ジョジョの奇妙な冒険

★★☆
 
製作:2017年 日本 上映時間:118分 監督:三池崇史
 
 最近の邦画は右を向いても左を向いても、マンガのアニメ版と実写版で溢れかえっている。本作も例にもれず、荒木飛呂彦によるマンガ作品の実写化である。それにしてもなぜ邦画界はこれほどまでにマンガに頼らなければやってゆけないのだろうか。それはハリウッド映画のような大市場を持たないため、ある程度マンガで人気を得ていて、映画化してもある程度確実に製作費を回収できる3億円程度の小さな映画に依存しているからであろう。まあそれはそれで許すとしても、せめて話の中身ぐらいはもっと良く練り込んでもらいたいものである。
 
 本作はスタンドと呼ばれる分身を操作できる特殊能力の持ち主たちの戦いを描いているのだが、彼等がどうやってスタンドを身に着けたのか、そもそもなぜスタンドなるものが存在するのかなどの説明が殆どない。一応学園ものなのだが特に青春しているわけでもなし、また神木隆之介の存在意味もはっきりしないまま、やたら退屈な戦闘シーンばかり繰り返されるのだ(ただしミニチュア軍隊だけは良かったね)。つまりぶっちゃけ中身の薄い、仮面ライダー調アクション映画ということになるのだろうか……。
 
 またこの映画の副題が、『ダイヤモンドは砕けない 第一章』となっているので、たぶん続編が予定されているのかもしれない。だが時間と金の無駄だから、もう「これっきり、これっきり、これっきりにして~ちょーだい!」
 
 
評:蔵研人

 

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2023年2月 4日 (土)

ザ・ファブル 殺さない殺し屋

★★★☆
 
製作:2021年 日本 上映時間:131分 監督:江口カン
 
 原作は南勝久の人気コミックだ。それを岡田准一主演で実写映画化した「ザ・ファブル」のシリーズ第2作である。監督は前作に続き江口カンが務めているため、前作の雰囲気をそのまま引き継いでいる。さらに製作費が増えたのか、かなりパワーアップしているではないか。ことに大修繕中の団地で、足場を挟んでのアクションシーンがもの凄いのだ。その息つく暇もないスピード感と、スリル満点の迫力には、きっと誰もが圧倒されてしまうに違いない。まるで外国映画を観ているのかと錯覚するほどの、アクションまたアクションの連続シーンが延々に続くからである。
 
 ただ残念ながら前作ほどの驚きがなかったし、脚本的にもやや物足りなさを感じてしまった。これはシリーズ第二作目以降の宿命であり仕方がないのだが、もしかすると敵役の宇津帆を演じた堤真一がミスキャストだったのかもしれない。どうも彼には『三丁目の夕日』のイメージが、こびりついてしまっているからなのだろうか……。
 それから人が足りないからあんな変なおじさんを連れてきたのに、団地のシーンであれほど大勢の戦闘員を集められたのが矛盾していないだろうか。まあ原作がマンガであり面白い映画だったから、それは許容するにしても、できれば2時間以内に収めて欲しかったね。
 
 
作:蔵研人

 

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2023年2月 1日 (水)

愛しのアイリーン

★★★☆
 
製作:2018年 日本 上映時間:137分 監督:吉田恵輔
 
 原作はあの社会不条理をえぐる『宮本から君へ』の作者・新井英樹の描いた同名漫画だという。道理で過激な描写が多いはずだ、と変に納得してしまうのだが、余りにもやりたい放題で放送禁止用語のオ××コを絶叫し過ぎるよね。漫画ならともかく実写映画では生々しくて下品極まりない。当然観る人を選んでしまうから、興行的にも余り得策ではないと思うのだが……。
 
 パチンコ屋勤務で42歳まで恋愛の経験もなく生真面目だった岩男(安田顕)だったが、失恋の痛手から立ち直れずフィリピン嫁探しツアーに参加する。そしてフィリピン人の嫁アイリーン(ナッツ・シトイ)を連れて実家に帰省するのだが……。なんと実家では父親の葬式の真っ最中だった。驚いた参列者がざわつく中、ライフルを構えた喪服姿の母親ツル(木野花)が怖い形相で現れる。
 
 序盤はややコミカルな展開なのだが、次第にセックス・人身売買・人種差別色が臭ってくる。さらに人種を超えた愛や、母親の狂気の愛などが練り込まれて、ストーリーは混沌とした怪しい流れに染まってゆくのだ。それにしても俳優たちの熱演は想像以上に凄まじかった。ことにさえない中年から眼光鋭い無謀な男へ変身する安田顕の芸達者ぶりと、たとたどしい日本語を操りながらも愛らしいナッツ・シトイの好演には絶大なる拍手を送りたい。
 さらに何と言っても、いつも上品な役柄の多かった木野花の狂気じみた怪演には度肝を抜かれてしまった。僕的な感覚では、彼女の演技力はダントツで、彼女抜きでは本作は成立しなかったのではないか、と勝手に決めつけている。
 
 それにしても凄まじい映画だ、製作費の少ない邦画が踏ん張れるのは、こうした作品だけなのだろうか。おもわず園子温監督の『冷たい熱帯魚』を思い出してしまった……。本来ならもっと高評価点をつけたかったのだが、余りにも下品な描写が多かったのでかなり減点してしまったかもしれない。
 
評:蔵研人

 

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2023年1月29日 (日)

星空のむこうの国

★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:93分 監督:小中和哉
 
 高校生の昭雄は、シリウス座流星群がまもなく降り注ぐ頃、交通事故で頭を強く打ってしまう。するとそれから一週間の間に毎日のように、何かを訴えるような眼差しで見つめる少女の夢を見続けるのであった。一体彼女は何者なのだろうか……。
 ただなぜ画面がモノクロなのだろうか。もしかすると過去の夢想なのだろうか…などと考えていると、突然カラー画面に一変してしまうのである。
 
 そして自宅に帰ると、なんと仏壇に自分の位牌が置かれているではないか。そして窓の外では、あの夢で見た美少女が歩いているのだった。急いで家の外に出るのだが、彼女は見知らぬ男女に車で連れ去られてしまうのだ。自転車にまたがり、必死で車を追いかける昭雄。そしてやっとたどり着いたのは病院の入口であった。
 
 つまりこのカラー世界の昭雄は事故で死に、モノクロ世界の昭雄はギリギリ助かったのだが、死んだ昭雄の恋人だった少女の強烈な意識に惹かれて、助かった昭雄がパラレルワールドを超えてやってきたのである。ただ少女は新しい血が体内で生成されない難病にかかり、余命いくばくもない状況であった。
 
 SF絡みの難病ラブストーリーという訳だが、なにか少女漫画臭くてたまらない。それも中学生低学年向けと言ったレベルなのだ。あとでよく調べたら、原作は漫画ではないが、集英社コバルト文庫の少女向け小説であった。やっぱりね……。
 と言うことで、中学生レベルに脳みそを切り替えられない人には余りお勧めできない。いずれにせよSF映画を創るには膨大な製作費をかけて、いかにも本当のように創らないとあほらしくなるのは周知のはず。
 
 なにしろ会話のある登場人物は、無名の俳優ほぼ7人。VFXはちゃちいし、SF理論も単純過ぎる。さらにストーリーに中身が全くなく、まず恋愛ありきで呆れるほどご都合主義なのだ。途中何度も席を立ちかけたが、ラストのオチ観たさに93分間辛抱を貫いてしまった。ははは、まあそれにしてもネットの評価が良過ぎるのは、ほぼお子ちゃま達の評価なのだろうか……。
 
 
評:蔵研人

 

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2023年1月24日 (火)

