関連のない独立した話になっている。
 風光明媚で長閑な農村で、川を隔てて男ばかりの少林派の家と、女ばかり生まれる武当派の家が対立していた。ただ少林派の当主と弟は、それぞれ密かに武当派の長女と次女に恋している。だが頑固な武当派当主がなかなか認めてくれない。

 そんな折に近くに潜む山賊たちが、少林派への復讐と武当派の女たちを狙っていた。いがみ合っていた少林派と武当派であったが、共通の敵を倒すために協力することになる。
 単調で突っ込み所の多いストーリーだが、子供たちが楽しいし、牧歌的でほのぼのとした展開の中にも、ハラハラ・ドキドキさせてくれた。またラストの武闘シーンも見せ場が満載であったが、何と言ってもハッピーエンドなのが一番嬉しかった。
 
評:蔵研人

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2020年6月18日 (木)

12人の優しい日本人

★★★☆
製作:1991年 米国 上映時間:116分 監督:中原俊

 脚本が三谷幸喜と東京サンシャインボーイズと言うことで、舞台劇のような創り方になっているだろうと想像していたら、やはりその通りだった。従って舞台は一つだけの会話劇であった。
 タイトルからも連想できるが、陪審員制度をテーマにした米国映画『十二人の怒れる男』の日本版パロディーであり、陪審員として集められた12人の姿をコミカルに描いていた快作と言えよう。

 被告が若くて美しい女性で、被害者の夫が傍若無人な輩だったせいか、会議開始直後ほぼ全員一致で無罪ということになる。ところが全員が帰り始めると、余りにも呆気なかったためか、一人の男が急にもう少し話し合おうと異を唱える。そこからが議論が白熱し始めて、さらには有罪に傾く人が増え始めるのだが・・・。

 登場人物の中で私の知っている俳優は豊川悦司と林美智子だけなのだが、その他の俳優陣もなかなか個性的な演技派揃いである。最初は早く終わらせようとする人、事なかれ主義の人、議論のできない人、感情だけに走る人、空気の読めない人など、陪審員としては全く不適格な集団だった。
 ところが中盤以降は急に論理的に話が展開してゆくところがなかなか面白い。ただワンシーン作品なので、2時間近い上映時間に耐えられない人もいるかもしれないのでご注意。

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2020年6月15日 (月)

MONSTERZ モンスターズ

★★☆
製作:2014年 日本 上映時間:112分 監督:中田秀夫

 韓国映画『超能力者』のリメイク版。相手を見つめるだけで思い通り操作できる男と、それが全く通じない男(主人公)との戦いである。序盤から中盤にかけてはなかなか面白かった。ところが、元々韓国のオリジナルが駄作だったのか、本作の脚本と演出の失敗だったのか、中盤から段々つまらなくなってしまった。と言うより馬鹿々々しくなってしまったのである。

 もしかすると、SF映画なのにホラー映画専門の中田秀夫監督を起用したのが原因かもしれない。SF映画はテーマそのものが荒唐無稽なのだが、だからこそ、科学的かつ論理的で説得力のある創り方をしなくてはならない。ところが本作はこのルールを無視し過ぎたため、漫画未満の突っ込見所満載のヨレヨレ作品になってしまった。まさにある意味、何でもあり反則だらけの安物ホラー映画になってしまったのである。

 まず一番辻褄が合わないのが、相手の目を見て操作するはずなのに、街頭や大劇場などで1000人前後の人々を一瞬に操作で来てしまうことである。そして操作された大量の人々がなかなか覚めないのだが、場合によっては車のライトが光っただけで覚めてしまうという矛盾。
 また警察が無能過ぎるし、目を見てはいけないことを知りながら、無防備で何度も同じ過ち繰り返している。せめて防護マスクを着用するか遠くから狙撃しろよと言いたくなる。また超能力者の手口を熟知しながら、クライマックスで、わざわざ大勢の人々がいる劇場にノコノコやってくる主人公も頭が悪過ぎる。そしてラストの無限螺旋階段は一体何なの?あんなのが劇場にあるはずないし、二人とも死なないのも納得出来るはずがない。

 とにかくこの超能力者は「今まで誰にも気づかれずに生きてきた」と言いながら、超・目立つ行動ばかりしている大矛盾。いずれにせよ、いたずらするたび、とっくの昔に防犯カメラに写っていなければおかしいではないか・・・。とにかく数え上げたらモンスター級の突っ込見所オンパレードなのだ。

 そして本作の決定的な欠陥は、意味のない設定が多過ぎるくせに、超能力者が主人公を執拗につけ狙う展開だけで、そのほかの見せ場が全く何もないことだ。そして二人の戦いでも、いつも周囲の人々が巻き込まれて死亡し、主人公が殺されたと思ったら復活というパターンの連続なのである。これでは誰でも途中で観るのを停止してしまうだろう。せっかく序盤が面白かっただけに、非常に残念で惨憺たる結果であった。

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2020年6月12日 (金)

パリ、嘘つきな恋

★★★★
製作:2018年 フランス 上映時間:107分 監督:フランク・デュボスク

 ひょんなことから車椅子生活者に成りすます羽目になったセレブのプレイボーイと、本当の障害を持った女性との恋の行方を描いたラブコメである。そもそもの始まりは、亡母の住んでいたマンションで、母親の使っていた車椅子に座っているところを、隣室に引っ越してきた女性ジュリーに見られたことが原因となる。

