散歩する侵略者

★★★

製作:2017年 日本 上映時間:129分 監督:黒沢清

 宇宙人が人間に取り憑いて、人間の調査を行い最終的に地球を侵略するという壮大なSF作品なのだが、余りにもチンケ過ぎる仕上がりであった。ただキャストだけは、松田龍平、長澤まさみ、長谷川博己、前田敦子、光石研、東出昌大、小泉今日子、笹野高史と超豪華メンバーを揃えている。「だからこれはB級映画じゃ無いよ!」と言わんばかりなのだ。

 だがストーリー構成に全く工夫が無く、人間の調査と言っても、数人の「概念」を人差し指で奪っただけだし、そもそも侵略者が3人しか登場しないのも、これから地球を攻撃するには安っぽ過ぎるじゃないか。そして最大の見せ場である宇宙人の攻撃も火の玉フラッシュ!という程度なのだ。もう恥ずかしくてとても観ていられなかった。
 SF映画は莫大な製作費を湯水のように使うか、ストーリー展開と理論体系をしっかり構築することが必須である。本作は間違いなく、どちらも実現出来なかった最悪の例であろう。


評:蔵研人

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2021年4月15日 (木)

海賊じいちゃんの贈りもの

★★★☆

製作:2014年 英国 上映時間:95分 監督:アンディ・ハミルトン

 おじいちゃんの誕生日を祝福しようと、マクラウド一家5人がロンドンからスコットランドの実家宅に集結する。だが父親のダグが浮気したことが原因で、夫婦仲は冷え込んで離婚が秒読みの状態であった。
 また実家に住む兄嫁の精神状態が不安定で、こちらの夫婦関係もギクシャクしており、和やかな一家団らんとは言い難いものだった。そんな中で、ドタバタしながら誕生会の準備に慌ただしい家族たちから離れたいと思ったじいちゃんは、小さい孫3人を車に乗せて海辺へと向かう。

 ここまではよくある話なのだが、この先起こる海辺での出来事には、誰もがあっと驚き「勝手にそんなことして良いの?」と疑問符を投げかけるはずである。そしてもちろん警察沙汰となり、長女の孫が取り調べを受けることになる。これ以上細かく話すとネタバレになるため、あらすじはこのあたりでお終いにしたい。
 ・・・と言っても、ラストはすっきり感漂うハッピーエンドなのでご心配なく。ただ始終ドタバタに明け暮れていたのにはうんざりしたが、スコットランドの美しい風景には心を惹かれてしまった。

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2021年4月12日 (月)

奇跡がくれた数式

★★★★

製作:2015年 英国 上映時間:108分 監督:マシュー・ブラウン

 アインシュタインと並ぶ天才と呼ばれたインド人シュリニヴァーサ・ラマヌジャンとイギリス人数学者G・H・ハーディの友情と、二人が数学界に残した軌跡を描いてゆくヒューマンドラマである。

 数学は大嫌いだし公式は全く理解不能なのだが、この作品は実に面白かった。舞台は1914年の英国であり、ラマヌジャンがインド人で差別を受けたり、宗教上の理由から思うように食事を摂れなかったこと、などが原因で波乱の人生を呼び込んでしまったことが残念である。

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2021年4月10日 (土)

ドーン・オブ・ザ・デッド

★★★

製作:2004年 米国 上映時間:98分 監督:ザック・スナイダー

 ゾンビ映画の元祖・ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』を現代風にリメイクした作品として紹介されている。確かにショッピングモールに閉じこもってゾンビと戦うという設定は元祖へのオマジージュかもしれないが、だが何かが違う様な気がするのだ。例えるのは少々抵抗があるのだが、あの『エイリアン』がロメロの『ゾンビ』だとすれば、本作は恐怖感は薄れたものの全体的にパワーアップし、アクションシーンを充実させた『エイリアン2』である。

 それでゾンビが怖かったのは序盤だけで、あとは理解不能な人間達のほうが気味悪かったよね。まああれだけのパニックの中を逃げのびてきたのだから、多少おかしな奴がいても仕方ないのだが・・・。
 それにしてもあのゾンビの群れは凄まじかったね。あの大型トラックが動かなくなってしまったもの。多分CGを駆使しているのだと思うが、それにしても凄い迫力だったな。

 だから少なくとも★★★☆以上の評点を付けるつもりだったのだけど、あのエンディングロールを見た瞬間に評価がた落ち!。監督としては凝りまくったエンディングに仕上げたつもりなのかもしれないが、「くどすぎるいやしつこすぎる」、「そしてやたらうるさすぎる」。せっかく終わったと思ったのに、もう観たくない映像の投げ売りが止まらない。もう沢山だお腹一杯なのだ!!。

評:蔵研人

 

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2021年4月 7日 (水)

セブン・シスターズ

★★★★

製作:2016年 英国・米国 上映時間:123分 監督:トミー・ウィルコラ

 近未来のSFサスペンスある。世界は人口の増加と飢饉によって深刻な食糧難となり、厳格な一人っ子政策を行っていた。もし二人以上の子が生まれた場合は、食糧危機が治まるまで児童分配局の管理する冷凍睡眠法によってカプセルの中で保存されることになる。

 そんな状況下で、なんとセットマン家に七つ子姉妹が生まれる。だが政府高官である祖父によって、7人が1人になるように仕込まれ、当局の監視の目を逃れてきた。そして姉妹たちは各曜日の名前を付けられ、それぞれ週に1日ずつ外出し、30年間もの間、共通の人格を演じ続けていたのであった。ところがある日、マンデーが帰宅しなかったことから、姉妹の日常が大きく狂い始める。