ファーザー

★★★☆
製作:2020年 英国・仏国 上映時間:97分 監督:フロリアン・ゼレール
 
 あの名優アンソニー・ホプキンスが認知症の父親役を演じ、「羊たちの沈黙」以来、2度目のアカデミー主演男優賞を受賞したヒューマンドラマである。ほとんどが部屋の中での会話劇なので舞台劇のようだと感じたが、やはり原作は2012年に発表された戯曲「Le Pere 父」であった。
 
 81歳を迎えたアンソニーは、少しずつ認知症の症状が勃発し始めていた。だが癖の強い彼はヘルパーとうまくゆかない。そんなおり娘のアンが、ロンドンからパリに移住するので毎日会えなくなると告げる。
 ところが急に時間軸がずれたような状況になって、見知らぬ男が家の中で寛いでいるではないか。誰かと尋ねると、男はアンの夫だと言うではないか。だがおかしい、確かアンは5年前に離婚したはずである。そこへアンが戻ってくるのだが、それは全く見ず知らずの女だった。そしてパリには移住する予定はないと言うではないか……。
 
 こんな状況でストーリーはアンソニーの幻想のような、訳の分からない形で紡がれてゆくのである。そしてある程度は予測していたものの、衝撃のラストシーンに繋がってゆく。それにしても難解で同じようなシーンが重なる暗い作品なのだが、なぜか全く退屈しなかった。これはきっとアンソニー・ホプキンスの名演技の賜物なのだろう。
 
 
評:蔵研人

 

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2023年1月19日 (木)

将棋の子

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著者:大崎善生
 
 本書は『奨励会』でしのぎを削り、プロ棋士を目指す将棋の天才少年たちの、ノンフィクション劇場である。奨励会とは正式名称を『社団法人日本将棋連盟付属新進棋士奨励会』といい、将棋の天才たちがプロを目指して修行する「虎の穴」だ。
 ただプロとして認められるには、その厳しい「虎の穴」の中で勝ち抜き四段にならなくてはならない。そして四段となれば将棋連盟から給料、対局料などの収入が保障されるが、それまでは何の権利も保証も一切ないのである。つまり三段と四段の差は地獄と天国と言ってもよいだろう。さらに奨励会には、満二十六歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなければ「退会」しなくてはならないという厳しい年齢制限規定があるのだ。
 
 本書の主人公は、著者と同郷の北海道から奨励会入りした成田英二なのだが、中座真、岡崎洋、秋山太郎、関口勝男、米谷和典、加藤昌彦、江越克将など、無事プロ棋士になった者、あるいは途中で奨励会を退会した者たちの悲哀のエピソードも織り交ぜて描かれている。
 著者の大崎も少年時代から将棋が好きで大学時代に四段まで昇段したが、奨励会に入会できるほどの腕はなかった。ただ毎日将棋を指しに来る大崎を見ていた将棋道場の席主の紹介により、大学卒業後の1982年、日本将棋連盟に就職し、将棋道場の手合い係を経て、雑誌編集部に移り、『将棋年鑑』『将棋マガジン』『将棋世界』を手がけ、1991年には『将棋世界』編集長となった。
 
 そんな大崎だから奨励会の少年たちとは親しく付き合ったが、ことに同郷で親しみの持てる成田英二は弟のようにかわいがったようである。その成田は両親の期待と愛情に染まりながら、青春の全てをかけて四段を目指して必死に頑張った。だが残念ながら父を亡くし、母を亡くし、将棋の夢も叶わず泣く泣く奨励会を退会してゆく。そしてその先に待つ、無残で非情な生活に溺れてゆくのだった。
 本書はそんな成田を優しく見守る感動の一冊であり、第23回講談社ノンフィクション賞受賞作でもある。将棋好きな人はもとより、将棋を知らない人たちにもお薦めしたい名作である。
 
評:蔵研人

 

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2023年1月14日 (土)

罪の声

★★★★
製作:2020年 日本 上映時間:142分 監督:土井裕泰
 
 本作は昭和59年と昭和60年に大阪府と兵庫県を舞台に起きた、江崎グリコや森永製菓などの食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件『グリコ・森永事件』をモチーフとしている。また犯人が「かい人21面相」と名乗ったことから、別名『かい人21面相事件』などとも呼ばれた。本作ではそれを『ギン萬事件』と呼び、犯人は「くらま天狗」と名乗っている。
 
 主演は父親の残したテーラーを営む曽根俊也を演じる星野源と、新聞記者の阿久津英士を演じる小栗旬である。その曽根俊也が自宅の天袋で見つけた手帳とテープから、自分が子供のころに『ギン萬事件』にかかわっていたことを知り、その謎を知るために過去を追いかけることになる。
 またそれと同時に、大日新聞文化部所属の阿久津栄士が、社会部の鳥居に年末企画の取材班に入るよう命令される。その企画とは、35年前に起きた未解決事件の『ギン萬事件』を追うというものであった。すでに時効になった事件であり、何をどう調べてよいか分からないまま取材を続ける阿久津だった。
 
 このように二人がそれぞれ調査をして行くのだが、正直この前半の流れは退屈であった。やっと面白くなるのが、この見ず知らずの二人が知り合って共同調査をし始める後半からであろうか。そして次第に犯人グループと犯行の謎も解明してゆくことになる。
 また本作では犯人と犯行目的の解明のほか、犯罪に利用された子供3人の運命を同時に描いているのだが、こちらのテーマのほうが社会性もあり感動的でもあった。
 
 ここ最近はマンガの実写化ばかりが幅を利かせている邦画の中で、昔の松本清張ばりの社会派映画は非常に珍しいし懐かしい。また主役二人の演技力の確かさに加えて、脇を固めるベテラン陣、そして英国ロケなど久々に映画らしい邦画に巡り合えたことが嬉しくてたまらない。
 
 
評:蔵研人

 

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2023年1月11日 (水)

お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方

★★★★
製作:2021年 日本 上映時間:113分 監督:香月秀之
 
 死を意識し始めて人生の最期を迎えるための様々な準備と総括、そして新たな気持ちで残された人生に臨む熟年夫婦の姿を描いたヒューマン・コメディーである。
 いつも空威張りばかりで家事は一切やらない夫・大原真一に橋爪功、その妻・千賀子役に高畑淳子が扮して熱演している。それにしても橋爪功はいつも同じような役柄が多いね。もしかするとこれが彼の地なのであろうか。
 そして彼らと同居している長女・亜矢役に剛力彩芽、さらに葬儀社に転職したばかりの菅野を水野勝が演じている。この4人が主役なのだが、ほかにも西村まさ彦、大和田伸也、石橋蓮司などのベテラン勢が脇を固めていた。
 
 大原夫妻は結婚四十数年になる。だが夫・真一が螺子会社を定年退職し自宅に居座り続けており、妻の千賀子は夫在宅ストレス症に陥っていた。そして二人とも相手への気遣いが全く無くなり、真一は健康麻雀、千賀子はコーラスに通い、趣味仲間にお互いの愚痴を言い合うという、よくあるパターンの繰り返しであった。
 そんな折、娘の亜矢がキッチンカーの営業中に、葬儀社に転職したばかりの新米社員・菅野と出会う。その菅野から終活フェアのパンフをもらった亜矢は、母親の千賀子にそのパンフと菅野の名刺を渡すのである。そしてここから、千賀子の終活作戦が始まるのだが……。
 
 本作を観ているだけで、なんとなく熟年夫婦のあり方や終活に対する知識が得られる。さらに笑いあり涙ありの楽しい映画なのだが、クライマックスの金婚式が大袈裟過ぎて現実味が湧かない。金婚式など余程の金持ちか著名人でもない限り、ふつうは家族だけでやると思うのだが……。
 それに1941年生まれの橋爪と、1954年生まれの高畑が夫婦では、余りにも年が離れ過ぎていてしっくりしない。ただコメディーなのだし、二人とも演技達者で「ほっとするような雰囲気」が漂っていたので良しとしようか。
 
  
評:蔵研人

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2023年1月 8日 (日)