 プレイボーイのジョスランは、障害者のふりをしたままジュリーを口説こうと彼女の実家まで行くのだが、そこで本当の障害者である姉のフロランスを紹介される。彼女は障害者でありながら、バイオリニスト、車椅子テニスの選手として活躍しており、心強く前向きな生活をしている。そんな真摯で美しい生き方を実践している彼女は、今までジョスランが経験したことない女性であった。そして彼はデートを重ねるたびに、本気でフロランスに惹かれていくのであるが、どうしても障害者だと嘘をついていることを謝れないでいた。

 何度も嘘を告白するチャンスがあったのに、いよいよとなるとジョスランは告白できない。そんな軟弱なジョスランに、観客たちのイライラが爆発しそうになるのだが、ある出来事に遭遇して正体をバラす結果となるのだった・・・。
 ジョスランを演じたフランク・デュボスクは、いかにもプレイボーイと言ったチャランポランな感じのする男優なのだが、何となく憎めないのも確かである。だが何と言ってもこの映画では、障害者のフロランスを演じたアレクサンドラ・ラミーの、知的でしっとりとした大人の雰囲気に魅せられてしまった人が多いのではないだろうか。


評:蔵研人

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2020年6月 9日 (火)

カンフーリーグ

★★☆
製作:2018年 香港 上映時間:102分 監督:ジェフ・ラウ

 漫画家の青年インションが、自分が描いた伝説のカンフー英雄たちを過去から召喚し、身分違いの彼女との恋を成就するという荒唐無稽なお話である。その英雄たちとは、ウォン・フェイホン、イップ・マン、チェン・ジェン、フォ・ユェンジャアの4人で、いずれもカンフーの達人達だ。

 DVDのパッケージを見ると、まるでこの4人が秘術を駆使して戦うリーグ戦なのかと勘違いしてしまったが、実は彼等は仲間であり戦うのではなく、インションの恋敵と戦うだけである。それはそれで良いとしても、余りにもおバカに終始し過ぎて、格闘シーンが少な過ぎたのは期待外れだった。

 本作を手掛けたスタッフたちが、あの『カンフーハッスル』とほぼ同じだと言うので、「やっぱりな」と何となく納得できたものの、残念ながらその迫力や楽しさにおいて遥かに及ばないことを確認しただけであった。少なくとも絶対に「アクションを期待して」レンタルしてはいけないとだけ言っておこう。


評:蔵研人

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2020年6月 5日 (金)

怒り

★★★☆
製作:2016年 日本 上映時間:141分 監督:李相日

 最近の邦画はマンガの実写版ばかりで、かなり食傷気味だったが、本作は原作が吉田修一の小説であり、久々に奥行きのある名品に仕上がっていた。ただ群像劇で主役が大勢存在し、3つのストーリーがパラレルに進行してゆくため、かなり分かり難い構成になっているところが長所でもあり短所とも言えよう。

 それにしても凄いキャスト陣である。渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、妻夫木聡、広瀬すず、宮崎あおい、と誰をとっても主役級の俳優がズラリと並ぶ。それに加えてピエール瀧、三浦貴大、池脇千鶴、高畑充希、原日出子などの準主役級が脇を固めるという贅沢な映画だ。また第40回日本アカデミー賞では、妻夫木聡が綾野剛と同性愛者を体当たりで演じ、見事最優秀助演男優賞を獲得している。ただアイドル系の広瀬すずに汚れ役をさせたのだけは、ミスキャストかもしれない。

 八王子で起きた凄惨な殺人事件の現場には「怒」の血文字が残され、犯人もその動機も不明のまま1年間が経過していた。犯人の名前は山神一也で右頬に3つのほくろが並ぶ、そして彼は髪を切り整形しているということが判明。
 そこから3つのストーリーが並行しながら始まるのだが・・・。それぞれのストーリーには、身元不明で右頬に3つのほくろを持つ怪しい男が3人登場するのだ。果たして犯人はこの中の誰なのだろうか、それとも全く別の登場人物が犯人なのだろうか・・・。

 こんな展開でドキドキわくわくしながら、確実にストーリーが進んでゆく。あえて言えば本作のテーマは「人間の狂気」と、「信じることが真実の愛」ということなのだろうか。
 さて冒頭で本作はかなり分かり難い構成だと記したが、ストーリーを3分割したため、時間の制約を受けて話をはしょったのか、のちに映像を編集し過ぎたことが原因なのだろうか。その最たるものが、山神が刺された後の描写が一切無い点であろう。
 また今どき死んだ親の借金に追われて逃げ回るという話も、心情的にも法的にも無理があるようだ。かなり完成度の高い映画であるが、この2点にモヤモヤ感が残ったこと。さらにまるで夢オチの如く、3つのストーリーが全く交差しなかったところに不満が渦巻いてしまった。

評:蔵研人

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2020年6月 2日 (火)

ジョーカー

★★★★

製作:2019年 米国 上映時間:122分 監督:トッド・フィリップス

 あのバットマンの宿敵ジョーカーが、ある事件をきっかけに精神を病みはじめ、次第に巨悪な存在に変貌してゆくまでを描いている。いわゆるジョーカー誕生秘話なのだ。また本作の中でのバットマンは、ジョーカーと接触するものの、まだ小さな少年として登場しているだけで、戦うというレベルとは程遠いので念のため・・・。
 
 ジョーカーの本名はアーサーと言い、ピエロの大道芸を披露しながら、年老いた母を労わり続けていた。そして母親の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みながら、有名コメディアンを目指し底辺からの脱出を夢見ていたのだが・・・。
 ところがある日、同僚から無理矢理拳銃を押し付けられてから、全ての歯車が狂ってしまうのである。あとは負の連鎖に巻き込まれ、哀しみの果てに、どうにもならない運命を選択してしまうのだった。