 7人で1人を演じるとは、なんと新しい発想であろう。またキャストはその真逆で、性格の異なる7人を1人が演じているのだから凄まじい。そしてラストのどんでん返しもしっかりと用意されていた。
 ほとんど文句の付けようのないSF作品と言えるが、ただいかに1卵生七つ子といえど、眼球認識ではひっかかってしまうのではないだろうか。また児童分配局のしつこい割には意外に脆いところがちぐはぐであった。


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2021年4月 5日 (月)

心の旅

★★★★
製作:1991年 米国 上映時間:106分 監督:マイク・ニコルズ
 
 ハリソン・フォードがまだ40代の頃の作品で、まだシャキッとしているね。そしてかなりの部分が彼の存在感と演技力に支えられている作品とも言えるだろう。
 ニューヨーク屈指のエリート弁護士であるヘンリーは、大病院の失態の責任を救い、訴えていた患者を後に裁判所を出る。だが家庭では毎日仕事に奔走し過ぎて、妻や娘と余り接点を持てない状況が続いている。
 そんなある夜、彼はタバコを切らしたためにコンビニに行き、そこで偶然居合わせた強盗に肩と頭を撃たれてしまうのだった。通常なら命を失ってもおかしくなかったのだが、不幸中の幸いでなんとか命を繋ぐ。だが体は動かせず、口はきけず、記憶まで失ってしまうのである。

 そしてヘンリーのリハビリ生活が始まる。リハビリセンターで、黒人の看護師の努力もあり、なんとか喋ることが可能となり、体も動かせる様になる。だがどうしても記憶だけは戻らないまま退院することになり、妻のことも娘のことも思い出せないままの生活が始まるのである。
 記憶も回復せず、読み書きも不十分なヘンリーだったが、ボスのお情けで弁護士事務所に復帰することになる。もちろん同僚の名前も思い出せず、まっとうな仕事も出来ないままだが、以前と違って正義感のようなものが湧いてくるのだった。

 本作は死の淵から立ち上がったヘンリーの再生の軌跡であり、家族愛の再生の物語でもある。もちろんハリソン・フォードと妻役のアネット・ベニングの演技が光っていたが、犬の演技もなかなかだよね。そして序盤では現代米国の現実を描き、終盤で理想の米国家庭を描き直しているという、いかにも米国映画という構成だったね。いろいろ突っ込みたい部分もあるかもしれないが、ここは素直に感動しようではないか。
 

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2021年4月 3日 (土)

クロノス・ジョウンターの伝説

★★★
製作:2019年 日本 上映時間:87分 監督:蜂須賀健太郎
 
 タイムトラベル小説の御大である梶尾真治の作品が原作となっている。
 住島重工の開発部門に勤務している吹原和彦は、毎日通勤時に通りかかる花屋で働いている蕗来美子に淡い恋心を抱いていた。ところが来美子の働く花屋の前で、タンクローリーが衝突して大惨事を引き起こす。そして悲しいかな、彼女もその事故に巻き込まれて死亡してしまうのだった。

 その頃、吹原が勤務する開発部門では、時間軸圧縮理論を採用して物質や生物を過去に送ることが可能なタイムマシン「クロノス・ジョウンター」の実験を行っていた。この実験はほぼ成功したものの、過去に送ったはずの物体などが現在に戻るのに、数分間のタイムロスが発生してしまうところが問題であった。

 そのタイムロスが起こる理由や法則は全く不明であったが、吹原は来美子を救うため過去に跳ぶ。だが実験で解明されていなかったタイムロスによって、一定の時間しか過去には存在できず、その反動でずっと先の未来に跳ばされてしまうのだった…。

 ネットの評価はそこそこ高いのだが、原作を読んでいる私には今一つ感情移入ができなかった。その最大の原因は、あまりにも低製作費であることだろう。そのため肝心のクロノス・ジョウンターがちゃちいこと、吹原が跳んだそれぞれの未来の時代考証がほとんど描かれていないこと、友人の風貌が全く変わっていないこと等であろう。
 さらにラストのハッピーエンドは、原作と乖離しているだけでなく、かなり科学的に無理があった。ともかく、SF映画はガンガン金を使い、いかに嘘を本物らしく見せるかが勝負なのである。またそれなりに納得できそうな理論体系を構築しておかないと、バカバカしくなってしまうものである。このあたりが邦画にSFものが少ない原因なのであろうか。

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2021年4月 1日 (木)

かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-

★★★★

製作:2018年 日本 上映時間:120分 監督:吉田康弘

 このローカル線シリーズははずれがなく、いつも感動的な作品ばかりであり、三作目の本作も期待を裏切らない作品だった。ただ父親役のごっついヒゲ男だけは、ミスキャストの様な気がする。少年の回想の中で何度も現われる重要な役回りなのだが、どうも私には感情移入できなかった。またヒロイン晶を演じた有村架純も、ミスキャストとは言わないものの、彼女の天性の明るさが邪魔して、なにか今ひとつ乗り切れないのだ。これらをフォローして余り会ったのが國村隼の渋い演技と、子役の男子の切ない演技であろう。

 また簡単に鉄道会社の入社面接に受かってしまったこと。さらに電車の免許までもが、苦も無くあっさりと取得できたこと。なぜ晶が少年の母親役にあれほど拘るのか、などなど辻褄の合わない展開が随所に目立つところが残念だった。だが何と言っても、ローカル線沿線のしっとりとした美しい景色と、良い音楽に恵まれ、総合的にはそれなりの映画らしい映画に仕上がっていたのが救いであろう。

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2021年3月30日 (火)