ダレカガナカニイル…

著者:井上夢人
 
 話の中身は、タイトル通り自分の中から別の声が聞こえてくるという話である。その声が聞こえ始めたのは、新興宗教の教祖が焼死した直後だということで、その教祖が乗り移ったのではないかと推測しながらストーリーが展開してゆく。
 なんとなくホラー染みているが全く怖くない。どちらかと言えばオカルト風味がたっぷり漂ってくる。俄然興味はこの声の主は本当に教祖なのか、またこの声を追い出すことが出来るのか、さらには教祖は自殺したのか殺されたのか。もし他殺だとしたら一体誰が犯人なのだろうか、といったミステリーモードに染まってゆく。
 
 そして中盤以降の見せ場は、精神科医による催眠術の施術と、それによって「声」が目覚めるということ。また突然現れた教祖の娘とのラブストーリー展開にも、ワクワクとこころが奪われてしまう。さらにラストの着地では、オカルト風味が突如としてSF色に大転換というおまけまでついているのだ。
 約650頁に亘る長編であるが、全く苦も無く退屈せずに一気読みできた。それは本作が新興宗教批判にはじまり、ミステリー、オカルト、恋愛、SFを融合し、ジャンルを超越した面白さに支えられているからであろう。
 
 さて著者の井上夢人とは、漫画家の藤子不二雄同様コンビで岡嶋二人と名乗り、創作活動を続けていた井上泉と徳山諄一のうち、コンビ解消後の井上泉のことである。そして本作はそのデビュー作となるようだ。従ってデビュー作と言えども、すでにベテランの味がするのは当たり前なのである。まあ間違いなく面白いことは保証するが、終盤の説明なしの急展開は理解不能だし、こんな結末なら全体的にもう少し短くまとめられたのではないだろうか。
 
評:蔵研人

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2023年1月 3日 (火)

キネマの神様

★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:125分 監督:山田洋次
 
 松竹100周年記念映画で、原田マハの同名小説を映画化した作品である。本来主役は志村けんが務める予定だったのだが、ご承知の通り新型コロナウィルスに感染し死亡してしまった。そこでかつて志村と同じ事務所で年齢の近い沢田研二が、急遽代役を引き受けたという曰く 付きの作品でもある。
 
 老いても酒と賭け事に溺れるダメ老人・ゴウを演じたのが沢田研二。そして映画監督を目指し颯爽とした若き日のゴウを演じたのが菅田将暉。この主人公ゴウと妻の淑子、さらに親友の映写技師テラシンとの三角関係を織り込みながら、ストーリーは時代を超えてパラレルに紡がれてゆく。
 本作は古き良き時代の映画への思いと、友情と恋愛の捻れを心地良く描いた良作と言える。まさに松竹100周年記念映画にふさわしい作品だと言ってもよいだろう。
 
 ただ余りにも「志村けん追悼にこだわり過ぎた感」が臭くてたまらなかった。ジュリーが志村と似たような演技をしたことはともかく、カラオケで『東村山音頭』まで歌うことはなかったと思う。せめてジュリーの持ち歌を歌ったほうが笑えたのではないだろうか。
 あと予算の関係なのか、せっかく山崎貴がVFX監修となっているのに、撮影所と飲み屋のセットシーンが多く、『三丁目の夕日』のような昭和の風景が余り描かれていなかったところが残念である。
 
 ただ妻・淑子役の宮本信子と若き日の淑子を演じた永野芽郁が、微妙にシンクロしていて好感が持てた。そして小林稔侍のテラシンだ、さすが「この役は俺にしかできないぞ」というようなオーラが漂っていた。だけど一番良かったのは、引きこもりだが優しい孫・勇太をさりげなく演じた前田旺志郎かもしれない。とにかくゴウじいちゃんと、孫の勇太のほっこりした空気感には感動したよな……。
 
 
評:蔵研人

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2022年12月30日 (金)

デイ・アフター・トゥモロー2021

★★
製作:2020年 米国 上映時間:90分 監督:マクシミリアン・エルフェルト
 
 タイトルに騙されてしまった。あの2004年 に製作された『 デイ・アフター・トゥモロー 』(原題: The Day After Tomorrow )とは全く別物の三流映画だった。この紛らわしいタイトルは邦題で、原題は『APOCALYPSE OF ICE』(氷の黙示録)である。
 
 2021年、新型ウィルスの感染爆発により世界はロックダウン。さらに北極で異常な気象変動が発生し、巨大寒波が凄まじい勢いで成長していたのだ。その寒波は全世界を襲い、人類は壊滅の危機を迎える。この寒波から逃れるには赤道直下のエクアドルに向かうしかない。そしてパナマでウイルス治療薬を開発した科学者のジルたちは、この治療薬を守るため安全地帯エクアドルを目指すのだが、途中凍り付いた山道で事故に遭遇してしまう。果たして彼女たちは無事エクアドルに辿り着けるのだろうか……。
 
 こう書くとまさに「大スペクタクルパニック映画」のようだが、製作費が貧弱なためかキャストは無名俳優ばかりで僅か数人しか登場しないし、CGもチンケだし撮影場所も普通の山道とか車の中ばかりなのだ。よくこんな低予算でパニック映画を創る気になったのだろうか。呆れてものも言えない。それに男たちが余りにもだらしなく、足手まといになるばかりなのだ。いまだかつてこんな酷いパニック映画は観たことがない。
 だがよく調べてみると、ほかにも『デイ・アフター・トゥモロー2020』、『デイ・アフター・トゥモロー2018』、『デイ・アフター・トゥモロー2017』と紛い物が続々と出てきたのには驚いてしまった。(苦笑)
 
 
評:蔵研人

 

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2022年12月25日 (日)

トレマーズ4

★★★
 
製作:2003年 米国 上映時間:101分 監督:S・S・ウィルソン
 
 監督が前作とは代わり、第一作で脚本・第二作で監督を手掛けたS・S・ウィルソンとなり、ストーリーも三作までの前日談となっている。さらにそれも西部劇仕立てとなっているのだ。
 
 その影響なのか、前作のようなドタバタ場面は少なく、芋虫怪物の造形も前作よりはマシな状態だったし、ほのぼのとした人情味あふれる良作に仕上がっているではないか。また主人公は前作同様マイケル・グロスが務めているが、前作とは打って変わって優しい知識人を演じているのだ。さすが腐っても俳優だなあと感心してしまった。
 
 
評:蔵研人

 

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2022年12月21日 (水)

トレマーズ3

★★☆
 
製作:2001年 米国 上映時間:104分 監督:ブレント・マドック
 
  芋虫の大親分のような地底怪物グラボイズがウロチョロするネバダ州のとある小さな村でのお話。主人公は第一作から登場している偏執的なプレッパーでガンマニアのバート・ガンマー(マイケル・グロス)、グラボイズ・サファリというインチキ体験ツアーを開催しているジャック・ソーヤー(ショーン・クリスチャン)、グラボイズを町の名物にして専門ショップを開きたいと考えている小売店を営む中華系の女ジョディ・チャン(スーザン・チャン)の三人である。
 
 シリーズ三作目の本作は、今までと監督が代わったせいか恐怖感の全くないドタバタコメディーといった感があった。それにグラボイズも進化して、空を飛ぶアスブラスターという怪獣になり襲い掛かってくるのである。それはそれでどちらでも良いのだが、B級映画にしても余りにもチンケなCGにげんなりしてしまう。それにキャストもどんどん質が落ちて、前回まで脇役だったバートが主人公なのだから呆れてしまう。
 だがこのシリーズは1990年の第一作から本作を通り過ぎて、2020年の『トレマーズ地獄島』まで8作にも及んでいるのだ。一体何が面白くてこれだけ延々とシリーズ化されているのか理解に苦しんでしまうよな……。
 
 
評:蔵研人

 