 それにしてもあれだけ減量し、ジョーカーの狂気と悲哀を余すところなく演じた「ホアキン・フェニックス」の役者魂には脱帽するばかりだ。さすが本作で、第92回アカデミー賞「主演男優賞」を受賞しただけの価値は認めざるを得ないだろう。
 結局ジョーカーは狂った殺人鬼なのだが、本作ではその狂気に同調するかの如く、貧富の差の激しい米国でのセレブ批判も忘れていない。ということは大金持ちであるウェイン財団のバットマンよりも、大悪人だが貧しさの底辺で蠢くジョーカーのほうに肩入れした作品、と言えるのかもしれない。 

評:蔵研人
 

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2020年5月29日 (金)

ファンタスティック・フォー 銀河の危機

★★★☆
製作:2007年 米国 上映時間:92分 監督:ティム・ストーリー

 本シリーズの2作目であり、初回作の続編にもなっている。X-MENと似たような映画である。ただファンタスティック・フォーは4人の超能力者集団だが、X-MENのほうは遥かに人数が多く、しかも組織化しているところが異なる。従ってX-MENのほうがいろいろなストーリー構成が可能であり、シリーズ化し易いことも確かであろう。

 リーダー格のリードは体がゴムのように伸び、その恋人スーは透明化することと、バリアーを張る能力を持つ。そしてスー女の弟ジョニーは炎を発して、空を飛ぶ能力を持つ。そして友人のべンは、岩石のような肉体で超怪力を発揮する。

 本作は世界各国で異常気象が頻発する中、宇宙から謎の飛行体『シルバーサーファー』が来襲。4人の超人の中で最強・最速のジョニーがこれを追いかけるが、なかなか追い付けないまま、戦いにも簡単に破れてしまう。この銀色に光る生命体『シルバーサーファー』が実にかっこいいし、本作の目玉商品でもある。ただ彼には一つだけ弱点があった。

 このかっこいいサーファーのお陰で、続編にしてはなかなか見応えのある展開に終始していたが、何かが物足りないのだ。たぶんアクションシーンに特化し過ぎて、心理的な見どころがほとんどなかったからかもしれない。

評:蔵研人

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2020年5月26日 (火)

蠢動

★★★
製作:2013年 日本 上映時間:102分 監督:三上康雄

 何となく黒澤明を意識したような時代劇で好感が持てるのだが、何かが足りないのだ。若林豪、目黒祐樹、中原丈雄などのベテラン勢がいい味を出していたのは否めない。だがやはり黒澤映画の常連だった三船敏郎、仲代達也、志村喬などの超大物俳優が不在であることが一つ。もう一つは、クライマックスの雪上での殺陣に全く緊迫感が感じられなかったことである。やはり時代劇慣れしている若手俳優不足が原因であろうか。時代の推移とは言え、日本映画から時代劇俳優が消えつつあるのは寂しい限りである。

 本作は幕府から剣法指南役という名の隠密を送り込まれた山陰小藩の悲劇を描いている。ただストーリーに深みがなく、藩の秘密を握った隠密を殺害し、その罪をある藩士に負わせるという、よくある単調なパターンだけで構成されているのが残念であった。そして全般的に暗過ぎるし、全く救いのない後味の悪さも気に入らない。

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2020年5月22日 (金)

宮本武蔵 三船敏郎版三部作

製作:1954~1956年 日本 上映時間:三部計301分 監督:稲垣浩

 宮本武蔵映画といえば、内田吐夢監督、萬屋錦之助主演の五部作のほうが印象的なのだが、本作・三船版のほうが先に製作されているのだ。こちらは未鑑賞だったので、年末にTV放映されたものを録画しておいた。だがそれを鑑賞するタイミングを失い、二年後にやっと録画した本作を観ることになったのである。
 五部作の萬屋版より上映時間が短いため、吉岡一門をはじめ、宝蔵院、柳生家との戦いがだいぶ省略されていた。またなぜか第一部では三國連太郎が演じていた本位田又八を、第二部では堺左千夫が演じているのだ。なにかトラブルがあったのだろうか。

 第一部は青年時代の暴れん坊武蔵の悪蔵ぶりに始まり、捕らえられ姫路城の天守閣に閉じこめられて、文を学び成長するまでを丁寧に描いている。第二部では宮本武蔵と名乗り、武者修行の旅をはじめるのだが、いきなり宍戸梅軒と戦ったかと思うと、今度はまたまたいきなり吉岡道場に殴り込みをかけているのだ。

 ここではサブタイトル通り『一乗寺の決斗』がメインテーマなのだが、当主を失った吉岡一門が幼い又七郎を擁して復讐戦に臨むという話にはなっておらず、ここではじめて武蔵と吉岡清十郎が戦う設定になっていた。まだこの時代には、幼子を斬るという映像は憚られたのかもしれない。

 そして第三部『宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島』に続くのだが、ここでは既に第二部から登場している佐々木小次郎にかなり時間を費やしている。佐々木小次郎役は鶴田浩二が心身ともに完璧に成り切っていて、実に高感度で主役の三船を食ってしまうほどの存在感を漂わせていた。また全編に登場したおつう役の八千草薫と朱実役の岡田茉莉子も、それぞれの個性を生かした役柄に徹していて実に清々しい。

 本作は登場した殆どの役者が亡くなっている66年前の作品なのだが、役者たちの演技や映像は全く色あせることなく、ほとんど違和感を感じない。それどころか現代ではなかなか見つからない時代劇風景を満喫させてくれるのだ。ただこの頃に創られた時代劇には、刀同士がぶつかり「キーン」という音や人を斬る「ズバッ」という音などがないので、殺陣シーンに全く迫力が感じられなかったのが残念である。