追憶の森

★★★★
製作:2015年 米国 上映時間:111分 監督:ガス・ヴァン・サント

 原題は『THE SEA OF TREES』で、富士山の青木ヶ原樹海を意味している。米国映画なのだが、舞台のほとんどがこの青木ヶ原樹海なのである。そして時たま描かれる主人公・アーサーの回想シーンだけが、米国での出来事という構成になっている。
 さてアーサーがはるばる日本の樹海を訪れたのは、ネット検索で『理想の死に場所』を探し、青木ヶ原樹海のことを知ったからである。そして樹海の奥深くに侵入し、睡眠剤を少しずつ飲み始めたとき、突然ふらつきながら彷徨い歩く日本人男性が現れ、ここから出られなくなったので助けて欲しいと懇願するのだった。

 彼はナカムラ・タクミ(渡辺謙)と名乗り、どうやら手首を切って自殺を図ったものの死にきれず彷徨い続けているようである。その後アーサーは自殺することを中断し、ナカムラを助けることに専念するのだが、なかなか樹海の出口が見つからない。
 さらに悪いことに、さきほど服用した睡眠剤が効き始め、ひどいめまいに襲われて崖から落ちてしまうのである。そしてそこに滝のような大雨が降り注ぎ、二人は半死半生の状態で夜を越すことになる。

 ナカムラは会社で左遷されたことが自殺の理由だと言うのだが、アーサーにはなぜその程度のことで自殺をするのか理解出来ない。ナカムラは文化の違いだと言い張るのだが、まだアーサーは納得できないようだ。
 前半は、たびたびアーサーの回想シーンが織り込まれるのだが、夫婦仲が悪いシーンばかりで、何がアーサーを自殺に追いやったのか不明のままである。後半になってそれが解明されたとき、あっと声を上げ、私自身も悲しみに暮れてしまった。そうだったのか、これなら死にたくもなるよな・・・。

 ここで結末を詳しく書くわけにはゆかないが、本作が描きたかったのは「真実の愛と霊魂の存在」だったのかもしれない。また樹海の怖さを大げさに描いている部分もあるが、なかなか奥行きのある味わい深い作品であったことは確かである。
 

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2021年3月28日 (日)

青鬼

★★☆
製作:2015年 日本 上映時間:70分 監督:前川英章

 6年前にテアトル系で映画館で予告編を観たときから気になっていた映画である。ただ余りにも評価が低すぎるのでパスしていた。ところがHULUにラインナップされていたので、無料で時間も短いしダメ元だと考えて視聴することにした。

 襲いかかる青鬼をかわし、謎を解いて閉ざされた洋館からの脱出を目指す人気ホラーゲームを実写映画化した作品である。舞台は古い洋館の中だけ、登場人物はほぼ6人という超・低予算映画。ただ青鬼のCGだけはそこそこの出来だが、ずんぐりむっくりで余り怖くない。
 逃げまくる杏奈ちゃんの超ミニスカートばかりが気になってしまう。でも残念ながら薄暗い建物の中なので、見えそで見えないんだね。

 ゲームを知らないせいか、謎解きの意味はさっぱり不明。ただ箱の中身については「エッ!」と驚いた。ただラストが夢落ちというのはいただけないよね。まあいずれにせよネットの悪評や、腹が立つほどのクソ映画とは思わないが、映画館で1800円で観ていたら怒ったかもしれないね。


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2021年3月26日 (金)

ルームロンダリング

★★★☆
製作:2017年 日本 上映時間:109分 監督:片桐健滋

 まだ幼い頃に母親が行方不明、祖母に引き取られるが18歳の時に祖母が他界。その祖母の葬式に、サングラスと派手な服装の男が乱入し、祖母の遺影に向かって大声で怒鳴り散らし、18歳の私の手を引っ張って葬儀場を出る。

 実はサングラスの男は私こと八雲御子の叔父で、悪徳不動産屋を営んでいる雷土悟郎であった。そして御子の面倒をみることになり、いつの間にか御子も20歳に成長していた。
 彼女の仕事は、悟郎が探してきた事故アパートに住み、自らの持つ心霊体質を活かして、そこに取り憑いている霊の話を聞き、成仏してもらうことであった。・・・といった荒唐無稽でコミカルタッチな作品である。

 雷土悟郎を演じたのはオダギリジョーで、いつも通りの役柄だが、超・ネクラヒロイン八雲御子を演じた池田エライザの存在感が凄かったね。お化けが沢山出てくるけど、全く怖くなく笑えるお化けばかりなので、余り気にしないで、お気楽に楽しもうではないの。 


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2021年3月24日 (水)

日日是好日

★★★★

製作:2018年 日本 上映時間:100分 監督:大森立嗣

 タイトルの日日是好日は映画では「にちにちこれこうじつ」と読んだが、本来は禅語の一つで「にちにちこれこうにち」が正しい読み方だという。
そして禅では、過ぎたことをいつまでも拘ったり、まだ来ぬ明日に期待したりしない。目前の現実が喜びであろうと、悲しみであろうと、ただ今この一瞬を精一杯に生きる。その一瞬一瞬の積み重ねが一日となれば、それは今までにない、素晴らしい一日になるはずである。という解釈らしい。

 前半はお茶のお稽古ばかりで、お茶を知らない人にはかなり退屈だと思う。ただ不思議なことに、知らぬ間にだんだん茶道の世界に引き込まれてゆき、その雰囲気やこころに魅入られてしまうだろう。
 ほとんどのめり込んだストーリーもなく淡々と年月が過ぎてゆく。その間に幾つかの悲哀に襲われるものの、ヒロインの心は茶道のこころに染まってゆくようだった。

 主役の黒木華の演技はさすがなのだが、茶道の先生を演じた樹木希林のしっとりとした演技も心に染み込んでくる。そして彼女は本作が上映される1ヶ月前に、全身がんに冒されて75歳の若さでなくなってしまった。
 いずれにせよ、こころが洗われる良い作品である。また悲しみや苦しみに遭遇した人は、是非本作を観て水の音や風の感触を感じながら、こころの洗濯をしてもらいたい。まさにそんな映画なのだ。