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2022年12月16日 (金)

穂足のチカラ

★★★★
著者:梶尾真治
 
 父は安月給のダメ社員、母は深刻なパチンコ依存症、そしてシングルマザーの娘に登校拒否の息子、さらには痴呆寸前の祖父。全く冴えない海野家で唯一の救いは三歳児の孫である穂足くんだけなのだ。その穂足はなんと予知能力を持っているらしい。だがその予知に家族が従わなかったため、彼は事故に巻き込まれて意識不明になってしまうのである。
 
 さあ大変、ダメ人間揃いの海野家の中で唯一希望の星だった孫が意識不明のまま入院してしまうのだ。ところがその日を境に家族全員に超能力のようなものが芽生え始めるのだった。それから一人一人が超人化して、いままでのダメ人間から素晴らしい人間に急成長してゆく下りが面白い。いや面白いというより、スカッとして溜飲が下がるのである。
 
 さてその先、穂足はどうなるのだろうか。それは読んでのお楽しみだが、話はだんだん大きくなり、海野家の成長物語から人類全員を救う物語へと進展してゆくのだ。SFというよりは御伽噺といった流れになってゆくのである。読む人によってはバカバカしく感じるかもしれない。だがいずれにせよ穂足ちゃんが愛らしいことだけは、誰にでも納得できるだろう。
 
評:蔵研人

 

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2022年12月10日 (土)

御法度

★★★
製作:1999年 日本 上映時間:100分 監督:大島渚
 
 時代背景は1865年ころの京都で、あの池田屋事変のあとの新選組に入隊してきた美少年を巡る怪しいお話である。その美少年・加納惣三郎を演じたのは、当時中学生だった松田龍平なのだ。彼は『御法度』の主役を捜していた大島渚監督に見初められて直接に出演要請される。
 だが俳優にあまり興味のなかった龍平は、高校受験を理由に一度は断ったのだが、「受験が終わった後なら出来るか?」と聞かれ断る理由が無くなってしまい、結局は父・松田優作と同じ俳優の道に進むこととなるのである。
 
 本作ではまだ素人だったため、当然ながらぎこちない演技が目立った龍平だが、彼の凄まじいばかりの色気と妖気と美貌には誰もが圧倒されてしまうだろう。それもあってか、彼は日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、数々の映画賞を総なめにしたのである。
 それにしても、中学生に男同士の絡みをさせた大島監督の慧眼と執心ぶりも凄いよね。それに加えて美しい映像と坂本龍一の音楽、そしてたけしの渋い演技をブレンドした大島流の最後の作品となってしまったのだ。ただテーマが同性愛なので、好き嫌いがはっきりする作品かもしれない。
 
 主な出演者は、土方歳三にビートたけし、加納の愛人田代彪蔵に浅野忠信、さらに武田真治、崔洋一、坂上二郎、伊武雅刀などが脇を固めている。また本作の4年後に『座頭市』を演じたビートたけしだが、このころからなかなか鋭い殺陣がこなせたんだね。まさに土方歳三はぴったしカンカンだったかも……。
 
評:蔵研人

 

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2022年12月 6日 (火)

時空大戦

著者:草薙圭一郎
 
 2004年4月6日のことである。突然猛烈な磁気嵐の襲来に遭遇し、北海道が丸ごと時空を超えて1945年にタイムスリップしてしまう。なんと1945年4月と言えば終戦間際で、米軍による戦艦大和の撃沈や、沖縄の占領が目の前に迫っている状況ではないか。そんな異常事態に戸惑う北海道駐屯の自衛隊だったが、悲惨な敗北や原爆の投下を防ぐため、壊滅寸前の帝国陸海軍を支援することを決定するのである。
 
 現代兵器と半世紀前の兵器の威力の差は歴然としている。だがいかに圧倒的な威力の差があろうとも、自衛隊のミサイルは100発100中で旧米軍の弾丸はほとんどかすりもしないのは行き過ぎではないだろうか。とは言いつつも実に気分爽快なのだ。戦艦大和は撃沈されず、沖縄に上陸した米軍も叩き出し、なんとマリアナ諸島やフィリピンまで奪回してしまうのである。
 さらには歴史上の人物たちも多数登場してくるし、ある意味では太平洋戦争に至った歴史的背景も描かれていてかなり勉強をさせてもらった気がする。そして最後のマッカーサーの謀反と原爆反撃には、誰もがドキドキさせられてしまうだろう。
 
 そんなわけで遅読者の私にしては、600ページを超える長編にも拘らず、あっという間に読破してしまったのだ。さてこの歴史を覆してしまった戦争の行く末はどうなるのか、そして自衛隊たちは現代に戻ることができるのだろうか。それは本作を読んでのお楽しみとしておこう。
 
評:蔵研人

 

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2022年12月 1日 (木)

竜とそばかすの姫

★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:121分 監督:細田守
 
 なんとなくタイトルからは、ディズニーの『アナ雪』を連想してしまうのだが、中身は日本の女子高生が体験する『マトリックス』や『アバター』という感触のSFチックなアニメであった。また竜との出会いは、『美女と野獣』を連想させられるのだが……。
 
 そばかすの目立つ女子高生のすずは、幼いころに母親を亡くして以来、父とは必要最低限の言葉しか交わさず、大好きだった歌も歌えなくなっていた。そんなある日、親友からインターネット上の仮想世界<U>に誘われる。そこでアバター<As>を「ベル」と名付けたすずは、仮想世界の中で、歌うことを思い出していく。そしてベルの歌は瞬く間に世界中で大人気になるのであった。ところがある日、<U>の世界で行われたコンサートで、突然「竜」のアバターがコンサートに表れて滅茶苦茶にしてしまう。そんなこともあり、世界中の憎しみを受けてしまう竜だが、ベルだけは彼に親しみを感じるのだった。
 
 こんな流れのストーリーの中に、音楽とちょっぴり甘酸っぱい恋心、さらにDVや引きこもりという社会問題までブレンドさせた新感覚的意欲作なのである。そのチャレンジ精神は大いに讃えたい。だが残念ながら、それぞれの世界観やテーマがすっきりと絡み合わず、中途半端さばかりが渦巻いて感情移入できないのだ。そのうえラストの無理やり取って付けたような展開も如何なものだろうか。大人たちはほとんど何もせず、子供のすずだけが深夜に遥かかなたの武蔵小杉まで、見ず知らずの少年を捜し歩くという理解不能な行動。そのくせすずのできることは、死んだ母親同様の自己犠牲だけなのだ。それにしても、一体すず以外の登場人物は、何の意味を持つのだろうか……。
 
評:蔵研人
 

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2022年11月27日 (日)

ザ・ロスト・ワールド 失われた世界

★★★★
 
製作:2001年 英国TVドラマ 上映時間:146分(2回分) 監督:アーウィン・アレン
 
 日本では未公開だったため、ネットを調べても余り表示されない。また「ロストワールド」と入力して検索しても、スピルバーグの『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』ばかり表示される始末だ。
 本作こそあのコナン・ドイルの不朽の名作を原作としている作品なのだが、英国でTVドラマとして二回放映されただけということで、日本では余り馴染みがないのであろうか…。だがこれが意外と言っては失礼だが、なかなか面白かったのである。
 
 英国古生物学会の異端児であるチャレンジャー教授が、奇妙なスケッチブックを発見。それはアマゾン川流域で亡くなった米国人の遺品で、現代には生存しないはずの様々な動物たちが描かれていた。
 それを見たチャレンジャー教授は、アマゾンの奥地には絶滅した恐竜たちが今もまだ生存していると確信する。そして資金提供者などを集めて冒険の旅に出発するのである。
 