評:蔵研人

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2020年5月19日 (火)

未来のミライ

★★★☆

製作:2018年 日本 上映時間:98分 監督:細田守
 
 本作は第91回アカデミー賞にノミネートされたアニメーションである。ストーリーは、”くんちゃん”という甘えん坊の小さな子どもの日常と成長を描いたファンタジーで、誰もが小さいときに経験するであろう体験を淡々と綴っている。

 本作がファンタジーたる所以は、くんちゃんが我がままになる都度、未来の妹が現れたり、過去の曾おじいさんと会ったりすることである。なんとなく『さびしんぼう』や『千と千尋の神隠し』のような雰囲気が漂う。

 また本作は単なるファンタジーアニメではない。小さな妹へ両親の愛情を奪われたことに嫉妬し、戸惑う男の子の心理状態を巧みに描きながら、昔の人の偉大さを称えたり、いつの時代も繰り返えされる人の営みなどを描き、深みの感じられる作品に仕上がっているのだ。ただくんちゃんの喋り方にはやや難があったが、幻想的な音楽と美麗な絵のアンサンブルはとても素晴らしかった。
 
評:蔵研人

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2020年5月15日 (金)

ワイルド・スピード SKY MISSION

★★★☆

製作:2015年 米国 上映時間:138分 監督:ジェームズ・ワン 

 カーアクションが売りの本シリーズは、回を追うごとに荒唐無稽でド派手に染まって行くようだ。とにかく車ごと飛行機から飛び降りてパラシュートで着地とか、断崖絶壁から車で飛び降りても怪我一つしないとか、車で超高層ビルの窓から窓を飛び移るとか、もう人間技を遥かに超越してしまった。

 そして主人公が大勢いて、それぞれが勝手気ままに動き回っているので、全く感情移入できないし、悪人役のジェイソン・ステイサムも、まるで不死身の超人並みだ。これでは全く示しがつかないし、観客のイライラも治まらない。ネットではかなり評価が高いが、私自身はもうお腹一杯で、もう次回作を観ることはないだろう。

 
評:蔵研人

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2020年5月12日 (火)

マルティニークからの祈り

★★★☆
製作:2013年 韓国 上映時間:131分 監督:パン・ウンジン

 韓国のドキュメンタリー番組で紹介された衝撃の実話だと言うのだが、かなり大袈裟に描かれているような気がした。夫の友人に依頼され、金の原石だと聞かされてフランスまで荷物を運んだ韓国の主婦ジョンヨンの話である。
 彼女はオルリー空港の税関でオロオロ・キョロキョロし過ぎて怪しまれ、突然逮捕されてしまう。なんと彼女のカバンの中身は金の原石ではなく、麻薬がぎっしり詰まっていたのだった。

 その後ジョンヨンは、祖国から1万2,400キロも離れたマルティニークの刑務所に送られてしまう。そしてさんざん苛められ・辱められるのだが、全く言葉が通じないため、言い訳ひとつ出来ずどうすればよいのかも分からないまま月日だけが経過してゆく。またフランスにある韓国大使館に問い合わせても、通訳の世話も裁判の手続きなども含めて何も助けてくれない。それどころかうるさがられて無視される始末。

 最後は感動シーンで締めくくってあるし、なかなか出来の良い映画だと思うのだが、なにせ大使館員のいい加減さと、刑務官の苛めなどが、余りにも酷過ぎて本当なのかと疑いたくなってしまう。と言うよりも、イライラが募ってきてだんだん観るのが辛くなってしまうのだ。
 また韓国のマスコミの力のなさ、そして逆にネットの炎上の凄まじさに、「正面ではダメ、裏口に回れ」的なこの国の実態を再確認した気がする。

評:蔵研人

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2020年5月 8日 (金)

アマンダと僕

★★★★

製作:2018年 フランス 上映時間:107分 監督:ミカエル・アース
 
 主人公と姉と姪のアマンダとの心温まる家庭的な映画なのかなと思っていたら、公園で起こったテロに巻き込まれて姉が急死。更には恋人や友人まで腕に大怪我を負ってしまい、アマンダの面倒も見なくてはならなくなる。まさに急転直下の絶望的な展開に、なかなか心がついて行けない。

 だがここからが本格的なストーリーとして紡がれてゆくのである。小学1年生アマンダを演じる子役は、むちっとしていてフランス風の美少女とはかなりかけ離れているし、身体が大きいのか4年生程度にしか見えない。これでは余りのめり込めないかなと感じていたのだが、実はなかなか聡明で自己主張もできる強い娘をしっかり表現できる演技派の子役であった。

 数年前にフランスで頻繁に発生したイスラム過激主義者によるテロ事件を核にしながらも、同時に離婚率の高い中での子育ての問題にも深くメスを入れている。だからと言って、決して強引ではなく粛々と或いは淡々とした趣きでストーリーが流れてゆくのだ。

 だが決して後ろ向きで憂鬱な映画ではない。と言うよりは、ある意味で光が溢れていると言っても良いだろう。家族を失った悲しみはリアルに伝わってくるのだが、それでいて何かとても美しいものを感じる作品である。その象徴こそが、ウィンブルドン選手権でのラストシーンなのではないだろうか。ここで思わず、私は一滴の涙を流さずにはいられなかった。


評:蔵研人

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2020年5月 3日 (日)