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2021年3月22日 (月)

婚約者の友人

★★★☆
製作:2016年 仏・独 上映時間:113分 監督:フランソワ・オゾン

 舞台は第一次世界対戦後のドイツ。ある日アンナは、美男の青年が戦死した婚約者の墓に花を添え、涙を流している姿を見てしまう。その青年アドリアンは敵国だったフランス人だったので、婚約者の父親は彼と話すことを拒む。だが何度か会っているうちに、だんだん誠実そうなアドリアンに心を開いてゆくのだった。
 そしてアンナと婚約者の両親達は、勝手に彼を息子の友人だと信じ込んでしまう。アドリアンからは、友人だとは一言も発していないのだが、皆が信じ込んでいるので友人のふりをしていたのだが、嘘をついているのがだんだん心苦しくなり、アンナにだけ真相を話すことになる・・・。

 この映画はモノクロシーンで始まる。多分モノクロ部分が過去の話で、現代に戻ったときにカラー化するのだろう思ったら、なかなかカラーに変わらない。それで今度は前編モノクロで構成されているのかと思い込んでいたら、なんと過去の話をするシーンで突如カラーに切り替わったのである。それでは、このままカラーが続くのかと思いきや、話が現代に戻った途端にまたモノクロに戻ってしまったのだ。

 ではもしかすると、すっきりしないが過去のシーンだけをカラーに染めたのかと考えたのだが、なんとそれもまた裏切られてしまった。現代シーンの中で、アンナとアドリアンが楽しそうに散歩しているシーンで突如カラー化してしまったのである。
 おいおい一体何なのだ!。昔の低予算エロ映画のパートカラーでもあるまいし・・・。それでストーリーよりも、モノクロとカラーの使い分けにばかり気になってしまった。もしかすると、この変化はその場の登場人物達の心象風景なのかもしれない。もちろん明るい気分のときがカラーで、暗い気分のときがモノクロなのだろう。

 アドリアンの正体は途中でなんとなく分かったのだが、さりげなく戦後の人種差別事情なども織り込まれており、前半はなかなか興味深い作品であった。ただアンナがフランスに行ってからの展開は、かなり無理があり今までの展開が空しくなるばかりである。
 そしてハッピーエンドでは無く、はっきりしない中途半端な結末。このあたりが、ヨーロッパ映画の芸術感なのかもしれないが、私的には余り好きになれない締めくくりであった。


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2021年3月19日 (金)

三尺魂

★★★★
製作:2017年 日本 上映時間:93分 監督:加藤悦生

 奇妙なタイトルであるが、三尺とは打ち上げ花火の大きさであり、主人公が花火職人といったところである。ではこの作品は花火職人の映画なのかというと、全く的外れで自殺願望の4人が花火の爆発で死ぬたびに、自殺直前に戻ってしまうというタイムループのお話なのだ。SFというにはスケールが小さ過ぎるのでファンタジーと言うことにしておこうか。

 SNSの自殺サイトで知り合った4人が、何度もループを繰り返すうちに、タブーである本名を明かしたり、自殺の理由を打ち明けたりしてゆく。この4人の中には、一人だけ女子高生がおり、全員で彼女を説得するのだが、彼女の決意は固くなかなか説得に応じてくれない。

 低予算映画であるが、アイデア・脚本・演技力がしっかりしているため、最後まで面白く鑑賞させてもらった。製作費の少ない邦画のお手本的な作品であった。こんな映画をもっと創って欲しいものである。
 苦しいから、逃げたいから死にたい。それが冷静に考えたら違う事もあるかもしれない。やっぱり映画はハッピーエンドでなくてはね。それにしてもラストの幸福の連鎖とデジャブは実に見事だったね。


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2021年3月17日 (水)

羊と鋼の森

★★★★
製作:2017年 日本 上映時間:134分 監督:橋本光二郎

 原作は第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都の小説である。ピアノの調律師をめざす青年・外村直樹(山崎賢人)が、様々な経験を積み挫折しながらも、調律師として少しずつ成長してゆく姿を描いてゆくお話。
 何と言っても、圧巻の映像美にうっとりしてしまうだろう。そして詩的なストーリーと、美しいピアノ演奏に魅了されてしまうはずである。

 また登場人物は少ないものの、先輩調律師役を演じた三浦友和、光石研、鈴木亮平がなかなか良い味を醸し出していた。ことに直樹の教育係を引き受けた鈴木亮平の、じっくりした演技には好感が持てた。
 それにしても、ピンとこないタイトルである。その意味はたぶん次のような解釈であろう。
●羊はピアノの弦をたたくハンマーの羊毛フェルト
●鋼はピアノの弦
●森はピアノの主な材料である木材
 地味な映画ではあるが、久しぶりに心が洗われる映画に出会った気がする。


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2021年3月14日 (日)

ダリダ あまい囁き

★★★
製作:2017年 フランス 上映時間:127分 監督:リサ・アズエロス

 1950年代~1980年代にかけて活躍したフランスの国民的歌手の半世紀を描いた映画である。晩年はうつ病に苦しみ、1987年5月2日に二度目の自殺を図り、翌日54歳の若さで死亡した。

 日本でいえば『美空ひばり物語』といったところであろうか。それでも女性監督によるフランス映画なのでおしゃれ感が漂う。きっと有閑マダムの集まる「渋谷文化村ル・シネマ」に相応しい作品だと想像しながらDVDを観ていた。ところが後で調べたら、なんと過去にル・シネマで上映されているというのだ。納得。である。
 