 この後の話は本作を観てのお楽しみだが、TVドラマとは思えないほどのスケールの大きさと、映像の素晴らしさを実現させているではないか。それもそのはずCGを担当したのが、全世界で大ヒットしたあの傑作ドキュメンタリー『ウォーキングwithダイナソー』のスタッフたちだからである。
 ことにクライマックスのアロサウルスとの戦いは凄まじい。久し振りにドキドキワクワク感を味わえた。また時代背景が1910年代と言うこともあり、映画の創り方自体も昔のシネマの匂いが漂っており、なんとなく郷愁を呼び覚まされた感があった。
 
 さてコナン・ドイルの『失われて世界』と言えば、過去に二度映画化されている。その中でも私が子供の頃、つまり1960年に製作された作品を、当時の下北沢オデオン座で観た時には、子供心にも大感動したものである。そんなことを思い浮かべながら本作を観たので、なおさら気分が高揚してしまったのだろうか。
 
 
作:蔵研人
 

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2022年11月23日 (水)

滋賀個人ツアー体験記

 5年前に胃がんの手術をしてから、ツアー旅行は一切利用せず、自家用車を使った一泊旅行でお茶を濁していた。しかしながら10月より全国旅行支援が実施され、交通費を含めたツアー旅行がかなりお得になりそうなので、思い切ってそれまで行きそびれていた『琵琶湖周辺と比叡山へのツアー』を計画することにしたのである。
 ただし手術で胃を半分切除した影響で、いまだに胃腸の機能が不完全であるため、時間に縛られ観光バスを多用する旅行会社の通常ツアーに参加する自信はない。それで旅行会社経由で、交通費と宿泊費のセットプランを申し込み、自分で旅程を作成するいわゆる「個人ツアー」を実行することにしたのである。
 
 従って旅程はかなり緩やかで、ある程度途中変更も可能な柔軟な計画を練ってみた。だが全く知らない場所であり、ローカル線や路線バスの運行本数の少なさなども考慮しなければならないため、行き当たりばったりという訳にもゆかない。それで事前にネットで電車やバスの乗り場や時刻表を調べながら、何度も旅程をひっくり返すことになる。結局四苦八苦しながら最終的にざっと次のような旅程に決めた。
 
1日目 
東京(新幹線)⇒京都(琵琶湖線)⇒石山(バス)⇒石山寺山門前・・・・・石山寺参拝(約3時間)
石山寺山門前(バス)⇒石山(琵琶湖線)⇒草津・・・ホテル宿泊
 
2日目
草津(琵琶湖線)⇒石山・・・京阪石山(京阪石山坂本線)⇒坂本比叡山口(バス)⇒ケーブル坂本(ケーブルカー)⇒ケーブル延暦寺・・・延暦寺東塔地域参拝⇒シャトルバス⇒延暦寺西塔地域参拝⇒シャトルバス⇒東塔地域(約3時間)
・・・ケーブル延暦寺(ケーブルカー)⇒ケーブル坂本(バス)⇒坂本比叡山口・・・周辺の門前町を散策・・・
坂本比叡山口(京阪石山坂本線)⇒三井寺・・・・・三井寺参拝(約2時間)
三井寺(京阪石山坂本線)⇒びわ湖浜大津・・・三井寺力餅本家・・・大津港散策・・・びわ湖浜大津(京阪石山坂本線)⇒京阪石山・・・石山(琵琶湖線)⇒草津・・・ホテル宿泊
 なお京阪石山から先の全区間については、乗り降り自由で延暦寺拝観料も含む『比叡山延暦寺巡拝 大津線きっぷ』2900円を使用することにより、スムースかつ廉価な旅を満喫できたのが嬉しい。
 
3日目
草津(琵琶湖線)⇒近江八幡(バス)⇒小幡町資料館前・・・・・郷土資料館・古い商家の家並み・八幡堀・八幡神社など散策(約3時間)
小幡町資料館前(バス)⇒近江八幡(琵琶湖線)⇒京都(新幹線)⇒東京
 
 旅程表を見れば一目瞭然だが、今回の旅の主目的は比叡山延暦寺である。ただ延暦寺最大の見どころである「根本中堂」が約10年の歳月をかけて大改修を行っている最中で、薄暗い本堂の中には入れるものの、外観は工事用のパネルに覆われていて全く見えなかったのが残念であった。ただ西塔地域は、賑やかな東塔とは対照的で、苔むした木々に囲まれた静寂感が旅情をかきたててくれたのが嬉しかった。 

Dsc08468
工事中の根本中堂

Dsc08477
東塔地域の阿弥陀堂と東塔
Dsc08481
西塔地域の法華堂

 それにしても比叡山延暦寺はだだっ広い。シャトルバスに乗ればさらに横川地域へも行けるのだが、帰りの時間が気になるので今回は省略して下山することにした。
 入山した時と同じケーブルカーで下山したのだが、このケーブルカーは日本最長の2025mを誇り、片道11分を要するのである。とにかく恐ろしく長いし、途中トンネルが数か所あるのも珍しい。また琵琶湖の景観も素晴らしいので、比叡山延暦寺を訪れる場合は、是非このケーブルカーに乗って欲しいものである。
Dsc08458
ケーブルカーから琵琶湖を望む
Dsc08460
ケーブル比叡山駅から琵琶湖を眺める

 またケーブルカー坂本駅からバスに乗って京阪石山坂本線の坂本比叡山口まで戻るのだが、そのまま帰ってしまうと後悔することになる。できれば途中の日吉大社入口というバス停で途中下車したい。そして駅まで続く風情ある並木道を歩いてみよう。またこの門前町にある生源寺には、比叡山を開山した最澄が産まれたとき、産湯の水を汲んだという井戸がある。あまり期待していなかったのだが、なかなか心地よく楽しい「坂本散歩」であった。
Dsc08496
紅葉の美しい並木道で坂本散歩

 このあと京阪石山坂本線で帰路に就くのだが、途中の三井寺という駅で下車し『三井寺(園城寺)』に立ち寄ってみた。この三井寺の創建は7世紀頃と伝えられており、その長い歴史の中で幾度ともなく伽藍焼失と再建を繰り返し「不死鳥の寺」とも呼ばれているという。また国宝や県の重要文化財も数多く所蔵しており、境内も広く数多くの見所があり、桜や紅葉の名所となっていて風情豊かな光景を楽しむこともできる。
 このように三井寺は由緒ある素晴らしい寺院なのだが、本日までお寺ばかり巡ってきた影響か多少疲れが出てしまい、駆け足で参拝してしまったのが悔やまれる。逆に初日に参拝した石山寺のほうが、なんとなく印象に残っているのだ。
Dsc08498
三井寺仁王門
Dsc08499
 三井寺金堂
 
 その石山寺とは、琵琶湖に流れる清流瀬田川のほとり、伽藍山の麓に位置し、奈良時代から観音の聖地だったと言われている。また縁起によれば、石山寺は天平19年に聖武天皇の勅願にて良弁僧正が創建したとされ、現在も安産、福徳、縁結びなどに霊験あらたかな仏様として信仰を集めているようである。
 さらに平安時代には貴族達の間で石山詣が流行し、紫式部が参籠の折に『源氏物語』の着想を得たと言われている。ほかにも『枕草子』『蜻蛉日記』『更級日記』などの文学作品に登場するなど、石山寺は平安王朝文学の開花の舞台となった。したがって文学の寺として絵画・聖教・典籍など数多くの歴史的な寺宝を有しているという。
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 石山寺本堂
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紫式部像、後ろに見えるのは光堂
 広い境内はかなり起伏に富んでおり、ゆっくり巡れば楽に2時間以上はかかるだろう。春は梅、桜、つつじ、牡丹、夏は紫陽花、百日紅などの開花が見どころだと言うが、なんと言っても秋の紅葉の美しさは、まるで絵画から飛び出たようで感動的である。この紅葉を見ただけでも「十分満足」と言っても過言ではないだろう。そして境内めぐりが終わった後、東大門前にある叶匠寿庵で食べる『石餅』の味も、風情がありなかなかおつなものであった。
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 石山寺の庭園・無憂園
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叶匠寿庵で食べた『石餅』
 