国際市場で逢いましょう

★★★★☆

製作:2014年 韓国 上映時間:127分 監督:ユン・ジェギュン

 朝鮮戦争中に米軍の船で逃亡途中、父親と妹と生き別れた長男ドクスは、母親と2人の弟妹の3人で避難民となる。そして釜山で店を営む叔母を訪ね、そこで暮らすことになるのだった。ドクスは子供ながらも、父親の残した「お前は家長になるのだから家族を頼む」という言葉を胸に、ドイツの炭鉱・ベトナム戦争などに参加して家族のために命を張る日々を続けてゆく。

 本来は貧困と不運に染まって暗い作品になりがちなのだが、ドクスの逞しさと親友ダルグのお茶目さによって、陽の当たる作品に仕上がっているところが嬉しい 。さて自分のことは後回しにして、親や弟妹のために命懸けで働く、と言った歴史は過去の日本も同様で、本作を観ながらも亡父の影が蘇り、熱い涙が留まらなかった。
 どこの国も昔の人は偉かったよね。そしてそうした人たちのお陰で、現代の私たちが平和に暮らしているのであろう。ともかく合掌するばかりだ。「ご苦労様でした、そしてありがとうございました」

 ベトナム戦争での韓国軍のイメージについては、反論がない訳ではないが、それを除けば余りにも良い映画だったので、そこは不問に付すことにしたい。最近連続して数本の韓国映画を観たのだが、ほとんど外れなしで実に気分が良い。出来れば最近ギクシャクしている日韓関係が、もう少し改善されればもっと良いのだが・・・。

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2020年4月29日 (水)

チャンス商会 ~初恋を探して~

★★★★

製作:2015年 米国 上映時間:111分 監督:カン・ジェギュ

 70歳の老人の最後の恋をテーマにしながら描いたヒューマンドラマ。主役はスーパーで働く頑固で不器用な独身爺さんで、ヒロイン役は向かいに住む69歳のお婆さん。はじめは勝手に爺さんの家に侵入してご飯を炊く婆さんのほうが積極的なのだが、次第に爺さんのほうもこの婆さんに惹かれてゆく。

 そして背広を購入し、慣れないフレンチレストランで初デート。その後ダンス教室に行ったり、スマホを購入したりと、爺さんはだんだん色気づいてくるのだが、婆さんの娘にこれ以上母親と逢わないでくれと文句を言われる。だがそんなことには挫けずに、二人は急接近してゆくのだった。とこの辺りまでは、老いらくの恋を若者たちが茶化すようなコミカルな展開が続く。

 序盤は韓国映画や香港映画にありがちな、くどいドタバタお笑いタッチが気に入らず★★の評価、途中で観るのを辞めようかと思ったくらいだ。ところが中盤になると、老人の恋がとても心温まる雰囲気に包まれ★★★☆の評価に跳ね上がる。そして終盤の「アッと驚くどんでん返し!」
 そこからは急にシュールでリリカルな展開に染まって、涙涙涙の大洪水となる。もっともここで号泣するのは、人生経験豊富な年寄だけかもしれないが・・・なんと評価は急上昇の★★★★★だぁーっ!!。ということで平均をとって★★★★に落ち着いたわけである。まさに韓国映画の面目躍如だね。それだけにおバカな序盤が実に残念だった。ところが実は、本作は米国映画『やさしい嘘と贈り物』のリメイク版だったんだね。

評:蔵研人

 

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2020年4月26日 (日)

それだけが、僕の世界

★★★★☆

製作:2018年 韓国 上映時間:120分 監督:チェ・ソンヒョン

 玉石混淆の韓国映画だが、時々心を揺さぶられるような作品に巡り合う時がある。紛れもなく本作も、その宝石の一つに数えても良いだろう。本作は韓国の底辺に生きる人々と、金持ちとの貧富の差を感じながらも、音楽がそれらを全て超越してゆくところが見事だった。

 イ・ビョンホン演じるところのやさぐれボクサー。東洋チャンピオンだった過去はあるものの、試合中に審判に暴行し業界から締め出されてしまった。現在は時々スパーリーング役をこなしたりチラシ配りをしながら、マンガ喫茶をねぐらにしたその日ぐらしに明け暮れている。
 彼ジョハの母親は、彼がまだ少年の頃に父親のDVに耐えられず、彼を残したまま失踪してしまったのだった。そして父親はずっと刑務所暮らし、彼が荒ぶるのも無理がないかもしれない。

 ある日数十年ぶりで、偶然母親と再会し母親の住む家に転がり込むのだが、そこには初めて会う彼の弟ジンテ(パク・ジョンミン)が同居していた。ジンテはサヴァン症候群という病を背負っており、一人では生活できないのだが、天才的なピアノ演奏力を持っていたのである。なんと基礎的な音楽知識は皆無なのだが、一度聞いたピアノ演奏は、譜面も見ずに完璧に演奏してしまうのでだった。

 現在国際スターでハリウッドでも活躍しているイ・ビョンホンだが、こんな汚れ役をよく引き受けたものだし、それをまた見事に演じ切っているところにプロ魂を見た。だがそれよりも何と言っても弟めジンテを演じたパク・ジョンミンの表現力が凄かった。それにたった3か月間の特訓であれだけのピアノ裁きも圧巻の神業だ。
 さらには兄弟の母親を演じたユン・ヨジョンの自然だが、じわーっと来る無理のない老巧な演技力。何と言っても本作は、この三人のアンサンブルが見事に絡み合い、完成度の高い作品に仕上がったのだろう。

評:蔵研人

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2020年4月22日 (水)