 さて心地よい歌が何曲も流れてくるのは嬉しいし楽しいのだが、知っている曲は僅か2~3曲。そこが日本人の悲しいところである。またストーリーがおおまかで、ダリダの事実関係を追いかけているだけなので、余り深みを感じず共感も得られなかった。ただただ彼女は男好きで、とっかえひっかえいつも周りに恋人がひっついていないと淋しくて死にそうだ、というイメージしか残らなかったのが非常に残念である。

 サブタイトルの「あまい囁き」とは、あのアラン・ドロンとのデュエット曲であり、彼との浮いた噂もあったのだが、なぜか映画の中では、ドロンと接するシーンは一度も無かった。ダリダを演じたのはイタリア女優のスベバ・アルビティで、ダリダに似せるため鼻や歯を整形したらしい。その努力は認めたいが、あれだけ濡れ場があっても、ほとんどヌードを披露しなかったのは、女優魂の欠如だろうか。


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2021年3月12日 (金)

ザ・ファブル

★★★★

製作:2019年 日本 上映時間:123分 監督:江口カン

 いゃー実に面白い!。岡田准一扮するところの超・凄腕の殺し屋ファブルのお話だ。ファブルこと佐藤を子供の頃から殺し屋に育て上げたのは、佐藤浩市扮するボスである。ボスは佐藤を殺し屋として育ててしまった責任からか、佐藤に1年間だけ普通の生活をすることを命じる。もしその間に人を殺せば、今度はボスが佐藤を殺すと言うのである。

 人を殺せない殺し屋ファブルというハンディを抱えた佐藤。だがどうしても助けなければならない人のために、彼はハンディを抱えたまま、命がけの救出劇に突入する。
 それにしても邦画とは思えないスピード感溢れるアクションと、テンポ良く「ぞくぞくわくわく」するストーリー展開は素晴らしかったな。また出演者も岡田准一、佐藤浩市のほか福士蒼汰、柳楽優弥、向井理とかなり充実しているではないか。

 ただ本作の原作が人気コミックだったとは知らなかったな・・・。それにしてもファブルの超人的な動きと戦闘能力を見ていたら、白土三平原作の忍者漫画『カムイ伝』を思い出してしまった。ファブルがカムイで、ボスが師匠の赤目、そして相棒のヨウコがサエサ、といったところか。ぜひ続編を創ってもらいたいものである。と思ったら、すでにシリーズ化が決定しているらしい。

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2021年3月10日 (水)

時空棋士

著者:新井政彦

 奨励会三段の棋士中島遼平が、時空を超えて幕末にタイムスリップしてしまう。彼は茶屋で仕事をしながらも、将棋の真剣師と対戦して連戦連勝を続け、とうとう伝説の棋士・天野宗歩の若かりし時代の天野留次郎と対局することになる。というなんとなく想像できそうなタイムスリップストーリーであるが、そのテーマが将棋だというところが斬新なのである。

 江戸の町並みや風俗に関しては、かなり丁寧に調査した跡がみられ、読みやすいし、きよとの淡い恋もなかなか楽しめる。ただ棋譜とその解説の部分が異常に長く、将棋を知らない読者は完全に置いてけぼり状態。将棋を良く知っている私も、最初のうちは棋譜とその解説部分を丁寧に読んでいたものの、だんだん面倒臭くなり棋譜部分はカットして読むようになってしまったくらいだ。
 
 この棋譜部分が特徴と言えばそれまでだが、本作は将棋本では無いのだから、棋譜部分はもっと簡略化したほうが良かったのでは無いだろうか。そのあたりの考え方は過去に大ヒットしたマンガの『ヒカルの碁』を参考にされたい。
 またすぐ天野宗歩を登場させるのではなく、もう少しストーリーに幅を持たせた方が良かったのではないだろうか。さらにラストにどんでん返しや、過去との繋がりを示唆するような何かを用意しなかったのも味気なかったね。

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2021年3月 8日 (月)

8番目の男

★★★☆
製作:2018年 韓国 上映時間:114分 監督:ホン・スンワン

 2008年に韓国で導入された国民参与裁判制度(陪審員制)をテーマにした法廷サスペンス。タイトルの『8番目男』の意味は、8人制の陪審員で、連絡が付かずギリギリ陪審員に滑り込んだ青年のことである。

 彼は発明家なのだが破産寸前にもめげず、執拗に特許申請をしている明るく人柄の良さそうな好青年である。ただかなりこだわりが強く納得できないものは、安易に認めることが出来ない性格なのだ。そして本裁判を担当する裁判長も、なんと彼と同様にいい加減なところで納得することができない潔癖女性であった。
 この二人の発する周波のようなものが、簡単に終決するはずだった裁判を難解な方向へとねじ曲げてゆく。そしてラストは想像もしなかった結末へと進展してゆくのだ。

 控え室で陪審員同士が持論を展開するシーンは、なんとなく邦画の『12人の優しい日本人』と似ているのだが、まさかパクリじゃないだろうね。まあ本作は撮影場所が1か所では無く、あちこち移動してゆくので、部分的なオマージュなのかもしれない。
 ただプロである検察側は、控え室で素人の陪審員たちが証拠資料を見ただけで、判決がひっくり返る程度の捜査しかしていないのだろうか、と疑問が出てしまうところが残念である。

 さて「法は人を罰しないためにある」「疑わしきは被告人の利益に」という刑事訴訟法の原則を遵守する姿勢はご立派で感動的なのだが、それなら今頃になってこねくり回す大昔の「徴用工」や「慰安婦」に対する賠償判決は一体何なのだろうか。
 

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2021年3月 6日 (土)