 ここまでお寺巡りばかりが続いたが、最終日は新幹線に乗る前にびわ湖線で近江八幡駅まで戻って、近江商人たちの古き商人町を散策することにした。3日目の旅路を迎え、寺巡りの疲れがどっと出てしまい、予定より1時間ほど寝坊してしまったが、京都発3時半の新幹線にはだいぶ余裕がある。
 近江八幡駅でコインロッカーに荷物を入れて、駅前のロータリーからバスに乗ると、なんと急に雨が降ってくるではないか。天気予報では午後から一時雨となっていたのに、午前10時前からザアザア降りになってしまったのである。
 バスに10分位乗車して、小幡町資料館前という停留所で降りたが、雨足はさらに激しくなってくるばかりだ。ずぶ濡れになりながらも、そこから約100メートル先にある郷土資料館に飛び込んだ。
 
  雨宿りも兼ねて郷土資料館周辺にある『歴史民俗資料館』、『旧西川家住宅』、『旧伴家住宅』等の共通入場券を購入し、これらをゆっくり順に巡ることにした。ここでは近江八幡に開城した豊臣秀次の人物紹介や、その功績などが学べるし、昔の近江商人たちの居室や店舗などを見学することができる。
 なんとこれらを見学している途中で、運よく土砂降りだった雨が降りやんでくれた。それで急いで古き商人町の町並みを散策したのだが、残念ながら期待していたほどの旧町並みは存在せず、今見学したばかりの旧西川家住宅や旧伴家住宅を含む数件の旧家しか見当たらないのだ。
Dsc08539
旧商家の町並み
Dsc08516
旧商家の住宅内部
 
 まあこんなものかなと考え直し、近くの八幡掘りをぶらり散策してみた。ここではちょうど、八幡掘り巡りの小型定期船を間近に見ることが出来てなかなか趣があった。そのあと八幡神社にお参りした後、千成亭という牛肉専門店で近江牛のすき焼きを食べて、近江八幡観光は手仕舞いすることにした。
 さて帰路は、近江八幡駅行のバスが5分遅れたことと、駅のコインロッカーから荷物を引き出すのに手間取ったため、駅のホームに着いた瞬間に列車が発車してしまったのだ。それになんと次の列車は30分後だと、電光掲示板に表示されているではないか!。なんだそんな田舎だったんだと溜息をつきながら、次の列車を待つことになってしまったのである。
Dsc08531
 八幡堀遊歩道の散策
Dsc08556
千成亭の近江牛すき焼き
 こんな流れで滋賀個人ツアーは終わるのだが、初めて経験する個人ツアーだったため、とにかくいろいろと反省することや勉強になったことが多かった。
 ホテルの予約は完了しても、JRの予約は1か月超の部分はできない。従ってツアーを組んだ日が、出発日より1か月超前だったため、新幹線の往路・復路の予約が、全て旅行会社任せになってしまったのだ。その結果、往路の第一希望である「のぞみ号」が確保できず、そのあとの「ひかり号」に割り振られてしまったのである。このため当初予定より、約1時間ばかり遅く京都に到着することになってしまったのだ。この1時間は大きい。午後5時までの見学場所が多いからである。
 
 もしちょうど1か月前に予約していれば、少なくとも往路は自分で予約がとれるため、第一希望の列車を確保できたはずである。というのも旅行会社のお任せ予約だと、復路が1か月以内になる日まで予約作業をしないので、その間に往路の予約が取り辛くなってしまうのだ。それでも通常なら2~3日のずれ位なら、希望通りの列車が確保できると思うのだが、この度のように全国旅行支援が実施されて混雑しているときは僅か数日間のズレでも確保できなくなるのだろう。
 
 また今回利用した「旅行会社経由の新幹線と宿泊費のセットプラン」はいかにもお得なプランのように宣伝されているのだが、ある落とし穴があることが分かった。それは時間帯によっては、新幹線の追加料金を取られるというシステムである。これが意外にもかなりの金額で、便利な時間帯を希望するとセットプランで得た割引額がほとんど消えてしまうのだ。
 従って場合によっては、宿泊セットプランを利用するより、「えきねっとトクだ値」などのプランを利用したほうがお得かもしれない。ただ今回は全国旅行支援を利用したためこの方法で間違いはなかったのだが…。
 
 それにしても疲れた。毎日寺社巡りが続いて2万歩前後歩かされたこともあるが、限られた時間の中で最良の旅程を計画・実行することもきつかったのだ。また観光バスや自家用車を使わずに、本数の限られたローカル線や路線バスの時刻表を気にしながら「ギリギリ観光」すること自体がしんどいのである。
 当たり前だが、それに比べれば、やっぱり旅行会社主催のツアー旅行の便利さとコスパの良さは抜群だね。なんの準備も予備知識も必要なく、荷物は観光バスが運んでくれるし、ピンポイントで観光名所を効率よく回れるからね。まあとは言っても、自分は長時間バスに乗れないのだから仕方がないし、今回はいろいろ勉強になったので良しとしておこうか。
 
作:蔵研人
 

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2022年11月19日 (土)

初恋ロスタイム

著者:仁科裕貴
 
 ある日、僕以外の時間が止まってしまった。それは平凡な高校生活を送る僕・相葉孝司に、唐突に訪れた特別すぎる青春であった。毎日午後1時35分になると、1時間だけ自分以外の時間が止まるのである。その時間を、僕はロスタイムと名付けた。そんな停止世界に突然現れた魅力的な少女・篠宮時音、僕は彼女に恋をしてしまう。それにしてもなぜ時間は止まるのか、また謎めいた少女が抱える大きな秘密とは……。
 
 時間を止められたら、下品なおじさんたちが考えるのは、たぶん泥棒とエッチなことに違いない。本作でもちょぴりエッチな想像があったけど、その前に早々と少女が登場してしまったので未遂に終わってしまった。
 いずれにせよ、本作はエロ小説ではないし、かと言って純粋なSFでもなく、とどのつまりややSF絡みの難病ラブストーリーと言った位置付けなのだろうか。そんな訳でSFとしても恋愛ものとしても中途半端で、ちょぴり物足りなさを感じたのは私だけであろうか……。
 なお本作は2019年に映画化されているが、その感想については下記を参照にされたし。
 
作:蔵研人

 

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2022年11月13日 (日)

遊星からの物体X

★★★☆
製作:1982年 米国 上映時間:109分 監督:ジョン・カーペンター
 
 約40年前に本作を劇場で観たときは、その特撮技術と気味の悪い映像に度肝を抜かれたものである。だが今になって再度DVDで観てみたら、当然だが当時の驚きも感動も湧いてこなかった。やはりどんな奇抜な映像でも、40年の歳月には萎んでしまうのだろうか。しかしながらCGなどなかった時代に創られた機械仕掛けのモンスター達には、拍手喝さいを送らねばならないだろう。
 
 本作の内容は、はるか昔に宇宙から飛来してきて南極基地で眠っていた謎の生物と、それに立ち向かっていく隊員たちの戦闘と葛藤を描いた物語である。それを分かり易く表現すると『エイリアン』『SF/ボディ・スナッチャー』そして岩明均のマンガ『寄生獣』をミックスしたような構成と言っても良いだろう。ただし『エイリアン』と『SF/ボディ・スナッチャー』は本作より前に製作されているが、『寄生獣』は8年後に執筆されているので、逆にマンガのほうが本作を参考にしたのかもしれないね。
 