怪しい彼女

★★★★

製作:2014年 韓国 上映時間:125分 監督:ファン・ドンヒョク

 70歳のおばあちゃんマルスンは、口の悪さと頑固さが超一流で殴り合いの喧嘩も辞さないが、女手ひとつで育て上げて国立大学の教授になった息子だけが自慢の種であった。だがアクの強い性格が災いして、嫁には煙たがられているのだが、そんなことはどこ吹く風で嫁いびり、ついに嫁は精神を犯されて入院する始末・・・。
 そんなある日、街中にある古い写真館で写真を撮ると、なんと50歳も若返ってしまうのである。そして心を込めて昔の歌を歌うと、これが偶然音楽プロデューサーの目に留まって、なんとプロの歌手に推薦されてしまうのだった。

 こんな具合で進展してゆく荒唐無稽なファンタジー作品である。また2年後には多部未華子主演で、『あやしい彼女』というタイトルで日本でもリメイクされている。韓国版も日本版も大筋は同じで、どちらも評判が良いのだが、さすが感情の国・韓国版では、女性の感情表現が激しく、お涙頂戴指数もかなり高めに設定してある。
 また日本版では彼女が歌う歌は全てが、1960年代から1970年代の日本のヒットソングであり、昭和生まれの日本人には懐かしさと哀愁を感じさせるのだが、韓国版の歌は老若男女、全世界の人々の心を揺さぶるような選曲だったような気がする。従って国際的には、歌では韓国版に軍配があがるかもしれない。

 ストーリーはありきたりで、途中で結末が見え隠れしていたのだが、何と言っても役者さんたちの演技力と存在感には圧倒されてしまった。ことに彼女役のシム・ウンギョンの、個性的でありながら瑞々しい雰囲気と演技力には惹きこまれてしまった。


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2020年4月19日 (日)

50回目のファーストキス

★★★☆

製作:2018年 日本 上映時間:114分 監督:福田雄一

 2004年に製作された米国版がオリジナルで、本作はそのリメイクである。50回目のファーストキスとは、一晩寝ると記憶を失ってしまう女性とのラブストーリーと言えば分かるであろう。そう彼女にとっては、毎日毎日が初めての経験なのだから、いつのキスもファーストキスと言うことになるのである。
 米国版はアダム・サンドラーとドリュー・バリモアのコンビで、ラストシーンで大泣きした記憶がある。この結果が分かっているので、日本版では大泣きはしなかったが、ホロリときたことは否めない。いずれにせよ、米国版を観ていない人なら大泣きだったかもしれないね。

 何れも舞台はハワイだし、内容も殆ど変わらないのだが、やはりキャストにかなり疑問を感じた。まず主演の長澤まさみについては、全く問題なし。ずっとその美脚に見とれていた。彼女だけはドリュー・バリモアを超えていたかも…。ただ相手役の山田孝之の背が低いのがちょっと気になったことと、ムロツヨシと仲野太賀のドタバタ演技が濃すぎてぶち壊し状況だったのがつくづく残念であった。

ストーリーの内容については、米国版を観たときに書いたものを下記に紹介するので参考にして欲しい。

 最近少しブームになりつつある『記憶テーマ』のラブコメで、主演はアダム・サンドラーとドリュー・バルモアのぴったしコンビである。
 恋の始まりは、水族館の獣医をしているアダムが、毎朝同じレストランで、いつも同じ朝食を摂っているドリューに一目惚れするという展開。
 ある日やっと彼女と親しくなり、翌日同じ場所で、親しげに声をかけると、彼女は怪訝な顔をして相手にしてくれない。実はある事故を起こしてから、脳の一部を欠損したおかげで、彼女の記憶は一日しか持たなかったのだ。

 そんな彼女に夢中になってしまったアダムは、毎日毎日手を変え品を変えて、彼女の気を惹こうと涙ぐましいアタックを繰り返すのだった。何度も彼女のハートを射とめて、キス迄には至るのだが、翌日になるとまた彼女は、アダムのことを綺麗さっぱりと忘れてしまうのである。そしてまた翌日を迎えるわけだが、一体何時になったら彼女は彼のことを記憶出来るのか、と不安と期待を抱かせながらストーリーは進んでゆく。

 笑いあり、涙あり、ロマンチックなムードもたっぷり・・・まさに恋人と一緒に観るには最適の映画なのだ。そしてラストのどんでん返しもなかなか洒落ていた。ドリュー・バルモアは余り好きなタイプの女優さんではないのだが、この役処はハマリ役で、アダムともピッタリと息が合っていたと思う。

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2020年4月15日 (水)

誰もがそれを知っている

★★★☆

製作:2018年 スペイン他 上映時間:133分 監督:アスガー・ファルハディ

 意味深なタイトルであるが、ここでその意味を解説してしまうと、ネタバレになってしまうので観てのお楽しみとしておこう。主演はポスターの通り、実生活では夫婦で、共にオスカー俳優のペネロペ・クルス(ラウラ役)とハビエル・バルデム(パコ役)である。

 ラウラは、妹の結婚式に出席するため、子供たちを連れて南米からスペインへ帰国する。家族や幼馴染のパコと久々に再開し、実家で賑やかな結婚披露宴が催された。だがお祝いパワー全開の中で、突然停電が起こり、気分が悪くなり寝込んでいた高校生の娘が行方不明になってしまうのである。
 後日犯人から高額の身代金を要求するメッセージが届き、娘が誘拐されたことを確認する。警察に知らせると娘の命がないと脅されて、被害届を出すことも出来ないまま絶望の日々が続くのだった。