アイ・オリジンズ

★★★☆

製作:2015年 米国 上映時間:105分 監督:マイク・ケイヒル

 大学院で瞳の研究をしているイアンが主人公。彼はある日仮装パーティーで、仮面の奥の瞳に惹かれて謎の女性・ソフィと、なんとトイレで同衾してしまうのである。その後も彼女のことが忘れられず、研究は助手のカレンに任せきりで、瞳だけを頼りに彼女を捜し回るのだった。
 そして奇跡的に地下鉄の中で彼女を見つけて愛し合い、結婚することになるのだが・・・。ある悲劇が二人を襲い、彼女は帰らぬ人となってしまう。

 数年後イアンは、インドにソフィと同じ瞳をした少女が存在していることを発見し、単身インドに向かうのであった。科学的には指紋同様、同じ瞳の人間は存在しないはずなのだが、なぜ同じ瞳の少女が見つかったのだろうか。
 本作は神や魂の存在を科学的に証明しようという物語のようだ。「光を知らないミミズにとって光を知る事は、人間にとって神の世界の存在を知る事と同義である」という解釈。そしてデジャブのような現象が再現される、という輪廻転生の観念。本作はこれらのテーマを示唆する様なSF映画であり、なかなか興味深い感覚を味わうことができた。

 それにしても、保護者不在の少女を、ホテルの部屋に連れ込むのは如何なものか。先生に電話連絡したのだから、せめて先生が来るまで待てなかったのだろうか。そしてエレベーター前で少女が泣きじゃくる問題のシーンだが、これをソフィの記憶と考えるのか、もっと主人公と一緒に食事を楽しみたかったから泣いたのか、どちらにでも解釈できる配慮が実に心憎い。ただ欲を言えばもう一歩深みにはまった描写も欲しかったよね。


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2021年3月 4日 (木)

ミストレス・アメリカ

★★★
製作:2015年 米国 上映時間:84分 監督:ノア・バームバック

 退屈な毎日にうんざりしていた女子大生トレイシーがニューヨークで逢ったのは、母親が再婚する相手の娘ブルックだった。トレイシーは、10歳以上年上のブルックの奔放な生き様に憧れて、それを小説の題材として使うことにする。そして二人は意気投合し、トレイシーは子供の皮を少しずつ脱皮して成長してゆくのだが・・・。
 
 一応コメディーということなのだが、笑える場面は殆どないばかりか、ストーリーがあるのか無いのか不明なままどんどん進行して、やっとさてこれからどうなる、と思った途端にジ・エンドとは一体何を見せたかったのか分からない。ネットでの評点が高いので若者たちの共感を得たのかもしれないが、おじさんにはいまひとつの作品だった。


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2021年3月 1日 (月)

架空OL日記

★★★☆
製作:2020年 日本 上映時間:100分 監督:住田崇

 お笑い芸人バカリズムが女子行員に成りすまして、2006年から3年に亘って掲載したブログが原作である。ということで、最初からずっと女装したバカリズムが、真面目な顔して女子行員を演じていた理由が解明された。
 そしてラストの落ちで、結局これは『バカリズムの妄想・架空によるお話』なのだと言いたいのかもしれない。ただこんなややこしいことをしなくとも、はじめからバカリズムが女子行員役を演じなかった方がすっきりしたのではないだろうか。私には最初から最後までバカリズムの女装がうざくて堪らなかったもの・・・。

 それにしても男のバカリズムが、よくもあれだけOLたちの日常を丁寧かつ克明に調べたものである。たぶん身近に銀行勤めOLの知り合いがいたのであろう。なお本作は2017年にTV放映されているらしいが、TVドラマとしては絶好のネタであるが、わざわざ1800円支払って映画館まで足を運ぶほどの作品ではないような気がする。

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2021年2月23日 (火)

工作 黒金星と呼ばれた男

★★★★

製作:2018年 韓国 上映時間:137分 監督:ユン・ジョンビン

 1992年の実話である。北朝鮮の核開発をめぐり南北の緊張が高まる中、その実態を探る任務を帯びたパク・ソギョンは、コードネーム黒金星という工作員として北朝鮮に潜入する。そしてなんと金正日総書記と対面するのであるが、そこまでの信頼を得るために3年間に亘り事業家に扮して、北朝鮮の窓口であるリ所長と交渉を重ねてゆくのだった。

 いまひとつ難しくて、話の展開や映像がよく理解出来なかったのだが、決してつまらない映画ではない。北朝鮮の風景や建物など、そして金正日のそっくりさんや、怖いほどの厳重警戒などなど、製作費と製作意欲の重さをどっしりと感じた。
 ときどき拳銃が登場するものの、アクションは一切ゼロというスパイ映画である。ただ二重三重に敷きつめられた非常に厳格な北朝鮮のチェック体制に緊張感が漂うばかりだ。私が主人公ならおしっこを漏らし立てしまいそう。また韓国の大統領選挙をめぐる祖国と北朝鮮の裏取引にも驚かされた。

 暗くて重厚で難解な映画であったが、最後に同民族である北と南の友情を垣間見て、ぐっと目頭が熱くなってしまった。もしこれがアメリカ映画だったらアカデミー賞を受賞したに違いない。

評:蔵研人

 

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2021年2月20日 (土)

プリズム

著者:貫井徳郎

 小学校の女性教師殺人事件がテーマになっているミステリーである。殺害されたのは美貌の新人教師山浦美津子で、凶器は彼女の家にあったアンティーク時計。従ってこの時計が落下した不運な事故とも考えられるが、窓がガラス切りで外されたうえ、睡眠薬入りのチョコレートが発見されてしまい、他殺の線が濃くなってきたのである。