 本作の原題は『The Thing』つまり「その物体」というようなシンプルなタイトルだが、一方で邦題は『遊星からの物体X』となっており、よりミステリアスでSF臭を感じるタイトルのように感じる。また本作は1951年にアメリカで公開された『The Thing from Another World(邦題「遊星よりの物体X」)』のリメイク版でもある。さらに2011年に公開された『The Thing(邦題「遊星からの物体X ファーストコンタクト」)』は、本作の前日譚が描かれているようだ。そちらのほうはいまだ未鑑賞なので、近いうちに是非チェックしてみたいと考えている。
 
評:蔵研人
 

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2022年11月 9日 (水)

東京リベンジャーズ

★★★☆
製作:2021年 日本 上映時間:120分 監督:英勉
 
 和久井健のコミック『東京卍リベンジャーズ』を原作にしたSFアクション映画である。フリーターでどん底生活を送っている花垣武道は、高校時代の恋人・橘日向と彼女の弟・直人が殺され、その死に巨悪組織・東京卍會が絡んでいることを知る。ところがその翌日、駅のホームで何者かに押され電車が迫る線路に落とされてしまうのだが……。目を覚ますと情けない不良だった10年前にタイムリープしていた。
 
 それで橘日向の死を回避するために、あらゆる手段を講じるのだがなかなか原因が掴めないまま、何度もタイムリープを繰り返すのだった。果たして花垣武道は、過去を改変して未来を救うことが出来るのだろうか……。というと何となくSF映画ぽいのだが、中身は超おバカなバリバリのアクション映画なのであった。
 原作は読んでいないが、さすがマンガだけあって吉沢亮扮する(佐野万次郎[マイキー])と山田裕貴扮する(龍宮寺堅[ドラケン])の超人的な強さには度肝を抜かれてしまったぜ。それで昔観た映画『湘南暴走族』の江口洋介と織田裕二を思い出してしまうのは、古いおじさんだけだよなぁ~。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年11月 5日 (土)

ザ・ゲスト

★★★☆
製作:2014年 米国 上映時間:100分 監督:アダム・ウィンガード
 
 ハロウィン間近のある日、戦死した息子の戦友でデイヴィッドと名乗る青年が、突然ピーターソン家に訪問してくるのだった。彼は礼儀正しく、謙虚でかつ容姿端麗でピーターソン家に溶け込み、一家のそれぞれが抱える様々なトラブルを解決していく。
 だが一家が彼を引き留めているうちに、余りにも完璧すぎる彼の言動の裏に、なにかを隠していることが徐々に明らかになってくる。一体彼は何者で、何を目的としてピーターソン家に居候しているのだろうか……。
 
 前半はピーターソン家のホームドラマに、ミステリアスでヒーローのようなデイヴィッドが絡むと言う展開で、なかなか先が期待される興味深い丁寧な脚本だった。ところが後半になると、デイヴィッドが急に凶暴になり、銃の密売業者を撃ち殺すあたりから流れが一変する。そして丁寧だった脚本も急に投げやり気味で粗削り、いや陳腐な展開に終始してしまう。そしてラストは、完全なB級ホラー映画に成り下がってしまうのである。なんだこりゃあ……。
 
 こんなチグハグな展開なので、ネットでは賛否両論が渦巻き、どちらかと言うと不協和音のほうが目立っている。私自身も後半の急展開には納得できない部分があり、なぜデイヴィッドが急変してしまったかの説明も全くないし、事件も未解決のまま終了してしまったことにフラストレーションが溜まってしまった。
 さてデイヴィッドの正体については、多分「8マン」のようなサイボーグなのだと推測されるが、彼が急変してしまった理由が自己防衛システムの起動だとしたら、余りにも説得力がなさ過ぎるよね。
 いずれにせよホームドラマが、いきなりアクション&ホラー&SF映画に転換してしまうと言う、超・荒唐無稽さにはついてゆけない人が多いことは間違いないだろう。ただ中盤まではかなり面白かったので、★★★☆というそこそこの評点を付けざるを得なかった。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年10月29日 (土)

君のいた永遠

★★★☆
製作:1999年 香港 上映時間:115分 監督:シルヴィア・チャン
 
 舞台は香港と日本、高校時代に出会った3人の男女の20年間にわたる男女の揺れる心を描いたラブストーリーである。
 17歳の高校生シューヤウは親友チャンリーとコンサートに行き、そこで19歳のミュージシャン志望の青年ホークァンと出会い恋におちる。ふたりは熱烈に愛し合うが、クリスマスの夜に一緒にいたところを彼女の母親に見つかり、引き離されることになるのだった。
 
 またシューヤウは、親友チャンリーから思いがけない愛の告白を聞き、動揺し彼女を叩いて逃げ帰ってしまう。そしてホークァンは日本へ旅立ち、ふたりは離れ離れになり、そのまま別れてしまうのである。
 
 それから7年後のことである。ファッションメーカーのバイヤーになっているシューヤウは、東京で旅行代理店に勤めていたホークァンと偶然再会する。恋が再燃したふたりは初めて結ばれるが、彼は妻ある身であった……。
 さらにまた15年の歳月が流れ、ホークァンは妻と別れ、ショーヤウとの結婚のために香港を訪れる。だが彼女には辞められない仕事があるし、過去の悲しみを繰り返したくない思いも湧き、彼の求婚を断るのである。
 
 …とここまでの展開は、よくあるラブストーリーなのだが、果たして二人は結ばれるのだろうか。まさに興味はその一点に集約される。ところが実は最後にどんでん返しが待っていたのである。とは言え、なんとなく途中でそんな気がしたのだが……。
 若い頃のショーヤウを演じたジジ・リョンはとても綺麗で背が高いね。ホークァンを演じた180㎝の金城武とそれほど変わらないもの。一方の金城武は19歳の役柄にはかなり無理があったし、演技力不足なのかどうもノリが良くなかったね。いずれにせよロマンチックで悪い映画ではないのだが、おじさんにはいまひとつ感情移入ができない作品だったかもしれない。やはり女性監督の経験をもとにした女性向きの映画だからなのだろうか……。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年10月23日 (日)

翔んで埼玉

★★★
製作:2018年 日本 上映時間:107分 監督:武内英樹
 
 魔夜峰央のベストセラーコミックを原作にしたまさかの映画化作品である。キャストは高校の生徒会長に二階堂ふみ、美貌の転校生にGACKT、そして伊勢谷友介、ブラザートム、麻生久美子、加藤諒、中尾彬、竹中直人、京本政樹などが脇を固めている。
 
 東京都民からひどい迫害を受け、ひっそりと暮らしている埼玉県民というバカげた設定は笑えるし、序盤の学園ドラマもなかなか面白いのだが、観ているうちにだんだん退屈感が募ってくるのだ。それは敵対していた二階堂ふみとGACKTが、すぐにラブラブな関係になってしまったこと。また中盤以降になると暴力的な展開に終始し過ぎたことが原因かもしれない。
 ネットの評価が高く、予告編もバカ面白かったので期待して観たのだが、自分にはいまひとつ面白さが実感できなかった。う~ん残念だ。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年10月19日 (水)

13時間前の未来

著者:リチャード・ドイッチ
 
 何者かに最愛の妻を殺害され、そのうえ犯人容疑で警察に拘留されてしまうニック。無実を叫ぶものの、凶器に使われた拳銃にはニックの指紋が付着していたのである。そんなとき、混乱するニックの前に謎の初老の男が現れ「きみには12時間ある」言い残し、古い懐中時計を置いて去ってゆくのだった。
 なんとこの懐中時計は、一種のタイムマシンであり、1時間前の世界に戻って1時間経過すると、又2時間前へ戻る仕組みになっているのである。その度に、事件の真相に迫ってゆくのだが、協力してくれた友人などが殺されたり、妻が別の形で死んだりして、なかなか上手くゆかないのだ。
 
 過去に戻って何度もやり直すタイムループ作品は、小説では『リプレイ』、映画では『恋はデジャヴ』などに代表され、その他にも多くの作品が発表されている。だが本作は単純に同じ過去をやり直すのではなく、1時間前へさらに1時間前へと13時間前まで、1時間ずつ過去に向かってやり直してゆくところが実にユニークなのである。
 