 娘の誘拐という面では、確かにサスペンス作品なのだが、その犯人やその背後に潜む狙いなどを考えると、実は家族たちの後悔の念が渦巻いているヒューマンドラマとも言えるだろう。前半は複雑な家族関係を理解するのに手間取ったが、中盤から元警官による事件の謎解きがはじまり、赤裸々な人間関係が炙り出されてゆく。
 なんと2時間超の長丁場であるが、それでもあと30分くらいは延長してすっきりさせて欲しかったね。まあラストシーンからは、「あとは観客が好きに想像してくださいね」という声が聞こえそうだが、あれではパコさんが踏んだり蹴ったりで気の毒すぎて後味が悪かったな。

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2020年4月 8日 (水)

あなたの名前を呼べたなら

★★★★
製作:2018年 インド、フランス 上映時間:99分 監督:ロヘナ・ゲラ

 厳格な身分制度や因習が残るインドを舞台にしたメイドと御曹司との純なラブストーリー。インド映画にしては上映時間が短いし、歌やダンスのシーンも少ないし、地味で心に沁み入るようなメンタルな作品であった。よく調べてみると監督のロヘナ・ゲラはインド人であるが、現在フランスに在住している女性監督だという。それでなんとなく納得するしかないだろう。

 また監督自身は裕福な家庭に育ったようだが、幼い自分の面倒をよく見てくれた住込みのメイドとの想いが心の残滓となっていたようだ。また大人になるにつれ、人を愛するという命題に突き当たり、それを探求するために身分制度と恋愛をブレンドした映画を創りあげたというのである。まあこのような問題はインドだけではなく、日本をはじめとして世界中で経験しているのだが、インドではまだ古い価値観や風習などが根強く残っているということなのだろうか。

 主人公のメイド・ラトナは古い慣習の残るインド農村に生まれ、19歳の時に親の都合で不治の病を持った男のもとに嫁がされる。その夫はすぐに亡くなってしまうのだが、食い扶持を減らすためにムンバイにメイドとして出稼ぎに出る。しかも村では再婚することが許されず、汚らわしい者として親族の結婚式にも参加させてくれないのである。
 それでもラトナは決して悲観的ではなく、「妹を大学に行かせることと、自分自身がファッションデザイナーなる」という夢を持ち続けて頑張っている。心優しい中にも、芯の強さを併せ持っている女性なのである。

 そんなラトナをに接しているうちに、だんだん彼女に惹かれてゆくのがラトナの雇い主のアシュヴィンで、ある日彼女を引き寄せてキスをしてしまう。ラトナは力強く拒まなかったものの、禁断の恋に戸惑いながらある決意を・・・。
 アシュヴィンは米国で自由に生きてきたのだが、兄の急逝によりインドで建設業を営む父親に呼び戻され、高級マンションに住みながら、その仕事を手伝っていたのである。だがそのこと自体が、彼の本意ではないことをラトナには見破られていた。

 アシュヴィンはいかにも世間知らずだが、心優しい良家の御曹司というイメージ通り。ラトナを演じた女優は清楚で芯の強さが漂う。なんとなく『幸福の黄色いハンカチ』を演じていたころの賠償千恵子とオーバーラップしてしまった。それにしても意味深なタイトルだが、それはラストシーンで分かるのでお楽しみに。この洒落たエンディングは、インドというよりフランス製なのであろうか・・・。

評:蔵研人

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2020年4月 2日 (木)

スマホを落としただけなのに

★★★
製作:2018年 日本 上映時間:116分 監督:中田秀夫


 彼氏がタクシーの中でスマホを落としてしまったことから、彼女の個人情報や写真が悪用されるのである。さらにストーカー行為を受け続けた後、挙句の果てには眠り薬を飲まされて監禁されてしまうのだ。さあ北川景子演ずるところのヒロイン麻美の運命や如何に・・・。と言ったかなり病的で気味の悪いサスペンス映画である。

 今や個人情報の全てが詰まっているスマホ。本作のような猟奇的な犯人に拾われなくとも、スマホには成りすましで、勝手に買い物をされたり、交友関係をいじられたり、恥ずかしい写真をネットにバラ撒かれたり、と踏んだり蹴ったりの恐ろしさが秘められている。だから例え保険に入っていても、保険金だけでは決して補填されない。便利かもしれないけど、何でもかんでもスマホ頼みというのも考えものである。

 ストーリー的には前半まではそこそこ興味深く鑑賞していたのだが、後半になってある程度犯人像と動機などが分かってくると、興味もかなり後退してしまった。そして終盤は、なぜ早く警察に連絡しないのかと、イライラが募るばかり。それにしても腕力のありそうな犯人でもないのに、余りにも弱すぎて頼りない彼氏。これらは、明らかにラストシーンをひっぱるためではないか、もう少し説得力のある流れを創れなかったのだろうか。
 

評:蔵研人

 

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2020年3月28日 (土)

完全犯罪

著者:小林泰三

 本書には50頁程度の独立した短編が5作掲載されている。タイトルから想像するとミステリー小説のように感じるのだが、ミステリーのほか、SFありホラーあり怪奇ありと、そのポケットの多さに感心してしまうだろう。

 さてではその5話に分類して、それぞれのレヴューを簡潔にまとめてみようか。
1.『完全・犯罪』
 本編を読むために本書を購入したのだが、なんとこの作品はミステリーではなく、SF小説なのである。つまりタイムマシンを使って過去に行き、憎いある人物を殺せば、その人物は現代には存在しないことになる訳であり、完璧な完全犯罪を実行できると言うのである。
 ところがなかなか思ったようには事が進展しないのである。そこで焦った主人公が過去の過ちを修正しに過去に戻るたびに、何人もの自分と遭遇してアタフタする。
 そして「過去は変わらないが未来は変わる」という論理の渦に巻き込まれて、SFなのかギャグなのか意味不明となってしまうのだ。なんとなく前半は広瀬正で後半のドタバタは筒井康隆を思わせる一遍である。