 本作は1.虚飾の仮面 2.仮面の裏側 3.裏側の感情 4.感情の虚飾 の4部構成となっており、第一部は被害者の教え子である小宮山真司ほか4名の小学生が探偵役を務め、被害者の同僚で恋敵の桜井先生が犯人だと結論付ける。
 ところが第2部では、その桜井先生が探偵役となり、犯人捜しをするのである。なんだ彼女は犯人ではなかったのか。そして何人かの怪しい人物が浮かび上がるが、結局は元恋人で医師の井筒が犯人と断定する。

 第3部に突入するが、井筒は犯人ではなく、今度は井筒が新犯人捜しの探偵役となる。そしてやっとたどり着いたのが、冒頭で探偵役をこなした小宮山真司の父親で、被害者の不倫相手だった。やっとこれで決着し、第1部に結局ループしてゆくのかな…。
 と思いきや、第4部ではその小宮山が探偵役となって、またまた犯人捜しをはじめるのだ。それでは一体誰が犯人なのだろうか。そして小宮山が行き着いた結論は、余りにも恐ろしい結論であった…。

 だが結局のところ犯人は想像だけの存在であり、含みを残しながらも曖昧なまま終劇となってしまう。どうもこれらのストーリー形式は、英国のミステリー作家アントニイ・バークリーが1929年に著した『毒入りチョコレート事件』を参考にしたようだ。
 結局本作は犯人捜しのミステリーを装いながら、被害者山浦美津子の多面性をじっくりと描くことが主眼だったのだろうか。彼女は生徒たちの視点からは、はつらつとして子供たちの立場で考えてくれる信頼できる存在だが、恋敵の同僚の視点は自由奔放で身勝手な女に映っている。
 また元恋人にとっては、女王様のような我儘な存在なのだが、忘れられない魅力的な存在でもあった。ところが年長の不倫相手には、孤独な女性に映ったようである。

 その不倫相手の小宮山から見た美津子については、次のような記述がある。
 美津子は私が思っているような女性ではなかった。堅すぎず、かといって軽薄にはならず、適度に抑制があり、適度に奔放だった。
 美津子のお喋りは、手綱を解き放たれた駿馬のようにあちこちに飛んだ。音楽や絵画鑑賞など趣味の話かと思えば、若い女性らしくファッションや食事の話になる。そしてそこから派生していきなり哲学を論じたかと思えば、なぜか医学用語にも精通していたりする。私にとってそれは、目まぐるしく姿を変える万華鏡か、あるいは様々な光を乱舞させるプリズムのようだった。話をすればするほど、私の目に彼女は謎めいて映じた。

 これでタイトルの『プリズム』の意味が理解できたはずである。とにかくこうした異色作品も読めるのだから、ミステリーの奥深さをつくづく感じてしまった。

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2021年2月17日 (水)

バレンタインデー

★★★☆
製作:2010年 米国 上映時間:117分 監督:ゲイリー・マーシャル

 バレンタインデーと言えば、女の子が好きな男の子にチョコレートを贈る日ということになっているが、それは日本だけの話で神戸のチョコレート屋の戦略が大当たりして、いまだに習慣として残っている嘘の伝統である。
 正式には聖バレンタインデー(セイントバレンタインデー)と言い、毎年2月14日に世界各地で「恋人たちの日」として祝われており、恋人や夫婦がお互いの愛を確かめ合う日なのである。そして男性から女性にバラの花束などをプレゼントする。だから日本を除いた世界中の花屋が、一年中で一番忙しい日と言えるかもしれない。

 本作は数カップルの恋の行方を描いたオムニバス風味の群像劇で、登場人物も多彩であり、かなり豪華なキャスティングで構成されている。なんとなく『ラブアクチュアリー』と似ているよね。また米国のラブコメなので完全ハッピーエンド仕立てだから、安心して最後までゆったりと楽しめる作品である。まさにバレンタインデーに彼女と一緒に観るのは如何かな・・・。ここで細かいあらすじを書いても無意味。とにかく観てのお楽しみである。
 

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2021年2月14日 (日)

こどもしょくどう

著者:ひろはたえりこ

 映画『こどもしょくどう』の完全ノベライズである。
 車の中で寝泊まりし、行方不明の親を待ち続ける少女姉妹たち。そんな二人に、おずおずと手を差し伸べる少年。豊かに見える日本社会のひずみを受け、満足に食事をとることのできない子どもたちもいるのである。

 大きな文字でかつ138頁の児童向け書籍なので、遅読の私でも1時間足らずで読破してしまった。映画のほうは観ていないが、近いうちに是非レンタルしてみたい。

評:蔵研人

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2021年2月10日 (水)

天気の子

★★★☆
製作:2019年 日本 上映時間:114分 監督:新海誠

 2016年に大ヒットしたアニメ『君の名は。』に続く新海誠監督による劇場用アニメであり、興行収入も『君の名は。』同様100億円の大台を突破している。映像も前作同様CGを駆使した超精密かつ美麗な背景と「アルプスの少女ハイジ」のような線の細い二次元アニメとの組み合わせだ。

 ストーリーのほうも、やはり前作同様荒唐無稽なマンガチックな展開なのだが、『天気を左右できる少女』という魔女めいたアイデアはなかなか斬新である。ただ少女がその能力を得た原因が「死ぬ間際の母と、もう一度晴天の空の下を歩きたいと願った」ことだというのが、余り説得力がなさ過ぎるよね。また少女たちが「空を飛ぶ」のや、3年間も雨が降り続いているのもやり過ぎのような気がする。さらに警察がだらしなさ過ぎるのもなんだかなぁ・・・。まあマンガだからと言えばそれまでだけどね。

 決してつまらない作品ではないし、それなりに面白く鑑賞したのだが、今ひとつ心に響くものが見つからなかった。また終盤にどんでん返しもなく、あっさり予定調和というのも工夫が無さ過ぎる。やはり前作の『君の名は。』には遠く及ばなかったな・・・。