 いずれにせよスピード感に溢れ、細かい捻りや趣向も随所にちりばめられており、息をつかせぬ連続ドラマを観ているかのようだった。またタイムトラベルあり、謎解きあり、アクションあり、恋愛ありの贅沢三昧な物語なのである。だから映画化される予定だったのだが、残念ながら今のところ製作された軌跡はないようだ。多分映画化するには長過ぎるので見送られたのかもしれない。しかし連続TVドラマならばピッタリカンカンなので、いずれはその方向で検討されることだろう。
 
 ただコアなSFファンの評価はいまひとつなのだが、そもそもタイムトラベル自体が荒唐無稽なのだから、余りむきになってタイムパラドックスや時間論を戦わせる必要はないと考えたい。なかなか馴染めない海外小説が多い中で、これほどスタートからスラスラと読み続けられた小説は珍しい。エンタメは面白ければよいので、クドクドとあら捜しをせず素直に楽しもうではないか。と言いながらも、ダンス刑事のしぶとさと悪知恵にはムカムカ・イライラが募ったね。
 
 さて著者のリチャード・ドイッチの本業は不動産投資関連の仕事で、執筆活動は夜の9時から午前3時までを当てているとのことである。彼はトライアスロン、スキー、スキューバダイビング、スカイダイビングなどをこなし、さらにギターとピアノの腕前を駆使して作曲まで手がけるスーパーマン振りを発揮しているらしい。
 
評:蔵研人
 

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2022年10月12日 (水)

ロスト・バケーション

★★★☆
製作:2016年 米国 上映時間:86分 監督:ジャウマ・コレット=セラ
 
 亡母が教えてくれた秘密のビーチ。医学生のナンシーは休暇を利用して、人いないそのビーチを訪れるのだった。序盤はスタイル抜群のナンシー(ブレイク・ライブリー)の肢体と、美しい風景にサーフィンをブレンドしたノンフィクション風の展開が約20分間続く。それがだんだん退屈になり始めた頃、突如巨大なサメが現れてナンシーに襲いかかってくるのである。
 
 誰もいない海、大腿部はサメの歯型がつき、血が流れ続けているではないか、しかもかろうじて泳ぎ逃げた小さな岩礁は、数時間後の満潮で水没してしまうのだ。こんな状況でもしあなたが人食いザメに襲われたら……という実話っぽいストーリーだが、終盤になって急にアクション色が濃くなり、現実離れしてゆく。
 とにかく怖い、痛い、ドキドキする映画なのだ。そして舞台のほとんどが海の上であり、登場人物はたった6名だが、大半のシーンはナンシーとサメとカモメだけとう超少人数映画である。こうした映画では心理描写と俳優の演技力が必須となるが、本作ではその条件は見事にクリアしている。
 
 それにしても、サメが余りにもしつこ過ぎるよね。丸一日も同じ場所を徘徊し続けるかなあ……。また男性たちが異常に弱いし、最後はナンシーがまるで『エイリアン』のリプリーになってしまったのには笑ってしまった。まあ緊張感が漂っていたし、面白かったから細かいことは棚上げしておこうか。
 
 
評:蔵研人
 

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2022年10月 8日 (土)

メカニック

★★★☆
製作:2011年 米国 上映時間:93分 監督:サイモン・ウェスト
 
 どんな相手でも依頼があれば必ず遂行する完璧な仕事ぶりから『メカニック』と呼ばれる凄腕の殺し屋・アーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)。ところがある日、組織からとんでもない暗殺指令が下るのであった。それは友人であり恩人でもあるハリー・マッケンナを抹殺せよとの暗殺命令だった。アーサーは戸惑いつつも任務を遂行するのだが、なんと殺したハリーの息子スティーブを助手に迎え、殺しのテクニックをたたき込んでいくのである。
 
 とにかく渋い、渋すぎるほど渋いジェイソン・ステイサムの殺し屋アクションに、つい前のめりになってしまった。ただその割には終盤のカーチェイスあたりから、急にド派手シーンの連続になってしまったのが、ちょっぴりルール違反かもしれないね。それにしてもあれだけ大暴れして、どうして警察に捕まらないのだろうか(苦笑)……。
 
 本作は1972年にチャールズ・ブロンソン主演の同名映画のリメイク版だと言う。道理で主役のアーサーが渋いはずである。そのオリジナル版は観ていないので比較はできない。だがジェイソン・ステイサムが『アドレナリン』のようなおバカ系アクションだけではなく、落ち着いた大人系アクションもこなせることが分かったのは新発見であった。
 
評:蔵研人
 

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2022年10月 4日 (火)

AVA/エヴァ

★★★
製作:2020年 米国 上映時間:97分 監督:テイト・テイラー
 
 凄腕の女暗殺者エヴァは、任務をこなしながらも常に「なぜ標的たちは殺されるのだろうか」と自問自答を繰り返していた。そしていつも標的を殺害する直前に、なぜ自分が殺されるのか心当たりはあるか質問するのだ。このことを知った組織は、エヴァは組織にとってリスクが多過ぎると判断し、エヴァを始末しようとする。
 
 ただ本作はそれだけの単純なアクション映画ではなかった。もちろんエヴァの暗殺任務とそれを命じている組織との奇妙な戦いが中心となっていることは否めない。だがそれと並行しながら、エヴァと家族との葛藤をジワジワと絡めているのである。まあストーリー構成としてはなかなか興味深いのだが、アクションにしても家族との関係にしても、どちらつかずで中途半端な創りとなっていてすっきりしないのだ。
 
 また主役のエヴァを演じたジェシカ・チャステインの演技力は相変わらず評価できるものの、このような激しいアクションものを彼女に演じさせる理由が見当たらない。さらにコリン・ファレルに悪役は似合わないし、総じてキャスト全体に違和感があると感じたのは私だけであろうか。
 
作:蔵研人
 

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2022年9月28日 (水)

任侠中仙道

★★★
製作:1960年 日本 上映時間:91分 監督:松田定次
 
 片岡千恵蔵扮する清水の次郎長と、市川右太衛門の国定忠治が手を取り合って、悪代官と悪博徒一味を退治する勧善懲悪時代劇である。余りにもご都合主義で単純な脚本だが、東映恒例の正月オールスター映画であり、ストーリーより超豪華な俳優総出演が見所の作品なのだ。
 
 先にあげた千恵蔵、右太衛門のほか、中村錦之助、大川橋蔵、東千代之介、里見浩太朗、若山富三郎、大友柳太朗、黒川弥太郎、山形勲、進藤英太郎、大河内傳次郎、月形龍之介、などなどいつでも主役を張れる大物俳優たちがズラリと並んでいるのだ。…ということで日本中が沸きに沸き、当時の配収は3億5091万円を達成し1959年度の邦画配収ランキング第1位となったという。
 
 それにしてもまさに大東映時代の超豪華な時代劇である。撮影場所と時代劇俳優が、湯水のようにふんだんに溢れていた良き時代でもあった。もうこうした大時代劇は現代では絶対に創れないだろう。
 また「パシャッ」「カキーン」といった派手な擬音や、首や腕がふっ飛ぶなどの残酷描写は皆無の殺陣だが、よく観ているとそれなりにスピード感もあり完成度の高さが感じられた。さすが誰も彼もが時代劇俳優たちである。
 
 さらに月形・山形・進藤などの、板についた悪役振りも実に懐かしく見せてもらった。彼らは実生活でも悪人なのだと、当時子供心に信じていたくらいの嫌われ役者で、こんな俳優も今では余り見当たらない。まあ映像技術や脚本が現代では通用しないものの、たまにはこうした安心できる東映時代劇に浸って心を癒すのも良いかもしれない。
 
 
評:蔵研人
 

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