2.『ロイス殺し』
 海外が舞台で、作風もまさに外国の小説のようだが、作者は間違いなく小林泰三である。またロイスというと女性のように感じるのだが、実は主人公が少年時代に苛められた悪い男の名である。さらにロイスは主人公が好きだった美しく優しい少女のことも弄んで殺害しているのだった。
 だから主人公は大人になっても、ずっと彼を追い求めて復讐の牙を研いでいた。そしてついに密室でロイスは殺されるのだが、その手口がいやにまどろっこしいのだ。
 むしろ誰もいない砂漠にでも行って、後ろから撃ったり刺したりしたほうが余程簡単で足が付きにくいのに、なぜ人が大勢集まるホテルで面倒なトリックを使って殺害したのだろうか。つまりこの密室ミステリーを創るために、無理矢理創ったストーリーだからさ、ということなのだろうか・・・。

3.『双生児』
 一卵性双生児で親も見分けが付かない姉妹がいた。だから二人が時々入れ替わっても二人以外は誰も気付かない。では自分とは何か、果たしてアイデンティティーは存在するのか。それが犬の場合は単なる記号の読み違いで済まされるのに、人の場合は許されないのだろうか。
 ではもし彼氏が自分と間違えて妹と付き合ったらどうなるのだろうか。などなどネチネチとした双子の悩みを執拗に綴ってゆく。なんとなく江戸川乱歩を髣髴させる作風ではないか。

4.『隠れ鬼』
 前半、河川敷で偶然目が合ったホームレスにしつこく追いかけられる恐ろしい展開は、まさにホラーそのものである。だがその謎が少しずつ解明されるにつれ、だんだん不条理であり得ない世界に嵌まってゆく。ラストの展開がちょっぴり投げやりではなてかと感じたのは私だけであろうか・・・。

5.『ドッキリチューブ』
 いわゆるネット版の「ドッキリカメラ」なのだが、「ドッキリ」の看板を免罪符に果てしなくエスカレートする番組制作者の暴走を描いた狂作?である。本編にもなんとなく筒井康隆の世界観が臭ってくる気がするのは、果たして私の考え過ぎだろうか・・・。
 また本編はフジテレビの『世にも奇妙な物語』の一遍として放映されたようである。まあまさに奇妙な話そのものだね。

評:蔵研人

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2020年3月24日 (火)

テセウスの船

★★☆

 日曜の夜10回に亘って放映された『セテウスの船』がやっと最終回を迎えた。東元俊哉による原作マンガは未読だが、その結末についてはネットで拡散しているため殆どの人が承知しているはずである。だから原作とTVドラマには最終犯人をはじめとして、いろいろと相違点が多いことも周知の事実であろう。
 そこで原作からのネタバレを恐れ過ぎたのか、あるいはお茶の間ドラマの雰囲気に拘り過ぎたのか、余りにも辻褄が合わない脚本に失望してしまった。そしてうたい文句のSFミステリーを逸脱して、なんと家族愛に溢れたホームドラマに落ち着いてしまったのである。またタイムトラベルものとしても、ラストの結末がパラレルワールドだということ以外は、ほとんど体をなしていないし、あの『JIN仁』の足元にも全く及ばない。

 ただ最終回に至るまで、かなりの高視聴率を稼いだことだけが、TV局としての大成功と言って良いだろう。確かに5話くらいまでは、次回はどうなるのだろうかと、視聴者たちが期待に胸を膨らませる展開だった。しかしその手法が余りにも単調でしつこ過ぎて、だんだんイライラが募ってきたことも否めないはずである。

 きっとこいつが真犯人だろう、と思わせぶりな展開が何度も繰り返されていくうちに、だから逆にこいつは犯人ではないだろうと推測してしまう。ところがギッチョン。最終回では、まさかこんな奴がこんな動機で、あれだけの犯罪を犯すのだろうか、という結末に遭遇してしまう。これには驚くより呆れてものも言えなかった。
 これはアッと驚く結末でもどんでん返しでもない。散々犯人らしき人々をバラまき散らした上に、全てお見通しで先回りする頭脳抜群の犯人を臭わしておきながら、実はこんなオトボケ男が犯人だというのだ。
 これではさんざん好き勝手な展開を繰り返しておいて、実は夢でしたという「夢オチ同様の反則技」であり、無理矢理ザ・エンドにしてしまった感も拭えない。さらに生意気で大人顔負けのワルだったみきおが、急に誠実な子供に逆戻りというのも全く納得できない。

 バカにするのもいい加減にしてくれ!10週間もの間さんざん引っ張り続けて、多くの視聴者の貴重な時間を無駄に使わせやがって、と怒涛の如く怒りをぶちまけたくなる。そしてあっという間に家族全員が幸せいっぱいのハッピーエンドとは、視聴者全員がコケにされたようなものではないか。

 とにかくハラハラドキドキではなく、イライラダラダラの蔓延したドラマだった。また主人公が勿体ぶってなかなか真実を語らないため、状況は増々悪化してゆくばかり。さらに主人公と一緒に過去に戻ったと思われる大人のみきおは、その後一切登場しない。それなら彼は何のため登場したのだろうか。いずれにせよ、不要なものが延々と登場し、必要なものが歯抜けになっているという超ムカつく展開に終始していたドラマだった。

評:蔵研人

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