作:蔵研人

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2021年2月 7日 (日)

飛ぶ夢をしばらく見ない

著者:山田太一

 奇妙なタイトルだが、「空を飛ぶ夢」というのは、青春真っ最中と言うことで、男女二人で飛ぶ場合は恋愛かつセックスの比喩だというらしい。ということで、本書の中身もエロチックで奇妙な展開が続くのだろう。

 田浦が初めて病院で逢ったときの睦子は67歳の老女だったのだが、なんと退院後は逢うたびに若返ってゆく。2度目に逢ったときは40代の女盛り、3度目は20代半ばの美女、4度目は悪戯っぽい18歳位の少女、そして最後は5歳の幼女として田浦の前に現れるのである。
 まさに女性版『ベンジャミンバトン』なのだが、本作の方が先に発表されているのでパクリではない。ただ『ベンジャミンバトン』の下敷きになったのが、1922年に書かれたF・スコット・フィッツジェラルドによる短編小説なので、そちらを参考にしたかどうかは著者に聞かないと分からない。

 36年前の作品なのだが、全く色褪せていない。本作の主人公田浦修司は、建設会社の営業部次長で妻子のある働き盛りの男性である。ただどうした弾みで精神を病んだのかは説明されていないが、寿司屋の二階から飛び降りて骨折して入院する。そしてそこで自殺未遂で骨折した睦子という謎の女と遭遇するのであるが、エロチックでかつ謎めいた序段はなかなか秀逸であった。

 本作は時間を逆行して生きる女性がヒロインなので、ある種のタイムトラベルファンタジーとも考えられるのだが、かなりきわどい性描写が多いのでエロ小説の趣も備えている。またある意味で、異常世界と精神異常と狂気の漂う純文学と言えなくもないし、当時50歳だった著者の「初老人の恋愛願望」かもしれない。
 いずれにせよ、最初から最後まで目の離せない興味深い小説であることは間違いないだろう。ただ拳銃を携えて映画館で強盗事件を起こす下りは、全く必然性もなく馴染めなかった。またラストも予想の範囲内で、特に目を見張る展開がなかったのも味気なかったね。
 さて余談であるが、本作は1990年に細川俊之、石田えり主演で映画化されているようなので、機会があればそちらも鑑賞してみたいものである。

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2021年2月 3日 (水)

記憶屋 あなたを忘れない

★★★
製作:2020年 日本 上映時間:105分 監督:平川雄一朗

 原作はロンドン生まれの織守きょうやの小説『記憶屋』で、すでにシリーズで50万部以上を突破しているという。またその『記憶屋』は2015年に第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しているので、全然怖くないのだが一応ジャンルとしてはホラーということになるのだろうか。

 主人公の大学生・吉森遼一(山田涼介)は恋人・澤田杏子にプロポーズするのだが、その翌日から急に連絡が取れなくなってしまう。数日後に駅で彼女を見かけて声をかけるのだが、彼女は遼一のことを全く覚えていなかった。その後遼一は、都市伝説になっている記憶を消せる「記憶屋」の存在を知る。そして幼馴染の河合真希(芳根京子)や先輩の高原智秋(佐々木蔵之介)らと一緒に、なぜ杏子が記憶を失ってしまったのかを追跡調査することになる。

 そんなくだりでストーリーがはじまり、過去のフラッシュバックシーンを交えながら、こつこつと地味な調査が始まるのである。原作を読んでいないので小説との比較はできないのだが、映画のほうはいまひとつパッとしなかった。記憶を消すシーンもないし、記憶を消されるのは性被害に遭った女性ばかりで深みがない、また先輩の弁護士が本件にばかり関わっていて暇すぎるのも現実離れしている。結局は記憶屋の正体解明だけに焦点が絞られるのだが、途中でなんとなく分かってしまうし、記憶屋になった理由がかなり陳腐なので共感を得られない。

 とにかくこうしたファンタジック系あるいはSF系の作品は、もともとの設定が荒唐無稽なので、それをいかに現実的に見せるかが勝負なのである。ところが本作にはストーリー展開にも映像的にも、ほとんどその努力が込められていないのだ。そのあたりの配慮がなさ過ぎるので駄作とまでは言わないが、観ても観なくてもどちらでもよい程度の映画で終わっているのが残念である。


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2021年1月31日 (日)

1日10分のしあわせ

 NHK国際放送が選んだ日本の名作シリーズで、いくつかの短編をまとめた文庫本である。いまのところ本作のほかに『1日10分のごほうび』と『1日10分のぜいたく』の三冊が出版されていて、シリーズ累計で25万部を突破しているという。
 本書はわずか167頁の薄い本の中に、10作の短編が詰め込まれているため、1作平均約17頁という超短編集であり、まさに1日1作読めば10分程度で読み切ってしまうだろう。作者は8名で以下のような構成になっている。

 朝井リョウ 『清水課長の二重線』
 石田衣良  『旅する本』
 小川洋子  『愛されすぎた白鳥』
 角田光代  『鍋セット』
 坂木司   『迷子』、『物件案内』
 重松清   『バスに乗って』
 東直子   『マッサージ』、『日記』
 宮下奈都  『アンデスの声』

 全て駄作はなく、皆しっかりと読書を楽しむことはできたが、その中でも特に味わい深かった作品は以下の通りである。もちろん私自身の独断であり趣味の問題なので、決して他の作品がつまらないというわけではないので念のため。

 『鍋セット』、『迷子』、『バスに乗って』、『マッサージ』、『アンデスの声』で、いずれも家族愛がいろいろな角度から描かれており、読了後には、じんわりとしたような感動に包まれてしまった。

評:蔵研人

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