13日の金曜日 2009
★★★
製作:2009年 米国 上映時間:95分 監督:マーカス・ニスペル
1980年に公開された初代『13日の金曜日』は、映画評論家から酷評されたにもかかわらず、一般観客には熱狂的に受け入れられ、世界的な大ヒットとなった。殺人鬼ジェイソンのホッケーマスクは、いまやホラー映画のみならず大衆文化全体に浸透した“恐怖のアイコン”として定着している。
本作はシリーズ最終作にあたるが、初代から第4作までの要素を新たな視点で再構築したリメイク作品である。映画としての完成度は決して高くないものの、製作費1,900万ドルに対し興行収入は9,270万ドル。『フレディVSジェイソン』に次ぐシリーズ第2位の成績を残したというから驚かされる。
行方不明の妹を探すため、クレイは惨劇の舞台となったクリスタル・レイクを訪れる。地元住民や警察の忠告を無視して探索を続けるうち、彼は知らず知らずのうちにジェイソンの縄張りへと足を踏み入れてしまう。
その後はお約束の展開が続く。若者たちのパーティー、セックスシーン、逃げ惑う群像、そして次々とジェイソンに狩られていく犠牲者たち────。リメイクとはいえ、薄暗く観づらい映像の中で繰り返される“お馴染みパターン”には、さすがに食傷気味になってしまった。
さらに、超人的な身体能力を持ち、先回りしたり、罠を仕掛けるほど賢いジェイソンという“新解釈”にも違和感が残る。追跡と殺戮以外に物語性がほとんどなく、シリーズを知っていることが前提で作られた印象すら受ける。
別荘にドラ息子たちが到着したあたりから、どこかで観たような既視感がよぎり、気づけば惰性で最後まで観てしまった。ラストシーンを見て、かつてテレビ放映で鑑賞した記憶がふと蘇った。
とはいえ、退屈せずに最後まで観られたのだから、全くの駄作というわけでもない。ホラーの定番をなぞりながらも、それなりに楽しめる一本なのかもしれない……。
評:蔵研人
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